Books-Management: 2005年1月アーカイブ
・プロマネは見た!
主人公は架空のIT企業グローバルシステムズ(社員1万人)に転職したばかりの新任プロジェクトマネージャ。現場の日常の中で体験する、ヒトと組織の困った問題を33のストーリーで指摘する。
つぎつぎに出てくる、いやーな話。
・上司と部下の関係にこだわる
・責任を問われないエリート社員の失敗はなかったことに
・掲示板やMLを使って議論を始めるSE
・何でもメールで連絡してくるSE
・権力や地位に弱い事業部長
私は大企業の社員として働いた経験がない。大企業のプロジェクトに参加することはあっても、立場が「プロマネ」でなくて「社外コンサル」である。この本に書いてある風景は、ときどき見るなあ、と思いつつ、当事者でないので、疑問や怒りもわかない。ただ、大きな組織の中の論理って複雑だなと思う。社外コンサルとしてはそうした事情も理解しておかねばならないわけで、この本は勉強になった。
私が頻繁に遭遇し不思議に思うのは、プロジェクトの顔合わせで、大企業の社員同士またはグループ内同士で名刺交換をする風景だ。確かに初対面だから名刺交換してもおかしくはないのだけれど、挨拶含めて長時間に及ぶこともある割に、実は名前を覚えられなかったりする。
あれは方程式にするとn×(n-1)だ。10人、20人いたらば大変である。10人×(10-1)枚で90枚の名刺が飛び交う。20人だと380枚だ。あれはやはり無駄なんじゃないかなあ。その後もメーリングリストも作るの決まってるわけだしって、いや、私がわかってないのかもしれないが...。あ、その名刺は再生紙でしたか。失礼。
と、あまり、こういう話を広げて書くと隊長(先日の某所での再会と楽しい懇談とネクタイ批評ありがとうございました)風になるので、ここらへんで提言に向かうとして。
名刺の交換でなくてポジションペーパーの交換に変えてみるのはどうだろうか?。
・ポジションペーパ方式
http://eto.com/d/0403.html#1-wx_JFWRdTXUHIYPZXc3g
一緒に中国を旅したエトさんの説明。
- ポジションペーパとは「立場表明書」を意味する。
- 参加者各自が現在の自分の立場をA4一枚にまとめ、配付する。
- それぞれが5分づつ、そのペーパーを元に発表を行う。
- 参加する全員が配付し、発表することが重要。あらかじめ人数分コピーする。
各自がA4一枚の大きさ内で自分が今考えていること,みんなに伝えたいことを
まとめて,それを全員に一枚づつ配付する.(名刺代りにもなっている.)
こうすることによって,各自が考えていることをコンパクトに伝えられる.
この本、軽い読み物として楽しめたが、プロマネをやっている人にはただ日常が書いてあるだけ?