Books-Economy: 2012年9月アーカイブ
英『エコノミスト』誌が予測する2050年の世界。科学、政治、人口、経済、女性、などの20の分野で、各分野に詳しいジャーナリストが予測を行った。戦後の日本の高度経済成長を言い当てた同誌によると、。「2050年の日本のGNPは韓国の半分になる」「2050年の日本の平均年齢は52.7歳。アメリカのそれは40歳」。ちょっと暗いな。
20分野の予測。各分野のは詳細については専門家から異論も出そうな記述も多いのだが、これだけの多くの分野の予測を総合して、ひとつの未来像にしている点が素晴らしいと思う。
視点をもって読むといろいろとデータやヒントが手に入る本だ。ビジネス机において何度も読み返して使えそう。
私はこの本を、ちょうど仕事で調べていた雇用や労働というテーマを軸に読んでいたのだが、こんな最新情報や未来予測がみつかった。
"契約型の雇用者が、複数の企業にみずからの技能を売るようになるなど、会社の形態もより複雑化することになる。"
"様々な技術革新にともない、グローバル市場においては、知識階級に富が偏在するようになり、労働者の勤務はグローバル化によってより過酷化する"
"フリーランスの人々は、技能と知識を更新し続ける手段として、ローリンク(弁護士)、セルモ(医師)、ニュードクス(歯科医)、エイチネット(社会科学者)など、"ネット上の協会"を設立し始めている。フリーランスの人々に行き場を提供するため、オフィス施設─サンドボックススイーツやシチズンスペースなど、さまざまな呼び名が付いた拠点─の建設を始めた起業家もいる。"
"距離が意味をなさなくなったことを利用し、各地域、各文化圏の労働力、技術力の特長を生かした国際分業はやりやすくなった。そのぶん、どこで何をする、という位置が重要になってきた。開発の得意なシリコンバレー、スペックをもとにプログラミングをするのが得意なインドのバンガロール、厳格な運用システムを創ることが得意なドイツ、といった具合である。"
こうした記述をつないでいくと、次世代のワークスタイルってどんなだろうとか、それに対する市場やソリューションはどんなものが出てくるだろうとイメージがわいてくる。