Books-Management: 2007年6月アーカイブ
著者のプロフィール。
「公認会計士二次試験(合格率6%)を史上最年少の19歳で合格 以後、フルタイムの仕事をしつつ、かつ3人の子どもを育てながら、中小企業診断士試験(合格率4%)、オンライン情報処理技術者試験(合格率4%)合格 TOEICは新卒時420点から3年間で900点へ 社会人大学院でファイナンスMBAを取得。その結果、年収を16年間で新卒時の10倍とした著者が初めて公開する、本当に効率的で合理的で楽ちんで、目から鱗の勉強法。 」
文系ビジネスマンに勉強法を語る人として、とても説得力のある経歴。16年間で年収10倍というのは、新卒時から現在まで毎年26%の収入増のペースでやってきたことになるそうだ。
この本を知ったのは書評ブログ仲間の二人のブログで絶賛されていたから。
下記のエントリに内容の詳しい紹介がある。
・マインドマップ的読書感想文 「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」勝間和代
http://smoothfoxxx.livedoor.biz/archives/50952753.html
・俺と100冊の成功本 社会人版ドラゴン桜!?「無理なく続けられる 年収10倍アップ勉強法」
http://blog.zikokeihatu.com/archives/001224.html
著者いわく「IT機器を中心に、新しい道具をいかに使いこなして、無理なく続く仕組みを作るかに尽きる」。これはデジタルツールをフル活用した勉強法なのだが、使っているパソコンやMP3プレイヤーの機種名、ダウンロードサイト名まで教えてくれる具体的な記述が参考になる本だ。
「月収の5〜10%を目安に投資し続けることが大事」「しっかりと、いい道具を揃えて、いいコンテンツを買ってきて、うまく続くように、いろいろな仕組みを設計しましょう。」「必要なのは意志ではなく、仕組みや設備への投資です。」
情報収集については、
「本は乱読でいい。量が勝負と、ひたすらインプットする」
「テレビは時間当たりの情報量が少ないので、時間の無駄」
「一般誌を読む時間を減らし、その分、専門誌または書籍を」
というアドバイスがあって、前提として速読技術をまず身につけよとのこと。
目と耳から大量の情報を効率的にインプットするための秘訣が書かれている。「インプットとアウトプットに、勉強時間を半分ずつ使う」「アウトプットしてみてはじめて、ほんとうにわかっているかどうかわかる」。親指シフトによる高速入力、マインドマップによるまとめ作成など、パソコンを使ったアウトプットのノウハウも多い。
文系ビジネスマンのための、ITを活用した勉強法の、最新事情がよくわかって参考になる本だった。
・「その他大勢」から一瞬で抜け出す技術 過小評価されているあなたを救うスピード・ブランディング
なんとも魅力的なタイトル。
初対面の人と会うときには、「すごい人」と錯覚させるために、
1 有名ホテルのラウンジで待ち合わせ
2 「御付きの人」を同伴させる
3 ゴールドカードでテーブル会計
4 直接電話に出ない、携帯番号を名刺に書かない
という演出をしてみよう、相手の評価はまったく違うという実践が紹介されていた。
自分ブランドをゼロから築く上で、こういう技術は、本質ではないが極めて重要な技術だと思う。特に独立して仕事をする場合、まず「見た目」で勝たないと、「実力」の勝負まで進めないことが多いからだ。
「低く値踏みされる可能性があるポイントはあらかじめ取り除いておくべきなのです。」
自分が学生時代にフリーランスで仕事を始めたころのことを思い出した。毎日、必要もないのにスーツを着てネクタイを締めていた。「有名ホテルのラウンジ」もよく使う手であったが、当時の私は何処が高級ホテルか分かっていなかったので、今考えると妙な選択をしていた気もする。相手からは底の浅さを見抜かれていたのかもしれないが、少なくとも他の学生とは違う、頑張っているイメージを相手にもってもらうことはできたなあと思う。
「まず肩書きを作り、次に組織を作り、代表になれ。」
「自分の「キャッチ」を作りそれを名乗り続けるのです」
「実績を正直に話していたら、最初の実績自体が作れません」
「時にはハッタリも必要なのです」
ゼロの自分をゼロのまま見せたら、いつまでもゼロのままなのだ。だからといって、いきなり100ですと詐称するのもまずいわけである。そういう点で、とくに有効な考え方だなと思うのが、この本で紹介されているこの一節。
「今あなたが業界では普通のレベルであっても、視点を(業界の)外と自分よりも下の初心者にターゲッティングすれば、すぐにでもあなたの情報は価値あるものへ変わります。」
誰だって仕事を2,3年もしていれば、普通のプロになれる。業界内では「その他大勢」だが、場所を変えれば立派に専門家の顔を作れるわけだ。社内ではペーペーの営業マンであっても、社外のコミュニティや学生相手に「セールスのエキスパート」を名乗ってもおかしくない。
この本の著者は、セミナー講師になって6カ月で「誰にでもできる「セミナー講師」になって稼ぐ法」という本を出版し、いきなりその他大勢を脱却、セミナープロデューサーになってしまった。ブログやメールマガジンを活用した、ネット時代ならではの実践体験を語っているので、独立を考えている人におすすめ。
・ネクストサービス
http://www.next-s.net/
著者が経営するセミナープロデュース企業。
・パーソナルブランディング 最強のビジネスツール「自分ブランド」を作り出す
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003528.html