Books-Management: 2007年12月アーカイブ

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人はカネで9割動く

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・人はカネで9割動く
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身もフタもなく、いやらしい、実践的な処世術の本。

「「金の価値」は、それをつかう人間の全人格ーいや演出によって何倍もの価値を生めば、捨て金にもなる」というのが著者の持論である。

たとえば同じ金額を誰かに渡すにしても、その渡し方の演出次第で費用対効果は異なる。この本の例では、同じ一万円でも「これで酒でも飲んでくれ」と言えばケチだが「お茶でも飲んでくれ」と言えば太っ腹だと思われるだろうという。チップならば帰り際に渡しても自分はいなくなるのだから無意味だから最初に渡す。しかも、毎回ではなく渡したり渡さなかったりすれば待遇はさらによくなる。といったような、同じ投資で相手にたっぷり恩に着せ、ありがたがってもらう「生き金」の使い方のノウハウを指南している。

とにかく、わかりやすくて、どぎつい。

目次を抜粋すると、

・ああ見えてもいい人なんだと思わせる金づかい
・相手を優位に立たせない接待の受け方
・祝い金は誰よりも早く、援助金は誰よりも遅く
・報酬は折半せず、相手の取り分は三割以下にすること
・落ち目の人間を選び、居酒屋で酎ハイをおごる
・評判をあげたければ礼金に金をかけること
・顔だけ出して、わざわざ来てくれたんだと思わせる
・頼まれ事には即答せず”値打ち”をつける
・カバンや小物へのこだわりが相手の気を呑む

などなど、これでもかとお金の効用最大化の術がある。。

この本には「成功者だけが知っている「生き金」のつかい方」という副題があるが、取り上げられる「成功者」とは、暴力団幹部、売れっ子ホスト、政治家、やり手経営者など、シビアな現実を生き抜く実践の知恵が紹介されている。人の葬式を印象操作の場として利用する方法まである。

投資に対する効用を最大化する経営者的な視点は、万人が知っていてもよいことだと思った。お金のやり取りは言葉や態度で示さないと意図が伝わらず、無用なトラブルをまねいてしまうことがあるのも事実。

だが「感謝の薄い金は死に金」というルールを、一般生活で使いまくると、下心が見抜かれて逆効果にもなるだろう。本来、本当のやさしさや誠意っていうのはメタレベルで伝わるものだよなあ、とも思った。

ベタで実践的な内容はとても面白かった。いわば「汚い大人読本」である。

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