Books-Trivia: 2011年12月アーカイブ
『駅伝がマラソンをダメにした』(2005)を書いたスポーツライターによる最新の箱根駅伝論。私は毎年往路も復路も沿道応援している。ファンは観戦前に読んでおくべき本。
箱根駅伝は10区もあるので何より区間配置が重要である。かつては花の二区が肝であったが、最近は距離が延びた山登りの五区の区間順位と往路の成績に強い関連性があるそうだ。これにより王道だった往路一区二区でリードする「先行投資型」以外の戦術をとるチームが増えてきているという。
監督たちは区間配置に戦術を練る。スピードがあって競り合いに強くて派手な「往路キャラ」、距離が延びてこそ味が出る地道で自分ペースの上級生「復路キャラ」なんていう考え方があるらしい。早稲田大学の渡辺監督、東洋大学の酒井監督、駒澤大学の大八木監督にロングインタヴューが収録されていて、今年の監督たちの思惑がわかって楽しい。渡辺監督ちょっと戦術を喋りすぎじゃないかと思うが、実はブラフかな...。
箱根駅伝は大学受験の出願期間に近く、新興校にとって大学としての宣伝効果が抜群なため、監督のプレッシャーは重いそうだ。勝ち始めると高校から優秀な選手が来なくなる、とか、日本人が強くなり留学生の存在感が薄れてきた、エースは養成できるものではない、なんていう現場の事情や本音も聞ける。駅伝はかなり長丁場なので、こういう蘊蓄を知っていると、沿道やテレビ観戦が一層楽しくなる。
なんといっても2012年は東洋大学の「山の神」柏原竜二が最終学年でラストランの年。著者も駅伝史上最強の選手として高く評価している。しかも柏原は福島県出身であるそうだから、来年の走りは気迫のこもったものになるのが間違いない。
・駅伝がマラソンをダメにした
http://www.ringolab.com/note/daiya/2005/12/post-327.html
12月15日発売のファイナルファンタジーXIII-2のプレビュームック。
『XIII(前作)』完全リプレイで、記憶を巻き戻してから、次回作の予習ができる。飽くまで熱心なファン向けの特集本。
XIII-2では前作では序盤でクリスタル化してあまり出番がなかったセラが主人公。あれから3年。ライトニングはセラの記憶の中にだけ生きていて、他の登場人物にとってはなぜか死んだことになっている。時空の歪みを旅して、姉を探すのが今回のゲームの目的。
XIIIとのゲーム上の主な違いは、
1 モンスターを仲間にできる
150種類以上のモンスターを仲間にできる。どうやら従来の攻撃補助の召喚獣にあたる存在はいなくて、ともに戦う味方として、常にごろごろいるということらしい。
2 イベントシーンがすべてリアルタイムレンダリング
新要素としてダウンロード・コンテンツが用意されるが、その衣装やアイテムがイベントシーンにも反映されるとのこと。ダウンロードサービスに有料課金するかどうかは不明だが、リアルタイムレンダリングはビジネスモデルになりうるのだなと、へんな気づきがあった。
3 進行の自由度が高い
前作は一本道であることへの批判が多かったらしく、今回は物語の進む段階ごとに設定されていたプレイヤー能力成長の限界値を撤廃して、好きなように育成できる。物語もタイムトラベルの仕組みによって、選ぶ選択肢で多様なストーリーを体験させるとのこと。
前作同様に小説も出版される。第2話がこのムックに収録されていた。
・小説 ファイナルファンタジーXIII エピソード0 -約束-
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/-xiii-0.html
・ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック(初回生産限定盤) [Limited Edition]
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/05/xiii-limited-edition.html
・ファイナルファンタジーXIII
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/01/2010xiii.html