Books-Management: 2013年4月アーカイブ
成果主義とIT導入により職場から雑談が消えている?。
「不機嫌な職場」をよくするには「苦労話」が効く。その効用は、
1 自己理解と相互理解を深める力
2 問題と向き合い、相手や原因を客観視し、本質的な解決策に近づける力
3 心のなかにある思いを紡ぎ出し、重ね合わせ、組織の思いに変える力
の3つがあるとされる。
苦労話をするときには、不満だけをぶつけない、互いの話を聞く、持論を押し付けない、何を感じ学んだのかを大切にする、明るく前向きに話す、共通点を重ね合わせるといったルール&マナーを守りましょう、というアドバイスがある。
苦労話を自慢話、愚痴話にせずに、発展的コミュニケーションの肴に使うというのは、
やってみると案外、難しい。
この本にも「苦労話と聞くと、単に昔話をして、昔のほうがもっと大変だった。今の若い奴らは甘いという話をする上司や大ベテラン社員を想像する人もいるかもしれません。苦労話といいながらも、結局は自分を正当化し、周囲を否定するような言動をしてしまうと、その人の話をこれ以上、聞きたいとは思えなくなります。」という解説がある。
そうそう、確かにそうなってしまう。直近の苦労話よりも子供の頃の苦労話を選んだ方がうまくいくようだ。転校してきて友達ができなくて困った、とか、英語のLRの発音ができないで困ったとか、憲法前文の暗記が苦手で最後まで残ったとか。
上手に苦労話をするノウハウも紹介されている。自分の人生の転機図を描くというのは楽しそうだ。10歳ごろから現在までの、自分の気分を天気模様として折れ線グラフに描いてみる。上がっているときと下がっているとき。それぞれに元気話、苦労話をするという手法だ。
仕事の提案書、企画書を持ち寄って語るという手法も職場でうまく使えそうだ。自分で書いた提案書や企画書には、思いがいっぱい詰まっているし、当時の問題点も生々しく思い出されるものだ。失敗を素直に語るツールとして、埋もれがちな過去の提案書を使うのはアイデアだと思った。
・不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/04/post-966.html