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鎌倉本

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・鎌倉本
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先日、鎌倉の世界遺産登録の失敗という大きなニュースがあった。同時に申請した富士山は合格したが、その陰で鎌倉はなんと4段階中最低の評価で世界遺産としての価値が、まったくなしと相手にされなかった。世界の鎌倉にはなれなかった。烙印を押された感じである。

http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sekaiisan/documents/bunkacho.pdf

私は隣の市に住んでいるので鎌倉もよく行くのだが、世界遺産不合格問題は、地元の人間にとって驚きだった。鎌倉は人気の観光スポットだから、間違いなく登録されると皆が思っていた。しかし、実際には登録テーマの「武家の古都」としての遺跡や史料がほとんど残っておらず、世界遺産の要件にははるかに遠かった。

だが登録に失敗しても鎌倉の人気はまったく衰えていない。休日の江ノ電には長蛇の列ができるし、小町通りも大仏の前も人が多すぎて歩きにくいくらいだ。狭い場所にたくさんの観光客が訪れているので、世界遺産認定されて、これ以上の来訪が増えたら、受け入れキャパシティを超えてしまうことは明らかだ。地元の世界遺産登録への熱がとても低かったのは、無理に世界遺産に登録する必要はないと考える人が多かったからだと思う。

再申請への動きはゆっくり気長に続ければいい。世界基準に前向きなのはいいことだ。遺跡や文化財の保存にもプラスだろう。だがすぐ合格しなくていい。そもそも日本国内でも申請準備の地域が鎌倉以外にもたくさんある。世界遺産登録の待ち行列、毎年1つずつ認可されても40年以上かかるらしい。鎌倉が不合格のほとぼりが冷めてから、コンセプトを見直して、また通すまでにはどうやっても、長い時間はかかる。

で、私は世界遺産に鎌倉はずーっと登録されない方が良いと思う。永遠に申請中にすればいいと思う。特許申請中みたいなものだ。十分に効力はある。鎌倉は「永遠のベータ」でいいんじゃないと思う論だ。もちろん観光人気が衰えてきたら、本気でねらうわけだが、今のところ、鎌倉は元気であり、世界遺産ネタでテコ入れ救済をする対象ではない。今後も世界遺産なんかいらない街であり続けてほしい。

で、この鎌倉本には鎌倉の楽しさがいっぱい載っている。

この本に出ていないところで私のおすすめはここだな。
http://tabelog.com/kanagawa/A1404/A140402/14000248/
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ゴルフボール大の白玉が絶品の鎌倉の甘味処 雲母きらら。私の白玉史上間違いなく最美味。ゆでたばかりの暖かい白玉のもちもちに感動。花や器でも楽しませる。漬物?とおもった付け合わせがまたよくあう。もはやアートだ、ここ素晴らしい。食後に昆布茶。行列店だが今日は一組待ちで入れた。銭洗弁天近く。ー 場所: 茶房 雲母

・[図解] 電車通勤の作法
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片道2時間の電車通勤を30年間続けた「電車通勤士」による電車通勤の作法。

「なにかと試練の多い電車通勤が少しでも楽になれば、日本の「総ストレス量」は随分と減るはずです。では、快適な電車通勤を実現させるにはどうしたらいいのでしょう? その答は、武道の理念に通じます。大袈裟と思うかもしれませんが、そんなことはありません。合理的に体を運用して「柔よく剛を制する」のです。」

正しい車両選び、列の待ち方、スマートな着席法、眠り方、ボックスシートの作法、立ち位置、ICカードの正しいタッチの仕方など、電車のあらゆるシーンにおけるノウハウや推奨マナーがまとめられている。

知らなかったのは電車内の上座と下座。ロングシートの場合、2人がけシートの場合、ボックスシートの場合と、身分に応じた席次がそれぞれ解説されている。進行方向、窓際が上位なのはわかるが、それ以外の2位、3位、4位の順ははじめて知った。

この著者の片道2時間というのはちょっと長いが、日本には1時間以上の電車通勤を30年間続けたビジネスマンなら数百万人はいるだろう。よく考えるとすごいことだ。昔の武士より数が多いはずだ。武士道なみに電車通勤道も日本文化として確立されていってもよいはず。

この本が説く作法は、自分だけが席を確保するとか、楽をするというものではなく、互いの思いやりマナー的な要素が強い。こうした電車通勤の作法は学校などでも教えるとよいと思うなあ。

・通勤電車で寝てはいけない!―通勤電車と成功の不思議な法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/06/post-399.html

・通勤電車で座る技術!
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003233.html

・ニセモノ食品の正体
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これは衝撃だ。

「ほとんどの人は、自分が普段食べている食品の「正体」を知らない。朝食で食べるうめぼしが、梅エキスを搾り取られた出がらしに、添加物で味を調えた廃棄寸前の梅で出来ていることを。 スーパーに並ぶサイコロステーキが、クズ肉を破砕し添加物の力で油と一緒に融合したものであることを。 ファストフードのシェイクが牛乳や卵や生クリームではなく、水とガムシロップとサラダ油で出来ていることを。」

脂と軟化剤を注入した格安価格の人工霜降り肉、クズ肉を添加物で再結合したサイコロステーキ、大量の脂と調味料を注入したホッケなど、格安居酒屋、ファミリーレストラン、ファストフードで出回っている妙に安い肉や魚はほとんど"ニセモノ"なのだ。

個人的に長年の疑問が氷解したのは、

1 格安店の高級霜降りカルビやサイコロステーキは脂を注射して作っている
2 身が異常に細い定型エビフライは小さいエビを長く伸ばして練り物で固めている
3 コンビニのプリンはゲル化剤で固めたゼリーである
4 健康ドリンクはカフェインとアルコールと味に騙されているだけ
5 冷凍ピザなどの断面が同じの金太郎飴のようなゆで卵はロングエッグという

といったこと。なにか違う気がすると思っていたものばかりだ。

この本が取り上げるのは、食品として危険ということではないが、決して本物とはいえないという微妙な食品。写真つきなのでわかりやすい。本来は廃棄されてしまう部分を、技術力で食べられるようにした、おいしくないものをおいしくしたものと、ポジティブにとらえることもできるのだが。

・半熟行政書士!
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行政書士ってどんな仕事なのか、弁護士とはどう違うのか、ぶっちゃけ食っていけるのか?25歳の新人行政書士(とその妻)の奮闘を赤裸々に描いた漫画。カネなし、事務所なし、依頼なし。行政書士の単独開業後の実態をのぞきみるのは、行政書士を目指しているわけではない部外者にも、社会見学的に面白かった。ベンチャー起業と同じで、最初何もわからないうちのドタバタ劇はドラマがいっぱいあって、どの分野でも楽しい。

実はこの漫画の後日談のおまけ部分が衝撃であった。現在の著者は行政書士をやめて古本屋をやっている。弁護士法違反で訴えられて廃業を決断、不起訴となったが、今も弁護士会と係争中とのこと。その裁判の話も漫画になっている。

・明日、夫が逮捕されちゃう!?
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「主婦のキヨは、行政書士の夫と平穏な毎日を送っていた――。
そんなある日、仕事場に向かおうとした夫がマスコミに取り囲まれる。
「今日の"逮捕報道"についてどう思われますか?」
「はぁー?」(何で? 逮捕? オレ、逮捕されんの?)
夫は「弁護士法違反(非弁活動容疑)で大阪弁護士会に告発されたのだ。
しかし、違法な行為をした覚えはまったくない。
そこには、弁護士数が増加して競争が激化したため、行政書士の仕事を奪いたいという弁護士会の思惑がからんでいた。
マスコミの直撃取材におびえ、夫がいつ逮捕されるかわからない"激動の日々"が始まった!!
妻のキヨが描いた、すべて「実話」のコミックエッセイ。」

行政書士と弁護士との棲み分けというテーマはこの作品でも大きく取り上げられていたのだが、まさかそこが原因で事件に巻き込まれるとは。結果として行政書士という仕事のリスクもまた明らかになる。

・あたらしい書斎
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人気ブロガーのいしたにまさきさんが語る書斎論。

1畳の空間とクラウドサービスがあれば、立派な書斎なんて不要で、効率的な仕事や思索の環境ができるノウハウ、事例集。明治時代の偉人の書斎から、著名ブロガー、起業家の書斎、ウエブ上に持つ開かれた書斎までさまざまな事例を写真とインタビューで見せていく。

いしたにさん自身の試行錯誤からできた1畳の空間をIKEA家具でデザインするための商品カタログの章もあるなど盛りだくさん。

書斎の重要な役割をいしたにさんは、

日常から離れて「こもる」ための空間
机とイスと「スイッチを入れる仕掛け
学びと学びの「質を高める」ための本

と定義した、

書斎は家にあるものだから、仕事モード、集中モードへの切り替えスイッチが入る仕掛けは本当に大切だ。雑誌やフィギュアなど楽しいものを置いてしまうと、気が散ることもある。部屋に入ってから短時間でスイッチが入る流れをデザインすることが大切なのだろう。人気ブロガーのコグレさんの書斎はモニターと壁しか目に入らないようなしくみになっている。

書斎の事例を見ていると、書籍を簡単に電子化できる時代になって、書斎のデザインも変わっていくきざしが見えてきたという点が印象的だった。必要な情報はデジタル化してクラウドにおいておけば、外からでもアクセスできるし、仲間と共有することも容易だ。本との関係でデザインされてきた書斎であるが、21世紀には大きく変わっていくことは間違いない。

この本をネットで探していたら類書にこんなのもあった。

ソフト書斎・電子化書斎―新しい男の城をつくる (アスペクトブックス) [単行本]
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出版社: ビジネス・アスキー (1986/12)

なんと1986年出版物。四半世紀まえから書斎のデジタル化というのはたくらまれていたのだ。これはこれで今また読んでみたい本だ。

・語れ!機動戦士ガンダム
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台場にできたガンダムフロントへ行く予習として読んだムック本。データブックとしては類書によくあるレベルだが、富野由悠季、安彦良和、大河原邦夫、岡田斗司夫へのロングインタビューが素晴らしいのでファンなら買う価値あり。

個人的に注目しているのはジ・オリジン完結後の安彦良和氏の活動なのだがこんな風に答えている。「『ジ・オリジン』の前に歴史物を多く描いていたんですが、それが完成していない。ですから、ちょっと生意気なようですが、にほんがどうやって成り立ったとか、それ故に、どうあらなければいけないのかというような意識を投げかける、古事記や日本書紀といった古代史を題材にしたものを描きたいんです。」。私が一番好きな作品『ナムジ』『神武』の続編が遂に出るのかと思うと涙がでそう。

岡田斗司夫のガンダム考も秀逸で、「お台場の巨大ガンダムは大仏なんです。21世紀型の新しい宗教と言えます。」「ガンダムの完成度は非常に高いのでなかなか卒業できないんですよ。」などガンダム世代がなぜ大人になってもとりつかれたままになっているのかを解説する。

「これだけ長く愛してもらっているのはうれしいことですが、本当は、実物大ガンダムの立像が古めかしいものに見えてこなければいけないんじゃないかな。」という富野由悠季は、他のメディアにもよくアニメオタク批判を繰り返しているが、大人なリア充右翼なので、ここでも冷めた目でブームをみつめる。

で、ガンダムフロントに行った。

・ガンダムフロント
http://gundamfront-tokyo.com/jp/

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実物大ガンダムを拝むのは2度目であるが、今度のバージョンはマグネットコーディングのリアル指向で、前回のお台場のものよりも、本物っぽい。前と違って足に触ることができないのはちょっと残念であるが、ディティールまで作りこまれているのがわかる。

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無料ゾーンと有料ゾーンに分かれている。有料ゾーンでは直径16m、6台のプロジェクターと13台のスピーカーが設置された特設巨大ドームで、シリーズ作品総登場のウェルカム映像が大迫力。実物大コアファイターやストライクフリーガンダム胸像が展示されている。ファースト以外無関心の私でも、暗い室内で照明に浮かび上がるストライクフリーガンダムはアートとして見ごたえがあった。

・ドラゴンクエスト25thアニバーサリー モンスター大図鑑
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ドラゴンクエスト25周年記念。

1600種類を超えるドラゴンクエストシリーズに登場したモンスターを完全網羅した496ページの大図鑑。攻略本のデータ欄と同じように、一体一体のモンスターについてのイラスト、強さデータ、特徴などの情報がある。どの作品に登場したかが記述されている。見開きで紹介されるスライム(唯一全作品に登場しているモンスター)、ドラキー級の大物から、1ペーでのややメジャー級、1ページにいくつもつめこまれてしまう小物級と、メジャー度がわかるのが楽しい。ゲーム画面のキャプチャが並べられているのでゲーム機の進化も確認できる。

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ボスキャラばかり集めたコーナー、同族ばかり集めたモンスターの系譜コーナー、ドラクエシリーズ全作品を通したHPランキングなど、通しでみるからわかるデータが充実している。半分以上遊んでいますというファンにとって特におすすめ。こいつと最初に遭遇したのはドラクエ3だったなあとか、しみじみ思い出深い体験ができる。

主要なモンスターキャラクターはシリーズ1から3くらいの初期に原型ができあがっていることがわかる。

大人にとっては懐かしの本であると同時に、小学生の息子は最新作の『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』を遊びながら、この図鑑をみてドラクエの奥深さに感動している模様。

モンスター大図鑑公式サイト
http://www.dragonquest.jp/daizukan/
大図鑑診断ができる

・安藤百福 (学習漫画 世界の伝記NEXT)
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インスタントラーメン、カップラーメンの発明者であり日清食品創業者の安藤百福の自伝漫画。インスタントラーメンは全世界で年間に950億食が消費されている。人類は1年間に一人当たり10食以上食べている計算になる。なんだかわからないがすごいことだ。

安藤百福は遅咲きの起業家だった。事業に失敗して一文無しになった48歳のとき、粗末な掘っ立て小屋でインスタントラーメンを発明して大成功をおさめる。カップヌードルの発明は61歳の時だった。96歳まで生きた。

「百福は、自分が開発したチキンラーメンを毎日のように食べ続けました。90歳を超えても、元気いっぱいでした。インスタントラーメンは、体によくないかもしれないといううわさを、自分が健康でありつづけることで、はねのけたのです。」という記述があるが、ここに感動した。

昔、ハンバーガー会社の社長が講演で、ご自身はハンバーガーを毎日食べているのですか?と聞かれて食べてるわけないだろという趣旨の発言をしたことがニュースになったが、やっぱり嘘でもいいから毎日食べているのが本物の経営者である、と思う。

そういう安藤百福に惚れて先日、横浜にできたカップヌードルミュージアムへ行ってきた。

カップヌードルミュージアム
http://www.cupnoodles-museum.jp/

発想力がテーマ。カップに乾燥麺を入れるのではなくカップをかぶせることで工場大量生産を可能にした「逆転の発想」など学べる。

まだ無い物をみつける、なんでもヒントにする、アイデアを育てる、タテ・ヨコ・ナナメから見る、常識にとらわれない、あきらめない。安藤百福の人生から創造性の秘訣を知る展示がある。

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・ドラえもん深読みガイド―てんコミ探偵団
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小学校低学年の息子がゲタゲタ笑いながら読んでいたのを横取りしてみた。たまたま開いていたページが

"FILE.81 ドラえもんはどうやってひみつ道具を手に入れるのか?"

ドラえもんは、ひみつ道具を取り出す際に、

「お金がたりるといいが」
「高くてお金がたりなかった」
「それに、ぼくのだす道具は一回限りの使い捨てが多いんだ。安いからね。」
「むりして頭金はらった」

などとしゃべっているコマがあって、話を総合すると、ドラえもんはひみつ道具を未来の世界で買っているらしいというのだ。ドラえもんものび太と一緒にお小遣いをもらうシーンがよくあるので、そうした貯金で購入しているそうである。私の幼少からのドラえもん感が大きく揺らいだ。

息子は全然わかっていないようだが、私が衝撃を受けたのは、

"File.102 星野スミレのペンダントの写真の謎 越境する藤子作品のキャラクターたち"

のび太たちの好きな人気スターとしてときどき登場していた星野スミレは、ペンダントにひとりの少年の写真を入れている。実はこの少年はパーマン1号。スミレは少女時代にはパーマン3号として活動していて、大人になったスミレは遠い星へ旅立った1号を思い続けている、という作品を越境した設定だったのである。いやー、これはまったく気が付かなかった。

ドラえもん全巻を対象に104のテーマで研究を行った内容で、漫画を横断的に調べていくと、隠れた設定がどんどんみつかって愉快。最後のキャラクターインデックスもすごい。全キャラクターを切り取って並べた。なんと351人も登場するのだ、ドラえもんには。

昆虫食入門

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・昆虫食入門
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このブログでは『楽しい昆虫料理』に続いて2冊目になるが、別に私は昆虫食をしたいわけではない。純粋に好奇心で、ムシって食べたらどんな味がするんだろうと気になってしょうがないから読んでいる。

昆虫食には4つのグループがあるそうだが、

1 狩猟採集活動としての昆虫食を自然な行為ととらえるグループ
2 おいしさを追求するグルメとしての昆虫食
3 虫食いを娯楽と考えるエンタテイメントとしての昆虫食
4 食料としての有効性を調べる科学としての昆虫食

私は3である。

実際には私はセミくらいしか食べたことがない。この本によるとアブラゼミはナッツ味だというがエビみたいだった覚えがある。表現があいまいなのは形容が難しいからだ。まずくはなかったのだが、妙な気分であった。

昆虫料理研究会で46種類の昆虫を食べて、参加者にアンケートをとったデータが興味深い。たとえば昆虫の香りや風味は、ナッツ、トウモロコシ、豆腐。、エビ・カニ、油っぽい、青臭い、鶏肉。味は甘味、うま味、苦味、酸味、コク、水っぽい。食感はクリーミー、硬い。

味覚センサーで科学的に虫の味を調べると、ハチの子飯はウナギの蒲焼に近く、セミはアーモンドに近いという結果も示されている。虫は痛みやすいので新鮮なほうがおいしいそうだ。

ゴキブリが結構食べられるらしいというのは驚きだ。頭をちぎって消化器をぬき、翅、脚もとって刺身でポン酢で食べるとホヤの刺身みたいだとか、腹に塩を詰めて焼くとエビを焼くような香ばしいにおいがするとか、うへえという感じであるが、著者は自宅で養殖しているくらい、慣れればうまいらしい。確かに清潔な環境で育てればゴキブリもそんなに汚くないわけである、か。

この本は、ゲテモノ、キワモノ趣味というより、昆虫食の真面目な研究書という面が強い。著者は昆虫も食材のひとつとして普通にとらえていて、人類の食料としての可能性についても真剣に検討している。読んでいると、昆虫食ってそれほどヘンなものじゃないのではないという気になってくる。そんなわけないんだけど。

タイ料理の調味料として使われているというタガメが気になる。

楽しい昆虫料理
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/10/post-1322.html

すごい虫131―大昆虫博公式ガイドブック
http://www.ringolab.com/note/daiya/2010/10/131.html

・私が愛した大河ドラマ
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「NHK大河ドラマですかぁ、うーん.....観てないですねえ、ここ二十年くらい」という書き出しではじめたみなもと太郎が、草創期の大河ドラマへの熱い思いを語っていたり、NHK大河ドラマが「もはや米の飯のようなもの」という小谷野敦が、自分が原作者になりたいと言い出したり、松村邦洋がやたら大河マニアとして「次は足利義満の時代を」と提言したり、大河ドラマ好きの著名人や元製作者たち15人のエッセイ集。第一作『花の生涯』から第50作『お江』までの資料集もついている(視聴率一覧も含む)。

大河ドラマに対しては大きく、歴史忠実派とホームドラマ派があることが鮮明になる。

著述家 宝泉薫氏が初期の大河ドラマは時代背景の説明にも時間を費やして、今日と人間の考え方が違いますからという注釈が前提となっていたが、「現在の大河は、今も昔も人間は変わらないという視点に立ち、ホームドラマ感覚でその時代を身近に引き寄せようとする。」と指摘している。

ジャーナリスト田岡俊次氏は「また概して大河ドラマには主婦層を引きつけようとの狙いか、あるいは脚本家に女性が少なくないためか、少女的な情緒性が感じられる場面がよくあって品格を下げている」と批判する。

松村邦洋氏の大河ドラマの楽しみ方には深く共感。「大河ドラマは、それだけで見てももちろん楽しめますが、ボクはたとえばドラマで描かれた時代を解説した本などを脇に置いて、照らし合わせて楽しむのが好きです。相乗効果というか、ドラマの背景をより深く理解することで、物語の楽しさが何倍にも膨らむような気がするんです。」

有識者たちの意見を読み込むと、要は歴史性とドラマ性のバランスをとることが重要ということになる。で、私は熱心に毎週欠かさず見ている『平清盛』がなぜ低視聴率なのか、考えてみた。

・視聴者の歴史知識が不足
 戦国時代の武将や幕末の志士と比べると、源平合戦は背景知識が十分に共有されていない。

・登場人物の関係が複雑
 天皇家、藤原摂関家、源氏、平氏と勢力が入り乱れるうえ、院政と摂関政治で権力構造も複雑。平家は名前が○盛と似た人物が十人以上いるため、とにかく名前と関係を覚えにくい。

・エキセントリックな人物像が多い
 白河法皇、鳥羽上皇、藤原道長、後白河法皇など、かなり魑魅魍魎的エキセントリックな人物像が強調されていて、共感しにくい。

・近親相姦や男色をもろに描いてしまった
 現代とは違う倫理観があったことを描こうとして、日曜夜のお茶の間で子供と見るにはやっかいな展開がいっぱいになってしまった。藤原道長の男色趣味などは資料に残っているし、正しいのでしょうが。

・清盛が活躍しない前半
 30代終わりの保元の乱、平治の乱で頭角を現すまで平清盛は歴史の表舞台の人間ではなかったといえる。前半は目立った活躍をせず、大物に振り回される役割に見えてしまい、応援したいキャラになっていない。

といったことがあるが、この本の軸で考えると歴史重視に振り過ぎて、ドラマを忘れてしまったのがおそらく敗因なのだ。

この本のエッセイでは、過去50作で視聴率的には不発に終わったが、有識者には高い評価を受けているものがある。物語の中盤から後半、保元の乱、平治の乱で栄華を極めてから壇ノ浦で滅亡するまでが、一番盛り上がるところなわけで、これからの立て直し次第では、後世の評論家の高い評価も得られるのではないかと思った。

・先祖を千年、遡る
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家系図作成と先祖さがしを仕事とする行政書士が書いた方法論。年間50件以上の先祖さがしを依頼される著者によると、日本の現在の家の半分くらいは藤原氏や天皇家の末裔だという。1000年もさかのぼっていけば、多くの家が、天皇家、源氏、平氏、その他有力氏族につながってしまうらしい。要するに1000年以上もの平たんではない歴史の荒波を生き残ってきた我々は、何らかの形で過去の勝ち組であり、エリートの血筋なのだ。万歳。

まずは200年を遡る。明治期の戸籍まで取得できれば幕末生まれのご先祖様が判明してそれくらいまでいける。次の目標が400年で、過去帳や人別帳、古い墓を探し当てられれば
わかるが、戦国時代に資料が焼失していることが多いそうだ。そしてさらに古い家系図とつなぐことができたら最終目標の1000年前の先祖がみつかる。もちろん簡単ではなさそう。そこで戸籍の読み方、古文書の探し方、墓石の拓本とりまで、先祖さがしを自分でやる際のノウハウがまとめらている。

500年以上遡ると今とは違う名字になるのが一般的だという事実ははじめて知った。たとえばもともとは藤原家であっても、佐藤さん(左衛門尉の藤原氏)、伊藤さん(伊勢守の藤原氏)、工藤さん(なんだっけ)みたいに変化している。現代の名字と中世の先祖の名字は違うかもしれないのだ。名字を一字変更して分家するというのは現代人にはよくわからない感覚だが、昔はありだったわけだ。おかげで先祖を調べるのが大変になる原因となっている。

面白い本だった。絆ブームの現在、家系図探しに興味を持つ人も増えていそうだ。

ところで家系図探しは日本より海外のほうが盛んだ。渡来民はいるものの、だいたい列島の中に住んでいた日本人と比べたら、欧米ではグローバルに人間の移動があるから、家系図はさらにダイナミックになる。世界最大の家系図作成サイトのMyheritageには9億8000万人もの人間が登録されていて、日々つながっていっている。最終的には日本人もまたこのグローバル家系図とつながって、出アフリカまでたどれるようになるのかもしれない。

Myheritage
http://www.myheritage.com/

・おじさん図鑑
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31歳の女性イラストレーターが世の中のおじさんを観察し、分類し、イラスト化したビジュアル図鑑。酔っ払いのおじさん、正体不明のおじさん、ちょいワルおじさん、仙人おじさん、カメラ好きおじさん、あほ面のおじさん、普通のスーツのおじさん、偉いおじさんなど、ありがちなおじさんが次々に出てくる。

おじさんの人物像を深掘りするためインタビューもある。取材対象には蒸発歴20年で娘の結婚式に女装して列席したという変人おじさんや、ホームレスの炊き出しでキレるおじさんや、一緒に貝を拾おうと誘う島のエロおやじなど、怪しいおじさんもいっぱいいるのだが、デザイナーの原研哉や写真家の岩合光昭やコラムニストの泉麻人みたいな有名おじさんも混じっている。幅広い。

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おじさんに共通するのは、人生の悲哀を背景とするさまざまな味わい。それは出そうとしなくても自然と出ている加齢臭みたいなもの。若者は頑張っても出せないものであって、いかにそれをポジティブにとらえて、見せるかがよいおじさんと悪いおじさんの勝負の分かれ目なのであった。

すでにおじさんである私も、どんなおじさんになるか「おじさん予想診断」を受けてみた。結果は「趣味人なおじさん」。「すでに人生観が決まっているあなたは、おじさんになっても今の雰囲気とあまり変化がなさそうです。「変わってるね」と言われがちなタイプです。」。まあ、当たっていますかね。

・三丁目の夕日の時代 ´64(昭和39年)篇
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先日、映画『三丁目の夕日´64』を観に行った。これまでで一番泣ける作品になっていた。第一作が昭和33年、第二作が昭和34年ときて最新作の舞台は昭和39年(1964)、つまり東京オリンピックの年。

このムックは1964年の風物が写真と資料で特集されている図鑑。映画の情報はほとんどなくて、時代背景を知るための内容になっている。オリンピックだけではなく、新幹線開通、黒四ダム完成、太平洋横断海底ケーブル開通、東京モノレール開業など、日本の基盤がいっきに整備された象徴的な年だったことがわかる。

この時期に日本橋の上に高速道路がかけられた。都内の高速道路が橋の上に造られていることが多い。これは用地買収に手間取って工事に遅れがでないように、景観保護よりもオリンピックに間に合わせることが優先された結果であるそうだ。

東京オリンピックはオリンピック史上における「コンピュータ元年」でもあったそうで、オンライン・システムの導入が一気に加速した。翌年の40年には国鉄に「みどりの窓口」ができ、三菱銀行がリアルタイム・システムを導入。日本列島の経済基盤がこうして整備されて、57か月続く「いざなぎ景気」へと突入していく。

オリンピックが国の発展のドライビングフォースとしてとてもよく機能していた。

私は昭和45年生まれだが、だんだんと時代が近づいてきた。三丁目の夕日は続編が楽しみ。このシリーズは約50年前を振り返っているわけだけれど、2062年頃にはスカイツリー完成を懐かしむ映画ができる、のかなあ。

・買ってはいけないお菓子 買ってもいいお菓子
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私はお菓子が大好きで毎日なにかしら食べている。好きなお菓子がやり玉に挙げられると、素直に「教えてもらってありがたい」とはならない。なんだか、すごくむかつく本だ(笑)。いらいらしながらもページをめくる手が止められないというジレンマに悩まされながらざっと読んでみた。

食品添加物の影響という観点から、世にある有名なお菓子(一部健康食品含む)を名指しで仕分けする。

買ってはいけないお菓子
買ってはいけないと買っていいものの中間
買っていいお菓子

の3つに110品目が分けられた。成分表となぜいけないかが詳しく書いてある。メーカー名やパッケージ写真も掲載されているのですぐに特定できる。

買ってはいけないお菓子として挙げられているのはたとえば「うまい棒」。まあ、これはわからないでもないのだが、スクラロースという好ましくない有機塩素化合物が使われているそうだ。よくみる「クリームパン」「脂肪ゼロヨーグルト」「こんぺいとう」「キシリトールガム」とか、私が愛用している「フリスク」「ブレスケア」「マルチミネラル」も入っている。著者いわくフリスクは「すべて添加物でできた商品」なのだそうだ。次々に有名なお菓子が糾弾されていくいくのでページをめくるのが恐ろしい。

危険な疑いがあり海外では禁止されているのに日本ではまだ使われている添加物だとか、、微量だからという理由で認められている添加物があるのだ。中には発がん性が疑われるものも入っている。

「買っていいお菓子」群は、直感イメージ的にも体によさそうなもの、伝統的なものが多い。「ミックスナッツ」「塩あめ」「きなこ玉」「八橋」「ブルガルアヨーグルト」などなど。

危険な添加物のリストと添加物表示の見方が巻末にあって参考になる。お菓子好きはイライラしながらも必読だ。

今月の雑誌CIRCUSがお菓子特集。これも買って読んだがおもしろかった。添加物の話でイライラしたお口直しに。

・CIRCUS (サーカス) 2012年 02月号
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・まだある。大百科 お菓子編―今でも買える昭和のロングセラー図鑑
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/07/post-1033.html

・世界中のお菓子あります
http://www.ringolab.com/note/daiya/2006/06/post-408.html

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