Books-Fiction: 2007年2月アーカイブ

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もはや古典扱いの作品ですが、全部読みました。

「悪童日記」で右からガツーンと殴られ、「ふたりの証拠」でさらに左からグワンときて眩暈がして、「第三の嘘」のアッパーカットでノックダウンされる。2作目、3作目と連携プレーが効く。ガンダムにたとえるとドムのジェットストリームアタックを喰らったようなインパクトである。これは必ず3作続けて読むべきである。

・悪童日記
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「戦争が激しさを増し、双子の「ぼくら」は、小さな町に住むおばあちゃんのもとへ疎開した。その日から、ぼくらの過酷な日々が始まった。人間の醜さや哀しさ、世の不条理―非情な現実を目にするたびに、ぼくらはそれを克明に日記にしるす。戦争が暗い影を落とすなか、ぼくらはしたたかに生き抜いていく。人間の真実をえぐる圧倒的筆力で読書界に感動の嵐を巻き起こした、ハンガリー生まれの女性亡命作家の衝撃の処女作。 」

著者は、主人公たちの心理描写を徹底的に排除し、事実だけを淡々と述べていく。客観的な記述にこだわった文体は、亡命者としての著者の心境を表しているとも評される。心を描かないことで、逆に心が気になる。読者は、主人公たちのしたたかな生き方には共感しつつも、どこか得体の知れない闇を感じている。その緊張感が「悪童日記」の面白さだなと思う。

そして、この作品がフィクションとしての本当の魅力を見せるのは「ふたりの証拠」からだと思う。

・ふたりの証拠
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「戦争は終わった。過酷な時代を生き延びた双子の兄弟の一人は国境を越えて向こうの国へ。一人はおばあちゃんの家がある故国に留まり、別れた兄弟のために手記を書き続ける。厳しい新体制が支配する国で、彼がなにを求め、どう生きたかを伝えるために―強烈な印象を残した『悪童日記』の待望の続篇。主人公と彼を取り巻く多彩な人物の物語を通して、愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて全世界の共感を呼んだ話題作。 」

アマゾンの説明では、(ある種のネタバレを避けるためなのか)「愛と絶望の深さをどこまでも透明に描いて全世界の共感を呼んだ」などと、トンチンカンな紹介がされているが、この本の面白さは愛や感動なんかではない。著者が築いたフィクションの迷宮との知的格闘である。冒頭からそのゲームは開始され、「第三の嘘」まで、ゲームのルールを変化させながら続いていく。

・第三の嘘
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「ベルリンの壁の崩壊後、初めて二人は再会した…。絶賛をあびた前二作の感動さめやらぬなか、時は流れ、三たび爆弾が仕掛けられた。日本翻訳大賞新人賞に輝く『悪童日記』三部作、ついに完結」

語り口は寓話的でシンプルな文体だが、それを積み上げていくとこんな構築ができるのか、圧倒的じゃないかと思った。

恋愛小説も純文学も苦手だけど面白い名作はないですか?と聞かれたら、これを薦める。

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http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004759.html

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笹まくら

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・笹まくら
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故・米原万里が書評集「打ちのめされるようなすごい本」で打ちのめされるようなすごい小説として絶賛していたので興味を持った。40年前(昭和40年頃)に丸谷才一によって書かれた河出文化賞受賞の傑作である。

舞台は終戦から20年後。私立大学の職員である主人公の浜田は一見穏やかな生活を送っている。浜田には戦時中に死罪に値する徴兵忌避をして、日本中を女と逃げ回った後ろめたい過去があった。平和な時代になって、それは法的にはもはや罪を問われることのない経歴であったが、世間の目は冷ややかであった。

笹まくらとは、落ち着かない、不安な状態のことである。浜田の戦時中の逃避行と現在の息苦しい職場生活の二つの時制の笹まくらが重ねあわされる。過去の回想と現在の思考を空行で区切ることなく、意識の流れのままに文章化した独特の文体が、思い切ることができない浜田の憂鬱な心情をそのまま表している。時制が途切れない文体と並んで、捻りの加えられた構成の工夫も見事で、終始、緊張感のある物語に仕上がっている。

私が高校時代に丸谷才一を知ったのは小説ではなく、名著「文章読本」の著者として、であった。この本はさらに10年後、ライターの駆け出しだった私に編集者が薦めてくれた本でもあり、今でも思い入れのある本で、何がしかの影響を受けた。だから丸谷才一は私にとっては文章術の先生のイメージであった。小説を読んだのは実はこれがはじめてなのであった(本末転倒)。

・文章読本
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翻訳者であり、ジェイムズ・ジョイスの研究者でもあった丸谷は、日本語を客観視して、技巧によって名文を創り上げる努力をする作家であると言われる。学者であると同時に芸術家であり、技を知り尽くした上で、無意識の発露としての創造性を、この作品に結実させている。

徴兵忌避というテーマは、執筆時点でも既にふた昔前の遺物であったが、さらに40年が経過した。主人公が感じているのは脱走兵と同じような後ろめたさなのだろうなと想像して読むしかないわけだが、現代の読者の私にも、逃避行のスリルはとても生々しく感じられた。時代性が産んだ小説であるが、時代を超えた普遍の面白さを秘めている。戦後の余韻の時期である発表当時の社会的インパクトは、さぞかし大きなものだったのだろうと思った。

面白い古典である。

家守綺譚

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・家守綺譚
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「これは、つい百年前の物語。庭・池・電燈つき二階屋と、文明の進歩とやらに棹さしかねてる「私」と、狐狸竹の花仔竜小鬼桜鬼人魚等等、四季折々の天地自然の「気」たちとの、のびやかな交歓の記録」

貧乏暇有り書き物を生業とする「私」は、今は亡き幼馴染の実家の留守を預かる”家守”(いえもり)の仕事を引き受けた。家守はヤモリと同音である。ヤモリには家を守る呪力があるという迷信がある。家守の「私」もまた、庭のサルスベリの樹と交感したり、掛け軸の中に住む幼馴染の亡霊の訪問を受けたり、日々異界のものたちとの交わりを深めていく。

「私」の日常を綴る形式で、ひとつあたり数ページの短い不思議話が数十本、オムニバスとして収録されている。話はひとつひとつで完結しているのだけれど、すべてが少しずつつながって濃度の高い世界観を形作っている。

これは21世紀の作品だが、設定は百年前だから明治時代の話である。日本古来のアニミズムの世界観に西洋化・文明化の波が少しずつ浸食を始めた頃である。一応は理性のアタマを持つ「私」だけれども、ココロとカラダはまだまだ土着のカミさまたちと一緒に暮らしている。それを当たり前に描いている文体が綻びがなくて巧みである。

この本を読みながら見るといいサイトがある。

・家守綺譚の植物
http://mother-goose.moe-nifty.com/photos/bungaku/index.html
「梨木香歩著『家守綺譚』の中に出て来る植物の写真を集めてみました」

この小説には植物の名前がたくさんでてきて、物語の雰囲気づくりに重要な役割を果たしている。こうして写真で知っておくと想像の再現性が高くなって深く本を味わえると思う。植物をモノではなく精霊に見立てた表現がありありと立ち上がってくる。

文庫版が昨年出たが、この本の風雅を味わうには雰囲気のある装丁のハードカバー版が絶対におすすめである。


・梨木香歩情報部
http://www.yokikotokiku.com/nashikinews.htm

・雷の季節の終わりに
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004801.html

・夜市
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004796.html

・龍宮
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004759.html

・真鶴
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004871.html

・きつねのはなし
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004868.html