Books-Religion: 2009年1月アーカイブ
この本は気になっていたことが次々に明らかになって面白い本だった。宗教学者の島田裕巳著。天理教、大本、生長の家、天照皇大神宮強と璽宇、立正佼成会と霊友会、創価学会、世界救世教と神慈秀明会と真光系教団、PL教団、真如苑、GLA。著者が選んだ日本の10代新宗教を各一章を使って説明していく。
たとえば高校野球の名門PL学園。「嗚呼、PL 永久の学園~」という校歌まで有名だ。PLが「パーフェクトリバティ」の略だということまでは知っていた。だが、背後にあるPL教団とは何なのか、キリスト教系なのか仏教系なのかというレベルから知らなかった。関西では日本一の花火大会でも有名らしい。
「全国の私立高校のうち、およそ三分の一が宗教団体を経営母体としている。そのうち六割がキリスト教系の学校である。仏教系はキリスト教系の半分で、神道系はごくわずかである。そして、新宗教系は二十校ほどに過ぎない。」
私立高校の宗教性の高さに驚くが、新宗教の割合が著しく低いのは、歴史のある宗教でないと子供を通わせようとする親が少ないからだろうか。逆にある程度広まった古い宗教は、一般にもかなり受容されているということでもある。そういえば仏教系の私の家系は私を含めて3代がキリスト教系の幼稚園に通っている。ある程度認知された宗教にはかなり寛容なのである。
「あらゆる宗教は、最初、新宗教として社会に登場するとも言える。」
「キリスト教系を除けば、神道とも関係がなく、仏教とも関係がないような新宗教は存在しない。」。
であるがゆえに、新宗教も既成の権威を出発点としてつくられていくもののようだ。まったく新しい宗教的権威をゼロから作り上げることは不可能ということか。この本は10大新宗教の系統が整理されているのが勉強になった。