Books-Misc: 2013年3月アーカイブ

・女性社長が日本を救う!
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日本の女性経営者は6.7万人で、男性経営者20人に対して1人でまだまだ少数派。米国では経営者4人に1人が女性経営者であるそうだ。EUでは2020年までに上場企業は女性役員比率を40%以上にするように義務づけている。あきらかに日本は女性の経営参加の後進国だ。

この本にでていたが、経営において男性は「売上高」、女性は「製品」にこだわる傾向があるらしい。リーマンショックでつぶれたのは男性経営者の会社が多かったという記述もあった。女性が経営参画していくことで産業や経済の体質が改善されていくのだろう。

夜9時以降のお客様接待は自宅(普通のマンション)でするというポリシーの女性社長の例が紹介されていた。「ワークライフバランス」よりも「ワークライフブレンド」を追求する女性経営者の感性で、新しい働き方、生き方の世界が始まりそうだ。

しかし、どうやったら女性経営者が増えるのだろうか。

著者の横田響子氏は、女性社長を支援するベンチャー企業を起こして、実にストレートな事業を始めた。

Wooooomen's![ウィーミンズ]はごひいきの女性社長とその商品をみんなで応援して、ポイントを貯めていくと、女性社長からお返しがくる応援コミュニケーションサイト。

Wooooomen's![ウィーミンズ]-Wooooomen's!の想い
http://wooooomens.jp/
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そして
女性社長.netという全国各地で活躍する個人事業主・会社経営を行っている女性社長データベースを構築した。写真の一覧を見ると男性社長よりも写真に気を使っている社長が多い感じなのが面白い。メディアが取材対象や番組出演者を探すのにも使いやすそう。

女性社長.net -
http://joseishacho.net/

ほかにも女性社長スター誕生プロジェクトなどを仕掛けている。先日、私の会社に横田社長がいらっしゃった。女性経営者を増やしたいという思いを商売っ気なく熱く語り続ける。

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このウィーミンズで応援される社長が作ったついついあられもおみやげでいただいた。

つ・い・つ・いあられ 人気の4種お取り寄せセット

うまい。

http://wooooomens.jp/ec/products/detail79.html

経営者としては、頑張っている経営者を見ると応援したくなる。でも自社の事業と直接のシナジーがあるとか、投資を求めているというケースでもない限り、応援といっても、なにをすればいいかわからない。こういう応援サイトがあれば、ちょっと知り合った女性社長を気軽に応援することができる。

・ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース)
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毎週じっくり見ている月9ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖 』。本がテーマであり毎回、本をよく読む人も読まない人も楽しめる古書の薀蓄がでてきて、剛力彩芽の「想像してみてください」のセリフがたまらなくて、今期のドラマでベストだと思う。

原作は比較的有名な小説(未読)だが漫画化されているというのでそちらを読んだ。漫画はカドカワ版とアフタヌーン版がある。主役の美人度という点ではカドカワ版が圧倒で、なぜかアフタヌーン版はあまり可愛くないマニアックなメガネ娘になっている。

このビブリア古書堂の事件手帖は原作との違いの比較がネットのクチコミで大いに盛り上がっているのだが、小説、テレビドラマ、漫画2作と合計4つのビブリアが存在するので、原作小説とテレビドラマの比較、原作小説と漫画の比較、漫画2作の比較、テレビドラマと漫画2作の比較など、比較のバリエーションがいっぱいある。

ファンたちはそれぞれの作品の顔を比べたり、原作との差異を論じたり、文句をいうようでいながら実は楽しんでいる。話題作りという意味では成功しているといえよう。

・ビブリア古書堂の事件手帖(1) (アフタヌーンKC)
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全国ロケ地ガイド:ドラマ・映画・特撮の撮影場所案内
http://loca.ash.jp/

というサイトをたまたまみつけた。

先日ロケ地が近かったので行ってきた。ビブリア古書道の建物は鎌倉の長谷に実在する。実際は古書店ではなくて鎌倉彫の店である。出入り口部分がドラマでは古本や看板が置かれて少し違う印象があるが、間違いなくここだ。まったく観光地ではなく住宅地にあるのだが、土曜の昼間だったがちらほらと視聴者らしき人が訪れて写真を撮影していた。東京から近い鎌倉が舞台で、他のロケ地も狭い鎌倉に散らばっているので、巡礼者が多そうなドラマだ。

・ロケ地 写真
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ビブリア古書堂の事件手帖 - フジテレビ
http://www.fujitv.co.jp/biblia/index.html

公式サイトでは過去に紹介された本の一覧もある。

『ビブリア古書堂の事件手帖』公式サイト
http://biblia.jp/

・天智と天武 1
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天智天皇といえば中大兄皇子のこと。645年、中臣鎌足と組み、政敵の蘇我入鹿を天皇のの前で暗殺した大化の改新や朝鮮半島での白村江の戦いで有名。天武天皇はその弟であり、天智の皇子を壬申の乱で倒して天皇となった人物であり『日本書紀』と『古事記』の編纂をはじめたことでも知られる。この二人による日本古代史上で最大の兄弟喧嘩を描く。まだ1巻だが傑作の予感。

副題が新説・日本書紀。大胆な史実解釈もある。まず天武天皇(大海人)を蘇我入鹿と皇極帝(天智天皇の母)の間に生まれた子供としている。天武天皇の出生について史料上はっきりとしていないという事実をうまく活かした。天智天皇からすると、自分と同じ母親を持ちながら、暗殺した政敵の息子でもあるという設定で、複雑な人間関係がつくりだされた。

明治時代のフェノロサと岡倉天心が法隆寺・夢殿で秘仏を暴く冒頭シーンから物語を始めるなど原作の演出が冴えている。絵も少女漫画的過ぎず、男子読者も恥ずかしくないかんじで実にいいのじゃないか。マイナーな時代の歴史物なので、万人受けはしないのだろうが、このレベルで続巻がでていけば高い評価になりそう。

人質として日本に滞在している百済、新羅、高句麗の王子たちも二人の物語に絡んでくる。当時の日本が朝鮮半島の3国間の均衡に影響力を持っていたからだが、白村江の戦いに至る国際展開も、これからの物語のスケールとダイナミズムを大きくしていきそうだ。

安彦良和の「ヤマトタケル」も始まったし、里中満智子も古事記を描き始めたし、今年は古代史漫画が熱いな。

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