Books-Trivia: 2013年1月アーカイブ
片道2時間の電車通勤を30年間続けた「電車通勤士」による電車通勤の作法。
「なにかと試練の多い電車通勤が少しでも楽になれば、日本の「総ストレス量」は随分と減るはずです。では、快適な電車通勤を実現させるにはどうしたらいいのでしょう? その答は、武道の理念に通じます。大袈裟と思うかもしれませんが、そんなことはありません。合理的に体を運用して「柔よく剛を制する」のです。」
正しい車両選び、列の待ち方、スマートな着席法、眠り方、ボックスシートの作法、立ち位置、ICカードの正しいタッチの仕方など、電車のあらゆるシーンにおけるノウハウや推奨マナーがまとめられている。
知らなかったのは電車内の上座と下座。ロングシートの場合、2人がけシートの場合、ボックスシートの場合と、身分に応じた席次がそれぞれ解説されている。進行方向、窓際が上位なのはわかるが、それ以外の2位、3位、4位の順ははじめて知った。
この著者の片道2時間というのはちょっと長いが、日本には1時間以上の電車通勤を30年間続けたビジネスマンなら数百万人はいるだろう。よく考えるとすごいことだ。昔の武士より数が多いはずだ。武士道なみに電車通勤道も日本文化として確立されていってもよいはず。
この本が説く作法は、自分だけが席を確保するとか、楽をするというものではなく、互いの思いやりマナー的な要素が強い。こうした電車通勤の作法は学校などでも教えるとよいと思うなあ。
・通勤電車で寝てはいけない!―通勤電車と成功の不思議な法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/06/post-399.html
・通勤電車で座る技術!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003233.html