Books-Management: 2011年10月アーカイブ
この本凄くいいな。
私は先日、社内の新人研修で「プレゼンテーション」の講師をつとめた。私が社内で一番講演やスピーチの数をこなしているだろうということで選ばれたわけだが、自分だけが体得した暗黙知を、他人に伝達可能な形式知にまとめるのは大変な作業だった。あの研修の前にこの本を読んでいれば相当参考になったなあ、共感できる内容が多い。カリスマではなくても聴く人にちゃんと伝わり、そして動かすプレゼン術の基本が解説されている。
プレゼンで大事なのはだらだら話さないこと。情報を圧縮すること。取捨選択能力、文章構成力、キーワード力をフル活用して、長い話も1分にまとめる。具体的な時間配分も推奨されている。
疑問を投げる (15秒) 興味 何だろう?
結論を述べる (10秒) 驚き へぇ~
理由を説明する(35秒) 納得 なるほど!
これがコクヨの1分間プレゼンテーションだ。1分間で話せるのはおよそ原稿用紙一枚分の400字。1つの文章が30~50字だとすると5秒の文章が12個言える。だから12の文章を考えればいい。わかりやすいノウハウだ。
「困難・キッカケ・劣等感」で共感を呼ぶ」「ゆっくり話すのではなく、間を入れて話す」「1センテンス1人を見て話す」「お得意のジェスチャーを決めておく」など、声の出し方、話し方のテクニック、トレーニング法と応用が、1ステップについき見開き図解つきで解説されている。
プレゼンテーションはプレゼンターの個性、人柄がでることも大切だと思うが、まずは情報伝達の基本がないとだめである。ビジネスの現場で通じる最大公約数的なノウハウをまずは身につける必要がある。コクヨの研修で活用されているノウハウの書籍化だそうで、実践的な社員教育用のこなれたテキストブックになっている。