Books-Culture: 2005年3月アーカイブ

・案外、知らずに歌ってた童謡の謎
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誰でも知っている童謡に隠された背景を探ったベストセラー本。シリーズ3冊で20万冊も売れたらしい。後半で若干作者の創作も入っていそうだが、全体的に読みやすくて、ウンチクを増やすには面白い本。

・「赤い靴はいてた女の子」はどうなったか?実は異人さんに連れられていっちゃって...なかった。そこにはなんとも悲しい実話が背後にあった。

・「夕焼け小焼けの赤とんぼ、おわれてみたのは」の「おわれて」とは?。

・花いちもんめ。花=女の子、いちもんめ=一匁(金額)。負けて悔しい、あの子が欲しい。貧しい農村と女衒のやりとりが歌になっている?

・ひなまつり、お嫁にいらした姉さまに良く似た官女の白い顔。「いらした」は行ったのか、来たのか?なぜ敬語扱いなのかの考察に始まるもうひとつのストーリー。

・ずいずいずっころばしの、”ずい”はずいきで、茶壷は大名行列で、それに追われてというのは...。遊郭の男女の秘め事との関係が...。

・かごめ、かごめは籠女でやはり遊郭系なのか?「鶴と亀がすべった」「夜明けの晩に」「後ろの正面」に秘められた意味とは。

などなど、あの歌に隠れた背景説明に、驚きの連続。


私もひとつ、童謡の秘密を先日、インターネットで知った。童謡といえるか分からないが、小学校で音楽の先生が独自に用意した副読本に「たんぽぽの歌」という歌が収録されていた。先生のピアノ伴奏で毎週歌わされたので、歌詞をすべて丸暗記している。こどもながらに素晴らしい歌詞とメロディだなあとじーんと感じて、今でも心の中でくちずさんでいたりする。

#みなさんはこの歌をご存知ですか?
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たんぽぽの歌

作詞 門倉  訣
作曲 堀越  浄

雪の下の故郷の夜 冷たい風と土の中で
青い空を夢に見ながら 野原に咲いた花だから

どんな花よりタンポポの 花をあなたに贈りましょう
どんな花よりタンポポの 花をあなたに贈りましょう

高い工場の壁の下で どれだけ春を待つのでしょう
数えた指を優しく開き 空き地に咲いた花だから

どんな花よりタンポポの 花をあなたに贈りましょう
どんな花よりタンポポの 花をあなたに贈りましょう


ガラスの部屋のバラの花より 嵐の空を見つめ続ける
あなたの胸の想いのように 心に咲いた花だから

どんな花よりタンポポの 花をあなたに贈りましょう
どんな花よりタンポポの 花をあなたに贈りましょう


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だが、その後の人生でこの歌がメディアに出てきたことは一度もなく、いったいどういう出自の歌なのだろうと気になっていた。それが最近、インターネットで検索したら正体が判明した。

かつての日立製作所の労働闘争ソングだそうだ。

なるほど歌詞はそう読もうと思えばそう読める!。そうか、あの音楽の先生はつまり日教...と邪推するのはやめにして、そういう出自があるからメディアに出てこなかったのだろうなと、思った。素晴らしい歌なのにもったいない話である。夏川りみあたりがイデオロギーと関係なく、歌ってくれると見直されると思うのだが。

関連書評:

・封印作品の謎
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002818.html

・放送禁止歌
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001449.html

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