Books-Economy: 2005年12月アーカイブ

・ホテル戦争―「外資VS老舗」業界再編の勢力地図
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高級ホテルの予約サイト 一休.comは、ときどきチェックしている。メディアで話題の一流ホテルに、1万円台という格安のプランがみつかったりして嬉しくなる。

一泊5万円、6万円というクラスになると手が出ないが、この価格帯の宿泊が、いま市場で急成長しており、多数の外資系ホテルが東京へ進出し、サービス競争を繰り広げているようである。

・[一休.com]高級ホテル・旅館予約
http://www.ikyu.com/

日本のホテルには暗黙の格付けがある。

【御三家】

帝国ホテル
ホテルオークラ東京
ホテルニューオータニ

は私も知っていたが、新しく新御三家も成立している。

【新御三家】

フォーシーズンズホテル椿山荘 東京
パークハイアット東京
ウェスティンホテル東京

そして、この本の著者によると2005年以降に開業する新しいホテルによって新々御三家まで誕生しようとしているそうである。

【新々御三家】

マンダリン オリエンタル 東京(2005年開業)
ザ・リッツカールトン 東京(2006年開業)
ザ ペニンシュラ 東京(2007年開業)

旧来の御三家やそれに準じるクラスの国内資本系では、圧倒的なブランドと資金力の帝国ホテル以外は、外資の進出に相当の苦戦を強いられているようだ。

外資が一斉に東京に参入を始めたのは、

・海外観光客の増加
・東京の地価の下落による外資の参入意欲高まる

といった理由があり、地方都市では先行して外資ホテルが次々に成功をおさめてきた。東京はその内外対決の最終決戦の場となっているらしい。

高級ホテルは生き残りをかけて、

1 スモールラグジュアリーホテル
2 グランドホテル
3 老舗ホテル

といったポジショニングを明確にし、差別化をはかっているそうである。ホテルの要は一流のサービスを行うことの出来る人材。ホテルマンの人材獲得合戦も盛んになっている。お客の要望にきめ細かに応えるという部分では、国内資本のホテルは定評があったというが、経営とのバランスを取る点では外資の方が強いという。

この本は最近話題の高級ホテルの内情(客室稼働率、平均単価、経営状況)や、業界地図が説明されているのが参考になった。ウェスティンとシェラトン、ザ・リッツカールトンとマリオット、コンラッドとヒルトンは、それぞれ経営母体が一緒の系列関係にあるなどは知らなかった。各グループの成り立ちの丁寧な説明もある。ホテルについての薀蓄が語れるようになってうれしい一冊。