Books-Psychology: 2010年9月アーカイブ
田中美保、上戸彩、広末涼子、YUKI、酒井法子に共通するもの。それがアヒル口。
「アヒル口とは、その名のとおりアヒルのくちばしのような形をした口のこと。具体的には口角(唇の両端)がキュッと上がり、口先はやや突き出たような状態で、ちょうどアルファベットの「W」のようにめくれあがった形をしているのが特徴です。」
つまりドナルドダックのような唇のことである。
アヒル口には生まれつきの天然アヒルと、男に受けるから表情としてつくっている人工アヒルがいるそうであるが、近年、アヒル口に萌える男子が増えていて、女子もそれを意識しているため、アヒル口が街に増えているのだという。
タイトルをみた時は、それって本当にブームと言うほどなの?と疑問に思ったが、アヒル口の年表を見て、アヒル口芸能人の増加や、アヒル口写真集、アヒル口AVも出ていることを知り、やっぱりブームだと納得させられた。
認知科学者の著者は、人がアヒル口に萌えているとき、脳や心の中では何が起きているかを解き明かす。切り口がユニークな認知心理学の本として、大変楽しめる本だった。
アヒル口は脳が優先的に認知する笑顔の口の形であり守ってあげたい赤ちゃんの口の形だから
というのは読む前から、想像できたが、
日本人は遺伝子的に対人不安になりやすく物事に愛着を抱きやすいセロトニン。ポーターSS遺伝子をもっているから
というのは思いもよらない理由。心理学や脳科学の研究成果を示しながら、人間の顔認知のメカニズムを一般読者にわかりやすく解説する、良質のエデュテイメント。