Books-Economy: 2007年11月アーカイブ
ガンダムのプラモデルはいかにして生まれたのか。
30代から40代でガンプラファンならば、懐かしいエピソードとカラー写真も満載でページをめくるのが本当に楽しい本である。バンダイ模型の元社員で、ガンプラブームの仕掛け人と設計者の二人が、ガンプラ絶頂の栄光の日々を振り返る。
以前にも書いたが、私も小学校時代にかなりのガンプラ・ファンだった。
・ガンダム・モデル進化論
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003091.html
この本はデータブックとしてもよかった。
・機動戦士ガンダム THE ORIGIN、MGアッガイ、ターゲット イン サイト
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004854.html
そして今年の正月にはアッガイをつくった。
テレビ放送の「機動戦士ガンダム」は当初は不人気だったことはよく知られている。しかし、実際の番組を見てヒットの可能性を予感した二人は、当時は競合他社がおさえていた版権の獲得に乗り出し成功する。半信半疑の設計開発。そして視聴率低迷で番組打ち切りになった半年後にガンプラの第1弾が発売された。当時キャラクターものとして異例の144分の1、100分の1という統一スケールを採用した。
「万人向け」にとらわれず、投書や電話をしてくるマニアの意見を丁寧に聞いて、短期間で製品にフィードバックする。たとえば足首が動かなかったザクを出荷分のモデルでは動くようにする。当初はなかったビームサーベルのおまけをつけるなど、マイナーチェンジにもこだわった。
ファンの熱い支持により、それまでの業界の常識では考えられないほどの大ヒットとなり、現在までにシリーズは900点に及ぶモデルを発売してきた。世界的に見てもプラモデルのここまでのヒットは例がないようである。
「好きな仕事をしているからヒット商品が生まれるのではない。その仕事を好きになるほど熱中しているからこそヒット商品は生まれるのである。」その後のビジネスで経営者として成功を収めた著者の二人は、当時を振り返って、そう成功哲学を総括している。