Books-Science: 2011年6月アーカイブ
科学雑誌NEWTONは地震と原発・放射線について、ここぞとばかりに有益な情報提供をしていて、素晴らしいです。NEWTONは昔は定期購読していたのですが、特集が竹内均前編集長の死去や特集のマンネリ気味で、ストップしていましたが、6月号と7月号は科学雑誌の真骨頂、実にいい出来です。
カラーで大判のビジュアル資料を使って、原子力発電のしくみ、放射能・放射線のはたらき、福島第一原子力発電所の状況、放射能のリスクが、徹底的にわかりやすく正確に説明されています。テレビでは科学的な詳細は省略されることが多いですが、この雑誌なら少し突っ込んだところまで教えてくれます。
ところで今回の原発事故により、原子力や放射線について、日本国民の知識が世界でトップレベルにまで引きあげられたことは間違いないでしょう。原子炉には圧力容器、格納容器、建屋があって、燃料棒とか制御棒がありますとか、ベクレル、シーベルトの意味や放射線から身を守る方法など、いまやみんな知っています。この原子力の知識レベルを、発電以外のポジティブな方面で使う方法をもっと考えたらよいのではないかと思いますが、なにかありえるでしょうか。
NEWTONはiPhone/iPad向けの電子版もよくできています。こちらは3.11以前に発行されていた内容の改訂版ですが、超巨大地震と大津波が日本を襲った場合のシミュレーションです。
今回は発生しなかったようですが、震災後に、火災旋風という恐ろしい竜巻が被災地を襲って大量の死者を出す可能性が論じられています。