Books-Presentation: 2005年5月アーカイブ
・外見だけで「品よく」見せる技術 ファッション、しぐさ、話し方
著者は元日本航空の国際線スチュワーデスで乗務時間2万時間を初めて達成し、女性初の客室乗務員管理職として定年まで勤めた人物。経験から培われた何百もの「品よく」見せるノウハウがまとめられている。女性向けの部分も多いが男性にも役立つ。
「上品」は武器だと思う。鼻につく上品は下品だけれど、ほどよい品のよさを持った人は特に初対面での待遇がまったく違ってしまうと思う。上品は運を呼び寄せる技術とも言えるかもしれない。
大変な数の注意ポイントが一冊に紹介されているのだが、個人的に勉強になった、共感した、知らなかった項目を抜き出してみる。
・一度にするのはひとつの動作だけ
席を立ってテーブルの上のコーヒーカップをかたづける、という一連の動作をする際にカップを持ちながら立たないことという例が挙げられている。上品さの基本かもしれない。急いでいるときほどゆっくりと、という項目もあった。
・人や方向は手のひらで示す
女性向けかと思ったがやってみると男性でも様になる気がした。指差さず手のひらを上にして方向を示すという動作。
・紳士は食事中以外も手をテーブルにのせておく
そういうものですか。解説によると本来このマナーは男女が交互に並んだテーブルで、下で手が何をしているかわからないのを避ける意味があったそうだ。
・注文のときはウェーターの目をしっかり見る
これは確かに上品だ。メニューを見ながら注文してはいけない。
・中華料理の回転卓は主賓から右回りが原則
知らなかった。
・「すみません」ではなく「ありがとう」
・チケットを贈るときは金額を消して
コンサートや演劇のチケットをプレゼントする際に金額を墨で消してから贈る。
・順番を待った人へはひと声かける
駅の切符売り場など公衆の場で列の後ろに対して「お待たせしました」。
・自分から挨拶する
著者は日々意識的に気をつけてこうした振る舞いを身につけているようだ。すべて読んでみて、上品さというのは性格や育った環境というより、注意と訓練の賜物なのだと思った。