Books-Trivia: 2010年6月アーカイブ
2010年は柳田國男の遠野物語100周年。
妖怪が得意の水木しげるが漫画化した全119話。古典をわかりやすく漫画で、というのは、杉浦日向子の『百物語』と似たコンセプトといえる、かな。
オシラサマ、河童、山男、山女、など遠野物語の妖怪・怪異譚が、それぞれ数コマから数ページという短編で次々に語られます。わかりにくい言葉には注釈もついているし、文章で読むよりずっとイメージが膨らみます。原点は古くて難しいですからね。
なにより妖怪=水木しげるの画風が最初に思い浮かんでしまう、ゲゲゲの鬼太郎世代にとっては、水木さんが誰よりも適任者だと思いました。
各話は数コマから数ページと短いのですが、水木調のオドロオドロしさが濃密で、決してあっさりしていません。学習・情報系というより、ちゃんとした味わえる作品系です。水木さん自身が、物語に登場するご愛嬌シーンも何度もあります。
それにしても、この百周年祭り、岩手県遠野地方の地域振興として力が入っていて、水木しげるの漫画をもとにしたアニメまで制作しているようです。遠野市立博物館限定で上映している客寄せ効果抜群でしょうね(一般にはそうでもない?)。私は夏休みの旅行で遠野に行ってみたくなっています。
遠野物語百周年
http://tono100.com/tono100/
水木しげるの新作アニメ『水木しげるの遠野物語』が完成!
4月24日リニューアルオープン「遠野市立博物館」にて限定上映開始
http://www.shopro.co.jp/news/100419/index.html
・妖怪談義
http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/07/post-796.html
・遠野物語 森山大道
http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/07/post-600.html
・ゲゲゲの女房
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/post-986.html