Books-Psychology: 2005年11月アーカイブ

・人は見た目が9割
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非言語コミュニケーション入門。

・非言語(ノンバーバル)コミュニケーション
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000549.html

このテーマでは上述の名著があるのだが、少しばかり出版が古い。この本でも参考にしつつ、最新の研究成果を紹介している。著者は本業が演出家であるため、日常のコミュニケーション論だけではなく、役作りのノウハウを絡めてこのテーマを語った点が面白かった。

心理学者アルバート・マレービアンの研究によると、人が他人から受け取る情報の割合は以下の通りで、

・見た目・身だしなみ、仕草・表情 55%
・声の質(高低)、大きさ、テンポ 38%
・話す言葉の内容 7%

言葉は7%しか伝えていない。

そもそも話す以前に話し手の顔のかたちも影響する。演出では丸顔は「明るい」「包容力」「決断力・行動力がない」、角顔は「情に流されない」「短気」「積極的で意思が強い」、逆三角形顔は「明るくない」「学者タイプ」「先頭に立って仕事をするタイプではない」などの印象を与えるのだという。役者選びの際には、顔の形の持つ印象も参考にしているらしい。

確かにドラえもんのスネ夫くんが丸顔だったら、スネ夫くんらしくない。

演劇の演出や漫画の原作をてがける著者は、「こういう役はこういうしゃべり方」という典型があるとして次のような例を挙げている。


貧しい農民は東北弁、ケチは大阪弁。浮世離れして上品な人物は京都弁。ヤクザは広島弁。志が大きな男は土佐弁(坂本竜馬のイメージ)。男っぽくて逞しいと博多弁。人望のある傑物は薩摩弁(西郷隆盛のイメージ)。

漫画では「可愛い女の子」は、膝を内側を向けて立つ姿で描き、ぎこちない感じを出すと効果があるらしい。目は大きく開き、両目の距離をくっつけすぎないように描けば、隙があるように見えて一層効果的。こぶしは握った方が少年っぽさを演出して、逆に可愛い感じになるとのこと。作例も提示されていて納得。

顔つき、仕草、目つき、匂い、色、温度、距離など非言語コミュニケーションの研究成果やノウハウが各章にまとめられている。深く知るに当たっての入門書としてとっつきやすい本だった。

・マンガ・心理分析
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002605.html

・人と人との快適距離―パーソナル・スペースとは何か
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001278.html

・間合い上手 メンタルヘルスの心理学から
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003644.html

・しぐさでバレる男のホンネ、女の本心
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003936.html