Books-Education: 2013年4月アーカイブ

・高校生からの経済データ入門
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高校生向けに、物価、金利、人口、経済成長率、国際収支統計、就職率などの基本的な経済データの読み方を教える新書。国の大きな数字だけでなく、コンビニの来客数・売上データから夏は客数、冬は売り上げ単価重視の経営戦略を読み取ったり、プリンタの価格(変動するがモデルチェンジで価格戻す)とインクの価格(安定している)にみるメーカーの価格戦略の巧みさに感嘆したり。身近なビジネスのデータ分析の例もたっぷりあって大人も勉強になる。

経済のデータというのは、公開された数字を見て、へえ、そういうものなのか、覚えておこうと思って終わりにしてしまうことが多い。結局、覚えてさえいないものだが。この本には考えてみよう!という練習課題が用意されていて、さざざまな経済データのグラフや表から、何が言えるかを問う。たとえばじゃがいもとポテトチップスの価格が連動しないのはなぜか。分析の切り口を自分で考えられれば、記憶にも定着しやすい。

データ分析はグラフではなく表で行えという指導があった。あまり考えたことがなかったが、

「一般的に、表とグラフでは、グラフのほうがすぐに特徴をみつけやすいといえます。だからといって、そうしてみつけた特徴が本当に意味がある特徴かどうか、単なる錯覚ではないのか、グラフをみたことで先入観をもってしまったあとでは、検証がむずかしいでしょう。 だからこそ、まずは、特徴をみつけにくい表をながめてデータ分析をすることが、データ読解力を高めるうえでは大切です。」

こういうことはあるかもしれない。私たちはついつい楽な方へ流れてしまうから、わかりやすいグラフに頼りがち。ITツールに頼りがちということもありそう。学校の勉強と同じで、スキルとしてのデータ読解力を高めようと思ったら、練習問題を解くように、頭に負荷をかけるしかないということなのだろうな。