Culture: 2004年11月アーカイブ
帰国翌日が無敵会議でへろへろでしたが、中国、北京から無事帰国しました。中国のMITと呼ばれる清華大学で中日シンポジウムに参加したり、企業の研究所を訪問したりが目的でしたが、もちろん毎日の中華料理に舌鼓を打ったり、休日はさらに奥地へ足を伸ばしたりもしてきました。ホテルからブロードバンド接続ができたのですが、旅程がタイトで結局、現地更新はできませんでした。
天安門広場は50万人の集会ができる。警備厳しい。
故宮(紫禁城)。ラストエンペラーそのまま!
中国に行く前に私は旅行中、見聞きしたものをヒントに中国向けのベンチャービジネスを50個考えることを目標にしました。ですが、現地では想像以上に多忙で、結局、3つだけ絞って考えてみました。
1 中古市場の流通ビジネス
現地の日本企業の研究所の偉い方から面白い話を聞きました。中国の携帯は3億台と言われていますが、日本とは流通が異なります。日本では一度キャリアがメーカーから買い上げる形で販売されますが、中国ではメーカーが直接消費者に売っているのだそうです。最新の携帯電話は日本円で6万円くらい。物価の安い中国ですから、感覚的には数十万円に相当する金額です。もちろん、こんな高額の最新携帯が3億台も売れるわけはなく、最新式を買うのは都市部のトップエリートで高額所得者だけだそうです。しかし、携帯電話には中古市場が発達しており、トップが買い換えるとその端末は中古に流れていく。こうして一般庶民も多機能携帯を入手していくわけです。中国の人民解放軍の若い兵士たちも、観光地でカメラつき携帯でパシャパシャ写真を撮っていました。
北京市内では何度もオークションサイトeBayの広告をしているバスを目にしました。今回の旅行では都市と地方と両方を見ることができましたが、予備知識どおりの経済格差、貧富の差を感じました。この差を解消するのは中古市場であるかもしれません。都市部の少数エリートの高額商品の消費だけでは、内需拡大に限界があるでしょう。農村部の消費促進にも、中古市場の流通を促進するビジネスは意味がありそうです。
2 日本企業現地法人への転職仲介サイト
日本のゲーム開発企業コミュニティエンジン社の、北京支社の皆さんには現地で大変お世話になりました。ちょうど昨日の無敵会議では日本の社長の中嶋さんともゆっくり話せました。日本企業が現地で募集を出すと大変なことになるそうです。毎日、何百の履歴書が送られてくるそうですが、大半はハッタリで、履歴書に書いてある能力や資格が信用できないのが問題だとのこと。似た話は現地の研究所でも聞きました。
関係重視の中国では転職にも信頼できる人の紹介がないと、人材確保を安定して行うのは難しそうでした。ですから、直接の関係を持たない日本企業に、それを支援する転職情報サイトを展開するのは効果がありそうです。中国人のハッタリを見抜ける感性や現地での関係を持っている人、数人がいれば即開業できそうですね。もうあるのかな。
清華大学は中国の理系のトップ大学。北京大学を抜いて全国ランキング1位。4キロ×2キロの広大なキャンパス。
3 価格情報の交換コミュニティサイト(観光客向け)
中国では大きな店舗やデパート以外、値札がない店が多かったです。特に外国人観光客はふっかけられます。10倍程度のふっかけは当たり前にあります。250元のヒョウタンを値切っていったら2元になった人もいました。英語はまず通じませんから値切るのは結構、面倒でもあります。物の値段が不透明なのは、一時的に店が利益をあげることができても、全体としては観光消費を押さえ込んでしまっていることは間違いないのではないでしょうか。
2008年のオリンピックや2010年の万博ではものすごい数の観光客が中国を訪問することでしょう。彼らにこの店では何がいくらで買えたという情報を、交換させるコミュニティなどがあると、人気を呼びそうだと思いました。
さっぱり値段の分からない屋台。
料理がうますぎるわけです。そして安い。とにかく安い。料理はメニューに値段があるから安心です。
今回は最終回の一つ前ということで楽屋ネタを中心に構成してみました。過去の11回の会議をひとつずつ振り返り、簡単にレビューしてみました。過去の会議の名前、テーマ、参加人数は以下の通りでした。
12月 忘年会議 究極のWebサイト 120人
1月 超本格会議 究極の一冊 60人
2月 愉快議 面白さとは? 60人
3月 井戸端会議 インタラクション 30人
4月 帰ってきたアクセス向上委員会議 人気サイトの作り方 120人
5月 おしゃれ会議 インタフェース 60人
6月 ドットコム会議 究極のドットコム 120人
7月 起業会議 ベンチャー起業 120人
8月 RE:会議 メールの使い方 120人
9月 便利かい?議 便利とは? 70人
10月 検索会議 検索とは? 120人
そして、今回、
11月 会議×会議 究極の会議の秘訣 120人
ついに年間の参加者数が延べ1000人を突破しました。
主宰の二人は毎月、会議の企画と実行のマラソン状態で1年を過ごしました。
このマラソンも40キロ地点を回ろうとしているところで、過去のイベント運営からノウハウを抽出して、今日はお話してみました。それは、二人で、この会議イベントを作るための会議のノウハウでした。これは文字通り「会議のための会議」ですね。
ほとんどはMSNメッセンジャーでチャットを使っての打ち合わせでした。先日、メッセンジャーを使っていたら、ログが大きすぎるので別ファイルとして保存してくださいという旨の珍しい勧告メッセージが表示されました。
ログを調べたところ5月から10月の5ヶ月間で、7324行のチャットを行っていたことがわかりました。第一回からのログの総量を推測すると、恐らく1万5千回の会話をしたことになります。
ある程度、チャットで話がまとまると渋谷エクセルホテルの25Fレストランで朝7時から早朝会議をやっていました。早朝だと決定事項をビシバシ決めやすいからです。そして、最終調整もまたチャットで決定。3週間前にプランニングを開始して、1週間前に告知するペースでやってきました。
主宰が二人だからできたことは多かったなあと思いました。今日の会議では私の視点から見た会議のための会議から、キーワードを3つ抽出してプレゼンしてみました。それが以下のファイルです。
今日はその後、田口さんの視点での会議運営ノウハウがたっぷり語られました。両者の視点で何が肝要なのか、立体的に見せられたか、混乱させてしまったか、よく分からないのですが、無敵会議が来月で終了してからも、Mixi版無敵会議のような、発展イベントを企画されている方のお役に立てればなあと思いました。
・無敵会議にヒントを得たMixi版無敵会議
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0408/23/news032.html
余談:たまたまMixi版を企画したふぁるさんが出席されていて「橋本さん、真似したことで怒ってらっしゃいますよねえ?」と言われていたのですが、それはまるっきり勘違いで、こうした発展があったことは大喜びでした。ふぁるさんからそういえば頂いていた開催メールに返事を直接返さなかったのは田口さんが「既に返事しておきました」と聞いていたからです。無敵会議本体は来月で終了なので、Mixi版を2回、3回とぜひ続けてください!応援しています。いやあ、誤解って怖いですね。
ITmediaニュース:「mixi依存症なんです」――ソーシャルネットで人生が変わった26歳女性
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0408/31/news049.html
その後、最先端の会議ツールとしてeXtreme Meetingという開発プロジェクトの寺岡さんにプレゼンをお願いしました。議事録作成をベースにした会議支援アプリケーションです。過去に一度、このブログで紹介していますのでこちらを参照ください。200回の実際の会議で利用しながら、上手な会議運営を補佐する機能が満載でした。
・Passion For The Future: 未踏プロジェクト中間報告会@京都で気になったプロジェクトたち
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002468.html
以前の記事で私は「テンプレートを埋めるような会議なんてダメな会議ではないの?」と書いてしまったのですが、イベントの後、開発メンバーから「無敵会議こそテンプレートを使って発想を引き出す典型じゃないですか?」と指摘されていました。いやあ、その通りです。制約を課すことで発想は拡がるものなんだなと思いました。eXtreme Meetingはまだアプリケーションが公開されていませんが、ぜひともフリーソフトとしてダウンロード可能にしてほしいなと思っています。
そして全員参加の会議セッション。今日のお題は少し長いストーリー。
「
「まさか史上最短で一部上場を果たせるとは・・・」、六本木のハイテクタワー最上階にある社長室であなたはつぶやいた。
きっかけは今や伝説となった異業種交流イベントの無敵会議。その無敵会議であなたがふと口にしたアイデアから大ヒット商品を生み出せたのだ。
あなたが発案したのは「新発想会議机」。このおかげで「会議=時間の無駄」が「会議=誰もが先をあらそってアイデアを出し合う場」にすっかり様変わりした。この新発想会議机、いまでは上場企業において70%強の導入を達成し、そのおかげであなたの会社も2006年に設立2年で一部上場することができた。
さてあなたが発案した新発想会議机について以下のことを教えてください。
新発想会議机の概要:
会議特有の問題である( )を、従来までの普通の机に( )の機能を付け加え、会議に参加している人が( )できるようにすることによって解決した会議専用机。
その名も、( )。
以下にその新発想会議机を具体的に図解してください:
」
最優秀作は「コストメーター」。会議の参加者の会議コストをタクシーメーターのように机上に表示するという装置でした。年収で時間級を計算すれば、これは簡単に実現できそうです。また、メーターが上がるたびに金額に応じた札束が下へ落ちる演出機能も考案されていて、コストを意識した効率的な会議ができそうでした。
ほかにも今回、たくさんの充実したアイデアが出ていました。他のブロッガーの報告記事からのトラックバックを待ちます。
無敵の会議とは何かを探る
11回目の無敵会議のテーマは会議そのものです。
創造的で生産性の高い会議をする秘訣を考えます。
私たちは毎月「ビジネスマンと生活者を発想力で無敵化する」をコンセプトに無敵会議イベントを開催してきました。昨年度の忘年会として草の根的に始まった、このシリーズも、おかげさまで年間動員数は1000人を超え、有名な企業スポンサーや豪華ゲスト陣、メディアの皆様にご協力いただけるようになりました。過去の会議では合計数千件のユニークな発想が生まれてきました。
この会議での発想を活かして、本当にビジネスを立ち上げた人、考え方が変わりました!という人、就職が決まりましたという人。主宰者としてこの上ない喜びの内容を報告していただくメールも頂いています。
でも、始まりがあれば終わりがあります。無敵会議は12月の忘年会議で最終回にすると、私たちは最初から決めていました。常に新しいやり方へのチャレンジが、無敵会議のメッセージですから、私たちも成功したからといって同じやり方に固執していてはいけないと思ったのです。
最終回のひとつ前に、私たちが培った会議イベントのノウハウを皆さんにお伝えして、一緒に無敵の会議とは何かを考える機会を作ろうと考えました。過去の無敵会議から学んだノウハウを主なネタに、会議を支援するツールやインタラクションの設計術を考えます。
参加者の皆さんの、現場の会議の生産性を200%向上させることが今回の目標です。
会議ですから全員参加です。いつもどおり、参加にあたっては投稿をお願いします。でも、今までとは少し違います。過去の会議では私たちの質問に対する答えを投稿していただきました。今回に限っては、皆さんが主宰の二人に対して質問をしてください。
■実施要綱
日付 2004/11/24 (水) 19:40-22:00 (19:30開場)
場所 デジハリ東京本校(御茶ノ水校)(地図)
〒101-0062 千代田区神田駿河台2-3 DH2001 Bldg. tel:0120-386-810
費用 3,000円(税込、当日現金払)
定員 限定70名(先着順)
協賛 デジハリ
備考 全員参加の会議を行います。筆記用具を必ずお持ちください。
お申し込みはこちら:
http://www.muteki-kaigi.com/event/
■プログラム:
第1部 無敵会議のコツ ベスト10
過去の無敵会議を主宰のふたりが振り返ります。効果的な質問の投げ方、スムーズな会議の運営方法、場の雰囲気の形成術など学んだノウハウをお話します。
第2部 会議のノウハウとツール大集合
無敵会議から離れて一般の会議全般について話題を拡大します。会議を支援する先端技術や強力ノウハウについて主宰のふたりがパネルディスカッションします。
第3部 無敵の会議を発想する
個人とグループで世界初、世界最強の会議手法を発明してみましょう。
#今回は楽屋裏ネタ主体でのんびりいきます。
#過去の参加者の皆さんに特に参加していただきたい会です。