Books-Education: 2007年3月アーカイブ

自己プレゼンの文章術

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・自己プレゼンの文章術
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ベテラン広告マンが書いた就職のための自己プレゼンの書き方の本。

「学生の作文によく出てくるの語の一つは「思う」である。これを安易に使って、文章の底を浅くしてしまっている作文は少なくない。<中略>「客観的事実や当然の帰結に「思う」をつける必要はないし、意見・考え・趣味が分かれそうな事柄を「思う」の一語で片づけるのには問題がある。「思う」だけで思考がストップしてしまうのだ。」

これは私も文章を書きながら悩むテーマだ。

1 「思う」は本当に難しい
2 「思う」は本当に難しい、と思う。

上のようにふたつ書き方があってどちらにするか迷うことが多い。「かもしれない」や「であろう」も同じようにつけるべきかどうか迷う。

考えてみれば、執筆者が神様でもない限り、すべての文末に「と私は思う」はついていておかしくないのである。逆にすべて削ってしまっても意味は通る。だから、「思う」をつけるかどうかは、どんな印象を読み手に与えたいかの戦術を考えた上で、攻めでつける「思う」だけを残すのが正しいのだろうなあ、と思った。守りの「思う」は要らないのだ。
著者と同じように、私も年に何度か学生の作文を大量に読む。一度に100本近く読む。文法が間違っているような文章は少ない。書く前の整理ができておらず、字数を埋めるための引き伸ばし戦術に出て、冗長になる失敗例がとても多い。「思う」はその代表例だ。

最初の1行に言いたいことを印象に残る形で書いてある作文は、いいものが多い。

実際に私が読んだ作文の例だと、冒頭で「私は音楽なんて大嫌いだ。」と書いて改行したものがあった。何が先に書いてあるのだろうと思う。そして本文が終わって最後の一行も「だから、私は音楽なんて大嫌いだ」で終えていた。形としてうまいと思った。読み手を意識していることが感じられる。肝心の本文はまずまずだったのだが、印象に残ったので高得点をつけた。

この本にはたくさんの文章指導がある。文例と改作案がわかりやすい。具体的、簡潔に書きなさいというアドバイスが繰り返されている。執筆と同時に編集を意識することが肝だと思う。

ひとつ私もいい方法論を考えた。

自己プレゼンを書く人は、短時間に100本の作文を読む採点者の心理を意識すべきだと思う。その作業を一度体験してみるのが、文章を練習するよりも効果的な訓練になるかもしれないと思う。友人・知人の長文の自己プレゼン(Mixiの自己紹介文でもよさそう)を100本集めて印刷し、1本あたり3分で300分間、エクセルでも使って評点とコメントをつけてみるというのはどうだろうか。

やってみると最初の10本は楽しくても、次第に面倒くさい、と思うはずである。職業意識に燃える採点者だって多かれ少なかれそう思っているのだ。目に飛び込んでくる文章とは何かがわかってくるはずである。それを真似すれば、100本を書くよりもてっとり早く自己プレゼンの文章術を身につけられるのではないか、と私は思う。

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