Books-Misc: 2009年12月アーカイブ
紅白歌合戦は今年で第60回。大晦日は子供のころから紅白歌合戦をみて過ごしている。それ以外の番組で年を越したことがない。このムックは1951年の第1回から59回までを写真とデータで振り返る。懐かしいエピソードがいっぱい。
「紅白おもしろ検定」全100問というのもあって、第1問は、第1回の開催日について選択式で選ばせる。答えは1月3日。第1回から3回まではお正月番組で、テレビはなく、ラジオ生放送だった。大みそかのテレビ番組になったのは第4回からなのである。男女が紅白に分かれて対決する形式は当初からであったが、4回目にしてはじめて紅組が優勝。敗れた白組は「テレビは怖い。衣装に負けた」と悔しがったそうだ。
NHKの重鎮制作者たちによる座談会では昭和51年頃は、歌詞だけ書いてある台本だけで勢いで進行していてのんきだったという舞台裏が明かされる。紅白の応援合戦は相手を驚かさるために内容は秘密だったので「時間のキープなんてめちゃくちゃ。だからどんどん時間が足りなくなって、用意していたコーナーがカットされたり、応援の出演予定の人が出られなくなったり。」。出演者と舞台裏のスタッフは5000人以上もいて、緻密な台本による進行が行われる現在の紅白とはずいぶん違ったようだ。
「CD100万枚売れましたといっても、その歌を100万人しか知らないかもしれないですものね。みんなヘッドフォンで聴いているから、広がらないんですよ。」と20年間紅白にかかわった島田源領氏は「歌が飛ばない」現象を嘆く。第1回では1時間番組だったが、時代がくだるとともに、多様化にこたえるため長時間化し、ジャンルも広がった。そして視聴率は下降していった。紅白歌合戦の構成と視聴率は日本人の多様性のバロメーターなのだ。
小林幸子の衣裳の変遷をカラー写真で追うなどの特集記事。出場回数、分布、トリ歌手一覧、連続出演などの記録を集めた紅白データ百科などのコーナーもある。オフィシャル編集なので詳しい。紅白ファンは大晦日に家族で読むと団らんネタによさそう。