Books-Culture: 2011年4月アーカイブ
パパ料理と起業の物語。
デジタルハリウッドの第一番目の社員で元執行役員の滝村さんは今は日本で唯一の「パパ料理研究家」であり、株式会社ビストロパパの代表取締役だ。デジハリ在籍に趣味ではじめた料理ブログが人気になり、"ぱぱずBeアンビシャス"で2009年に独立した。
パパ料理とは、
「男の料理は、自分のつくりたいものを、自分の都合でつくる男の趣味料理」
「パパの料理は、自分の腹がへっていなくても家族のためにつくる、お父さんの家庭料理」
家族のためにつくる料理のこと。
ベンチャーでハードワークをしていた滝村さんは、娘の誕生で家で料理をするようになり、趣味の料理からパパ料理へと心境が変化して、やがてそれを天職と考えるようになった。「やりたい仕事がなければ、自分で「職業」をつくればいい」と、まずは「パパ料理研究家」を名乗った。名乗るのはタダだし誰でもできる。そしてブログによるパーソナルブランディングを上手に使って、「好き」を仕事にする方法が、体験ベースで書かれている。
一澤信三郎帆布という有名ブランドに、無名のビストロパパが提携を持ちかける、体当たり作戦が功を奏して、ブランドは軌道に乗り始める。カネもモノもなくても情熱がヒトを動かす。等身大の起業家ならではのストーリー。フリーランスとして自分ブランドで独立を考えている人にとても参考になる内容。
この本に紹介されている総務省「社会生活基本調査」によると日本男性の家事・育児・介護時間は1日あたり平均1時間。韓国は35分。アメリカ、ベルギー、イギリスなどの欧米は2時間以上あるそうだ。次の滝村さんの目標は日本に「パパごはんの日」をつくること。文字通りその日は家庭でパパがごはんをつくるという日だ。父の日、母の日という「受けとる」日はよくあるが、「与える」日って斬新だなあ。