Books-Miscの最近のブログ記事

・ダイオウイカと深海の生物
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イカもサメもばっちりです!

ダイオウイカと深海の生物の学研ムック。NHKスペシャル深海プロジェクト監修。

豪華とじこみ最大770ミリ超巨大イカポスター4枚+シールというオマケが子供だましよのうと思ったが実物みたら結構良いなシール。

ダイオウイカQ&Aより
「ダイオウイカはどのくらいいる?

相当数いるはずです。北太平洋だけでもマッコウクジラは約20万頭いると推定されているので、もし1週間にダイオウイカを1個体食べたとしても、1年で約1000万個体にもなります。もちろんほの何倍も生息しているはずなのですがなぜか見つかりません。」

世界に何千万もうじゃうじゃいるものなんですね。

サメもNHKスペシャルで見ましたが、メガマウス、ミツクリザメ、カグラザメ、ラブカ。個人的にはオンデンザメが好きですが。

ミツクリザメは長い吻と前に伸びる顎で獲物をキャッチするのがトラウマになりそうなほど印象的ですが、あれって本当に役立つのだろうか。稼げるリーチって50センチくらい?4mのミツクリザメが間近にきても獲物は油断しているということ?

撮影秘話。カメラマンはダイオウイカが現れる前からカメラを回していて見事に現れる瞬間を映像にとらえていた。なんとなくくる気がしたという動物的な勘がはたらいたとのこと。

奇跡の映像、次はマッコウクジラとの死闘シーンを見てみたいですが。

ダイオウイカ、食べられるそうです。塩化アンモニア水が入った小さな液胞を身体中にもっていて泳がなくても沈まないのですが、そのため、ダイオウイカの身は噛んで食べると苦味やニオイがするので噛まずに飲み込むように食べると普通のイカみたいな味だそうです。

・野心のすすめ
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林真理子の自伝的な人生論。高望みで人生は変わる?。

「人は自覚的に「上」を目指していないと、「たまたま」とか「のんびり」では、より充足感のある人生を生きていくことはできないのです。」「いま「低め安定」の人々がいくらなんでも多すぎるのではないでしょうか。」「一生ユニクロと松屋でオッケーじゃん」?。

林真理子という作家は、最初から華々しくマスメディアにデビューしたのかと思っていたが、そうでもないらしく「電気コタツで泣いたどん底時代」のことから始まっている。就職活動では40社以上から不採用通知をもらい、貧乏なアルバイト生活から社会人生活を開始。悶々とする中で、貯金14万円のうち12万円を投資して宣伝会議のコピーライター養成講座に通い、文才を見出される。

「どん底時代をどういう心持ちで耐え抜いたかというと、「いまに見てろよ」っていうような不屈の精神ではないんです。「おかしいなあ....私、こんなんじゃないはずなんだけど」という「???」の思いでした。」

有名になりたい!作家になりたい!という気持ちを大切にして、小さな成功体験をばねにアグレッシブに前進をし続けた。そして才能は開花した。時代の追い風もあって、林真理子は時代の寵児となって華々しい活躍をするようになる。

素直にいいなあと思った。共感した。これでうまくいく人生は幸福だ。

不況が長く続いたせいか、どうも世の中の人たちがおとなしくなって謙虚になって、「有名になりたい!作家になりたい!」という動機はダメ、「社長になりたい!政治家になりたい!金持ちになりたい!」という野心むき出しの人生は正しくない的な風潮になっているが、ではそうじゃないやり方でみんな幸福をつかめているかというとそうでもないわけで。

野心家タイプは野心むき出しで生きるのももちろんありだよと力強く押してくれる内容だった。

おそらくこういう生き方でうまくいく野心家タイプと言うのは、

「野心には飢餓感という副作用がありますから、野心など持たず、ヒリヒリするような気持ちを味わうこともない、低め安定のまま穏やかな日々を過ごせるほうがいいと考える人もいるでしょう。実際、私は心が穏やかな時があまりない人間です。ひとつ何かを手に入れると、もっと幸福になりたいから、必ずまた別の何かが欲しくなる。」

というメンタリティの人なのだろうな。

・Hanako FOR MEN Vol.8 カレー万歳!
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男性向けHanakoってあるのか。初めて知ったがカレー特集が気になって衝動買い。なかなか面白い。東京と大阪のカレーの名店リストがあるのですが、あれ?結構世代交代している?私が知っている老舗的な店が抜けていて、時代が変わってきたのかなと感じました。新しい店を発見できてよかった。

この雑誌には出てなかったですが3つほど私のおすすめのカレー店を書こう。

まず東京駅。最近、KITTEが完成して東京駅から国際フォーラムまで地下でつながりました。その経路上にあるTOKIA地下にインデアンカレーがあります。国際フォーラムへいく用事があると必ず食べています。

インデアンカレー
http://www.indiancurry.jp/

そして鎌倉の七里ヶ浜。珊瑚礁の本店は海を見ながらハワイ風なカレーを味わえます。週末はとても混んでいますが、雰囲気とあわせて満点。

レストラン珊瑚礁 本店
http://www.sangosho.net/honten.html

最後は、いわゆる「帝国ホテルのカレー」。この名前、缶詰でもあったような気がしますが、いわゆる「帝国ホテルのカレー」はパークサイドダイナーでメニューにあります。この前食べてきましたが、本格的な由緒ある英国式カレーで、味も別格でした。

・パークサイドダイナー
http://www.imperialhotel.co.jp/j/tokyo/restaurant/9

・人を呼ぶ法則
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元経済企画庁長官の堺屋 太一は、通産省時代に日本万国博覧会を成功させたことで知られる。大阪で開催された万博の入場者数は6422万人で、日本人口の6割相当が訪問したことになる。まさに日本を代表するイベントプロデューサーは、イベントをこう定義している。

「臨時的な装置と演出によって
 非日常的な情報環境を創造し、
 多数の人に対して
 通常では感じられない心理的肉体的な刺激を与え、
 特殊な情報伝達状況を生み出す」

臨時的、非日常性、多人数対象、心理的肉体的刺激、情報伝達がポイントだ。成功したイベント、失敗したイベントを取り上げて何が間違っていたか、批評する。

それにしても国民の6割の来場者数は凄い。万博は後半の入場者数の加速があったそうだが、そこには日本人の集団心理があったのではないかと分析あれている。社会科学の実験で「みんな持ってるよ」「みんな食べてるさ」の「みんな」とは5%のことという説もあり、この閾値を超えると意思決定コストが下がる。みんなが行くならば自分は行くか、行かないかではなく、いつ行くかの問題になるのだ。

企画においては「芸術と文化に多数決はない、決断と説得があるのみ」が信条で「ブレインストーミングが個性と独創を阻む」。自らが責任を取り直接管理する科学的プロデュースこそ重要であり、前例の模倣などありえない、なぜなら聖なる一回性こそ、みんなが参加する最大の動機づけだから。

6つのアトラクティブス

歴史
フィクション
リズム&テイスト
ガール&ギャンブル
ショッピング
サイトシーイング

このうち3つを選んで重点開発するといいのではないかなど、独自のイベントプロデュース論を展開している。

堺屋氏は若い頃に万博を企画できたことを振り返って、ひとつには日本には関ヶ原の戦いを起こした石田三成のように「偉くない人が大事業ができる」伝統があるという。そして「年功序列の厳しい日本で、なぜ万国博に限り20代30代の若者が大活躍できたのか。それは「万国博がこれほどの大行事とは誰も思わなかった」からだろう。と述べている。

若者が活躍できたインターネットも同じかもしれない。

・狐筋の一族 武富健治実話作品集
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『鈴木先生』でブレイクした武富健治氏が、漫画実話ナックルズやバンブーコミックスなどで描いた実話ベースの漫画作品を16本収録した作品集。第一章 怪談、第二章 都市伝説、第三章 秘境と因習、第四章 死と暴力。掲載誌は読み捨てられる安っぽい大衆誌であるから、作家にとって、これを自分の代表作にするという意気込みはなかったはずだが、だからこその表現の遊びのバリエーションが楽しいと思った。

狐憑き家系と差別を扱った表題作は、昭和まで残っていた因習が引き起こした悲劇を描く。女性を誘拐してレイプして強引に結婚する"おっとい嫁じょ"とか、九州の離島に残るカルト集団"クロ宗"の実態など、秘境と因習の章は特に、取材ベースで強く印象に残るものが多い。

『連続射殺魔死刑囚の最期』は『無知の涙』で知られる殺人犯 永山則夫の晩年を描いた作品。こういう事件が起きたのは、あの頃、俺が無知だったからだ、貧乏だったから無知だったんだ。貧困が原因で罪を犯すことになったという永山と文通を重ねるうちに、獄中結婚する決意をする一般女性がいたという実話。『無知の涙』を読んでみたくなった。

この作品集を読んで、実話系劇画誌というのは、かつての日活ピンク映画市場のような、作家を育てるという面で、一定の役割を果たしているのかもしれないなと思った。(漫画実話ナックルズは休刊してしまったそうだが...。)

・カウントダウン・メルトダウン
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ジャーナリスト船橋洋一が文芸春秋から出した福島第一原発事故ドキュメンタリ上下巻。全交流電源喪失から一旦の収束に至るまでを時系列で21章に分けて語る。大作だが、関係者の会話を中心として状況がまとめられているので読みやすい。そして緊迫感がある。

原発事故の前半で最も印象的なのが管首相のイライラ。中途半端に原子力の知識があったために、関係者に怒鳴り散らして、現場をかなり混乱させてしまった。誰しもイライラしていたわけだが一国の首相としては人格的に問題があったのが明らか。

「今、福島第一から撤退すれば、1号機から4号機、5,6号機まで全部爆発する。福島第一原発だけでなく福島第二原発も爆発する。」「日本の領土の半分が消えることになる。日本の国が成り立たなくなる。何としても命がけで、この状況を抑え込まないといけない。」

そして、事故を何度振り返ってもこの逃げられないぞ発言はなんだったんだろうと思う。
「君たちは、当事者なんだぞ。命をかけてくれ。東電は逃げても、絶対に逃げ切れない。金がいくらかかっても構わない。日本がつぶれるかもしれないときに撤退はありえない。撤退したら東電は100%つぶれる......。」

当時は首相の本気を示す言葉だと思っていたが、キョトンとした顔で東電の幹部は首相の一方的な演説を聞いていたという。重要な場で話がかみ合っていなかったのだ。

カウントダウン・メルトダウン
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3月14日の吉田所長のことば。「細野さん、すみません。もうダメかも知れません。2号機に水が入らないんです。原因がわからないんです。このままいくと燃料棒全露出になってしまいます。」。報告を聞いて管首相は「制御不能になったということか」「ダメか...」。

この国がまた緊急事態に陥ったら、決して政府発表を信じてはいけない。まず最悪の事態が裏で進行している可能性を想定して、個人が判断をしなければならないということがはっきりする。


・死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日
http://www.ringolab.com/note/daiya/2013/01/post-1757.html

まちづくりマネジメントはこう行え 2011年10月 (仕事学のすすめ)
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まちづくりのコンサルタント 西郷真理子の仕事をまとめた小冊子。住民たちがディベロッパーになる、住民参加型のまちづくりには独自のノウハウがある。ステークホルダーがまちづくり会社を設立して、地権者たちは利用権利を委譲する。土地と所有と利用の分離、公共性と事業性の両立というしきりを作ったうえで、徹底的に話し合い合意形成をする。

だから従来の都市デベロッパーにはできないことができる。

人の集うあいまいな共有空間が大事。手法としてクリストファー・アレグザンダーのパターンランゲージ、デザインコードを重視している。真ん中にシンボル的なものを置く。道路の広さと建物の高さの関係(D/H)は1:2くらいだと心地よいが開きすぎるとだめ。ヒューマンスケールをベースに考えることが大切。移動には300メートルくらい歩くくらいがちょうどいい。そういったパターンをもとに、実際の空間をデザインする。

同氏の代表作である高松市丸亀町商店街の例をこの前見てきた。

kame3.jp - 高松丸亀町商店街 - http://www.kame3.jp/

大きなドームを中心にしたメインストリートは明るく近代的な商業モールのようでありながら多数の昭和的な横丁が混在する、有機的な深さを感じる商店街だった。規模もとても大きいがにぎわっていてシャッターを下ろした店もほとんどなく元気な地域をみた気がした。

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縁側、テラス = 外でも内でもないあいまいな空間、心地よい遊びのある空間に人は集まるという発想が実際に生かされていた。

「職住一体」という言葉があるけれど、最近では商と住一体というのもあるらしい。米国では
ライフスタイルセンターというコンセプトでショッピングモールの3Fが住居の、アーケードのないオープンモールが注目されている。

街づくりは時代とともに変化する。著者は都市を集約してコンパクトに戻していくべきだという。日本の人口1.28億人は30年後には1億人になる。1970年の人口に戻るのだ。だからこそコンパクトシティの発想が大切になるという。豊かな地域コミュニティ、顔の見える商店街の復活、集団で支えあう街へと古くて新しい価値観への挑戦の事例がこの冊子にはいろいろ書いてあった。

・女性社長が日本を救う!
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日本の女性経営者は6.7万人で、男性経営者20人に対して1人でまだまだ少数派。米国では経営者4人に1人が女性経営者であるそうだ。EUでは2020年までに上場企業は女性役員比率を40%以上にするように義務づけている。あきらかに日本は女性の経営参加の後進国だ。

この本にでていたが、経営において男性は「売上高」、女性は「製品」にこだわる傾向があるらしい。リーマンショックでつぶれたのは男性経営者の会社が多かったという記述もあった。女性が経営参画していくことで産業や経済の体質が改善されていくのだろう。

夜9時以降のお客様接待は自宅(普通のマンション)でするというポリシーの女性社長の例が紹介されていた。「ワークライフバランス」よりも「ワークライフブレンド」を追求する女性経営者の感性で、新しい働き方、生き方の世界が始まりそうだ。

しかし、どうやったら女性経営者が増えるのだろうか。

著者の横田響子氏は、女性社長を支援するベンチャー企業を起こして、実にストレートな事業を始めた。

Wooooomen's![ウィーミンズ]はごひいきの女性社長とその商品をみんなで応援して、ポイントを貯めていくと、女性社長からお返しがくる応援コミュニケーションサイト。

Wooooomen's![ウィーミンズ]-Wooooomen's!の想い
http://wooooomens.jp/
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そして
女性社長.netという全国各地で活躍する個人事業主・会社経営を行っている女性社長データベースを構築した。写真の一覧を見ると男性社長よりも写真に気を使っている社長が多い感じなのが面白い。メディアが取材対象や番組出演者を探すのにも使いやすそう。

女性社長.net -
http://joseishacho.net/

ほかにも女性社長スター誕生プロジェクトなどを仕掛けている。先日、私の会社に横田社長がいらっしゃった。女性経営者を増やしたいという思いを商売っ気なく熱く語り続ける。

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このウィーミンズで応援される社長が作ったついついあられもおみやげでいただいた。

つ・い・つ・いあられ 人気の4種お取り寄せセット

うまい。

http://wooooomens.jp/ec/products/detail79.html

経営者としては、頑張っている経営者を見ると応援したくなる。でも自社の事業と直接のシナジーがあるとか、投資を求めているというケースでもない限り、応援といっても、なにをすればいいかわからない。こういう応援サイトがあれば、ちょっと知り合った女性社長を気軽に応援することができる。

・ビブリア古書堂の事件手帖 (1) (カドカワコミックス・エース)
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毎週じっくり見ている月9ドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖 』。本がテーマであり毎回、本をよく読む人も読まない人も楽しめる古書の薀蓄がでてきて、剛力彩芽の「想像してみてください」のセリフがたまらなくて、今期のドラマでベストだと思う。

原作は比較的有名な小説(未読)だが漫画化されているというのでそちらを読んだ。漫画はカドカワ版とアフタヌーン版がある。主役の美人度という点ではカドカワ版が圧倒で、なぜかアフタヌーン版はあまり可愛くないマニアックなメガネ娘になっている。

このビブリア古書堂の事件手帖は原作との違いの比較がネットのクチコミで大いに盛り上がっているのだが、小説、テレビドラマ、漫画2作と合計4つのビブリアが存在するので、原作小説とテレビドラマの比較、原作小説と漫画の比較、漫画2作の比較、テレビドラマと漫画2作の比較など、比較のバリエーションがいっぱいある。

ファンたちはそれぞれの作品の顔を比べたり、原作との差異を論じたり、文句をいうようでいながら実は楽しんでいる。話題作りという意味では成功しているといえよう。

・ビブリア古書堂の事件手帖(1) (アフタヌーンKC)
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全国ロケ地ガイド:ドラマ・映画・特撮の撮影場所案内
http://loca.ash.jp/

というサイトをたまたまみつけた。

先日ロケ地が近かったので行ってきた。ビブリア古書道の建物は鎌倉の長谷に実在する。実際は古書店ではなくて鎌倉彫の店である。出入り口部分がドラマでは古本や看板が置かれて少し違う印象があるが、間違いなくここだ。まったく観光地ではなく住宅地にあるのだが、土曜の昼間だったがちらほらと視聴者らしき人が訪れて写真を撮影していた。東京から近い鎌倉が舞台で、他のロケ地も狭い鎌倉に散らばっているので、巡礼者が多そうなドラマだ。

・ロケ地 写真
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ビブリア古書堂の事件手帖 - フジテレビ
http://www.fujitv.co.jp/biblia/index.html

公式サイトでは過去に紹介された本の一覧もある。

『ビブリア古書堂の事件手帖』公式サイト
http://biblia.jp/

・天智と天武 1
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天智天皇といえば中大兄皇子のこと。645年、中臣鎌足と組み、政敵の蘇我入鹿を天皇のの前で暗殺した大化の改新や朝鮮半島での白村江の戦いで有名。天武天皇はその弟であり、天智の皇子を壬申の乱で倒して天皇となった人物であり『日本書紀』と『古事記』の編纂をはじめたことでも知られる。この二人による日本古代史上で最大の兄弟喧嘩を描く。まだ1巻だが傑作の予感。

副題が新説・日本書紀。大胆な史実解釈もある。まず天武天皇(大海人)を蘇我入鹿と皇極帝(天智天皇の母)の間に生まれた子供としている。天武天皇の出生について史料上はっきりとしていないという事実をうまく活かした。天智天皇からすると、自分と同じ母親を持ちながら、暗殺した政敵の息子でもあるという設定で、複雑な人間関係がつくりだされた。

明治時代のフェノロサと岡倉天心が法隆寺・夢殿で秘仏を暴く冒頭シーンから物語を始めるなど原作の演出が冴えている。絵も少女漫画的過ぎず、男子読者も恥ずかしくないかんじで実にいいのじゃないか。マイナーな時代の歴史物なので、万人受けはしないのだろうが、このレベルで続巻がでていけば高い評価になりそう。

人質として日本に滞在している百済、新羅、高句麗の王子たちも二人の物語に絡んでくる。当時の日本が朝鮮半島の3国間の均衡に影響力を持っていたからだが、白村江の戦いに至る国際展開も、これからの物語のスケールとダイナミズムを大きくしていきそうだ。

安彦良和の「ヤマトタケル」も始まったし、里中満智子も古事記を描き始めたし、今年は古代史漫画が熱いな。

建設業者

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・建設業者
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インタビューの面白さがたっぷり味わえる傑作。

鳶、クレーンオペレーター、鉄骨工、サッシ取り付け工、宮大工など、建設業で働く現場の労働者37人にインタビューして彼らの素顔に迫った。「この仕事のやりがい?そういうものは、なければないで一向に構わないんじゃないですか」。血の気の多い荒くれ者の集まりというイメージがあるがという問いに「うん、実際そうでしょう(笑)」と答える鳶。飾らない建築現場のオヤジ達の肉声が聞こえてくる。

「昨今、いかに川下から川上へさかのぼれるか、使われる側から使う側へ立場を逆転させるか、そんな"成功法則"を説いた書物が書店の棚をにぎわしているが、少なくとも彼らの心的傾向に、そうした「成りあがり」的上昇志向は見当たらない。いつもの場所で、いつもの仕事を、いつものように完璧な状態にまで仕上げていくだけ、それ以外には関心はないかのようである。」

仕事にプライドを持っている人もいるが、持っていない人もたくさんいる。年配の人が多いので、身の丈以上の夢を抱かない。現場の厳しい上下関係や理不尽に慣れており、自分のできることをできる範囲でやるまでだと覚悟している。

上昇志向で意識の高さを競うようなビジネスの世界と違った就業観が新鮮に思えた。働き方を考えるうえで「ワークシフト」と並んで読んでおくべき一冊ではないかと思う。

●目次
■鉄であれコンクリートであれ
鉄骨鳶(湯本春美)「思いやりで仕事が回る」
クレーンオペレーター(千葉清和)「勝負は一本目の柱で」
鉄骨工(池田章)「中途半端な人間が必要なときもある」
非破壊検査(小正雄)「コンパニオンのように」
鳶・土工(井上和之)「ちゃんと働いていれば、ちゃんとした生活ができる」
解体工(村上文朗)「とにかく近所の人を大事にしてる」
型枠大工(佐藤豊)「親方の仕事は雰囲気づくり」
ALC建て込み(小堺恒昭)「子供に見せられる仕事って」
ほか・・・・・

■裏か、表か
給排水設備(小池猛)「一本一本心臓から血管をつないでいくように」
電気設備(保坂和弘)「『最後』の仕事」
石工(関田嗣雄)「伝説の親方」
タイル工(高橋政雄)「それから、劇団に入団しました」
左官工(浜名和昭)「必ず誰かが見ている」
ガラス工(三本正夫)「機関銃はダメだけど」
塗装工(ロバート・マティネス)「『遊びながら』がちょうどいい」
建具吊り込み(田辺敏之)「未知のものを目の前にしたとき」
カーペット張り(樋口仁朗)「膝が命」
畳張り(浜崎和馬)「いろいろ誤解されているようで」
ほか・・・・・

■木と伝統に魅せられて
素材生産(塩野二郎)「大事なのは人間の中身だからね」
林業(田中惣次)「誰が山を守ればいいのか?」
製材(沖倉喜彦)「いま、木がものすごくよく見えてきている」
木挽き(東出朝陽)「何が見えてくるかは、まだ分からない」
曳家(飯嶋茂)「どんな建物にも急所ってもんがある」
洗い屋(海老沢博)「クスリで洗ってるんじゃないんだよ」
宮大工(金子浩晃)「やりたい気持ちをどこまで抑えられるか」
宮彫師(渡辺登)「たとえ金儲けはできなくとも」
社寺板金(本田三郎)「リズムをつくって叩くだけ」
ほか・・・・・

・MMR-マガジンミステリー調査班-(1): 1 (少年マガジンコミックス) [Kindle版]
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出版社がつける電子書籍化の優先順位は謎である。

なんでこれが...。『ムー』好きとしては衝動買いしてしまった。

少年マガジン編集部のマガジンミステリー調査班ことMMRが、UFOやUMA、超能力、心霊現象などの超常現象の謎に迫る。キバヤシ・ナワヤ・タナカ・イケダ・トマルという実在の編集部員をモデルにした隊員たちが、遭遇した不思議に対して、最初は懐疑的に接するが、だいたい最後はオカルト肯定で終わる。私はすでに成人していたが、少年マガジン連載だから、子供に与えた影響は結構大きかったのではないかと思われる。

インターネットがなかった頃は、雑誌などのマスメディアの信ぴょう性は今よりずっと高かった。そこに描かれる超能力者の真偽について調べようがないわけで、MMRみたいに肯定的に描かれると、信じちゃう子供もいたはずである。罪作りな漫画だと思う。今だったらちょっと検索すればわかるけれども。

政府機関の陰謀や世界を裏から操る秘密組織がつぎつぎに登場して、続き物のストーリーとしても結構楽しめた。和製のドタバタXファイルみたいなものだった。この漫画は連載期間が1990年-1999年だったこともあり、ノストラダムスの予言は最大のトピックでもあった。そして予言とともに連載終了。知る人ぞ知る迷作といえる。

なんだって――!! MMR復活プロジェクト あの伝説の漫画が復活する! [プロジェクト・アマテラス]

人間仮免中

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・人間仮免中
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感動したコミック。大傑作。

卯月妙子(うづき・たえこ)の自伝的近況報告的な漫画。

「1971年、岩手県生まれ。20歳で結婚。しかし程なく夫の会社が倒産し、借金返済のためにホステス、ストリップ嬢、AV女優として働く。排泄物や嘔吐物、ミミズを食べるなどの過激なAVに出演。カルト的人気を得る。その後夫は自殺。幼少の頃から悩まされていた統合失調症が悪化し、自傷行為、殺人欲求等の症状のため入退院を繰り返しながらも、女優として舞台などで活動を続ける。さらに自伝的漫画『実録企画モノ』『新家族計画』(いずれも太田出版)を出版し、漫画家としても活躍」

という過激なプロフィール(これ以外にもステージ上で首を切って自殺を図ったり、立派な彫り物を背負っていたり...)の女性漫画家が、居酒屋で趣味があった還暦過ぎじじいのボビーに交際を申し込む。3度結婚に失敗しているが、人格的にも経済的にも余裕のある大人の男ボビーは、そんな彼女のすべてを真正面から受け入れる。純愛。二人は真剣に結婚を考えるようになる。

春が来そうなムードだったのに、彼女の統合失調症が悪化して、事態は急変、言葉を失うような悲惨な地獄へ堕ちていく。どん底からボビーをはじめ周囲の暖かい支援を受けながら、回復へと向かう長い長い道のりを300ページ超の大作として描いた。

生き地獄のような絶望や、統合失調症の見せる強迫観念的な幻覚を、リアルに伝えているが、絵柄は明るくユーモラスなタッチで描く。軽いタッチで重い現実を描く。この境遇にして、この才能が発揮された。笑いながら涙が出てくる。

なんといっても大人の男ボビーの包容力がかっこいい。日常のダメな部分も描いてリアリティを出しつつも、彼女が危機の正念場になると、これ以上ないくらいの優しさと真面目さで恋人を守り続ける。たぶんこの作品は著者からボビーへのラブレターでもあるのじゃないかと思った。

暗殺教室 1

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・暗殺教室 1
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面白いな、これ。子供って無邪気に殺すという言葉を使うけれども、大人の漫画家が本気で殺すという言葉で遊んだら、どういう作品ができるか。かなりいい線いっているぞ、1巻読んでその後の展開がとても気になる。

"僕等は殺し屋。標的は、先生。"

最高時速マッハ20で動き回り、再生変形能力を持つ謎の超生物は、先日、圧倒的な破壊力で月の7割を蒸発させた。来年には地球も同じようにしてやると各国首脳を脅迫しているが、一般人はまだ超生物の存在を知らされていない。

なすすべもなく戦慄する首脳陣に対して、タコみたいな超生物は日本の椚ヶ丘中学校3年E組の担任に赴任したいと申し出てくる。目的が意味不明だが、担任になればマッハ20で逃げ回られずに済む。毎日30人の生徒たちが"先生"を殺すチャンスがある。卒業までに先生を殺せなければ地球が滅亡するという秘密任務をおって、毎日教室では先生の暗殺が試みられる。

普段の"殺せんせー"はめちゃくちゃ強いので、とても手が出ないのだが、熱心な教師でもあるため、生徒と心が通った隙に油断をみせるので、それにつけこんで暗殺のチャンスがあったりする。

シュールなギャグ漫画。ひたすら先生を殺す話なのに殺伐とはしておらず、むしろ、教師と生徒の真剣勝負を通して、良い教育とは何かを考えさせられたりして、ひきこまれるいい作品。

暗殺教室 少年ジャンプ 公式サイト
http://www.shonenjump.com/j/rensai/ansatsu/

・都市と書斎のランドスケール [Kindle版]
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「ランドスケール・ブック ― 地上へのまなざし」の著者・石川初氏と、「あたらしい書斎」の著者・いしたにまさき氏による対談。著者同士の馴れ合いを対談を文字化したゆるい内容だが、それぞれの読者にとっては楽しい。読者サービス型の電子書籍としてこういうのはいいな。

いしたにさんとは、古株ブログ仲間として、新春ポッドキャストを一緒にやったり、イベントに出たりと、おつきあいが長いのですが、常に今やっていることばかりがいっぱいあって、話が現在形に終始してしまい、これまでどんなことをやってきた人なのか、聞いたことがなかった。この本ではいきなり「いしたにのバックボーンから」として、いしたに家の幕末以来のルーツから明かされている。対談相手の石川さんも、横浜の石川町という地名が関係があったなんてこともわかる。

いしたにさんは、本をネットの先端サービスの本を次々に書いたり、バッグを作ったり、書斎の研究家になったり、政府の広報アドバイザーに就任したりと、やることが多彩だ。脈絡がないともいえるが、この結論を出さないで次へ行くというスタイルが、それがいしたにさんの卒論テーマの本居宣長の仕事スタイルの影響だったとは。

実は宣長の業績の中って、実は結論を出していないものが多いんです。対象化の問題に踏み込んでしまうと、結論って当然のように出にくくなるわけです。例えば古事記伝だとこんな感じです。冒頭に「天地」と書かれているんですが「これはテンチと読める。アマチとも読める、じゃあ次」。え!、結論ださないんだ!と(笑)。」

確かにこうしたじゃあ次!というスタイルの方が変化の激しいネット業界の先端ウォッチャーとしては向いている。

著者のプロフィールがわかる電子書籍ってありだなあと思った。対談は自分が語りではでてこない要素を引き出す。

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