Books-Education: 2011年8月アーカイブ
・読書感想文がラクラク書けちゃう本―宮川俊彦のオタスケ授業 (日本一の教え方名人ナマ授業シリーズ)
ドラえもんとのび太くんととっちゃまんによる小学校中・高学年向きの参考書。低学年の息子に読書感想文の書き方を教えてやろうと思って父親視点で読み始めたが、読書感想ブロガーの私が参考になってしまった。なかなか、いいことが書いてある。
書きだしのテクニックや「感想ワード」や「展開ワード」を使って、子供たちがまずは原稿用紙を埋める方法を教える。「本との出会いから入る」「もしも」「主人公への手紙」「ベタボメ」「セリフ抜き出しの術」「表紙がいいとかまわりからせめる」など。
そして、起承転結的な、たくさんの構成テンプレートを紹介している。11項目からなる「とっちゃまん式組み立て理論」など、大人でも本の紹介に役立ちそうな形式がある。
小手先のテクニック指導だけじゃないのも好印象だ。
たとえば、例文として
「ぼくは『マッチ売りの少女』を読んだ。こいつってばかじゃん、と思った。」
とか
「『桃太郎』は、みんながよく知っているむかしばなしで、桃太郎がおにたいじに行く話だ。 この本のテーマは、「おにたいじをすることが正義だ」「正義の味方の桃太郎はエライ」ということなのかな。ぼくはちがうと思う。桃太郎は、みんなにほめてほしかっただけで、正義の味方なんかじゃないと思う。」
で始めていいんだよ、自分なりの感性を伸ばしていく延長にいい感想文があるよと教えている。巻末FAQの「先生にほめてもらえる感想文が書きたい!」という質問への答えが気が効いている。著者の答えは「「いい子ちゃん感想文」を書くか、書きたいように書くかだ」。ちなみに「いい子ちゃん感想文」とは、たとえうそでも感動したと書いて、自分の気持ちと主人公の気持ちをかさね合わせ、反省と目標を書く。テーマは家族、友情、自然破壊などにし「これから~したい」という文章を入れて、いちゃもんをつけないことだよ、と、ちゃんと教えている。
ドラえもんがあんまり活躍していないのが気になるが、とっちゃまんはなかなか為になることをいう。正体は国語作文教育研究所所長らしい。なるほどね。