Books-Trivia: 2010年4月アーカイブ
平安時代から現代まで振仮名の歴史を振り返るトリビアな新書。
日本語特有の表記法である振り仮名には大きく「読みとしての振仮名」と「表現としての振仮名」の二つがある。「合図」と書いて"あいず"と振るのが前者であるなら、"サイン"と振るのが後者である。
古くは、漢語で書かれた日本書紀にも振仮名が振られていることがわかる。中国語を日本語で読むことが契機となって誕生したものであるらしい。二つの使い方は当初から存在していた。室町時代の頃には左右両振仮名というのもあって、読みと表現の両方を左右に書いた例もある。
表現としての利用が極まった例として、実際にはない漢字をでっちあげて、それに振仮名を振って遊んだ平安時代の嘘字なども紹介されている。実用性だけではなくて、それ自体がかなり饒舌なサポーターとして日本語文化を支えてきた。
明治時代に官権派の「大新聞」は振仮名を振らず、大衆的な読者を対象にした「小新聞」は振っていたという話がある。振仮名があったおかげで、日本の民主化が進んだとさえいえるのかもしれない。
本分を補助する形で微妙なニュアンスを表現でき、漢文や英語のような外国語にも振ることができる。振仮名は考えてみればかなり便利なしろものだ。自由度が高いから使い方は定まらず、しぶとく残ってきた。Webでも振仮名は使えるわけだから、これから新しい形の表現が生まれてくることもあるだろうか。
振仮名についての歴史とマメ知識がいっぱいの本である。学校ではまず習わなかったことばかり。ルビという言葉はダイヤモンド、パール、ルビーのRubyから来ていたというのは初めて知ったなあ。
私の地元「湘南ブランド」を紹介するムック。
豊島屋の鳩サブレー、大船軒の鯵の押寿し、江の島の生シラスなど定番から、最近登場した店まで、食品・洋菓子・和菓子・パン・服飾・インテリア・作家作品など、湘南のニュースタンダード100がカラー写真で説明されている。
冒頭の「あの人が好きな湘南の一品」では、よくまとめ買いしてスタッフに差し入れするという木村太郎の「葉山コロッケ」のほめっぷりが凄い。このコロッケは言ってしまえば普通のコロッケなんだけれども、その昔ながらのコロッケの気取らなさ、温かみがいかに素晴らしいか、普遍的かを、身の回りのエピソードやシーンを挙げて推奨する。また食べたくなってきた。
地元の人間でも知らないブランドがいっぱいあった。ゴールデンウィークに湘南に来る人にもよさそう。
【私のおすすめ編】
湘南育ち何十年の私のおすすめは(1と2はこのムックに掲載されていた)次の5つ。
1 Kibiyaベーカリー
http://r.tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14014244/
私はこのパン屋が世界一うまいと思う。鎌倉へ行くたびに必ず大量に買う。しかし、こんなパンのどこがいいの?と言った人もいた。ここのパンは中身が詰まっていてとにかく固い。クロワッサンまで固い。軟弱なパンが好きな人は、ここのパンが大嫌いみたいだ。あんなにうまいのに。人を選ぶパン。
2 メーカーズシャツ鎌倉
http://www.shirt.co.jp/
10枚くらい持っている。上質のドレスシャツが5000円で買えるのが魅力。どんどん新作が入ってきて商品が入れ替わる。鎌倉本店にはカフェが併設されていて、ゆっくりと選ぶことができる。横浜ランドマークタワーや渋谷のマークシティにも支店はあるが、品ぞろえは本店にはかないません。
3 古久家 藤沢店
http://r.tabelog.com/kanagawa/A1404/A140404/14002904/
藤沢駅前の名店ビル地下にある中華料理屋さんというかラーメン屋さん。老舗中の老舗だがコマーシャルを嫌うようで、メディアにはあまり登場しないが、ラーメンとチャーハンが絶品。学生と年配に人気。
4 十代目 まぐろ問屋 三浦三崎港 江ノ島店
http://r.tabelog.com/kanagawa/A1404/A140403/14004371/
江の島にある回転寿司屋さん。回転としては高級系。江の島なのに「三浦三崎港」というのは変だし、チェーン店ではあるのだが、この江の島店は明らかに素材が新鮮でおいしい。海を見ながら食べる寿司が意外によいのでおすすめ。
5 PICO 江ノ島店
http://r.tabelog.com/kanagawa/A1404/A140403/14006193/
江ノ電の江の島駅近くにあるピザ屋。生シラスやシラスを使ったピザの料理がおすすめ。「釜揚げシラスのオリーブオイル煮」なんかたまりません。「PICOのスープパスタ
ニンニクと赤唐辛子」も。