2008年03月01日

役に立たない電動デバイス USB カメレオン

・USB カメレオン オレンジ
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USBカメレオンはUSBでパソコンとつなぐカメレオンである。手足が針金のように曲がるので、これを使ってノートPCの角に取り付ける。

目玉をぐるぐる廻しながら、口を開閉して舌を伸ばす。

USBにつなげた直後は必ずひとしきり動くのだが、その後はいつ動くかはランダムなのでわからない。静かにしているなと思ったら突然に動く。PCからカメレオンを操作するという高級なことはできない。いつ動くか分からないのでハラハラする。結構頻繁に動く。

役員をしている会社の会議で、これからは「週間MVP社員」を表彰する制度が発案されたので、「じゃあ、MVPはパソコンにこのカメレオンをつけたらどうだろう?」と提案してみたが、あまり賛同者が得られず、悲しい。

色はオレンジ、ブルー、ライトグリーンがある。私が買ったのはオレンジ。

ビデオに撮影してみた。こんなかんじ。

なお、USBで接続すると腰をカクカク振り続けるハンピングドッグというのもある。1台に2つつけたらものすごくバカっぽくてよいのじゃないだろうか。

・Humping Dog Brown ハンピングドッグ USB フィギュア
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2008年01月17日

EPSON カラリオ・プリンタ PM-T990

・EPSON カラリオ・プリンタ PM-T990
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久しぶりに自宅のプリンタを買い替えた。前回の機種について記事を書いたのが2004年3月なので3年ぶりだ(ブログに記録を残していると買換え間隔がわかって便利)。

・未来的なプリンタ複合機 HP PSC 2550 Photosmart
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001236.html

今回も自宅用には、空間がごちゃごちゃしない複合機(プリンタ+スキャナー+コピー機)から選ぶことに。2か月ほど悩んだ末に購入したのがこの機種。選定の決め手は、なんでもできる万能性である。

このプリンタは驚くほど多機能、なんでも対応をしている。無線LAN、有線LAN、赤外線通信、Bluetooth、CD/DVDの読み込みとCD書き込み対応(内蔵)、ほぼすべてのデジカメメモリ対応、USBメモリ対応、4インチ液晶モニタ、4800dpiの精度のスキャナー(フィルムスキャン可能)、CD/DVD印刷、デジカメRAW形式対応、などなど。パンフレットと説明書には何十もの機能が列挙されていて圧倒される。全部使う人はいないだろう...。

基本的なプリンタとしての性能は、普通文書の印刷は満足、写真に関しては大満足という感じ。予想通りオールインワンの使いやすさが高評価。

使ってみてわかったのは「前面と背面のW給紙機構」というのがすごく便利だ。前面にはA4などの普通紙を給紙しておき、背面には写真・はがき用紙を入れておくと、自動で適切な用紙を給紙するので、紙を入れ替える必要がない。前面でインク交換できるのも地味だがよいアイデア。

パソコンがなくても4インチ大型液晶モニターで内容確認と印刷ができるというのも家庭では気軽で結構使う。デジカメのメモリの内容をPCレスでCDROMに焼いてしまうこともできる。

・PM-T990
http://www.epson.jp/products/colorio/printer_multi/pmt990/

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2007年12月16日

携帯、ゲーム機、MP3プレイヤーなど汎用充電器 Panasonic USBモバイル電源 ポケパワー

・携帯、ゲーム機、MP3プレイヤーなど汎用充電器 Panasonic USBモバイル電源 ポケパワー
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そもそもは、

・名作RTS「エンパイア・アース」がソフトバンクのS!アプリに
http://www.4gamer.net/news/history/2007.05/20070501130204detail.html

「メディアソケットは本日(5月1日),ソフトバンクのYahoo!ケータイ対応サイト「海外人気ゲーム」において,S!アプリ「エンパイア・アース」の配信を開始した。」

というニュースを読んで、PC版エイジ・オブ・エンパイアの大ファンであった私は、速攻で携帯にダウンロードした。最大25ユニットまでという制約はあるものの、AOEの面白さが携帯に移植されている。10分程度でひと勝負終わるため、電車待ち時間にも向いている。すでにシナリオは全部制覇し、いまはランダムマップで遊んでいる。

たいへんおもしろかったのだが問題は携帯電話の電池を使ってしまうことである。ゲームで電池切れになって、電話が使えなくなったら本末転倒である。最近は持ち歩き可能な充電器ポケパワーを入手して使うようになった。ケーブルを用意すればiPodにも使える。

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持ち歩き可能な汎用充電器で、クレードル経由でこれ自体は充電を行う。フル充電には4時間程度かかる。基本的には付属ニッケル水素電池と充電器として使える。充電を忘れていた場合でも、オキシライド・アルカリ電池を入れれば充電器として動作する。

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重量は電池込みで93グラム。携帯とMP3プレイヤーの「保険」として常時携帯している。実際の利用に加えて「いつでも充電できる」という安心感があって満足。

・ポケットパワー公式サイト
http://national.jp/product/conveni/battery/pocketpower/

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2007年11月17日

卓上液晶タイやヒラメの舞踊り PRIVATE OCEAN

・PRIVATE OCEAN
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アマゾンに映像がある。

予約していたのが届いた。PRIVATE OCEANは卓上における液晶ミニ水族館。

320×240ドットの液晶の中に海洋が広がっていて、100種類の魚が泳ぎまわっている。この世界には海上、海中×3、深層×3の合計7つのエリアがあって、方向ボタンを押すと表示領域を移動させることができる。自動巡回モードになっていれば、ゆっくりとスクロールで巡回が行われる。

上部の決定ボタンをおすと現在時刻が表示される。

・時計表示機能
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時間帯によって海上は夕焼けになったり、水中では泳ぐ魚の種類が変化する。泳ぎ回る海洋生物は、3Dレンダリングモデルのモーションデータをシルエットで再現している。波の音、泡の音、クジラの鳴き声などのサウンドも流れる。前面のセンサーバーを押すと魚を驚かせることができる。

・時間帯に応じて変化する魚種、光の色
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そして、MP3プレイヤーなどの音源を音声入力ケーブルで接続すると、楽曲にあわせてタイやヒラメやその他大勢の舞い踊りが見られる。曲調に応じて魚種やダンスのスタイルが変わる。

夜中に電気を消して、音楽を流しながら、魚の踊りを鑑賞する。魚種が100種類もあり、小型から大型、深海魚やリュウグウノツカイのような珍しい魚まで、長時間観賞していても飽きないのが特徴。スピーカーの質はあまりよくないのが残念だが、最近、毎晩のように家族で電気を消して鑑賞中。


・Private Ocean 自宅で眺めるプライベートリゾート
http://www.segatoys.co.jp/private_ocean/index.html
セガトイズのオフィシャルサイト

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2007年10月19日

Apple iPod touchとAresTubeで動画三昧

iPod Touchの感想。

・Apple iPod touch
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iPod Touchを購入して2週間ほどメインのMP3プレイヤーとして毎日持ち歩いて使っている。ユニークなタッチパネルのインタフェースと軽快な動作が気持ちがいい。が、みんなが褒め称えている状況で、こういうことを書くと怒られそうだが、iPod TouchってMP3プレイヤーとして便利で使いやすいかというと、そうでもないんじゃないかというのが率直な感想である。斬新なインタフェースは新鮮だが、大量の楽曲から求めている楽曲を素早く探すには、旧バージョンやクラシックのインタフェースのほうが効率的だったと感じる。
友人とこういう会話もあった。

「これ、咄嗟に音を止めるにはどうしたらいいんだろう?」

「イヤホン端子を引き抜けばいいじゃないですか」

「それもまた革新的なインタフェースですね」

そんなこともあるが、大画面で写真や動画を見るためのマルチメディアプレイヤーとしては最高のデバイスだと思う。無線LANによるインターネット接続機能は今後のキラーアプリの登場を期待させる。PCなしで音楽や映像を購入ダウンロードできる便利さは衝撃的だった。コンテンツ配信のプラットフォームとしてビジネスも育ちそうだ。

iPod Touchは無線LAN経由で直接YouTubeを見ることができるわけだが、無線がない場所で使うことが多い私は、PCでダウンロードしてTouch用に形式を変換して視聴している。移動中にワンセグでテレビを見るより、好きなものを安定した環境で見られるのがいい。

世界の主な動画投稿サイトからのダウンロードと形式変換を、簡単に行えるAresTubeがとても便利だ。


・AresTube
http://www.benjaminstrahs.com/
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内蔵ブラウザーで動画サイトを見てまわり、欲しい動画があったら+ボタンをクリックすると、ダウンロードリストに登録される。ダウンロードされた動画はiPod用に形式変換されるので、iTunesを経由してTouchに取り込む。

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2007年09月23日

機内雑誌「Skymall」で見つけたオモシログッズを2ダース

・Skymall
http://www.skymall.com/shopping/onlinecatalog.htm?cm_re=HomePage-_-HP5-_-VirtualCatalog
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今月上旬はシリコンバレーにいたのですが、往路のノースウエスト航空の席に、「Skymall」という通信販売雑誌がおかれていました。普段は機内雑誌は映画情報以外は読まないのですが、このSkymallはITオタクやネタ系ブロガーのアンテナに強烈に突き刺さる商品ばかりで目が釘付け。日本に持ちかえって付箋を貼りながらゆっくり読みました。

大量に貼った付箋から2ダースばかり紹介。なおWebで同じカタログをみることができる。

・Smart Mill & Brew Coffee Maker
http://www.skymall.com/shopping/detail.htm?pid=102247875
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コーヒーメーカーにデジタル液晶がついている。天気予報が表示される。コーヒーを毎朝沸かしながら天気予報を見るって、案外いい組み合わせかもしれませんね。

・WowWee FlyTech R/C Dragonfly
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これが部屋の中をバタバタ飛ぶらしいです。ほしい。

・Now You Can Find It Locator
http://www.skymall.com/shopping/detail.htm?pid=69623664
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テレビのリモコンなど、なくしたくないものに各色のデバイスを取り付けておきます。なくしたら、対応する色のボタンを押すと、光と色で所在を教えてくれるというもの。

・LP-TO-CD Replacement Needles
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アナログレコードを録音して、CDに焼きます。

・Digital Picture Converter
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ネガフィルムをデジタル化する。500万画素CCD。スペックの割にずいぶん安いわけで、購入を検討中。

・Dry Erase Wall Map Mural
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3.96×2.74メートルの世界地図で書き込みができる。巨大な教材。

・Grill Alert Remote Thermometer
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キッチンに温度センサーを設置して、遠くからでも料理が焦げてないかをデジタル表示で確認できる。

・Flying Alarm Clock
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目覚まし時計。設定時刻になるとプロペラ部分が離陸して部屋を飛び回りながら警報をならす。


・Arcade Legends Game System
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往時のゲーセンを再現。100種類のアーケードゲームが入ったゲームコンソール。

・Grocery List Organizer
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音声認識機能付きお買いものリスト作成マシン。プリセットされたメニューか、または音声で買うべきものを告げると、リストを作成して印刷してくれる。

・Rolling Luggage Cart
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空港でベンチに腰掛けながらノートパソコンを開く。

・Robotic Hammerhead Shark
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リモコン操作でこのサメが泳ぐ。プールがないとだめですね。

・Floating Golf Game
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プールに浮かべてプールサイドから打つパター練習ゲーム。

・Thrill Zone
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でかいスプラッシュプールセット。これを置ける日本の家は多くはないでしょう。

・Messenger Speaker Bag
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iPodのスピーカーになるバッグ。外出先でみんなで大きな音量で聴きたい時に便利。

・Solar-Powered Bible
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太陽電池で動作する”しゃべる聖書”。聖書の任意の場所を読み上げてくれる。

・Dog Dazer & Dog-Off Deluxe
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人間には聞こえない波長の音でイヌをだまらせる。

・ThunderBolt Storm Detector
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カミナリの接近を検出する探知機。

・Nano UV Disinfection Scanner
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SARSなどのウィルスを紫外線で殺す携帯マシン。汚れていそうな場所に10秒。

・Scrolling License Plate - Slvr
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車のナンバープレートにフレームとして取り付ける電光掲示板。前後の車にメッセージをおくることができる。リモコン操作。

・Provincial Fireplace
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壁に取り付けるフェイクの暖炉。

・Forearm Forklift Straps
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こんな重いものでもこのストラップがあれば持ち上げることができる?

・Basho The Sumo Wrestler Table
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テーブルなんですが。どういう趣味でしょう。Basho=芭蕉?

・New York Times BDay Puzzle
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あなたの誕生日の新聞一面を500円でコピーっていうサービスが日本でありますが、これはあなたの誕生日のニューヨークタイムズをジグソーパズルにしてくれます。

・PetStep - 3 Step
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イヌがベッドにあがるための階段。2段タイプと3段タイプがある。

・Scanalizer w 2-yr Protection
http://www.skymall.com/shopping/detail.htm?pid=102477615
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レシートの読み取り機。紙のレシートをデジタル化して管理する。なるほど、これいいじゃないですか!

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2007年09月21日

SANYO 「eneloop」 急速充電器セット N-M58TGS

・SANYO 「eneloop」 急速充電器セット N-M58TGS
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もう普通のアルカリ乾電池を使うことはないと思う。

私のおもちゃ(PDA、携帯音楽プレイヤー、GPSその他)やこどものおもちゃ(プラレール、音の出る玩具)などを動かすのに、乾電池を日常的に必要としている。でも、アルカリ乾電池というのは、すぐ電池がなくなって捨てにくいゴミと化す。容量があるのかないのか外からはわからないから、さらに捨てにくくていらいらする。おまけに値段が結構高いなど不満が多かった。

ニッケル水素電池の充電池エネループは最高である。

パワーは乾電池の約4倍と言われている。実際にいろいろな用途で使ってみたが、アルカリ乾電池の2倍くらいは長持ちする印象がある。1000回使えることを考えると値段も安い。充電済みで売られており、ほとんど自然放電しない特性があって1年間は使えるそうなので、買ってすぐ使えるのである。

これまでの充電池は、突然電池切れしたり、繰り返し使っているとメモリー効果で使いにくくなったりしたが、エネループはそうした問題もクリアしている。最近は流通量も増えてますます使いやすくなってきたと感じる。

通常のエネループ充電器は単3形「eneloop」で約7時間、単4形「eneloop」で約6時間かかるが、この急速充電器は、単三2本であれば100分で充電が完了する。エネループが心から気に入った私は追加で充電池を購入し、家と会社の机の上にころがしている。気軽に買い足しても、繰り返し使えるから損ではないし、環境に配慮した製品だからよいことをした気分にさえなる。

もう普通のアルカリ乾電池なんか全部つくるのをやめちゃえばいいのだ。いやほんとに。だってeneloopと比べてメリットがほとんどないですから。環境にも消費者にもやさしい商品を作った技術の勝利だと思う。

・三洋電機 | eneloop(エネループ) 〜暮らしを変える電池〜
http://www.sanyo.co.jp/eneloop/
詳細な説明がある。


・太陽電池でEneloopを充電するeneloop solar charger

これはコンセプトはいいのだがちょっと高い。

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2007年09月06日

ロジテック Bluetooth2.0+EDR対応 USBアダプタ LBT-UA300C1

・ロジテック Bluetooth2.0+EDR対応 USBアダプタ LBT-UA300C1
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Bluetooth対応のノートPCと携帯電話を使うようになって、携帯とPC間のファイル移動がとても便利になった。携帯のカメラで撮影した写真をPCへ取り込む、PCで作成した文書を持ち歩くために携帯へ取り込む、携帯から携帯へデータを移動させる。Bluetoothの便利さを、身近にやっと実感できるようになった。

・ワイド液晶のワンセグケータイ Softbank 912SHに乗り換える
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005068.html

そうなると今度は使えない不便利を感じるようになった。Bluetoothに対応していないPCにも機能をつけたい。そこで購入したのが、このUSBのBluetoothアダプター。VISTA対応。17種類のプロファイルに対応しており、以下のような機能が使える。

・Bluetooth対応携帯電話を介してインターネットにダイアルアップ接続し高速パケット通信
・Bluetooth対応携帯電話やPDAとパソコン間でスケジュール帳や電話帳の転送
・Bluetooth対応携帯電話から画像をパソコンに転送
・Bluetoothヘッドセットと通信してSkypeなどでの使用
・マウスやキーボードなどの入力装置をワイヤレス化
・プリンタへの出力をワイヤレス化

・Windows上でBluetooth機器との接続をグラフィカルにサポートするソフト「Bluesoleil(ブルーソレイユ)」が付属
・Bluetooth 2.0+EDRに対応し、3Mbpsの転送速度を実現
・Class1に対応し通信可能距離は最大で約100mを実現

グラフィカルなサポートソフトの画面。

logitechbluetooth20edr.JPG

これで私と妻の携帯電話、3台の自宅のノートPCがBluetoothで相互接続されて、ファイル交換が可能になった。ちょっとしたファイルのやり取りに、かなり便利である。

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2007年08月31日

ラジオも聴けて、再生速度変更も可能なMPIO MP3メモリープレーヤー FY800-2GB

・MPIO MP3メモリープレーヤー FY800-2GB 【2GBメモリ+SDカードスロット】
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長く使ってきたiPodがついに壊れた。Apple銀座店に持ち込んだところ、修理すると29800円かかるという。その値段なら現行製品のiPodが買えてしまう。それでもよいのだが、現行iPodは発売されてから、ずいぶん時間がたっている。そろそろ新型が出るのじゃないかと思うと、ここは”つなぎ”で安いのを買っとくか、という気になる。

そこで選ばれたのが、MPIO MP3メモリープレーヤー FY800-2GB。アマゾンで8507円と安かったが、MP3プレイヤーとして遜色ないだけでなく、iPodにない機能を幾つも搭載していたりして、とてもよい継投機種を発見したと思っている。

私にとってこれがよいと思ったポイントは以下の3つ。

■FMチューナー搭載で録音も可能

FMラジオを聞くことができ、録音することもできる。持ち歩く曲数が少なくても、ラジオをつければよいわけだし、ニュースも聞ける。

■語学学習にも役立つスピードコントロール機能

再生速度を7段階(50%・200%)に可変することができる。音程が変わらないため、繰り返しヒヤリングをする語学学習に使える。この値段でこの機能がついているのは珍しい。

■SDカードリーダーとして使える

2Gの内蔵メモリに加えてSDカードを指すことで合計4Gまで記憶容量を拡大できる。USBでPCと接続すればSDカードリーダーとして使えるので、USBメモリ代わりに仕事のファイルなどを持ち歩くのにも使える。

いま夢中で電車で聞いているのは音楽ではなくて、寺山修司のこのラジオドラマシリーズ。そのうち詳しくレビューする予定だが、40年前のこの番組は最高である。

・寺山修司ラジオ・ドラマCD「まんだら」: 音楽: ドラマ,奈良岡朋子,山谷初男,吉田日出子,原泉,諸石茂,鈴木光枝,大森暁美,高橋昌也,山本学,及川広夫
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幻の寺山修司のラジオ・ドラマ、奇跡の復刻! 放送当時、事件にもなった寺山修司の想像力の出発点、現代に失われた美しい日本語が蘇る。解説:沖野暸/寺山修司/湯浅譲二/白石征
「まんだら」は1967年(昭和42年)製作。寺山修司31歳。ねぶた祭りで出会った二人の若い男女──婚礼を控えた謙作と、前世の自分を探しに東京から訪れたチサ。むせ返るような祭りの熱気のなかで、二人の黄泉の国への道行が始まる。

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2007年08月13日

ワイド液晶のワンセグケータイ Softbank 912SHに乗り換える

・SoftBank 912SH|SoftBank
http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/912sh/
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新しい携帯電話を購入した。

過去ログを調べてみると、

2004年08月15日

・FOMA SH900iに乗り換える
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001998.html

2006年07月15日

・音楽再生22時間のケータイ SH902isでSusan Cagleと松山千春を聴く
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004624.html

ということで、私は夏に乗り換えることが多いらしい。そして、またもシャープの携帯である。今回も液晶が素晴らしいというのが決め手だった。

キャリアは長年ドコモ一筋であったが、話題のソフトバンクも使ってみなくてはね、ということで、シャープの”アクオス”ケータイ 912SHに決定。ドコモとソフトバンクの料金やサービス内容の違いは、ネット上にたくさん情報があるので、ここには書かない。

買い替えたことで便利になった点を3つ紹介する。

■ワンセグを見ながらメールやウェブが楽しめる横長の大画面

この機種の特徴は大きな横長画面でワンセグを見ながら、画面分割でメールやウェブを同時に楽しめることである。ワンセグとネットサーフィンのながら体験は最高のひまつぶしになる。家でテレビを見ながらノートPCでネットサーフィンする体験のミニ版である。予想以上に楽しい。

■かなり便利な携帯ポータルとしてのヤフー

Y!ボタンを押すと、携帯版ヤフーにつながる。PCと同じサービスが使える。これが実は予想外に便利なのであった。ヤフーのIDはPCと共用できるので、各サービスのカスタマイズはPCで行っておけば操作が簡単である。ヤフーオークションほか、ヤフーのサービスをよく使っている私にとっては、3割くらいケータイが便利になった気がする。

■Bluetooth経由でPCからケータイへファイル転送

私のノートPCはBluetoothを内蔵しているので、このケータイと直接通信が可能である。デスクトップのファイルを右クリックして「Bluetooth機器へ送る」だけで、携帯電話へファイルを転送することができる。転送されたファイルは、ワード、エクセル、パワーポイントなどでも内蔵ソフトのドキュメントビューアで閲覧が可能。Bluetoothなので転送量も気にしないでよい。この手軽な連携はものすごく便利である。この機能がもっと普及すればUSBメモリーっていらなくなるのではないかと思った。

なお、ワンセグ録画用、ファイル持ち歩き用に2ギガバイトのMicroSDカードを購入した。アマゾンだと安い。

・SanDisk microSD Memory Kit 2GB SDSDQ-2048-J3K
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2007年06月23日

みんなの地図2(GPSレシーバー同梱版)

・みんなの地図2(GPSレシーバー同梱版)
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PSP用のGPSナビゲーションソフト。専用GPSレシーバーをPSPに取り付けて使う。

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GPSによる現在位置の認識には数十秒から数分かかる。地下や屋内では使えない。GPSが使えなかった場合には、近辺の無線LANルータの電波から位置情報を推測する技術「PlaceEngine」が作動する。これは可能性がある技術のような気がするが、実際には首都圏でも登録ルータが少ないせいか、ほとんど使えなかった。

・PlaceEngine
http://www.placeengine.com/

地図は見やすい。「方向キー」や「L/Rボタン」の操作で、自由にスクロールや360度、地図を回転させることができる。北が上とか考えなくてよい。「歩行者用ルート探索」で始点と終点を選ぶと、地下鉄や公園・歩道橋・駅構内などを加味した徒歩ルートが、地図上に表示される。お散歩のナビゲーションとして便利だ。

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ネット対応としては、パソコン経由でWebからメモリースティックにガイド情報をダウンロードする機能や、地図SNSPetaMapと連携して、ユーザー間でクチコミを共有する機能がある。

・PetaMap
http://petamap.jp/

ただし、情報量はまだ多くはない。

今年は、携帯電話各社のGPS標準搭載の流れが本格化している。デジタル地図上に、地域情報や口コミを集約していくサービスの競争が始まったわけだが、まだモノ凄いサービスというのはない。アイデア勝負で新規参入の余地が大きそうだなと思った。

PSPは携帯より画面が大きくて、地図としての使い勝手はかなり良い。何百ページの地図を持ち歩けると考えれば重量も軽いと思える。買って満足なソフトだった。ネット対応機能の部分は、未来の地図を試している感じがして楽しい。

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2007年06月09日

古いフィルム写真をデジタルスキャンでよみがえらせる EPSON カラリオ・スキャナ GT-F650

・EPSON カラリオ カラリオ・スキャナ GT-F650
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先日のイベントで神田敏晶さんが最近はビデオレコーダーが普及する前の映像が、ネットにアップされていて興味深いという話をしていた。アナログ時代の情報をデジタル化すると、ネットでありふれていないコンテンツを手軽につくることができそうだ。

私は最近、カメラのフィルムをデジタル化するために、2台目のスキャナーを買った。フィルム専用スキャナーはまだまだ高いので、フラットヘッドスキャナーでフィルムスキャン機能があるものを探した。最安値帯の製品がこのEPSON カラリオ カラリオ・スキャナ GT-F650。市場価格は13000円〜15000円位。

3200dpiのCCDスキャナとして十分な機能があるがそこは今回は説明を省略。

フィルムスキャンを行うときには専用のフィルムホルダをつけてフィルムを差し込む。一度に135mmのネガ・ポジのストリップ6コマ×1列またはマウント4コマをスキャンできる。カラー、白黒に対応。

epsonfilmscan01.jpg

読み取り所要時間は300dpiで1コマあたり2分程度。36枚撮りフィルム1本をスキャンすると1時間ちょっとかかる。プリント写真を普通にスキャンすれば10秒程度なのに比べて随分と長時間かかってしまうが、高解像度で読み取れるため、大きく引き伸ばしが可能なデータが入手できるのが長所。「ホコリ除去」、「退色復元」オプションがうれしい。

実家で古いネガを見つけてスキャンしてみた。

epsonfilmscan02.jpg

サンプルは35年前の私が映っている写真。退色復元によりカラーが鮮やかにでている。

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さらに思い出の集合写真や、祖父の残した古いネガをスキャンしたら、家族にもとても喜ばれた。アルバムで色褪せた写真が、ネガから鮮やかに蘇るのを見るのはインパクトがある。いったんデジタル化すればもう退色の心配はなくなるし、レタッチも可能になる。

最も安い価格帯の製品だが、L判印刷用には十分な読み取り精度を備えていると思った。教材やプレゼン資料としてポジのスライドを持っている人は、これでデジタル化すればPCで使えるようになる(OCRソフトも付属)。

ニコンの本格的なフィルムスキャナーはグレード別に6万円〜30万円くらいする。1.3万円のこのスキャナーは、引き伸ばし印刷する作品を芸術的に作りこむのには向かないが、古い写真の復活やWeb公開画像の作成にはおすすめできる。

これまでに私はフィルム10本をスキャンしてみた。プリントからの通常スキャンに比べて手間はかかるが、高解像度で読み取れば違いは明らかにでる。ただ、縮小してWebやブログで使う場合には、通常スキャンの方が美しい出力になるケースもあった。

ネガの場合はラティチュードが広い(現像時に使える露出情報の量が多い)ので、ラボにプリントに出すと、機械や人が最適な状態でかなりキレイに紙に焼いてくれている。優れたラボの能力と、スキャナーの読み取りソフトではまだ前者に軍配が上がる気がした。もちろんスキャンの設定を細かく設定すればラボのプリントなみになるのかもしれないが、面倒である。

結論としてはブログで小さく出す程度の画像であればフィルムスキャンは必ずしも必要ではないと思う。普通にプリントをスキャンすればいいのだ。フィルムスキャンは引き伸ばし印刷、退色した写真の復活、画像処理による作品化などの目的にこそ向いている。

・フィルム派カメラマンのためのスキャナー入門―ネガもポジも高画質スキャンで鮮やかに復活する
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2007年04月04日

長嶺輝明の「かわいい」写真術―誰も教えてくれなかった「被写体探し」と「空気感」のつかみ方!

・長嶺輝明の「かわいい」写真術―誰も教えてくれなかった「被写体探し」と「空気感」のつかみ方!
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妻が買った本だが、読んだら面白かったので紹介。

大きなトレンドとしてデジタル一眼レフが売れている一方で、おもちゃみたいなチープなトイカメラ。中古カメラというブームがある。Holgaなど私も実は数台持っている。この本はそうしたトイカメラ、中古カメラの作品集で、撮影技術にこだわらず、手軽に雰囲気のある写真の撮影方法が紹介されている。

なにげない日常を、なにげなく写すのには、レンズがプラスチックでできているようなトイカメラは相性がいい。逆にあまりに鮮明にピントが合って背景のボケが美しかったりすると、カメラの値段やプロ撮影者の存在を意識してしまう。

トイカメラ。実はフィルム代、現像代がかかって、撮影費用ではデジカメより高くつくのだが、チープな「かわいい」写真を撮るにはうってつけである。同じピンボケ系でも、ピンホールよりもお手軽である。

フィルムの種類によって雰囲気は変わる。今回は雑誌のレビューを読んでいて、このフィルムを使ってみたいと思ったのであった。

・Kodak Professional ウルトラ カラー フィルム
http://wwwjp.kodak.com/JP/ja/professional/products/films/ultra/index.shtml
ultracolor100uc.jpg

「「カラープレシジョン技術」により優れた肌色再現を保ちながら、高彩度な発色を得られるのが特長です。また「アドバンスドT-粒子」の採用により細やかな粒状性を実現し、なめらかで美しい肌色が得られます。」

コダックのプロ向けフィルム。一本590円くらいで販売されている35mmネガフィルムとしてのハイエンド製品。あざといくらいの、鮮やかな発色が特色らしい。忠実な再現ではなく、主張のあるフィルムである点が気になった。

週末、深く考えもせずに、量販店でみつけて、買ってしまった。晴天下を想定していたのでISO100を選択。こんな高い35mmフィルム買ったことがないのだが。次はカメラだ。へんなカメラを入手できないものか。

そこで、その足で実家に帰り父に「あまっているカメラないかな?」と聞いたら、いくつか出てきたので、未使用らしい箱入りのカメラを借りてきた。ファインダーが大きいのが気に入った。今は亡きミノルタというのも渋い。

・ミノルタ F-35 ビッグファインダー
http://www1.kiwi-us.com/~mizusawa/penguin/CAMEdata/mirax/F35.html
minoltabigfinder.jpg

レンズ 35mm/F6.3
撮影距離 フォーカスフリー 1.3m〜∞
シャッター 1/125単速
ストロボ 内蔵固定式

ネット上の情報を見ると、「ミノルタのカメラをアーガス商事が販売するもの。ギフト、販売促進用なので、店頭販売はなかった模様。また、同時期にミノルタではこの型番のカメラは存在していない。」だそうだ。もらいものだったか。

ネットオークションで調べてみると、このカメラは500円くらいで落札されている。ウルトラカラーは590円だから、フィルムの方が高いことになる。レンズ性能F6.3は暗いのだが、どうなるだろうか。早速、素晴らしい晴天のお昼に撮影してみた。

現像プリント後、デジタルにスキャンして公開。

周辺光量の低下とレンズの歪みという安物カメラっぽさがよくでている。フィルムの彩度の高さをいかすにはもっと高級なレンズの方が良いのだろうけれど、この写真の質感、結構気に入った。


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もらいもののもらいもののカメラであるが、まさに狙い通りのトイカメラ的な写真が撮影できた気がする。ちょっと満足。

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2007年03月30日

物書きにおすすめのVista搭載ノートPC LaVie J PC-LJ750HH

ノートパソコンLaVie J PC-LJ750HH

・NEC ノートパソコンLaVie J PC-LJ750HH

熟慮を重ねて選んだWindows Vista搭載のモバイルノートPCがこれ。DVD/CD搭載モデル。CPUにCoreDuo2400搭載。一ヶ月ほど使ってみてとても満足している。NEC Directでカスタマイズして購入した。私がカスタマイズしたモデルと、小売りモデルとの主な差は以下の通り。

・メモリを1.5Gに増設
・HDDを120Gに増設
・リチウムイオンバッテリをLサイズに変更(11時間)
・FeliCaポート(内蔵)追加
・スクラッチリペア塗装

■ポイント1 文字入力の快適さ(キーボードと電源)

ノートPC選びで最も重視したのは文字の入力の快適さ。私の仕事では、原稿や資料の作りやすさが生産性に直結している。店頭で調査した結果、この機種のキーピッチ17.55mmのスクウェアキーボードが私には抜群に相性がよかった。ATOK2006を標準搭載するなど、快適に日本語で文章を書くためのマシンとして優れている。

電池切れを気になってはいけないので、リチウムイオンバッテリ(11時間)をLサイズに変更したが、Lサイズ電池の形状によりキーボード部に傾斜がつく。これにより一層キーボードは打ちやすくなる。215グラムの標準サイズより、220グラムほど重い435グラムになる。

■ポイント2 モバイルの耐久性と安全性

「圧力がかかった際に液晶画面へのダメージを与えにくいボンネット構造を採用。PCを落とした場合など設定値以上の加速度を感知すると自動でHDDの磁気ヘッド部が退避エリアに移動し、データ損傷を防止。」

天板全体の耐加重は150キロ、点加重で25キロなので、椅子の上に置き忘れて、その上に誰かが座ってしまっても、理論的には大丈夫なはずである。(いや確かに200キロの関取が座った場合は壊れるが...。)。

「TPMセキュリティチップ」、HDDにBIOSでパスワードを設定する「HDDパスワード」の二重のセキュリティを装備。」。その上にFelicaポートを追加したので、Felica(例えばSuicaやEdyカード、対応携帯電話)を認証鍵にしてHDDの一部を暗号化できる。内部統制時代にばっちり対応できるのでビジネス利用にいい。

■ポイント3 細かい傷がつかないスクラッチリペア塗装

このオプションは使っていてかなり気に入った。ノートPCの表面に引っかき傷がつかないから、カバンの出し入れなどが安心なのである。特殊な「スクラッチリペア」塗装により天板表面の擦りキズを時間の経過とともに復元し、つややかさをたもつ新技術。爪やペン先でひっかくと、小さな傷が数十秒で修復されるのが観察できて面白い。


「文章を書きやすい」Windows Vista搭載のモバイルノートPCを探している人におすすめ。

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2007年02月17日

Nikon デジタル一眼レフ D80 AF-S DX 18-135G レンズキット

・Nikon デジタル一眼レフ D80 AF-S DX 18-135G レンズキット
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はじめてデジタル一眼レフを買いました。コンパクトデジカメで年間5000枚は撮影しているので、そろそろ一眼レフかなというのが動機です。

これを機にカメラについて基礎から勉強中です。

購入に当たっては、大きな買い物なので、いろいろな人にどの機種がいいかを聞いてみました。当初の候補はビギナーに優しそうな「キヤノン EOS Kiss デジタル X」でした。「ソニーα100」と「ニコンD80」が対立候補に挙がりました。どれも10万円前後の売れ筋です。

まずブランドイメージとして、今回はカメラメーカーっぽさが欲しかったので、ソニーが外れました。「ソニーα100」は機能としては手ブレ補正を本体に内蔵していたり、高性能、高機能ではありますが。ソニーは好きな会社なのではありますが。

私が撮影したいのは「ナショナルジオグラフィック」みたいな写真。広角の風景や、人物ポートレートです。夜景もやりたい。で、どうなんだろうと思ったわけですが、「キヤノン EOS Kiss デジタル X」も「ニコンD80」もオールラウンドプレイヤーをうたっているんですね。決め手がない。レビューを読んでも両社、これといった使いにくさ、欠陥はないのでした。

・【新製品レビュー】ニコン D80
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2006/09/05/4527.html

・【特別企画】セミナー講師が語るニコン D80の魅力
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2006/11/16/4998.html

・ニコン D80 関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2006/08/10/4397.html

紙のパンフレットを比較すると、「キヤノン EOS Kiss デジタル X」は家族のスナップやポートレートがメインでした。これに対して「ニコンD80」は、私がやりたい風景写真がメインでした。「キヤノン EOS Kiss デジタル X」はコンパクトデジカメ卒業者への万能機として売っており、「ニコンD80」は中級クラスの入門機として訴求している印象を持ちました。「ナショナルジオグラフィック」に近そうな本格派指向ニコンD80に心が傾きました。

コンパクトデジカメと違って一眼レフは、本体だけでなくレンズも重要。この18-135Gというレンズは、フィルムカメラの28〜200mmに相当するらしく、広角からちょっと望遠までを広くカバーしています。セットでこの価格は魅力的でした。

・Nikon D80完全ガイド
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「完全ガイド」(この本はよいです)を読みながら待っていると1週間ほどで商品が届きました。週末に近所の江ノ島や鎌倉、動物園に撮影にでかけて練習しています。出かけた記録を撮るのではなくて、作品を撮りにでかける気分が新鮮。少し上達したら、このブログにもときどき写真をアップする予定です。自分の表現力を高めるためにカメラが使えるようになることが目標です。

被写体にピントが合って背景が大きくぼける「雑誌みたい」な写真が撮影できること、広角側で風景を広くカバーできること、あらゆる反応が敏速なこと、が最初に感じた感動でした。「ニコンD80」は大満足です。

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2006年10月20日

このブログ専用の携帯リーダー 「情報考学アプリ登場」By feedAPPLI

・feedAPPLI(フィードアプリ)
http://pr.feedappli.jp/
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オリジナルのケータイアプリを作成して、ブログなどRSSの情報を、誰もが簡単に配信出来るようになるサービス

アイデアマンズ社のご好意で、このブログ専用iアプリを開発していただきました。
対応機種はNTTドコモのFOMA 70Xシリーズ、90Xシリーズ(但しD901iを除く)です。

携帯でこのブログを読むことができます。

・情報考学アプリ
http://feedappli.jp/pftf/i.php
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このURLを携帯からアクセスしてアプリケーションをダウンロードしてください。

このブログで気になった書籍やモノを、外出先でチェックしたり、電車通勤時の読み物として、ご利用いただけると嬉しいです。もちろん利用料金は無料です。

feedAPPLIは専用RSSリーダーの作成・配信サービスです。本来はコンテンツ専用の携帯アプリを配布したい企業向けに提供されています。これまでPC向けに提供していたコンテンツを、携帯ユーザに洗練された形で提供したいという企業にとって、安価なソリューションです。

feedAPPLIはスキン変更によって外観を自由にカスタマイズできます。

ご関心がある方はアイデマンズ社のプレスリリースをお読みください。

・ASPでRSSリーダーiアプリを簡単開発「フィードアプリ」を2006年9月1日にリリースします(プレスリリース) - アイデアマンズ株式会社
http://www.ideamans.com/pressrelease/asprssi200691.php

アイデアマンズ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:宮永邦彦)は、iアプリとして柔軟なデザインのカスタマイズと、高い操作性、そして待ち受け画面への常駐を実現したRSSリーダー配布ASP「フィードアプリ」を2006年9月1日にリリースします。

フィードアプリを使えば、プログラミング技術不要で短期間のうちに、キャンペーンやプロモーションに適したiアプリ型のRSSリーダーを開発・配布することができます。

【フィードアプリ】
http://www.feedappli.jp/

■特徴

◆企業ブランドを反映した専用RSSリーダーを短期間で簡単に開発・配布◆
プログラミング技術不要でデザインをカスタマイズしたiアプリを簡単開発。
モバイルコンテンツの参入障壁にもなっている実機検証も不要です。

◆待ち受けアプリとして利用者にいちばん近いポジションを占有◆
利用者の希望に応じて待ち受け画面に常駐し、高いマインドシェアを獲得できます。

◆RSSで既存データもフル活用◆
情報配信フォーマットとして、多くのシステムがサポートするRSS/Atomを採用。既存のCMSや開発技術を無駄にしません。

◆手軽で充実した管理画面◆
アプリのデザインから配布、ログの分析まですべての管理機能をWebブラウザから利用可能です。

◆ユーザーに優しい情報配信◆
iアプリには固有のIDが埋め込まれますが、個人情報は取得しません。
RSSを利用してスパムメールのない、利用者に優しい情報配信が可能です。

◆画面にQRコードを表示して口コミを支援◆
QRコードを画面に表示して、その場でスムーズに友達への紹介が完了。
QRコードはID付きで、管理画面からは口コミ経路が正確に把握できます。

◆毎日使って欲しいから、天気予報も配信(オプション)◆
携帯電話への配信情報としてニーズの高い天気予報をサポート。
iアプリ使用頻度の向上を支援します。

◆バーコード読み取り機能(オプション)◆
読み取ったバーコードに応じてRSSを配信。
これまでWebやメールでは難しかった、バーコードと連動したキャンペーン企画やECの付加価値形成に応用できます。


■利用例

・情報ポータルサイトの付加価値となる新しい情報配信
・リピーター獲得のためのリマインドツール
・短期キャンペーン・プロモーションの展開
・バーコードと連動したECソリューション

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2006年10月07日

電子単語カード メモリボ

・KOKUYO 電子暗記カード memoribo NS-DA1-1W
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暗記は学生時代に限らず、使えるスキルである。

・業界主要メーカーと各社商品名
・各社商品名と特徴
・各社の市場シェアや成長率などの数字
・「○○といえば△△」の連想関係
・担当者名と肩書き

ビジネスプレゼン前に、電車の中で、こうした事項を丸暗記しておき、スラスラと話せると、いかにもその分野に詳しそうな印象が与えられる。営業力、交渉力にゲタをはかせられる。

メモリボは、問題と答えのリストをPCで作って転送して使える電子単語帳。TOIEC問題集つきバージョンを購入。

memoribo_index_pic01.gif

ランダムに出題するシャッフル機能、順番に表示する自動再生機能、覚えたページは表示しない非表示機能、問題と答えを入れ替える問題答え入れ替え機能、学習途中にしおりを入れるしおり機能など、デジタル機器ならではの機能がある。

実際に使ってみると、問題を作る過程から既に勉強になることがわかる。Webにある表から問題を作るのが簡単でいい。いつでもポケットから取り出して始められる。紙と違って何を覚えようとしているか、周囲にはわかりにくいのもよい。

メモリには2000ページ分(1ページ片面48文字)を記憶できる。当初は容量が少ない気がしたが、実際には、頭のほうが、そんなにたくさん覚えられないので、これで十分かもしれない。辞書ではないわけだから。

携帯電話や携帯ゲーム機でもこうした学習支援アプリがあると思うが、ついついメールやゲームで遊んでしまいがち。やはり単機能専用機であることの意義もあるなと思った。

・コクヨ 電子文具/e-文具[メモリボ]
http://www.kokuyo.co.jp/stationery/e-bungu/memoribo/
オフィシャルサイト。

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2006年07月31日

しゃべる地球儀 リープフロッグシリーズ NEW オデッセイグローブ

・リープフロッグシリーズ NEW オデッセイグローブ
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息子が3歳の誕生日。祖父母からもらったプレゼントがこのしゃべる地球儀。世界地図パズルで国名を覚えるのが好きな息子は大喜び。実は大人もまじめに使える。ちょっと値段が高いが価値のある逸品だった。

基本は付属のペンで地球儀をタッチすると、ポイントされた箇所の国の名前を音声で教えてくれる。国名のほか、首都、人口、面積、最高地点、通過、音楽(国家など)、2点間の距離、情報比較、現在の曜日・時刻などをしゃべるモードもある。

クイズモードが楽しい。コンピュータが音声で質問してくる国名を、ペンで制限時間内にタッチしていくつ答えられるかのタイムトライアル。他にも州し、州都探し、大陸探し、首都探し、そしてすべての種類の問題からランダムに出題されるランダムモードなどがある。

複数人数で対決することもできるが、毎日訓練している息子はなかなか手ごわい存在になりつつある。

・こどもがはじめてであう せかいちず絵本
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「“よるのそらをみてごらん”で始まり“じんせい、だいじに生きよう”で終わ るこの作品は、単に地理の勉強だけにはとどまりません。
作者が子どもたちに、世界の国々のことから、自然環境のこと、人生に至るまで優しく語りかけます。『にっぽん地図絵本』同様、子どもの好奇心に応えるページも充実。地図の好き嫌いにかかわらず多くの子どもたちにおすすめしたい作品です。 」

3歳。一人で絵本を読めるようになったので、世界地図つながりのこの本を日々愛読している。「世界で2番目に高い山はどこかな?」と聞いたら「K2(ケイツー)」と答えたので私がびっくりした。世界の国々や自然についての事実を教える内容なのだが、ある種の自然観、世界観、人生観が織り込まれている。

・世界の国ぐに 探検大図鑑
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「世界の192カ国の特色を国ごとに紹介する図鑑。各国の自然、産業、特産物、衣食住などの暮らし、伝統文化、風俗習慣、歴史上のエピソードなど、さまざまな分野から特徴的なことがらを取り上げ、写真・イラストを使って面白く、かつわかりやすく解説している。「国ごとにビジュアル構成し1冊にまとめた児童向け図鑑」は他に例がなく、社会科・総合学習などの調べ学習にも最適。世界の国ぐに対する興味が湧き、知らず知らずのうちに国際的な知識や関心が養われる。各国が誇る「世界一のことがら」や、各国と日本の間の交流の歴史などについてもスポットを当てる。とくに日本人の関心が高い国は、2ページ以上でくわしく紹介。各国から日本への輸出品、距離、時差をアイコンで示すなどの工夫も凝らしている。中学校レベルの地理学習にも対応できる、別冊付録「世界地図帳」もついている。 」

読み聞かせるうちに親の私が熟読するようになった本。世界には普段耳にすることのない小さい国々がいっぱいある。そうした国々にも豊かな文化文明があるっていうことを、写真と要約された解説記事でじっくり教えている。

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2006年07月15日

音楽再生22時間のケータイ SH902isでSusan Cagleと松山千春を聴く

この記事を書いたのが2004年08月15日なので、2年ぶりに携帯電話を買い換えた。

・FOMA SH900iに乗り換える
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001998.html

番号を変更したくないのでFOMA、前回が気に入ったので同じシャープ、色は前回が青だったので赤にした。

・FOMA SH902iS | 製品 | NTTドコモ
http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/902i/sh902is/
foma902is_img01.jpg

・ITmedia +D モバイル:写真で解説する「SH902iS」 (1/2)
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0605/11/news121.html

この機種のポイントは、

1 アルミボディのデザイン性と背面ディスプレイ

アルミボディのひんやり感が夏にはぴったり。背面の有機EL採用サブディスプレイは小さいが、色調がおしゃれ、機能としては時刻表示やiチャンネルのニュースを流すことができる。背面液晶は常時点灯ではないが、非点灯時には鏡になる。

2 22時間連続音楽再生

音楽が長時間聴けるのがすばらしい。付属ソフトでパソコンから音楽を移せる。以前の機種でも映像や音楽再生は可能だったが、電池の消費が気になっていた。このSH902isでは再生には専用デコードチップを搭載しているため、電池の心配があまり要らない。気にせずに聴ける。iPodを持ち歩かないで済むようになってしまった。荷物が減ってとても満足。

ネックストラップ一体型ステレオヘッドホンも同時に購入し、ケーブルをすっきりさせた。携帯用イヤホン端子アダプタつき。

オープンエアー型ステレオヘッドホンPanasonic/パナソニック RP-HNZ10-W(ホワイト)

3 多機能性

SHシリーズの伝統を受け継いでいて、基本的に多機能である。3.2メガのカメラ、顔認証機能、高速赤外線通信方式「IrSimple」、フルブラウザなど。SH系ユーザはスムーズに移行できる。


そして、最初に512メガバイトのSDメモリに入れてみたのが、次のCD2枚。どちらも大変おすすめ。

・The Subway Recordings
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これは店頭で視聴して虜になったSusan Cagle。ニューヨークの地下鉄駅でのライブ収録。大物新人の誕生の予感。ストリート・ライブだから、最初から最後までキャッチー。シェリル・クロウを少し甘くした感じのボーカル。

・再生
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松山千春が他の歌手のカバー及び過去の自分のヒット曲を歌いなおしたアルバム。ディスク2の選曲がすばらしい。感動。

ディスク: 1
1.どうぞこのまま(丸山 圭子) 1976年発表
2.さよならをするために(ビリー・バンバン)1972年発表
3.セクシィ(下田 逸郎) 1976年発表
4.別れのサンバ(長谷川きよし) 1969年発表
5.妹(かぐや姫) 1974年発表
6.春夏秋冬(泉谷しげる) 1972年発表
7.卒業写真(荒井 由実) 1975年発表
8.雨が空から降れば(小室 等) 1971年発表
9.私たちの望むものは(岡林 信康) 1970年発表
10.伝道(加川 良) 1971年発表

ディスク: 2
1.旅立ち 1977年発表
2.もう一度 1980年発表
3.恋 1980年発表
4.君のために作った歌 1977年発表
5.季節の中で 1978年発表
6.人生(たび)の空から 1980年発表
7.良生ちゃんとポプラ並木 1978年発表
8.長い夜 1981年発表
9.銀の雨 1977年発表
10.大空と大地の中で *1977年発表

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2006年02月10日

音声認識で4ヶ国語翻訳マシンにPSPが変身 TALKMAN

・音声認識で4ヶ国語翻訳マシンにPSPが変身 TALKMAN
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発売日に買っていながら、今頃レビュー。

付属の小型USBマイクを取り付けると、PSPが音声認識による4ヶ国語翻訳マシンに変身する、エンタテインメントコミュニケーションツール。対応言語は日本語、英語、中国語、ハングルの4ヶ国語。

ゲーム内のキャラクター「マックス」と音声対話を進めることで、各言語の発音テストができたり、語彙チェックができる。3000文の日常会話ゲームが収録されているので初心者向け語学学習ソフトとしても使える。娯楽ゲームとしての要素はあまり強くない。ゲームを遊ぶというよりは、外国人と話す際のコミュニケーションを遊ぶツールだ。

JTBは韓国ツアー参加者向けにTalkManをレンタルするサービスをはじめた。

・SCEJ、JTBの韓国ツアー利用者にPSP本体と「TALKMAN」を無料レンタル
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060130/talk.htm

音声認識の認識率はかなり高いと感じる。私の英語のカタカナ風の発音でも認識してくれた(私の発音でOKが出るようでは、厳密な認識率としては低いともいえるが...)。英語については中学生レベルの復習的な内容になっている。”ITビジネス”や”ライセンス契約”、”オフショア開発受発注”とかもオプションであると会社の研修用に使えそうだが、どうだろうか。

私の第2外国語はフランス語だったので(喋れるわけではないが(笑))、フランス語も欲しいと思っていたら5月に発売されるらしい。かなりの人気のソフトになったようだ。

・SCEJ、PSP「TALKMAN ヨーロッパ言語版 (仮)」5月に発売。英語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、日本語に対応
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20060112/talkman.htm

先日、紹介した電子辞書の分野では、最近、音声発話機能を備えたものが増えてきた。電子辞書は将来的には携帯翻訳機の役割を担うのだろうと思う。Talkmanはその先駆け的な存在になるかもしれない。

・Passion For The Future: 電車でGO! POCKET 山手線編
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003859.html

・Passion For The Future: 実話怪談「新耳袋」一ノ章
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003803.html

・Passion For The Future: PSP対応ネックストラップ・ヘッドホン・ポータブル
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003813.html

・Passion For The Future: 映像ファイルを携帯、PSPで再生する形式へ変換する
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002733.html

・Passion For The Future: PSPの第一印象、今年はPSP Hacksが流行する?
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002782.html


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2006年02月04日

自作マルチメディア辞書も追加できるカラー電子辞書 Papyrus PW-N8000

・SHARP カラー電子辞書 Papyrus PW-N8000B000CS3G7Y.09.LZZZZZZZ.jpg

初めて電子辞書を購入。

2歳の息子が、すっかり、「なぜ?なに?」君になっている。

最近は彼の脳も性能が上がってきて、絵本に出てくるもの、会話にでてくる言葉を、高精度で自動認識するようになったため、質問内容は森羅万象に及ぶ。親は万物についての定義と理由を記憶し、即答を求められる。

なぜ系については考えて答えるしかないのだが、なに系については、そのものの絵や写真を見せるのが手っ取り早い。そこでカラー液晶付の電子辞書を購入した。最新機種、数機種の候補から結局これを選んだ。

こどもに見せるには絵がキレイに見えることが大切なので「4.3型高精細カラーASV液晶搭載480×272ドット」はポイントが高い。「ブリタニカ国際大百科事典 画像約6,400点」やカラー地図から引ける「世界遺産100選」というビジュアル資料の充実度も重視。

面白いのは、PW-N8000は外部SDメモリカードに、自分で撮影したデジカメ写真やテキストを入れると、内蔵辞書の本文のキーワードにリンクさせられること。ユーザオリジナルの定義項目を作成できるのである。こどもにこの前見たこれ(写真)のことだよ、と教えることができる。マイホーム事典が作れそうだ。

SDメモリカードに収めた画像をスライドショウ表示したり、Webからダウンロードした電子書籍を表示することもできて、単なる電子辞書にとどまらない使い方が可能である。

別売りのSDメモリ型コンテンツカードも販売されている。挿し込めばコンテンツを追加できる。こども向けにイラストとやさしい言葉で答える追加事典があったら欲しいものだ。

■43コンテンツ内訳

【国 語 系:7コンテンツ】
「スーパー大辞林」や「逆引きスーパー大辞林」、「漢字源」、「全訳古語辞典 第三版」など7コンテンツを搭載。

【英 語 系:5コンテンツ】
「ジーニアス英和辞典 第3版」や「ジーニアス和英辞典 第2版」、英会話のベストセラー「英会話とっさのひとこと辞典」など5コンテンツを搭載。

【健康:7コンテンツ】
健康管理に役立つ「新 家庭の医学」と「医者からもらった薬がわかる本 2006」の最新版を搭載した。また、体操の手順や動作、ポイントをパラパラアニメで確認できる「NHKためしてガッテン「脱・糖尿病」ものぐさ体操」、「血液サラサラ健康事典」など、7コンテンツを搭載。

【生活:12コンテンツ】
カラー画像から検索ができる百科事典の代表「ブリタニカ国際大百科事典」や、「角川日本史辞典」「角川世界史辞典」など、12コンテンツを搭載。

【ライフサポート:3コンテンツ】 脳の活性化に効果を発揮する「脳を鍛える大人の計算ドリル」、「脳を鍛える大人の計算ドリル2」、「脳を鍛える携帯版大人のドリル(暗算版)」の暮らしに役立つライフサポートコンテンツを搭載。
【ビジネス:1コンテンツ】

パソコン操作で出会うカタカナ語を音からさっと引ける「(2003‐’04)カナ引きパソコン用語辞典」を搭載。

【旅行:8コンテンツ】
今話題の世界遺産をカラー地図から引ける「世界遺産100選」や、「英語」「イタリア語」「フランス語」「スペイン語」「ドイツ語」「韓国語」「中国語」の7カ国旅行会話集を搭載。

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2005年12月16日

マイクロソフトの次世代ゲーム機 Xbox 360 ファーストインプレッション

マイクロソフトの次世代ゲーム機Xbox 360ですが私はamazonで事前予約で入手しました。こう書くと、熱心なXboxファンなんですねえと思われそうですが、2003年のXBOX発売時には、報道陣つめかける渋谷ツタヤに、早朝から並んで購入した一人でした。今回はそれと比較すると、燃えておりません。

・Xbox 360 発売記念パック(初回限定生産) 特典 ファイナルファンタジーXI ベータバージョン付き
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ゲームはというと、


・リッジレーサー 6 特典 カレンダー付き: ゲーム
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一緒に買った「リッジレーサー6」はゲーム雑誌のレビュー評価も高かったですが、大満足です。レースゲームが特別好きというわけでもない私でも、面白さが伝わってきます。グランツーリスモシリーズのように、運転のリアルさの極限を追求するのではなく、ゲーム性を極めた内容です。多少、ハンドルワークが下手でも、エンジンを瞬時に加速する”ニトロ”システムをうまく使えば、上位に入賞できるから、快感です。

ハードウェアのパワーはうわさどおり、凄いようです。

高機能なパーツを惜しみなく採用した結果、原価割れしているようだという、報道もありました。

・「赤字価格」のXbox 360、原価はいくら?
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0511/24/news027.html
「同社によると、Xbox 360(プレミアムパッケージ)の製造・テストに掛かる
コスト総額は推定552.27ドル、これに対して小売価格は399ドルだ。」


さて、以下、勝手に私見を述べてみます。Xboxってどうよ?。

期待はしているのですが、これが日本でヒットするには今のままでは厳しそうです。

スタートは失敗したようです。

・NIKKEI NET:企業 ニュース
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20051213STXKC024513122005.html

「Xbox360」、出足は低調・従来機の約半分か
 ゲーム情報誌出版のエンターブレインは13日、マイクロソフトが10日に日本で発売したゲーム機「Xbox360」の最初の週末販売台数が約6万2000台と、2002年2月に発売された従来機Xboxの最初の週末に比べ約半分にとどまったと発表した。

マーケティングが前回同様、海外仕様な気がします、マイクロソフト。

エンジンパワーで売ろうとしても、日本ではなかなか売れそうにないんですよね。

広告のキャッチがまずだめです。

「Jump in」「ゲームはハイデフへ」。

・XBoxのユーザ参加型サイト
http://jump-in.jp/
・Xbox公式サイト
http://www.xbox.com/ja-jp/default.htm

なんですかそれは???。

「未知なる世界へ飛び込もう」と「高精細エンタテイメント」ということらしいのですが。

ハイデフは売りになるのでしょうか。

3D描画の限界に挑むことがユーザエクスペリエンスの向上に直結するようなタイプのゲームって、つまり、HALOやQuakeのようなFPS(第一人称視点の三次元アクション)以外はあまりないだろうという気がしています。でも、日本ではFPSが、あまり盛んではないような気がしています。私は大好きなんですけど...。

RPGやシミュレーションの場合、美しい3Dが必要なシーンというとシナリオ進行の幕間映像だと思いますが、これってリアルタイム描画じゃなくても、ムービーで間に合ってますよね、FFなど見てそう思います。

つまり、日本の公道でスーパーカーをぶっ飛ばせる道がないのと同じで、この凄いマシンスペックを使うニーズが日本ではあまりないのかもしれないと思います。そういえば、誰かが言っていましたが、日本人は、3D描画の映像って萌えにくいですものね。

でも、チャンスがあるとすれば。。。

今度のXBOX360にはWindowsとの連携機能があります。パソコンのメディアファイルを、XBOXで再生し、テレビで見られるという機能です。今後、アップデートされそうですが、なぜか、最初のバージョンは対応が中途半端なのが残念。

WindowsPCとの親和性というのは、他社にはできないことであり、日本市場における差別化として有効だと私は思っているのですが。

いろいろ書いてしまいましたが、発売日に自腹で購入しているくらいですし、最初のゲームも良かったです。私は、マイクロソフトの挑戦には大変期待しています。PCユーザのためのゲーム機という方向性で、なにかやってくれないかなあ。

・Passion For The Future: 私の好きなゲームたち
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000745.html


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2005年10月09日

無線LANステーションNEC AtermWR7800Hと外付けHDD BUFFALO HD-H250U2に大満足

・NEC AtermWR7800H ワイヤレスLANセット(TE)
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自宅で2年間使っていた古い無線LANステーションが、突然不調に陥った。どうやらマンション隣室の住人が無線LANを始めたらしく、干渉しているらしい。こちらの設定をいろいろ変えてみるが直らない。

そこで、無線LANステーションを買い換えることにした。自宅には無線LANにつながるモノがPCを含めて、10台近くあるため、求めているのは「万能性」であった。そして2週間のリサーチの結果、選んだのがこのAterm。

決め手になった特徴:

1 無線LANの種類を選ばないこと

IEEE802.11a/11b/11gにの3規格に対応。切り替えるのではなく、同時に異なる規格を利用できる。「たとえば、1台のパソコンを11a、もう1台を11gで利用すれば、パソコン2台それぞれが11aと11gを占有して利用できるから、最大54Mbps(規格値)の高速をそれぞれひとりじめできる。」

2 簡単なセットアップ

私の自宅環境でのセットアップは恐ろしく簡単であった。LAN経由でブラウザからメニューを数項目選ぶだけで、無線LANまで動作した。あまりにあっけなかったので、詳細を確認してしまったほど。

3 付属子機ルーターで有線LANも活用でき、無線LANもパワーアップ

このセットモデルには、子機の無線LANルーター(有線LANポート×2)が付属している。親機から離れた場所に有線LANの入り口を増やすことができる。

この子機については設定が一切不要であった。電源を入れただけで親機と通信が開始される。便利。しかも、「これ1台で2.4GHz帯も5.2GHz帯も両方カバーできるデュアルバンドアンテナである。親機側/子機側双方で使用すると、最大40%の利得アップが期待できる。卓上への設置だけでなく、壁掛けでも利用できる。ケーブル長は1mとなっており、普通の室内であれば、充分高い場所に設置することが可能で、効果的に利得をアップすることができる」とのこと。子機も使うことで無線LAN全体がパワーアップする仕組み。


・AtermWL54TE トリプルワイヤレスETHERNETボックス
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単体でも販売されている。


隣室の干渉問題も無事解消(ちなみに隣室もAtermらしい)。以前使っていた無線LANは11Mbpsだった。今回、54Mbps+高速化技術SuperAGモードへ移行したので理論的にはLAN環境では最大80Mbpsである。

早速、インターネット接続でのスピード実験を行った。以前は2mbpsのレベルだった。(インターネット接続は光をマンションでシェアするSDSLという少し特殊な環境)

SPEED 2.5 (speed.rbbtoday.com)
計測日時 : 2005年10月09日日曜日 21時12分11秒
下り(ISP→PC): 8.06Mbps
上り(PC→ISP): 8.44Mbps

4倍以上の速度アップ。

体感的にも目に見えて速くなって、とても満足。

さて、同時に自宅のPCのバックアップ環境も強化するために、この外付けHDDドライブも購入した。仕事のデータや100ギガ以上あるテレビ録画ファイルをストレージに移動させることが主用途。

これまでバックアップには、

・LAN接続外付けHDDのLANDISK、その正体はLinux-Box
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001637.html

を使っていた。これは日常的な小さなバックアップに良い製品なのだけれど、ギガバイト単位のバックアップにはLANの速度がボトルネックになってしまい向かなかった。そこで約48倍の高速化が見込めるUSB2.0接続の製品を選んでみた。

・BUFFALO HD-H250U2 USB2.0 外付けハードディスクドライブ
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決め手になった特徴:

・流体軸受&高回転7200回転ハードディスク搭載

・電源内蔵・ヒートシンクボディ
電源アダプターがすっきりしており、熱を逃がす新素材の筐体を採用していること。

・「PC連動AUTO電源機能」搭載
すべての接続方式でパソコンに連動してドライブ電源をON/OFFできる「PC連動AUTO電源機能」を搭載

・そして手ごろな市場価格


USB2.0で接続すると、一切の設定なしに利用できた。極めて高速にバックアップができて満足。

ふたつとも定番的なモデルですが、良い買い物でした。

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2005年09月22日

PSP対応ネックストラップ・ヘッドホン・ポータブル

・ネックストラップヘッドホンポータブル
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PSP対応のネックストラップ付きステレオヘッドホン。ネックストラップとヘッドホンが一体化しているので、PSPを首からぶら下げながら電車の中で使うのに最適である。PSPを落とす心配がないし、カバンにしまうときも首からストラップごと外せるからだ。

電車でPSPを首からぶらさげる。

そんなことをオマエは本当にやっているのか?と聞かれそうだが、やっている。

PCで録画したテレビ番組をPSPの対応形式に再エンコードし、メモリースティックに入れている。電車の中で30分から1時間ほど視聴している。いま流行っている番組を把握しておきたいテレビブログの仕事には欠かせないツールとなっている。

PSPは年初にレビューしたままこのブログには登場していなかった。

・PSPの第一印象、今年はPSP Hacksが流行する?
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002782.html

その後、9ヶ月間使っていたが、Webブラウザーも搭載されて、最近やっと出番が増えている。今後、PSPの話題は増やしていく予定。

・映像ファイルを携帯、PSPで再生する形式へ変換する
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002733.html

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2005年09月17日

ポッドキャスティングに最適なiPod用音声レコーダーiTalk

・FOCAL POINT iTalk GRI-IP-000005
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iPod用ボイスレコーダーiTalkを購入し、しばらく使ってみた。

iTalkはiPodに音声録音機能を追加するモジュール。iPodに接続すると液晶画面に録音用メニューが表示される。ここで録音ボタンを押すだけで開始されるので、会議やセミナーで、思い立ってすぐに録音したいときにも手間取らない。

録音ファイルの仕様:

録音フォーマット: WAVE
サンプルレート: 8kHz
チャンネル: モノラル
サンプルサイズ: 16bit
ビットレート: 128Kbps

録音内容は自動的に日時のファイル名で保存される。

特徴的なのは、

・スピーカーを搭載している

録音した内容をその場で簡易スピーカーで聴くことができる。もちろん通常の音楽も再生できる。

・イヤホンジャックを搭載している

iPodのイヤホン端子を使うiTalkを接続していても、iTalkのイヤホン端子を使うことができるので、常にiTalkをつないでおく使い方もできる。常時接続していると若干、電池の減りは早いようには感じたが、許容範囲内だ。

記録されたファイルは音楽ファイル同様にiTunesに同期するので、PC接続すれば自動的にハードディスクへ転送されることになる。音声メモやセミナー録音を帰ってからチェックするのに、iPodユーザならば特別な追加ツールを必要としないのがいい。

iTalkはポッドキャスティング(iPodで聴くネットラジオ)のコンテンツを作成するのに向いている。録音したコンテンツがiPodでどう聞こえるかが、その場でチェックできるからだ。こんなツールを使ってそろそろなにかやってみようかなと企画中。

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2005年06月24日

キレイに簡単にPCテレビ録画 MTVX2005

・MTVX2005USB
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MTVX2005USBは、カノープスのUSB接続の外付けテレビチューナーユニット。ハードウェアエンコーディングでPC側に負荷をかけることなく、MPEG2録画ができる。早速、会社マシンのノートパソコン(1.2Gヘルツペンティアム)に接続してみた。

私は複数のチューナーカードを試しているが、この製品は映像がキレイというのが第一印象。ソニー製のチューナー部、画質補正機能 (3D Y/C分離、3Dノイズリダクション、ゴーストリデューサー)搭載で、画質の補正機能が強力。チャンネルを変更して数秒で補正回路が発動して、最適化されるのが、目で見てよく分かる。外付けで電気ノイズが少ないのも理由かもしれない。

ユーザの視聴、録画、ファイル管理をするソフトウェアとして、FEATHER2005が用意されている。他者のソフトと比較すると機能的にはシンプル。ユーザインタフェースは、最近、ソニーが自社製品に搭載を進めているXMBに似ている。操作はメニュー数が少ないこともあって快適に行える。

feather2005.gif

・SONY WEGA | 体験!XMB
http://www.sony.jp/products/Consumer/wega/xmb/ソニーのインタフェースXMB

FEATHER2005にはテレビ視聴と録画ファイル管理のTVモード、VIDEOモードの他、音楽ファイルを管理するMusicモード、画像スライドショーも可能なPhotoモードがある。マルチメディアファイル全般を統一インタフェースで管理できる。

ユニークなのはNetworkモード。もう一台、LANにつながった別のPCにもFEATHER2005をインストールすると、MTVX2005USBの映像をリモートマシンでも視聴できる。これがあれば、テレビアンテナに近いデスクトップPCにMTVX2005USBを接続しておき、アンテナから離れた場所でもノートPCで視聴できる。

FEATHER2005には動画をDivX、SD-VIDEO(携帯電話)などの他形式へ変換するコンバータ機能は搭載されていない。よりリッチな機能は、XPACKという別売りオプションパックにまとめられているようだ。専用リモコンも販売されている。

・XPACK2 X Pack 2
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高圧縮フォーマット変換ツール「X-TransCoder」、DivX変換など。

・CRM2005 リモコンユニット(「MTVX」シリーズ用)
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汎用プログラマブルリモコンとしても利用可能。

基本的にテレビ番組表ベースの録画はソニーTV王国などのiEPGサイトを利用する。番組表サイト側の機能を連携させれば、携帯電話からの番組表チェックと自動録画予約にも対応する。

全体的には遊びが少ないのがちょっと残念だが、キレイに録画が簡単にできるという点で、とても良い定番製品だと思った。

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2005年04月30日

PCで2チャンネル同時録画のGV-MVP/RX2W

・アイオーデータ GV-MVP/RX2W
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連休。普通にRBB Todayを読んでいたら突然このブログが紹介されているのを発見。

・ゴールデンウイークに読み倒したい極上ブログはどれだ?
http://www.rbbtoday.com/news/20050429/22572.html

あ、ありがとうざいます。

さて、今日の話題。

2年連続シェアナンバー1(BCN調べ)という、話題のテレビキャプチャーカードを新しいPCに入れてみた。ゴーストリデューサや3D Y/C分離など高画質化回路でキレイに録画できるのが基本部分の特徴。

アイオーデータのこの製品には、TVチューナーカードが2枚搭載されている。2チャンネル同時録画対応が可能なのだ。アンテナ分配器は内蔵されているので、テレビアンテナは一本でよい。本来は。

一本でよいのだが、私の自宅の場合、既にスゴ録などでアンテナを使っているため、分配する必要があった。CS/BS対応のこの分配アダプターも購入。後述のように複数このカードを導入する際にも必要になるだろう(未確認)。

・SONY EAC-DSD13 3分配器 CS/BSシステムアクセサリー
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HDDレコーダーを導入してから、テレビ録画は随分楽になったのだが、不満もあった。見たい番組は時間帯が重なることが多いのだ。正月のように特番だらけの時期は特にそうだし、通常の週もゴールデンタイム、プライムタイムに見たい番組が集中していることがある。それがこのカードなら裏も表も録画できてしまう。録画するだけでなく、同時に2つのチャンネルを画面に並べて視聴することもできる。

付属ソフトウェアのmAgicTV5は同種のソフトウェアとしては使いやすい方だと思う
DVD編集、ビデオ編集用にPowerProducer、PowerDirectorのバンドル版も付属していてオールインワン感がある。

便利だなと感じた機能は以下のとおり。

・キーワード自動録画機能

自動録画のキーワードに「世界遺産」「湘南」などを登録すると、番組データにキーワードが含まれる番組を自動録画してくれる。

・CMスキップ、CMカット機能
最新のアップデートでCMを1クリックでスキップ、編集時点でカットする機能が搭載されている。

・携帯電話から番組予約、携帯で視聴

reserMail
http://www.iodata.jp/products/video/enjoytv/resermail.htm

を使って携帯電話でEPGをチェック、見たい番組をPCにメール経由で予約指示を出すことができる。付属のツール Video Tool Box 2 SEを使うと、パソコンで録画したビデオを編集、MPEG-4や3GPP/3GPP2といった最新のケータイムービー形式に変換し携帯で見ることができる。

■VaioTypeXと同等のマシンを自作可能か?

ちなみにこのダブルチューナーのカードは複数連携に対応していて3枚で6チャンネル同時録画が可能らしい。SONYのVaioTypeX(市場価格48万円)のように1週間全局録画のマシンをもっと安価に構築できるのではないかと思った。

TypeX同様のマシンを自作。あとはハードディスクの問題だ。計算してみる。

このカードは、低ビットレートの「長時間モード」で録画すると1分間で約17メガバイトを使う。つまり1時間で約1ギガバイトの計算だ。24時間で24ギガバイト、1週間で168ギガバイト。カードを3枚挿して、6チャンネル同時キャプチャし続けることで、すべてのチャンネルを1週間ためこむには、TypeX同様1テラバイトが必要になる。

一台で1テラのハードディスクはないので、400ギガバイトのHDDを3台だろうか。RAID構成にする必要が出てくるかもしれない。ざっとストレージ部分の見積もりは約15万円。このカード3枚で約80000円。ベースとするPCは高性能なものを前提とするだろうから、約15万円とすると、合計で約38万円也。TypeXより10万円安くなる計算になる。

買った店の店員さんに「3枚挿して安定稼動するものですか?」と聞いてみると、「いやあ、私もやったことはありませんが。仕様上は可能ですとしか」との正直な答え。SONY製で保証があり、ソフトウェア面での統合も作りこまれている、という部分で10万円を節約することに意味があるかどうか、という微妙なラインに落ち着く。

迷う。

うーん、1年くらい迷っている間に25万円くらいになってしまいそうな気がしますね...。

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2005年04月28日

あらゆる手段で携帯を充電可能な最強電説ゼウス

先日の渡米の往路で成田に到着したとき、

「あ、しまった、携帯の充電器を家に忘れた!」

現地でも、携帯電話をカメラとして使いたかったのだ。帰国時に電源が切れているのもまずい。

慌てて空港のショッピングエリアの電器屋をのぞく。

うってつけのものがあったので即購入。

それが

・最強電説ゼウス
http://www.century.co.jp/products_dg/zeus.html
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1 幅広い機種対応

PDC機種のみならず、付属アダプターの装着によりau機種・FOMA機種・W-CDMA機種の全ての携帯電話で利用可能!

2 4種類の電源に対応
国産の12V/24V乗用車・トラックのシガーソケットからの充電のみならず、家庭用AC100Vコンセント,アルカリ9V角形電池,パソコンUSBなど、4種類の電源が使える!

3 フェイルセーフ機構
「リセットヒューズ」(自己復帰型)を搭載。もしもの時にも携帯電話本体にはダメージを与えすに、安心・安全にご使用いただけます。

という特徴がある。

特にパソコンUSB端子で充電できるのは、ホテルのコンセントの数を考えると、ありがたかった。パソコンにつなげておけば最終日に充電器を片付け忘れることもない。ヒューズがついているのも、電圧のよくわからない状況下では安心だ。旅行で重宝し、今ではカバンに持ち歩いて、会社や出先で利用している。

今のところ私の行き先ではこれで間に合うのだが、太陽充電というのも空港で見かけて気になっている。これがあれば、プールサイドや浜辺、芝生の上でも携帯が充電できそうだ。

・太陽充電 RINA(ブルー)
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2005年03月20日

iPod shuffleとStationRipperでチープでリッチな音楽生活

■シャッフルの使い勝手と魅惑の周辺機器

・Apple iPod shuffle 512MB M9724J/A
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ホワイトデーのお返しに妻にiPod Shuffleをプレゼントしたと書くと聞こえが良いのだけれど、実は自分が使ってみたくてという動機もあっての購入。

たくさん楽曲ファイルを入れてから、手に持ってよ〜く振ると自分好みのいい感じに混ざるというシャッフル機能はさすがに便利。あまり振りすぎるとコーラス単位でバラバラになるので、20秒くらい片手で軽く振るがポイントだ。

うそ。

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本当の感想は、

・軽くてストラップで首から下げても疲れない。
・フラッシュメモリは可動部がないため通常のiPodに比べて壊れにくそうな印象。
・USB端子を内蔵しているので今までのiPod以上にUSBメモリとしての使い勝手が向上している。

ラジオっぽく使うには、とにかく使い勝手が良かった。

私はいつも第4世代のiPod 20Gを愛用しているが、USBメモリとしてビジネスでも使えるShuffleもいいなあと思ってしまう。もう一台私も買おうか...。

iPodは周辺機器も魅力的なものが多数。

・Apple iPod shuffle Arm Band M9760G/A
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軽くて柔軟なアームバンド型のホルダー。腕に巻き付けてiPod shuffleをセットするだけでOK。スポーツトレーニングやジョギンク中など、いつでもiPod shuffleを楽しめる。

・Apple iPod shuffle External Battery Pack M9759G/A
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バッテリーパックを使えば、iPod shuffleの再生時間を3倍に延ばせる。内蔵バッテリーを使い切った後も、単4電池(AAAバッテリー)で最長24時間まで連続再生させることができる。コンピュータなしでも充電時間を気にせず、長時間のフライトやハイキングのパートナーとしてiPod shuffleを携帯する時に最適。

・Apple iPod shuffle Dock M9757G/A
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デスクトップユーザやUSBポートがコンピュータの背面にしかないなど、接続しづらい環境にあるユーザに特におすすめ。iPod shuffleをDockの上にセットするだけで、すぐにシンクと充電が始められる。ノートPCでもUSBポートに挿した状態だと折ってしまいそうという人にも。

・Better Energy Systems Solio (iPod3G,4G(Click Wheel),iPod Photo,iPod mini対応モバイルバッテリー)
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「Solio」は、太陽光で蓄電を行い、iPodなどのモバイル機器にバッテリ充電できるポータブルソーラーバッテリ。3枚の高性能太陽電池パネル(耐水性パネル)により、太陽の光を吸収し、本体内部のリチウムイオンバッテリに充電する。 Shuffleは今のところ未対応だがUSB充電ケーブルにいずれ対応するのでは?と期待。

・BIRD Electron エジソン EZ6 モバイルスピーカー iPod用シルバーEZISON6:BIRD
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Podを気軽に再生できるミニスピーカー。お好みのストラップをつければ、持ち運びも簡単。本体は軽量のアルミニウム製なので移動の時も重量が気にならない。操作は、付属のステレオケーブルを使ってiPodのジャックに差し込むだけ。ソフトモードをセレクトするとお休み前に柔らかい音でBGMを楽しめる。 中高音が得意 SOFTモードの弱音では、睡眠用に最適。

・Apple iPod shuffle スポーツケース M9758G/A
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首にかけて使うクリアケースはカラフルでクールなだけでなく、水やほこりなどからiPod shuffleを保護する。ケースを開けなくても操作ができるので、ビーチやプールなどでも音楽が楽しめる。

・iPod Fan iPod shuffle入門・活用ガイド―For Windows & Macintosh
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シャッフル専用の解説書まで出ています。

■StationRipperでストリーム放送をMP3ファイルとしてダウンロード

まさにシャッフル向きの音楽を用意するソフトがある。

StationRipperは海外のストリーム放送(ShoutCast)をMP3として録音するフリーソフト。アプリケーション内の番組表(StationRipperPortalやstreamGuide、ShoutCastなど)から聴きたいジャンルのラジオ局を選んで、視聴しているママをMP3で保存することができる。同時に2局を録音可能。洋楽メインだがJpopのチャンネルもある。

・StationRipper
http://www.stationripper.com/
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ずばり、素晴らしい使い方をお教えすると、好きなラジオ局をつけっぱなしで一晩中録音すること。え、そんなことをしたら12時間分の大きなファイルで扱いにくくないかって?仕組みは知らないが、とにかく曲ごとに曲名もついたファイルのMP3になってリッピングされているから、大丈夫だ。

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1日おいておけば100曲や200曲のMP3が手に入る。洋楽ファンにとって天国以外の何者でもない。特に私は”米国のラジオで流れているようなカントリーやブルース”が好きなので、StationRipperは最高だ。CDショップへ行くより、イメージどおりのリストが手に入る。

なお、StationRipperはフリーソフトだが$14.99払って登録バージョンにアップグレードすると、同時録音できるストリーム数が最大600局まで増やせたり、iTunesのプレイリストを生成したり、PodCastに対応したりする。

1日に3,000-6,000曲がStationRipper対応の局では放送されているという。一生分の音楽を数ヶ月で揃えることができる。また音質の良いCDを購入するためのBuySong機能もある。

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2005年03月12日

DVDメディアの選び方とOEM元を確認できるDVD Identifier

個人的には、この2年でデータ記録とビデオ録画のメディアとしてDVD-Rをメインで使うようになった。メディアの価格も下がってきたので、CD-Rの出番はほとんどなくなってしまった。

ただ、DVDメディアは活用にノウハウが必要だと感じる。

まず規格がたくさんあって混乱する。DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、DVD+R、DVD+RW、片面2層、ビデオ録画用、データ記録用など、何がなんだか分からない。

そして価格にばらつきがある。海外、国内の有名、無名ブランドが店頭に一緒に並ぶ。DVD-Rの場合、店頭価格は1枚50円から600円くらいで、実に12倍程度の価格差があるのだ。

・DVDメディア価格調査【バックナンバー】
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/backno/ps_dvd.htm
秋葉原での価格追跡調査はとても参考になる

そして品質も違う。PCやDVDレコーダーとの相性もあるが、廉価なメディアは記録に失敗して無駄になることが多い。特にデータを容量いっぱいまでコピーしようとすると、外周部で失敗するため、メディアのコストに加えて、長い作成時間も無駄になる。私は過去に随分経験した。

私は、DVDメディアの安売りを店頭でみつけると、必要もないのに妙に買いたくなってしまう。何百枚も買ったが、失敗も多かった。最近は落ち着いてきて、失敗はなくなってきた。そこでまとめた個人的結論を、個人的DVDメディアの買い方として書いてみる。相当奥深い世界のようで本も出ている。私はシロートなので、さらに詳しい方の情報があれば間違いを指摘、コメントしてください。

・DVD/CD‐Rパーフェクトデータ―焼きミスよさようなら!!
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4915540839/daiya0b-22/
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有名なライターの研究本。

■散財して学んだDVDメディアの買い方

鉄則その1 1枚100円以下の激安海外ブランドは買わない

まず大抵のトラブルは、これを守ることで避けられる。アジアの知名度の低いメーカー製が特売状態になっているとつい手を出したくなる。実際には使える品質のものも含まれていることがあるが、製造時期や型番によっても中身は違う。一度大丈夫だったからといって次も使えるとは限らない。10枚入りを買って半分以上が使えなかったこともある。日本語が書いてあっても同じ。激安海外ブランドはかえって高くつくので原則として、シロートの私は手を出さないことにした。

日本の大手メーカー製品はほぼ安心できるのだが、価格は高め。値引きがないコンビニなどでは、1枚500円や600円で販売されている。これでは高すぎる。

鉄則その2 太陽誘電とそのOEM製品を安く買う

最も信頼できるメーカーは太陽誘電1社であり、第三者の品質テストからも品質が他を圧倒していることが証明されている。太陽誘電は自社ブランド「That's」を展開している。That'sブランドが安く入手できるならば、これを買えば間違いはない。

しかし、太陽誘電は基本はOEMメーカーである。例えば「ソニーのDVD-R」も時期やロットによって、中身は太陽誘電であったりする。店頭にはThat'sは少なく、他の大手メーカーのブランドのパッケージが売られている率が高い。流通事情から、That'sブランドよりも大手メーカー製品の方が安いケースも多い。

だから、最も賢いのは、国内大手メーカーのブランドで、中身は太陽誘電製で、その時点で最安値の製品を買うことだ。例えば今の時点だとソニーのDVD-R 5枚入り(ビデオ用、1-4倍速、CPRM未対応、カラーコレクション)で中身が太陽誘電のものが、秋葉原で最安値を探すと500円で買えた。1枚100円換算。秋葉原あたりでは店員が気を利かせて「中身は太陽誘電でお買い得ですよ」とポップに書いてあったりするから、分かる。

・太陽誘電 That'sブランド
http://startlab.co.jp/index.html

・進め!インターネットマン21
http://www.internetman.jp/iman_at21-241.htm
第241回: DVD激安メディアと国産メディアの違い
〜メディアメーカー太陽誘電に聞く〜 の巻

ちなみにDVDのOEM元を調べるにはこのソフトが使える。DVDドライブとDVDメディアのメーカー名や品質をチェックするフリーソフト。

・DVD Identifier
http://dvdidentifier.cdfreaks.com/
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鉄則その3 DVD-R、DVD-RW、DVD-RAMで使い分ける

店頭でパッケージ表示に「データ記録用」、「ビデオ記録用」の二つがある。中身は実は変わらない。ビデオ用DVD-Rは映像著作物に対する「私的録画補償金」というものが価格に上乗せされているだけである。ビデオ用をデータ記録用に使うことは可能だ。逆にデータ記録用にビデオを録画することもできる。(もちろん、この場合は私的録画補償金の制度の意味をユーザとしては意識して、用途を選ぶことが望ましい)。

DVDメディアには種類が多数ある。規格乱立までの歴史や、各規格の機能と特徴の違いは一通り勉強した。私の結論からすると最も汎用的に使えるのはDVD-R/-RW/RAMである。+という記号が入ったものは特殊である。

・DVDメディアの特長
http://www.webby.co.jp/dvd/dvd_tokucho.html
DVD-R、DVD-RW、DVD-RAM、DVD+R、DVD+RWの違いなど。

パソコンとハードディスクレコーダーで、長期保存や配布物作成として使うのであれば、広く使えるDVD-Rが良い。頻度の高いバックアップを行うにはDVD-RAMが向いている。ハードディスクレコーダーでテレビを繰り返し録画するには、DVD-RWが向いている。録画したけれどつまらなかった番組を消しやすいから。

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2005年02月18日

スパムがこないメールアドレス表示方法

あいかわらずスパムメールがひどい。

Webでメールアドレスを公開するとすぐに広告メールが送られてくるようになる。スパム業者の情報収集ロボットが、Web上に書かれたアドレスを拾い集めているからだ。だからといってコンタクト先をWebに表示しないわけにもいかない。

そこでメールアドレスを保護する方法をいくつか発見。

■1 画像化する

メールアドレス表示を画像化してしまうツールがある。画像化すればロボットはほぼ読むことができない。

・Handmail - スパム対策に!メールアドレスの画像化無料サービス
http://handmail.org/
handmailcap01.jpg

さらにデザインしたい場合には次のツールもいい感じだ。

・でざいんめーる
http://sagittarius.dip.jp/~toshi/cgi-bin/designmail/designmail.html
designmail01.png
designmail02.png
designmail03.png
designmail04.png

また、私のようにGmailを使っている人には専用の画像化ツールがある。

・Gmail Signature Generator
http://playtime.uni.cc/gmail.php
gmailimg01.jpg

■2 HTMLエンティティ化する

テキストをHTMLエンティティというコードに変換するツールがある。

HTMLエンティティ化
http://hp.vector.co.jp/authors/VA022023/javascript/make_html_entity-ja.htm#ref

たとえば datasection@gmail.com のHTMLエンティティは以下のようになる。

mailadrhtmlent01.jpg

これはHTMLとして表示させると datasection@gmail.com と書いたのと同じ表示になる。

ただし、この方法は最近のロボットは解読能力のあるものも登場しているようだ。

■3 JavaScriptでmailtoを表示する

コード化した上でさらにクリッカブル表示にするためのツールがある。

・mailto: tag JavaScript is created. - mailtoタグ JavaScript 変換ツール
http://external.pcc.jp/~biso/bagongbayani/mail.html

これを使うとMailto表示部をHTMLではなく、ロボットが取得できないJavaScriptプログラム化することができる。この方法を使えばユーザはアドレスをクリックするだけでメールソフトが立ち上がるので、画像化された文字を手で打ちなおす必要もない。

他にやり方をご存知の方がいたら教えていただきたい。

■4 捨てアドレス専用メールサービス

私は最近Web表示にGmailのアドレスを使っている。これは常用でないのでスパムが多少入っても問題ないし、Gmailにはスパムフィルター機能もあるからだ。ある意味では捨てアドレスなわけだが、捨てアドレス専用サービスも発見した。

その名もMyTrashMail.com。

・迷惑メール Service MyTrashmail.com
http://www.mytrashmail.com/meiwakume-ru.aspx?language=jp

割り切り方がすごい。

誰でも好きなユーザIDを取得できる。

すると、

ユーザID@myTrashMail.com

というメールアドレスが作成されてメールを受信できるようになる。登録に個人情報はいらない。受信内容を見るのにログインもパスワードもいらない。誰でもIDを知っていれば中身を読むことができてしまう。ある程度長くてユニークなIDにすべきである。届いたメールは2週間保存され捨てられてしまう。一時的に匿名でメールを受け取りたい場合のサービスだそうだ。

というわけで私も早速、

daiya@myTrashMail.com

を作成してみた。

こんなふうに受信内容をチェックできる。受信メールのRSSまで出力してくれる。


mytrashmailcap01.jpg

さあ、どんどん要らないメールを daiya@myTrashMail.com にください。読むかどうか分からないし2週間で捨てられてしまいますけどね。

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2005年01月04日

PSPの第一印象、今年はPSP Hacksが流行する?

PSPを発売日12月12日に入手していたのですが、諸事情あって、触ったのは年末休みに入ってからでした。2ちゃんねる等のコミュニティでなぜか散々叩かれているPSPですが、個人的には、かなり良くできていると驚きました。

■第一印象

・PSP バリューパック
B0006MQ1H8.09.MZZZZZZZ.jpg

年末年始でいじりまわしての感想は、

・画面が明るく美しい
 4.3インチ 16:9 ワイドスクリーンTFT液晶
 480x272 ピクセル、1,677万色
 最大200cd/ m2(輝度調整付)

・多彩なインタフェース
 無線LAN、赤外線、USB、メモリースティック、
 ヘッドホン/マイク/コントロール 一体型端子
 UMDディスク 片面2層 1.8GB

・3D描画能力が想像以上に高い

という高評価ですが

・ソフトウェアがないためポテンシャルを十分に引き出せていない

のが最大の欠点です。無線LANはインターネット接続可能な仕様でありながら、対応ソフトがないため、まだゲーム以外で使えません。USBもPCと簡単なファイル同期ができる程度。これは今後に期待です。

ゲームソフトについては、これから十分期待できるわけで、ゲームをする人であれば間違いなくおすすめ。Webブラウザーやメールソフトが登場すれば、無線LAN経由でメールやテレビ番組表をチェックする家庭内モバイル端末として活躍してくれそうです。

■ゲーム2本

ゲームは以下の二つを入手。

・RIDGE RACERS
B0006Q4ZBS.09.MZZZZZZZ.jpg

PSPの3D描画性能を味わうのにはベストチョイスだったと思いました。カーレースを存分に味わえます。非公式ながらインターネット対戦が可能。

・METAL GEAR ACID
B0002FQ8RM.09.MZZZZZZZ.jpg

メタルギアソリッドがカード戦略ゲームになったというので、名作「カルドセプト」のような内容を期待したのですが、そこまでの中毒性はないですね。先へ進んでいくとカードのコレクションと戦術の面白さがでてきました。

■周辺ツールでモバイルAVプレイヤーとして使うツール紹介

さて、実はゲームなんてどうでもよかったのです。

私はいじりがいのある携帯AV端末として購入しました。

早速、512メガバイトのメモリースティックDUOを購入。

SONY MSX-M512S ニュー・メモリースティックPROデュオ 512MB
B00061OJ8W.09.MZZZZZZZ.jpg

テレビ録画やDVD、Webでダウンロードしたビデオファイルなどを再生しています。変換の手間がかかりますが、十分に鑑賞に値します。ただ、電車で観ているとまだ注目されてしまうのが難。テキストを画像化して読むこと、iTunesと同期して音楽を聴くことも以下のツールでできるようになりました。

・Image Converter2
http://www.jp.sonystyle.com/Nws/Software_dl/Pc/Software/Haa/2105710294200.html
PSP用のMPEG-4変換ソフト「Image Converter 2」が販売開始
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20041213/sony.htm

公式の映像・画像変換と転送ツール。PSPの再生形式MP4へ変換。1000円。購入して使っています。現状、最も手軽で確実にこの目的を実現します。

ですが、以下の二つのフリーソフトを組み合わせることで、機能的にはImageConverter購入は必要なくなります。

・動画変換君
http://www.nurs.or.jp/~calcium/3gpp/
動画ファイルをPSP、携帯用に変換するフリーソフト。

・PSP動画転送君
http://homepage2.nifty.com/YOSHI787/odeen/freesoft/PSP.html
MP4ファイルをPSPに認識可能なディレクトリ、ファイル名にして転送するフリーソフト。
・PSPSync
http://samurai.pose.jp/ryn/products.php
iTunesのプレイリストとPSPのプレイリストを同期するソフト 。iTunesのプレイリストを選択してPSPへMP3ファイルごと転送可能

・Text To JPEG files for PSP
http://www.fumi2kick.com/jpegbook/index.html
テキストを画像化してPSPのフォトアルバム機能で閲覧可能にするソフトウェア。


今年はPSPHacksの年になるのは間違いなさそうです。

・Webブラウザ
・Linux等OS
・Perl/Ruby
・PCによる制御系
・各種ビューア(オフィス系、PDF、Flash)
・Perl/Ruby等スクリプト言語系

等、Hackする入り口が現れれば、一気に流れが加速しそう。

関連情報:最新情報は個人とコミュニティによる、この二つを見ておけばよさそう。

・PSP情報局
http://blog.livedoor.jp/lets_caitsith/

・PSPwiki - PspWiki
http://psp.holybell.to/

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2004年12月23日

今年のベストバイはiPod、そしてPodCastingの魅力

今年の買い物の中でベストバイを挙げよと言われたら、やはりiPodと答える。

他のプレイヤーも含めて数ヶ月間の念入りなどれにしようリサーチの結果、10月に20ギガタイプを購入して2ヶ月ほど使っている。

・Apple iPod 20GB (Click Wheel) Mac&PC [M9282J/A]
B0002OW6OW.09.MZZZZZZZ.jpg

すべてにおいて大満足。実は私、アップル社の製品は初めて買ったのだが、熱狂的アップル信者がいる理由がなんとなく分かった気がする。この会社の製品デザイン力は素晴らしい。

機能の充実やインタフェースの使いやすさは周知の通りなので私が敢えて書かないが、何より気に入っている点が、手にしているときの質感。角のない形状、表面のなめらかな材質、掌にしっくりとくる重量感。1日中、触っていたいと思わせる。

機種選択に迷っている際、「iPod以外の選択肢なんて考えられないよ」と、ある集まりで私にアドバイスしてくれた方(Macの世界では有名な人だったらしい)に感謝。私も人に聴かれたらそう答えることにしている。

いろいろと使い方やハッキングについても研究中だが、凝っているのがPodCasting。音声ファイルをiPodに入れて聞く、一種のインターネットラジオだが、米国では多数の個人放送局が立ち上がっている。

・Podcast.net - The Podcast Directory
http://www.podcasting.net/
PodCastingのディレクトリ。

・Last 100 podcasts
http://audio.weblogs.com/
最新のPodCastの一覧。

放送の仕方は簡単で、ブログに音声ファイルをアップロードしRSSにダウンロード先のURLを記述しておく。リスナーはiPodderなどの同期ソフトを使って、このRSSを指定しておけば、更新が検出され、iTunesを通してiPodへ音声ファイルが送り込まれる。毎日、充電のためにiPodをPCにUSB接続しているならば、自動的に最新の放送がiPodに入っていることになる。

・iPodder.org : iPodder Software
http://www.ipodder.org/directory/4/ipodderSoftware
ipodder01.JPG

PodCastingの同期ソフトウェアはいくつか種類がある。上のキャプチャはiPodderというソフトの画面。

現在のところPodCastingは英語放送ばかりだが、日本でも音声コンテンツは一部で盛り上がりがあるようだ。PodCastingは2005年の流行になるかもしれないとおもっている。

・カンタンデジオ
http://easy.dedio.jp/
簡単に音声ファイルアップロードによる放送が実現できるサービス。

・VOICE BLOG PORTAL - 声によるウェブログ -
http://voiceblog.jp/
Mp3をアップロードできるウェブログ。

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2004年11月23日

QRコードのスタンプでホームページを宣伝 Stamkey

関西出張中、大阪の新しいショッピングモールに行ったら、シャチハタのショップのディスプレイに、妙なグッズを発見。ピンと来たので即効で購入。買う人が珍しいのか、店員さんも「これはなんだかお分かりになって買われてますか?私たちも使い方の説明が難しいのですが」と言う。ユニークなコンセプトなので無理もない。

・シャチハタのStamkey
http://www.shachihata.co.jp/qr/stamkey/
stamkey01.gif

スタンキーはQRコードのスタンプで、この印影をQRコード対応携帯電話機で読み取ると、シャチハタの用意する個人Webサイトへ誘導する。最初にアクセスしたオーナーは、簡易Web構築機能を使って自分の携帯サイトを作り、パスワードをかける。これで設定完了。あとはこのスタンプで、自分の携帯サイトを友人に教えることができる。


実物はこんな感じ。
stamkeytop_05.gif

このQRコードを読み取ると専用の携帯サイトへアクセスする。

イベントが続くと名刺が切れることがよくある。そうした時に今までは謝って恐縮してばかりだったのだが、これからはこのスタンプを代わりに使うのも楽しいかもしれない。名刺にQRコードを刷り込むという手もあるのだが、印刷費用がかかる。デザインの統一上、勝手に個人で作れない人も多いはず。スタンプにしておけば余白にポンと押すだけで自分のサイトを教えることができて便利。

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2004年11月21日

FOMA携帯の活用を考える

こんな記事を書いた。

Passion For The Future: FOMA SH900iに乗り換える
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001998.html

携帯をSH900iに乗り換えて2ヶ月。FOMAのテレビ電話通話機能は一人では使えないので、直後に妻の携帯も新機種に変更してもらった。結局、ビデオ電話機能は会社で子供の様子をときどき写してもらう程度にしか使わなかった。

だが、デジカメ機能よりもビデオ機能を使うようになった。SH900iは前のレビューに書いたように、静止画撮影後の保存時間が10秒以上かかる弱点がある。シャッターチャンスを逃しやすい。だが、ビデオならば最高画質でだらだら撮影しておけば良いので簡単だ。

妻が乗り換えたのはビデオ機能の強力なP900ivである。

・P900iv
http://900i.nttdocomo.co.jp/main.html?jpage=pv001>p900iv_model01.JPG

テレビにケーブルで直接接続して録画ビデオやテレビ電話を表示することが可能。

p900iv_avout.JPG

SH900iが15fps(1秒間15コマ)なのに対してこちらは30fpsのビデオが撮影できる。30fpsは美しい。

そして、大容量のMiniSDメモリをこの2台用に2枚購入した。メーカーの仕様ではSH900ivは128メガのメモリカードまでしか使えないことになっている。だがネットで調べたところ、256メガでも使えるカードが存在することを知った。

・AD-MSDP256M MINI SDカード 256MB
B000222WMA.09.MZZZZZZZ.jpg

SH900iの最高画質のビデオは1分当たり約3メガバイト。80分以上のビデオと1000枚近い静止画を保存可能になる。これを使い始めてからは、毎日のようにビデオメモが習慣になった。気になったイベントや場所はどんどん録画しておく。撮影対象よりも雰囲気を撮る。動画と音声は記憶を呼び起こすのに、静止画の数倍の効果があると感じる。ビデオを見るとその時の情報が頭から引きずり出しやすいことが分かった。

さて、900iシリーズになって、便利に使えるiアプリがひとつ見つかった。

NEXT読売 : 携帯サービス : YOMIURI ON-LINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/keitai/nexty.htm
keitai_scl_nexty.gif

新聞記事と写真を一度に最新200本ダウンロードして読むiアプリ。毎日新聞もほぼ同じサービスを提供している。電車や地下鉄で携帯向け新聞サイトをチェックすることが多いのだが、記事ごとに閲覧しようとすると、接続が切れたり遅かったりして使い勝手が悪かった。これなら快適に読める。FOMAのパケット割引を組み合わせれば、比較的安価に利用できる。

・Mainichi INTERACTIVE 携帯News
http://www.mainichi.co.jp/info/keitai/11.html

この二つのベース技術はアクセスが開発したMX News Viewerである。

ACCESS [PRESS RELEASE]ACCESSと凸版印刷、NTTドコモFOMA900i対応のニュースビューワを共同開発
http://www.access.co.jp/press/040902.html

・ACCESS [PRESS RELEASE]ACCESSと凸版印刷毎日新聞社の新コンテンツ『毎日新聞PLUS』にニュースビューワ・アプリケーションを提供
http://www.access.co.jp/press/040622.html

そういえば、携帯にWebブラウザー機能を追加するiアプリも最近リリースされていた。先日のMixiブラウザ同様、専用ブラウザーという市場は結構大きいのかもしれない。

・パケット料金割引! jig(ジグ)アプリ
http://jig.jp/top.html

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2004年11月06日

未踏プロジェクト中間報告会@京都で気になったプロジェクトたち

未踏プロジェクト中間報告会@京都で気になったプロジェクトたち

京都でIPA未踏プロジェクトの中間報告会(石田PM、長尾PMの合同)に参加。今期も残すところ3ヶ月で各プロジェクトも目に見える形の成果が出てきていました。気になったプロジェクトを3つばかりピックアップして紹介してみます。

IPA 2004年度未踏ソフトウェア創造事業 「石田PM・長尾PM合同中間報告会」
http://www.lab7.kuis.kyoto-u.ac.jp/mito/

mitohDVC00096.JPG

■「Community Webプラットフォーム」
     沼 晃介氏(総合研究大学院大学 博士課程)

セマンティックWebの到達点のひとつがTrust(100%信頼できる)。この研究では、人間関係における信頼を利用して、Web上のコンテンツを信頼できる情報にするための、コミュニケーションプラットフォームが開発されています。

信頼できる人の情報は信頼する。

Community Webプラットフォームは、個人間の信頼に基づく情報流通を実現するための技術で、基本要素は個人(のWeb)、個人間のリンク、興味の度合い、からなります。主にブログの閲覧やリンク、コメントの状況から、ユーザが何をどのくらい信用しているかを数値化します。

3つ目の興味の度合いとは、

Check:どのサイト・人に注目しているか
Clip: どのコンテンツに注目しているか
Post: どんな意見を表明しているか
Anotate:どんな意見に反応しているか

といった情報から得るそうです。

具体的には、RSSリーダーのGlucose、RSS更新チェッカーのRNAの技術をベースにされています。Glucose内部から、ソーシャルネットワーキングサービスにアクセスして、人間のつながりデータを得るなどの実験的機能がデモされました。GreeやMixiの友人のブログ更新一覧は大変便利なわけですが、それがさらに拡張されて、ブログと関心空間とRSSリーダーが合体したような知識コミュニケーションツールを作っているようです。

ブラウザ、ポータルサイトに変わる、新しい情報アプリケーションが誕生するかも。

■「世界規模ソースコード検索エンジンの開発」
     高林 哲氏(独)産業技術総合研究所 研究員)
資料がアップされる予定、だそうです。

Namazuの次はGonzuiだった。

Namazuの開発者でオープンソース界の有名人、高林さんの最新作。プログラムのソースコード専門の検索エンジン ゴンズイ(ナマズ目、毒がある、群れる)。ApacheやPostgresなど世界中のオープンソースコードを横断検索できるエンジンです。関数名や変数名、コメントやリファレンスなど検索オプションも多彩で、JavaScriptによる可視化の仕組みも盛りだくさんに実装されていました。現在はC言語のみで公開時にはRuby,Java、Pythonなどの言語にも広く対応していきたいとのこと。

さすがだなあと感じたのは、コーディングの際に使われる部品選びの眼。このタイプの検索エンジンを作るとなると、普通はApacheとSQLデータベースをベースにしてなどと考えがちですが、高林さんが選んだのは組み込み型DBのBerkleyDBと、組み込み型WebサーバのWebRick。敢えて低レベルの組み込み系をベースとすることで、インストールが簡単で高速に動作するプログラムを実現しようとしている模様。作るのは相当大変だと思うのですが、フリーソフトとして公開予定のパッケージは、簡単インストール、設定不要ですぐに一般ユーザが利用できる優れものになりそうでした。

高林さんと先日夜中にチャットしていたときに私はインクリメンタル検索機能が欲しいのですが実装予定はありませんか?と聞いたら「ありません」と返事が返ってきていたのですが、当日デモしたバージョンはそのリクエストに応えて、インクリメンタル検索機能がちゃんと動くものになっていました。意見の採用ありがとうございます。

とりあえずリリースされたら、プログラマに愛される定番検索サイトになりそうです。なお、公開サーバの運営パートナーを探しているとのことです。関心のある団体や企業の皆さんは高林さんにコンタクトしておくと、すごいことになるかもしれませんね。

■「XM支援ツール Galapagos の開発」
     中嶋 謙互氏(コミュニティエンジン株式会社 代表取締役)

コミュニティエンジンの中嶋さんはとにかく頭の回転が速くてキレものですが、何を作るかと思えば、回転の速い会議支援システムでありました。XM支援ツール Galapagos。XMはeXtreme Meetingの略。会議を生産的にするための実践的な方法を集めたもの。

その方法とは、

議事録ドリブン(会議) 会議=議事録をあるフォーマットにしたがって完成させること議事録ドリブン(プロジェクト) プロジェクトは議事録のライフサイクルである
意味の明確化 結論、意見、雑談、ToDoなど。議事録をフォーマットに載せる
トラッキング
ジョイントアテンション
タスクの共同所有
議事録は決定ではない
必要なときに必要なだけ
適度な休憩、時間管理
アイスブレイキング

などのノウハウであるそうです。

XM/Galapagosとは、

・プラクティスを抽出しツール化する
・ツールを通してプラクティスを自然に体得する。

というアプローチです。

そしてこうした会議を支援するGalapagosは「ミーティング要請ギプス」なのだそうです。

具体的には議事録を重視した会議の総合管理アプリケーションのようです。PCを使って議事録を作りながら会議を進めます。会議の議題や参加者、時間などを設定して会議を開始。「意見」や「結論」などを書き出していきます。途中で決め忘れがでないようにアラートが働いたりします。テキストエディタのようなアプリケーションで白紙に自由に文を書いていくことができます。ここは意見、ここは結論など後からタグづけを行うこともできます。こうして漏れのない構造化された議事録が作られていきます。目的が不明瞭、議論の迷走、曖昧な結論、時間管理、ToDoのロスと、ファシリテータースキル、議事録作成コストなどを回避することができます。

議事録はXMLで出力され、会議終了時には参加者にメールで送られる機能があります。そうして作られた議事録はWebベースの管理アプリケーションに登録でき、メンバーが共有することができます。

第一印象は、「フォームを全部埋めるような会議って、私は理想としないのですが...。」ということでした。私がいいと思う会議は、

・要点をパパっと顔を見ながら確認する
・相互に場の圧力をかける
・本当に大丈夫か、微妙なニュアンスを読み取る

ための会議であって、議事録ドリブンな会議ではないことが多いのです。

でもでも、実際のデモを見ると、なかなか便利そうだとも思いました。ある程度大きな組織で決定事項をたくさん短時間で決めなければならない会議に向いていそうであります。

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2004年10月11日

CNETに「MSNサーチが検索市場にもたらすもの」を書きました

CNETのスクープ記事をお手伝いしてきました。

・MSNサーチが検索市場にもたらすもの - CNET Japan
http://japan.cnet.com/interview/story/0,2000050154,20075038,00.htm
cnet_msntp01.jpg

MSN検索の最新プレビューと、米国マイクロソフト本社担当者に聞いたマイクロソフトの検索サービス長期展望。インタビュー取材内容に、考察を加えさせていただきました。マイクロソフトはかつてブラウザで、遅れて参入しながらシェア逆転を成功させた過去があります。デスクトップとのシームレス検索を梃子に、熾烈化する検索技術競争でも勝者になることができるでしょうか。詳しくは上記の記事をお読みください。

■Lookoutsoft?

で、このインタビュー中にインターナルサーチの技術のベースとなったLookoutSoftwareが出てきました。マイクロソフトが今年の夏に買収していたこの会社。Outlook用の検索ソフトの試用版がダウンロード可能です。早速使ってみました。

・Lookupsoftware
http://www.lookoutsoft.com/

Outlookだけでなく、デスクトップの検索機能もありました。残念ながら日本語の検索はできませんが、Outlookとファイルの横断検索の便利さは伝わってきました。これにWeb検索までもが統合されてWindowsのどこからでも使えるならば、定番ツールのひとつになりそうです。

1 インデックス作成中
lookout_index01.JPG

2 検索結果画面
lookout_search01.JPG

参考情報:

YAHOO!、CNETの前回記事
・対談:日本における検索の未来 - データセクション 橋本大也 vs ヤフー 志立正嗣 - CNET Japan
http://japan.cnet.com/column/search/story/0,2000050605,20068928,00.htm

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2004年08月15日

FOMA SH900iに乗り換える

日曜日に箱根で老舗「知客茶屋」の豆腐料理(わさび味噌奴、早雲豆腐、とうふステーキ、とろろ(味噌仕立て)、麦ごはん、吸い物、香の物)を食べ、とてもおいしかったので実家にお土産に、そこで使われていた萩野の豆腐を買った。その後、彫刻の森美術館でのんびり過ごした。ここまでは良かった。

・豆腐料理 知客茶家
http://www.shikajaya.com/ebisu/shikajaya.html

・豆腐処萩野(神奈川県>箱根>箱根)の「買う」スポット情報/じゃらんnet全国観光スポットガイド
http://www.jalan.net/kanko/SPT_150899.html

電車の中で子供が泣いたので、抱き上げる際に、豆腐の袋に何気なく、携帯を入れた。駅を降りて、携帯がないので妻の電話から鳴らしてもらうと、袋の中から音がする。のぞいてみると、見事に豆腐に携帯が水没(豆腐没)状態。液晶に明らかに水が入っている。乾けば直るかもと一縷の望みを託して、朝まで放置したところ、電源さえ入らない。

携帯を壊したり紛失したことが一度もなかった私は大ショックでしばらくガクーリ状態。もしかするとだめかなと思いながら夜中から携帯のリサーチを開始。ドコモのSO505iを使っていたので、これを機にFOMAへ乗換えを検討。

FOMAを選んだ理由はテレビ電話ではなくて、料金プランから。ドコモショップのお姉さんにコンサルしてもらったところ、私は毎月7000円もパケットを利用しているので、FOMAでパケ割やファミリー割引等を組み合わせれば4300円程度に節約できることも判明。懸念するのは通話エリアだったが、私の普段の活動範囲ではそれほど問題ないらしい。

機種をリストアップして、レビュー記事をひたすらWebでチェック。長い検討の結果、これに決定。

sh900isample01.gif

・SH900i
http://www.sharp.co.jp/products/sh900i/
・シャープ SH900i
http://900i.nttdocomo.co.jp/main.html?jpage=sh001

私が重視した特長は以下の通り。

1 200万画素のデジタルカメラ

オートフォーカス機能を搭載。長時間の動画も撮影可能。なによりSO505iで慣れてしまった閉じた状態でのヨコ撮りが可能なのが嬉しい。

ただし、保存時間が異様に長いのが短所。

・ITmediaモバイル:画質は最高峰、保存時間に課題〜「SH900i」 (1/3)
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0403/29/news005.html

2 2.4インチ液晶+1.2インチ背面液晶

液晶のシャープらしい大型で美しい液晶。背面液晶も大きめで、一昔前のimode以上の情報量がある。主要な操作はサブ液晶だけで可能。

3 ドキュメントビューア

これは感動した。PDF、EXCEL、Word、PowerPoint、テキストなどをそのまま表示できる。SDメモリカードへ文書を転送するだけ。早速試してみたが、大きなファイルでもズームを使って確認できる。これで授業や講演の前にプレゼン資料をチェックできそうだ。

・ITmediaモバイル:カメラとドキュメントビューワの使い勝手は〜「SH900i」 (1/2)
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0405/20/news062.html

4 ボイスレコーダー機能

120分の音声録音ができる。ノイズキャンセラまで搭載している。

5 文字読み取りOCR、バーコードリーダー機能

英数字のみだが、カメラで名刺や雑誌記事から文字列を読み取ることができる。電話番号やURLやメールアドレスらしい文字列の場合には、そのまま電話をかけたり、電話帳登録したり、Webを表示することができる。


ざっと上記の特徴を一言で表すと「ビジネスケータイ」ということになる。

1日使ってみての感想は、非常に満足。プリインストールのiアプリの3Dフライトシミュレータのグリグリ動く様子を見ると、携帯でここまで動いてしまうのかと、基本能力の高さがよく分かる。不満はカメラの保存時間の長さのみ。

・CNET Japan Reviews SH900i (Sharp) の総合評価
http://review.japan.cnet.com/pub/dir/keitai/keitai_docomo/sharp-sh900i/summary.html

・¥価格.com¥ 口コミ掲示板
http://www.kakaku.com/bbs/Main.asp?ItemCD=311010&MakerCD=169&Product=FOMA+SH900i+%28%8B%40%8E%ED%95%CF%8DX+%93X%93%AA%29&CategoryCD=3110

ケータイWatch モバイルCatchUp
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/mobile_catchup/19742.html

・ITmediaモバイル:目指したのはドイツ車のような質実剛健〜「SH900i」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0401/27/news104.html

・Mobile:Excel、PDFの閲覧も〜「SH900i」
http://www.itmedia.co.jp/mobile/0312/18/n_sh900.html


さて、次は、私の友人・知人たちをFOMAに乗り換えさせるべく布教活動を開始しようと計画中。一人じゃテレビ電話できないですからね。よろしくお願いしますよ。

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2004年07月22日

GPSで宝探し、時空間写真アーカイブ

最近、気になっているものにGPSサービスがある。

たとえばジオキャッシング。

■GPSで宝探し ジオキャッシング

GPSを使った宝探しゲームだ。

誰かがまず宝物(キャッシュ)を裏山の森の中に隠してくる。

宝物はルール説明によると、


・使い捨てカメラ - 自分の写真を撮り、また元に戻してくれるように入れておきます。。その後写真を現像し、インターネットに置く事ができます。
・安い玩具 - 工作粘土やフィギュア人形など
・CD、VGAカード、商品券、ドル紙幣、金棒など

など、ちょっとしたもの。見つけた人が楽しいもの。

そして、隠した場所の正確な緯度、経度をGPSで計測し、ジオキャッシングのサイトに登録する。

冒険家は、ジオキャッシングのサイトで、最近隠されたキャッシュの位置(緯度、経度)を調べます。そして、その場所の近くへ、実際にGPSを持って向かう。GPSには常に直線距離でキャッシュまで東西南北に、あと何キロ、何メートルかが表示される。その情報を頼りに宝物の近くまで近寄る。

GPSの精度は10メートル程度なので、最終的には目で見て、近くの茂み、土管、大きな木の下、廃屋などを探して、キャッシュを掘り当てる。見事に見つかったら、ネットで報告することで、ゲームは終わりである。

ジオキャッシングは世界の190カ国で行われており、何万ものキャッシュが見つけられるのを待っている。

・GEOCACHING.jp - The Japanese Global GPS Cache Hunt Site
http://www.geocaching.jp/
日本の公式サイト

・Geocaching - The Official Global GPS Cache Hunt Site
http://www.geocaching.com/
世界の公式サイト

■世界のすべての緯度経度の写真を撮影するプロジェクト Degree Confluence Project

GPSを使ったプロジェクトでは、the Degree Confluence Projectも面白い。こちらは世界のすべての整数値の緯度、経度の地点をデジカメで撮影した写真を、インターネット上に登録しようという試み。世界全体の写真アルバムが日夜、世界中の有志によって作られている。

・the Degree Confluence Project
http://www.confluence.org/index.phpgeocache02.JPGgeocache01.JPG

このサイトでは、緯度、経度の入力か、世界地図マップから、任意の地点の写真を眺めることができる。ちょっとした旅行気分が味わえる。

日本でも、地域は限定されているものの、狭いがゆえに興味深い実験プロジェクトがある。昨年度のIPAの未踏プロジェクトに採択されたCreative-Box。

・creative-box
http://www.creative-box.org/
creativebox01.JPG


creative-box は、街で撮影した位置情報付きのデジタル写真を、
ネットワーク上のスペースにどんどん溜めこんで、
記録の整理と編集を繰り返しながら、
自分のデータベースを育てることのできるソフトウェアです。
位置と時間の情報を自在に操って、
目的の記録を、いつでもすぐに取り出すことができます。

・位置情報を用いたネットワーク型写真共有システムの研究
http://www.media.k.u-tokyo.ac.jp/%7Esunouchi/master_thesis_sunouchi_abst.pdf
Creative-boxについての論文。

creative-boxはGPS機能付の携帯で撮影した写真をアップロードすると、マップ上に登録される。一緒にその写真や場所についてのキーワードも登録できる。表参道近辺の1000枚以上の写真が現在は登録されている。私の会社は表参道にオフィスがあるので、とてもこのサービスは楽しめる。

地図上では同じ場所で違う時間に撮影された写真も簡単に見ることができる。地理的に近い場所だけでなく、時間的に近い写真を探せる時空のアーカイブができあがる。ユーザが多くなれば、今いる場所は1ヶ月前、半年前、1年前の今日など任意の日の様子がどんなだったか、分かるようになる。Flashによるインタフェースも洗練されている。

この時空間ポエマーというメディアアート的実験も似ている。こちらは現実の空間に大きな地図を投影している。

・時空間ポエマー
http://www.spacetimedesigns.org/sparks/zerosta.html
・GPSケータイを使った地域住民参加型イベント「時空間ポエマー」
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/12540.html

GPSの情報を見ていて、自分でも一台欲しくなってしまった。

GPSを使って今、地球のちょうど裏側にいる人とチャットしながら写真を見せ合うなんてことが、インターネットではすぐにできそうだ。大して役に立たないかもしれない。でも、GPSデバイスは着実に増えている。実用性云々というよりも、今、面白くなりつつある世界であるような気がする。

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2004年07月18日

左右スクロールもできるワイアレス光学マウス

新しく自宅にマウスを購入。子どもがいることもあって、ケーブルは何かと邪魔。ワイアレスマウスが欲しくなった。マウスといえばマイクロソフトだと個人的には思っているので、マイクロソフトの最新ラインナップから選んだのがコレ。ナイトビジョングリーン

Microsoft Wireless IntelliMouse Explorer シリーズ
B0001ZDLKU.09.MZZZZZZZ.jpg

特徴は「チルトホイールによる快適な水平スクロール」で

「従来の垂直スクロールに加え、ホイール部分を左右に傾けることにより、水平方向にもスクロールができ、Webや表計算シートの画面を素早く操作することができる。マウスを動かしてスクロールバーを操作する必要はない。」

ということ。

ワイアレスであるけれど、遅延レスポンスはまったく気にならない。まず、過去のMSのマウス同様に人間工学デザインが、普通に使いやすい。ホイールの操作感覚が特に素敵。表現が難しいが、グリッド感があると同時になめらかで、すーっと吸い込まれそうな心地よさ。

左右スクロール機能は、使う場面が限定されてしまうのだが、項目数の多いEXCELの表には重宝する。ゲームでもこの機能は利用できそうだ。

ロジクールも左右スクロールのコンセプトを採用したモデルをリリースしている。マウスのトレンドになるかもしれない。

logicool Cordless Click!Plus Optical Mouse
http://www.logicool.co.jp/products/c_mouse/clk_c71.html
clkc71_reco.jpg

マウス+αというコンセプトは次々に登場している。プリンタ内蔵マウスに興味あり。

触覚マウスホームページ
http://www.fujixerox.co.jp/tangible_mouse/
shokkakumouse01.gif

画面上の凹凸をうねり感と振動で指に伝える触覚マウス。

CASIO [ Products ] - PCミニプリンター
http://www.casio.co.jp/EZ-USB/printer/kp_c50/
kp-c50.gif

ラベルプリンタ内蔵マウス。選択中テキストを印刷。

Cool Mouseの説明会にようこそ。。。。。。。。。。。 iGNC
http://www.ilink4you.com/list/cool/
coolmouse01.gif

クーラーつきのマウスで汗かき人間も快適に長時間操作。

関連情報:

・マウス斡旋紹介所
http://mousesyokunin.parfait.ne.jp/link/link.html
防水マウス、メタルマウス、巨大マウス、黄金マウス、木製マウス、ダブルマウス、指紋認証マウス、GPS内蔵マウス、頭で動かすヘッドマウスなど多数の変り種マウスのリンク集。

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2004年07月07日

何でもテレビで再生するAVeL LinkPlayerに大満足

・AVeL LinkPlayer (型番:AVLP1/DVD)
http://www.iodata.jp/prod/multimedia/video/2003/avlp1dvd/
avellink01.jpg

Amazonの商品紹介ページ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000YD64S/daiya0b-22/


使い始めてから1ヶ月。大変、便利だと結論したので紹介。

AVeL LinkPlayerは外部PCのハードディスク上、及び、内蔵DVDドライブ上の映像、音楽、画像ファイルを、テレビで再生することができるメディアプレイヤーである。MP3、AVI、JPEGといったパソコンでよく使うファイルを、そのまま、居間の大きなテレビ画面で再生することができる。

以前、紹介した同社の無線LAN対応ハードディスク製品のLANDISKと接続して使うのがおすすめ。AVeL LinkPlayer自体にはハードディスクはない。基本的にはPCと接続するのだが、この場合はPCが常に電源オンになっていないといけない。LANDISKなら、自動電源オンが可能である。

AVeL LinkPlayerは無線LANカードを挿すことで、テレビとLANポートが離れた場所でも、ケーブルレスで利用可能。本来は同社の通信カードを使うことが推奨されているが、手元に余っていた他社のカードを指したら問題なく動いた。

圧縮率が高くて人気のある映像形式のDIVXにも対応している。

1 Webで気になった映像をテレビですぐ再生

映画の予告編、ゲームのデモ映像、ニュース報道など、Webで見かけた映像を、ブラウザでLANDISKへ保存して、すぐにテレビで見ることができる。もうDVDに焼くなど面倒なことが不要。ダウンローダーを使って、たくさんの映像をダウンロードしておいて、まとめて見ている。

2 MP3ジュークボックスとして使う

大量のMP3ファイルがパソコンか、携帯オーディオプレイヤーでしか聴けないことがずっと不満に思っていた。テレビでリモコン指定してMP3を再生できるのは快適。DVDにバックアップしていたMP3ファイルも、DVDドライブへ挿入すればそのまま再生できる。なお、音楽再生中は、イメージ映像が表示される。ランダムな曲順再生も可能。

3 デジカメのスライドショー上映

デジカメの画像ファイルのあるフォルダを指定すると、スライドショーを、家族で楽しむことができる。何千枚もの過去の写真が、これで簡単に見られるようになった。


PCで、Webからキーワードにマッチする映像や音楽ファイルを自動発見し、LANDISKに保存するような設定をしておけば、もっと便利になりそうだ。この製品はDVDプレイヤーとしても使えるので、コストパフォーマンスがいい。ブロードバンド活用していますという満足感がある。

この製品、一部のマニアなPCユーザ層には既に人気商品になっているようだ。おそらく、P2Pだとかアダルトだとかとも相性がよいためなんじゃないかと思っているが、家庭向けメディアサーバというコンセプトの製品は、今後、もっと広く使われるようになると確信。ハードディスクレコーダーのスゴ録にはネットワーク通信機能がないので、この環境に直接は加えられないのが残念だ。

この環境には大変満足し、お茶の間のインタフェースはやはり、今後もテレビだと思う。しかし、スゴ録もAVeL LinkPlayerは先端製品ということもあって、ユーザインタフェースは改善の余地がある。どちらも、使いやすいとはとても言えない画面設計。技術的には、ここに大きなチャンスが残されているように感じている。

アップルがデスクトップメタファーのGUIやマウスでパソコンを使いやすい別次元に展開したのと同じように、テレビのGUIとマウスに相当するインタフェースは、まったく新しいやり方が登場してもいい頃だと思う。リモコンが発達してダイヤル型のチャンネル切り替えは姿を消したが、その後、テレビのインタフェースはこれといった進歩がない。民放だけでも1日2000の番組が放映されている。多チャンネル放送やネットのコンテンツを加えると1日に数万の番組が潜在的には視聴可能だ。これらをナビゲートする新たな何か、これから考えてみよう。

Passion For The Future: ヒューメイン・インタフェース―人に優しいシステムへの新たな指針
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001728.html


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2004年06月15日

マイクロソフトが人脈活用を意識した電子名刺サービスをプレスリリース

・InterConnect 2004 製品情報
http://www.microsoft.com/japan/office/iconnect/prodinfo/default.mspx

最近、マイクロソフトが名刺管理ツールを発表している。「Microsoft Office System のテーマである、人と人、情報と情報をつなぐことを具現化した、日本で生まれた新しいコミュニケーション ツール」で、プレスリリース版およびLite版が無償ダウンロードできる。

MS Outlook2003の追加プラグインとして動くこのソフトは、メールに添付して交換する電子名刺を、作成、編集、交換するソフトウェアである。Outlook2003を持っていないユーザ向けには機能限定版Liteが用意されている。

電子名刺というと、普及しているものにvCardがあるが、人間関係の管理がInterConnectでは強化されている。人物についてのメモ書き、慶弔情報、会議議事録、経歴、メールのやりとりの履歴などのデータも付加できる。

interconnect01.JPG
作ってみた。本当は写真も入れることができる。

個人の会社名や役職だけでなく、所属しているプロジェクトや上司、部下といった組織の関係情報も入力できる。経歴も保存、検索ができる。これにより、プロジェクトメンバーに議事録を送信したり、引継ぎ情報を送信したりすることが可能。作成した名刺カードには電子証明がつき、認証サービスにも利用できるようになる。

・Personal Data Interchange vCard
http://www.imc.org/pdi/
個人情報管理ソフト(PIMやスケジュール管理)で一般的な規格

最近、Orkut、Greeなどのソーシャルネットワーキングサービスで、仕事の人探しをすることが増えているのだが、パーソナルユースの属性情報が中心なので、ビジネス上のプロフィールが分からないのが難点だなと思っていた。こうしたビジネスに向いた名刺サービスが広まれば、便利になりそうだ。転職、異動があった場合にも、過去に送信した相手に、アップデート情報を送ることができるので、常に人脈情報を、最新の状態に保つことができる。

紙の名刺にIDを印刷して、帰社後IDをPCに入力すると電子名刺を取得できるとか、携帯の赤外線で交換できるなどの機能がついたら、MS Outlookプラットフォームの普及の上で、これはかなり本格的に広まるかもしれない。

名刺管理だけを狙っているわけでもないようだ。Walkerグルメのレストランディレクトリでは、店舗のデータをInterConnectのカード形式で、ダウンロードできる。店舗や会社の情報を、カード化しておくことができる。

・Walkerグルメ東京
http://msrm.walkerplus.com/pack1.html
walkerpluscard.gif

InterConnect2004は、飽くまで電子名刺サービスであるが、ソーシャルネットワークを指向した取り組みであることは間違いないように思える。2004年第3四半期の製品版投入を予定しているそうだが、普及しないと意味がないアプリケーションなだけに、Lite版は無償という戦略は残るのかもしれない。MSIEと統合して、個人ホームページからワンクリックで名刺や会社情報を取り込んだりできるようになるのではないだろうか。

現在のセンターサーバに人脈情報を集約するソーシャルネットワーキングと並んで、ユーザが各自で分散管理する人脈アプリケーションも、もうひとつの大きな可能性だと思う。分散型を実現する技術としては現在FOAFが有力視されているが、対応アプリケーションが少なくて、あまり普及してはいない。結構、このビジネス名刺というのが突破口になるかもしれないなと思った。

・the friend of a friend (foaf) project
http://www.foaf-project.org/
・FoaF Explorer
http://xml.mfd-consult.dk/foaf/explorer/

関連情報:

・マイクロソフト、日本発のOfficeアプリ「InterConnect」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/0527/ms.htm

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2004年06月05日

ベン図、レーダーチャートでビジュアル検索

昨日に続いて情報の可視化の話題。おしゃれ会議の参加者には実は、可視化技術の開発者がお二人参加されていました。どちらも、面白い技術なので、紹介させていただきます。

■ベン図を使って検索

ひとつめは東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻、五十嵐研究室という、ユーザインタフェース研究で有名な研究室の研究者の川崎さん。

ベン図を使って、検索を便利にしようというコンセプトのデモンストレーションです。

・Visual Query for Web Search by Venn Diagram
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~kwsk/venn/test/venn.html

フレームで、向かって左にJavaアプレットによる入力エリアと、右側にはGoogleの検索結果の表示されるエリアがあります。入力エリアで、まず「無敵」と入力し検索、次に「会議」で検索してみます。それぞれ、Googleで検索が行われますが、

左のエリアには、こんな図が表示されました。

vennq01.JPG

二つの円の重なった部分をクリックすると、「無敵 会議」で検索したページが右に表示されます。

vennq02.JPG

ではさらに3つ目のキーワード「百式」で検索してみます。そして円をドラッグして3つを重ねた後、「会議」と「百式」の重なる部分をクリックすると、

会議か百式がマッチするが、「無敵」は入っていないページを検索することができます。
”会議 百式 -無敵”

という、オプションを使って検索したのと同じことですね。

さらに検索を続けると、キーワードがたくさん貯まっていきます。ひとつのテーマで、キーワードを重複させたり、特定のキーワードを抜いたりしながら、調べていくときには、とても便利なアプリケーションです。

検索結果を保存されるので、検索すればするほど、賢くなる感じがします。

さらに開発中の最新版の存在も教えていただきました。

・最新版
http://www-ui.is.s.u-tokyo.ac.jp/~kwsk/venn/test/venn.html

なるほど。こちらは検索結果のタイトルまでも、ベン図検索に再利用できるように設計されています。ますます便利になりました。

このベン図の検索は、直感的に使えて本当に便利です。Google本家が採用してくれたりして。

■レーダーチャートを使ってランキング検索

次は、参加者のKBMJの山口社長の事業ですが、

・121 Ranking System
http://www.121r.com/

このシステムは既に多数の企業で利用されています。上記のページからいくつもたどることができます。

121rdemo02.JPG

これはワイン販売のサイトでの利用例ですが、価格、甘口、辛口などの属性の強さを、スライドバーで動かすと、リアルタイムに、分布レーダーと、おすすめのランキングを表示するシステムです。レーダーチャート的に複数の属性の強度を指定することで、最もバランスの近い対象を順番に表示するわけです。

価格だけが勝負ではない嗜好性の高い商材の検索に向いています。

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2004年06月04日

おしゃれ会議で紹介した可視化事例集

■可視化の3ポイント

遅くなりましたが、先日の無敵会議で紹介した、情報の見せ方の実例集です。

当日は、これらを次々に眺めて、次世代の情報の可視化について、考えました。

情報をビジュアライズする上で重要なポイントとなるのは、

・わかりやすく
大量、多次元の情報を要約して伝える

・探しやすく
情報全体の俯瞰と部分の注視がおこないやすい

・発見がある
可視化しなければ見つからない関係情報が見つかる

という3ポイントではないか、と考えています。

ユニークに感じたものを集めてみました。

さらに面白い可視化の事例があったら教えてください。

リンクは、一応、見え方や要素技術で、カテゴリに整理してみましたが、特に深い意味はありません。数が多いのと、クリック後の驚きがなくなるので、スクリーンショットはつけません。情報可視化のバリエーションに興味のある方はクリックして回ってください。1時間くらい遊べます。

■カテゴリ

【リンクマップ系】

・Goo3Dweb検索
http://goo.ntt-infolead.net/
Web、映画などの情報を3次元空間で検索する。

・Grokker
http://www.grokker.com/
入れ子構造で大量情報を整理

・Clara
http://www.spatialknowledge.com/downloads.shtml
3DのWebブラウザー。なるほど。面白い、インストール必要。

・Kartoo
http://www.kartoo.com/
関連するWebサイトとキーワードを海図のように表示する

・Minitasking
http://www.minitasking.com/old/

・Musicplasma
http://musicplasma.com/
好きな音楽アーティストに似たアーティストは誰?

【幾何学系】

・Heatmap
http://screening.nasdaq.com/heatmaps/heatmap_100.asp
株価の高低、値動きの幅を一目でわかるように可視化

・HoneyComb
http://www.hivegroup.com/demos.html
http://www.peets.com/selector_coffee/coffee_selector.asp?rdir=1&陣取りゲーム式に情報を整理

【仮想3次元系】

・Clockwise Win3d
http://www.clockwise3d.com/experience/download_win3d.html
・3DNA
http://3dna.net/
3次元空間の実世界メタファーでデスクトップを操作する。

・MS Task Gallery
http://research.microsoft.com/adapt/taskgallery/index.htm
マイクロソフトの考えるウィンドウの3D化

・Dynamo
http://www.dynamo-interactive.com/index.php?p=
巨大タッチパネルディスプレイで写真の交換

【人間関係】

・Huminity
http://www.huminity.com/demo.html
ソーシャルネットワーキングの可視化

・SocialCircles
http://www.marumushi.com/apps/socialcircles/socialcircles.cfm
ソーシャルネットワーキングの可視化

【フィッシュアイ(魚眼レンズ系)】

・FishEye
http://dannyayers.com/2003/10/fisheye.html
魚眼レンズ式に拡大縮小、中心に焦点

・FiCell Project
http://iihm.imag.fr/vernier/indexFiCell.html
エクセルのような表形式データを魚眼レンズで可視化

・FishEyeMenu
http://www.samuelwan.com/downloads/com.samuelwan.eidt/fisheyemenu/FisheyeMenuDemo.html
・FisheyeMenu(Java)
http://www.cs.umd.edu/hcil/fisheyemenu/fisheyemenu-demo.shtml
リスト表示を魚眼レンズでより使いやすく

・DateLens
http://www.cs.umd.edu/hcil/datelens/
スケジューラを魚眼で賢く

【テキスト系】

・Textarc
http://textarc.org/
ハムレットに登場する単語の関係図。美しい。

・0verkill
http://artax.karlin.mff.cuni.cz/~brain/0verkill/
アスキーアートで、マルチプレイヤーのシューティングアクションゲームを実現。

・AsciiArt Unreal
http://icculus.org/~chunky/ut/aaut/
アスキーアートであのUnrealを表示する

【サムネイル系】

・iCarousels Visual Web Collector
http://www.icarousels.com/
サムネイルでブックマークを管理する

【ディスク可視化】

・TreeMap SequioaView
http://www.win.tue.nl/sequoiaview/Main_Frame/Sequoiaview.html
ディスクの構造、ファイルの占有度

・DiskMapper
http://www.miclog.com/dm/index.shtml
ディスクの構造、ファイルの占有度

【ズーム系】

・ZoomingUserInterface
http://mrl.nyu.edu/projects/zui/
ズームを使って、今までにないインタフェースを実現する。

・ZOOMOLOGY
http://www.cs.umd.edu/hcil/jazz/play/hinote-1.2/hinoteapplet.html

・Jazz
http://www.cc.gatech.edu/~hongjy/Zoomology/zoomology_index.html

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2004年06月03日

リンゴラボの研究発表:国内IT投資実態をビジュアル分析

リンゴラボ社は研究内容を発表しました。私もチームメンバーに参加しているプロジェクトです。今どんなIT投資をすべきかを、事例データから分析して可視化するという内容です。詳しくは、プロの記者の書かれた下記ニュースサイトをご覧ください。

・MSN-Mainichi INTERACTIVE ソリューション
http://www.mainichi-msn.co.jp/it/solution/news/20040602org00m300071000c.html

・早大/マイクロソフトなど、国内IT投資実態を分析/可視化 - nikkeibp.jp - ニュース
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/ex03/311164

・早稲田大学、マイクロソフト、リンゴラボが全国のIT導入事例ビジュアル分析システムを共同で研究開発
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=1948

・早大とMSなど、IT導入事例の分析/可視化システムを共同開発 - CNET Japan
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20068987,00.htm

・asahi.com : ネット最前線 : e−ビジネス情報
http://www.asahi.com/tech/bcnnews/BCN200406030022.html

・FujiSankei Business i. / ニュースページ
http://www.business-i.jp/news/soft/art-20040602222108-PSMORXCHOF.nwc


今回のリリースは、まだプロトタイプで、研究の方向性を発表したレベルのものですが、今後、このシステムはバージョンを重ねて、多次元の情報を、分かりやすく、ビジュアルで分析するシステムに進化していく予定です。

こちらにデモサイトがあります。

・日本全国IT導入事例分析可視化システム - powered by GAVE(プロトタイプ版)
http://jirei.muraoka.info.waseda.ac.jp/
jireigave01.jpg

ITシステムの導入事例ページをロボットが、Webから収拾し、テキストを自然言語処理にかけることで、含まれるキーワードや実施年度を拾い出しています。そのキーワードと年次を軸に、可視化することで、たとえば”XML技術の導入は、2001年度に最も多かったが、近年は減少傾向にあること”だとか、”CRM、ERP、SFAの導入の年次別の分布はこんなかんじ”という、分析が可能になります。

まだデータ数は300件ですが、近日、データ数を増やし、FlashやActiveXを使ったバージョンも登場します。実験開発の段階でのリリースということで、まだ未熟で洗練されていない部分が大きいのですが、今後の開発に向けて、ご関心のある方のご意見などをお待ちしております。研究者チームに、いただいた内容を伝えたいと思います。

どうかよろしくお願いいたします。

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2004年06月01日

LAN接続外付けHDDのLANDISK、その正体はLinux-Box

■LAN接続、ファイル共有に対応した外付けHDD LANDISK

自宅のPC環境はまるでバックアップできていないことに気がつき、低価格化の進
む外付けHDDを購入した。160ギガのモデル。

・「LANDISK」HDLシリーズ
http://www.iodata.jp/prod/storage/hdd/2003/hdl-u/index.htm
hdl-u.jpg

特徴は以下の通り。

1 LAN接続

LANにつなぐだけで、ファイルサーバとして機能する。技術的には、DHCPがある場合には取得し、ない場合には設定したIP(デフォルトは192.168.0.200)に自動的に割り振られる。私の環境では、基本機能を使うだけならば、設定が不要であった。PCには何のソフトもインストールする必要はない。

私の家では、無線LANのハブに接続しておき、ワイアレスで、ノートPCからも利用できるようにした。バックアップや音楽ファイルは、ファイルサーバに入れておけば、ノートPCのHDDを節約し快適に使える。

2 ワークグループ共有、FTPサーバ機能

Windowsの共有ネットワークにも自動で参加する。また、FTPサーバとしても機能する。設定によっては、インターネットに公開することができるので、仲間内でのファイル共有にも使える。

3 Wake On LAN機能

使っていない時間は電源がオフになっていて、LAN経由でアクセスが発生したときに自動的に電源が入る。24時間稼動させていても、電気代がかからないし、夜間の動作音も気にならない。

このほか、LANDISK側から、対象ファイルの取得を行う自動バックアップ機能もあり、結果をメールで送信することが可能である。ホームユースでこの機能はおまけ要素だが、企業利用する場合には大変便利な機能だと思う。


付属のバックアップ機能は、Webベースで設定するもので、バックアップ対象が特定少数のフォルダだけならば大変、楽なのだが、私の利用方法では、分散したフォルダを対象にしたいので、敢えてこのフリーソフトをPCにインストールして使っている。

■RealSyncで自動バックアップ

・RealSync
http://www.takenet.or.jp/~ryuuji/realsync/
realsync01.JPG

このソフト、もともとは先日のエントリで紹介したDVDドライブに、日々の自動バックアップを取りたいというj実家の父の要望に応えて探してきたもの。数週間の間、父のPCを実験台にして動かしていたところ、非常に安定してスムーズにバックアップができるスグレモノだったことが分かったので、自宅でも導入。

・窓の杜 - 【杜の道具箱】第41回:指定した一定時間おきに自動バックアップするときの道具「RealSync」
http://www.forest.impress.co.jp/article/2002/07/03/dogubako41.html
詳細な解説

・窓の杜 - 【このソフト作った人はどんな人?】第20回:「RealSync」「DPEx」「Exif Reader」の作者、吉本龍司さん
http://www.forest.impress.co.jp/article/2003/08/08/whocreate20.html
作者インタビュー。先日のPictBearもそうだったが、オンラインソフトは、作者で選ぶとスグレモノ発見率が高い。

このソフトを使ってバックアップしたいディレクトリを監視させ、更新が見つかれば、一定時間置きに、LANDISKへとコピーが行われるようにした。

デジタルは便利だが怖いものだと思う。紙の写真アルバムであれば、汚したり、失くしたりもあるだろうが、過去の写真すべてを一度に失うことはまずない。デジタルは、オールオアナッシングの世界だから、一瞬にしてすべて消える可能性がある。とりあえず、これで二重化できたが、やはり、DVDに焼くなど、ビットをアトムに変換しておくのが、長期的には、よさそうだ。

次はボタン一発で、バックアップ内容を分割して、DVDに焼ける機能を持った外付けHDDが欲しいなあ。そろそろ登場するだろうか。

■いじり倒したい人に LANDISKの正体はLinux+Samba

で、技術的には、LANDISKはオープンソースのLinux+samba(Windows共有実現ソフト)で構成されており、ハックしている人がたくさんいるので、マニアも楽しめます。シェルを乗せてしまえば、後はサーバとしていじり放題。

・wizd on LANDISK
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/2936/
極めてます。リンクポインタも。

・Hacking LANDISK
http://homepage.mac.com/chartscape/LANDISK/
株価データ取得エージェント化、Webサーバ改造。

・LANDISKで遊ぶ
http://www.mizore.jp/wiki/index.php?LANDISK
USBカメラ利用など。

LANDISKは増設ポートとしてUSBインタフェースを備えていて、HDDやネットワークプリンタを接続できますが、ここにUSBメモリを挿したら、ストレージとして動作したなど、軽めのものから、HDD換装、シェルインストール、アプリ開発まで、ハッカー魂を揺さぶられるコンテンツがそろってます。

USB接続のTVキャプチャカードを組み合わせて、オリジナルHDDレコーダーとか自作できるかもしれませんね。

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2004年05月31日

YAHOO!が独自の検索技術へエンジンの変更

お、発表になっているのでメモです。

こんな対談をしてきました。CNETのスクープです。

・対談:日本における検索の未来 - データセクション 橋本大也 vs ヤフー 志立正嗣
http://japan.cnet.com/column/search/story/0,2000050605,20068928,00.htm
040531_kensaku4_170x110.jpg

この中で、YAHOO!が検索エンジンを独自のYSTに変更するという大きな発表が行われました。

このエントリは夜にもう一回書きなおそうと思います。取り急ぎお知らせでした。

追記です。


長時間の、話題も多岐にわたる対談の内容を、ライターの方にわかりやすくまとめていただきました。また、写真も、特別美しく撮影していただきました。文:野田幾子さん、写真:吉成行夫さん、編集の山岸さんに感謝です。

ところで、私はこの対談日から、何日かは、このYAHOO!の検索乗り換え情報のインサイダーでした。YSTに移行して、どのように検索が変わるんだろうと、気になって仕方がなかったので、いくつかの単語での検索結果を保存していました。

乗り換え発表は正式には6月1日のようですが、既にYSTへのエンジン切り替えは行われたようです。GoogleエンジンからYSTに乗り換えた結果、検索結果の順位がどう変化したのか、以下にその違いを、3つの単語で早速検証してみました。

検索結果のビフォア&アフターを以下にタイトルのみで示します。

■検索語:”インターネット”

【以降前(Googleエンジン)】ヒット数 約3640000件
1 インターネットタウンページ
2 インターネットTVガイド
3 ハローワークインターネットサービス
4 Microsoft Internet Explorer ホーム
5 財団法人インターネット協会
6 インターネットホットライン連絡協議会
7 丸善インターネットショッピング-トップページ
8 紀伊國屋書店インターネット仮想書店 ...
9 生活地図サイト MapFan Web ...
10 辞典&辞書検索 翻訳のためのインターネット ...

【以降後(YST)】ヒット数:18476378件
1 財団法人インターネット協会
2 iNTERNET magazine+
3 NTTコミュニケーションズインターネット検定
4 インターネット図鑑「自然界」
5 TikiTikiインターネット
6 インターネット倉敷
7 インターネットホットライン連絡協議会
8 インターネットタウンページ
9 Japan.internet.com 最新インターネットニュース
10 IIJ Home Page

評価:以降前は”インターネット”という言葉に引きずられて、テレビガイドやハローワークがトップでしたが、以降後はインターネットという概念、意味に近い検索結果がでてきていると言えそうです。概念ベース、意味ベースで探したい人にはより有意義になりました。逆に、言葉の頻度ベースで捜したいユーザはGoogleということになりそうです。


■検索語:”無敵会議”

【以降前(Googleエンジン)】ヒット数:約4510件
1 無敵会議シリーズ feat. 橋本大也 & 百式 *オフィシャル(注)
2 無敵会議シリーズ featuring 橋本大也 & 百式 *オフィシャル(注)
3 Epic->yoshimax: 無敵会議レポート
4 [eN] 無敵会議「帰ってきたアクセス向上委員会」 ...
5 [eN] 無敵会議「帰ってきたアクセス向上委員会」 ...
6 Passion For The Future: 帰ってきたアクセス向上委員会 ...
7 Passion For The Future: Discussion on 無敵会議:おしゃれ ...
8 気になる2つのイベント(無敵会議、KEN研)
9 広告ブログ :無敵会議!
10 blog.bulknews.net: 無敵会議: アクセス向上委員会

【以降後(YST)】ヒット数:141件
1 Epic->yoshimax: 無敵会議レポート
2 [N]: 無敵会議「帰ってきたアクセス向上委員会」レポート
3 Sunday blog: 無敵会議
4 無敵会議 第四弾 - アレだとか
5 [N]: 無敵会議「帰ってきたアクセス向上委員会」
6 [eN] 無敵会議「帰ってきたアクセス向上委員会」レポート その2
7 無敵会議シリーズ「愉快議」
8 無敵会議シリーズ feat. 橋本大也 & 百式 *オフィシャル(注)
9 [eN] 無敵会議「帰ってきたアクセス向上委員会」レポート その1
10 俺と100冊の成功本 blog.自己啓発.com: event アーカイブ

今度は主宰しているイベント名を固有名詞の例として試してみました。これについては、以降後、オフィシャルサイトの順位が下がりました。が、ページを見てみると、むしろ、充実したコンテンツが上位へあがったという感じもしています。主宰としては気持ち複雑ですが、ユーザ利便性ではこれもアリかな。ただし、以降前のほうが圧倒的にヒット数が多かったようですが、これは「無敵」「会議」で検索されているためのようです。以降後のほうが固有名詞としての「無敵会議」のみを検索してるので正しいと言えるでしょうか。

■検索語:”橋本大也”

【以降前(Googleエンジン)】ヒット数:約2470件
1 Passion For The Future
2 Webドメインマーケティング 橋本大也書き下ろし ...
3 Webドメインマーケティング 橋本大也コラム第4回
4 Zopeジャンキー日記 :橋本大也の近傍 - WebViz ...
5 Zopeジャンキー日記 :ランチミーティング w/ 橋本 ...
6 無敵会議シリーズ feat. 橋本大也 & 百式
7 無敵会議シリーズ featuring 橋本大也 & 百式
8 ヌーベルブログ | 橋本大也(はしもと だいや)
9 ヌーベルブログ
10 橋本 大也 【Internet Who's Who】

【以降後(YST)】ヒット数:1366件

1 Passion For The Future
2 ヌーベルブログ
3 橋本 大也 【Internet Who's Who】
4 データセクション株式会社 :: SemanticWeb Company
5 ヌーベルブログ | 橋本大也(はしもと だいや)
6 Webドメインマーケティング 橋本大也書き下ろしコラム
7 [Webドメインマーケティング]Webマーケティングレポート
8 アクセス向上委員会 橋本大也氏
9 Zopeジャンキー日記 :ランチミーティング w/ 橋本大也 @ 表参道
10 対談:日本における検索の未来 - データセクション 橋本大也 vs ヤフー 志立正嗣 - CNET Japan

自分の名前を検索するいわゆる”エゴサーチ"で試してみました。これは私にしかわかりにくいと思いますが、後者のほうがプロフィールを見つけやすく、オフィシャル感の強いサイトが上位にきた感じがします。また、新しいコンテンツが上位に入りました。しかし、ヒット数は半分に減少。微妙ですね。


と3つほど試してみましたが、皆さんの周りではどのような評価でしょうか。

ヒット数については、開始したばかりで増加中のはずですので、まだGoogleのほうが圧倒的に分母が大きいと判断するのは時期尚早でしょう。

Posted by daiya at 12:18 | Comments (2) | TrackBack

2004年05月12日

電磁波、レーザー、X-Ray 怪しい傍受技術の世界

■eからuへ

ニュースから。e-Japanの次はu-Japanであることが判明した。

・次世代IT戦略、波及効果は120兆円 総務相提案へ
http://www.asahi.com/business/update/0511/111.html

「麻生総務相は2010年を目標とする次世代のIT(情報技術)戦略「ユビキタスネット・ジャパン(u−Japan)」構想の骨格を固めた。」そうで、その骨子は「インターネットを簡単、安全に利用できるようにするため、(1)通信内容が第三者に「傍受」されない暗号技術づくり(2)インターネット上でサービスを提供する企業を対象にした個人情報保護の徹底(3)音声認識技術の開発を支援――などの政策実現を加速する。」だそうである。

あるコミュニティでこの大臣の別のコメントが紹介されていた。

・大胆かつ一挙に  デフレ脱却に意欲的な手法提言
http://www.chikuhou.or.jp/aso-taro/kouen/200522.html

「IT(情報通信技術)の発達で05年までに日本の役所から書類がなくなり、すべてはフロッピーで済むシステムになる。世界で最も電子化された政府が誕生する。国土が狭い日本が光ファイバーの整備で米国に負けることはない。」

さあ、すべてはフロッピーの時代が到来である。光ファイバーを国土に張り巡らせた上でフロッピーでユビキタス環境を活用する。さすが大臣は言うことが違う。

■傍受技術の世界 無線、電磁波、レーザー、X-Ray

まあ、そんな話はともかく、骨子の(1)が「通信内容が第三者に「傍受」されない暗号技術づくり」というのは興味深い。これはユビキタス時代に最も重要な課題に違いない。
無線LAN搭載のノートPCを持ち歩いていると、行く先々で、無線アクセスポイントが検出されるようになった。暗号化に気を配っていない場合も多いので、セキュリティ的に怪しい。営業マンや経営者のノートPCから、無線経由で顧客情報が漏洩する事件が起きても不思議ではないなあと思う今日この頃。

無線盗聴以外では、電磁波盗聴という危険もあるらしい。パソコンやディスプレイが発する電磁波は10メートル程度の距離であれば、傍受が可能で、これを解析することで、何らかの情報を取り出すことができる仕組み。話に聞いてはいたが、実際にやるには、技術的には難しいことなのではないかと思っていた。

だが、オンラインで、こんなツールが見つかった。

Tempest For Elizaは、Linuxで動く電磁波解析ツール。ディスプレイから漏洩する微弱な電磁波をAMラジオで受信し、解析することで、パソコンで再生中の音楽を聴くことができる。まだ試していないが、作者のサイトには、傍受した音楽ファイルがMP3ファイルとして公開されている。ちゃんとできている...。

・Tempest For Eliza
http://www.erikyyy.de/tempest/
eliza_01.png

・新情報セキュリティ技術研究会
http://www.j-netcom.co.jp/ist/
電磁波盗聴対策を考える研究会

電磁波以外では、レーザー盗聴という先端技術もある。家屋内部の会話を遠隔から盗聴するもの。声は音であり微弱な振動を発生させ、家屋の窓にもその振動は伝わっている。レーザー盗聴器は、レーザー光線を窓ガラスに照射し、振動による波長変化を解析することで、部屋の中の会話を聴くことができる。100メートル程度、離れた場所から可能であるという。機材はまだ数百万から1千万円程度するようだ。

・LASER-2000 Laser Room Monitoring System
http://www.electromax.com/laser.html
laser2000_01.jpg

さらに、スゴいものが、こちら。今流行の教授の手鏡技術も真っ青である。

・X-Reflect Goggles
http://www.advanced-intelligence.com/goggles.html
gog201.jpg

昔、デジタルビデオカメラの夜間撮影モードが、白い服を透過して、下の肌まで見えてしまうので、盗撮に使われることが問題視されたことがあった。このゴーグルも、同じ赤外線技術だと思われる。このゴーグルを被ると、世の中が透けて見える。ビデオカメラに接続して録画も可能な2400ドル。

こちらには上記のゴーグルを使うとどのように見えるのか実例が紹介されている。ここでは白黒だが最新版ではカラーで見えるとのこと。

・Normal shot xray cam xray vision camera 0lux
http://www.spy.th.com/through.html


Posted by daiya at 23:59 | Comments (3) | TrackBack

2004年05月04日

外付けDVDドライブ DVSM-388IU2

GWで実家(といっても歩いて3分)に移動。妹夫妻も子連れでやってきて大騒ぎ。そんな中、父が大量に撮影したデジカメ画像のバックアップがしたいと言うので、DVDドライブ購入を薦めたら、早速店に買いに行くことに。自腹じゃないのでコストを考えずに、最新の売れ筋機種から選ぶ。

幾つか迷った末、実家PCがUSB1.1対応であることも考慮して、これに。

DVSM-388IU2
B0001E1HPW.09.TZZZZZZZ.jpg

特徴としては、

1 DVD±R8倍速、DVD±RW4倍速、DVD-RAM3倍速書込みに対応
2 IEEE1394&USB2.0、汎用USB1.1、3つのインターフェースに対応
3 PCに連動してドライブ電源をON/OFFできる「PC連動AUTO電源機能」搭載
4 添付ソフトウェアが多彩で一般的なDVDR/CDR用途をカバー

外付けでインタフェースが多彩なので今後、PCの買い替えがあっても、ずっと使えそうな機種。

早速、セッティングして使ってみたところ、軽快に動作。添付ソフトのMyDVDで、画像フォルダの中身をスライドショーにしたDVD映像を作成し、居間のテレビで皆で鑑賞。「こんなことができるんだー」と感動されるが、実は私も初体験で感動(笑)。

これは自宅にも一台欲しくなってしまった。

Posted by daiya at 23:59 | Comments (0) | TrackBack

2004年04月01日

Mindsphere 未来の指標の可視化実験スタート

付記:この記事は、後半部はエイプリルフールのネタでした。おつきあいありがとうございました。

■Mindsphere 未来の指標の可視化実験スタート

NTTデータ社が未来のWeb情報可視化の実験プロジェクトを開始した。大変、光栄なことに、このPassion For The Futureブログも、このプロジェクトに「未来の指標」情報を提供することとなった。

Mindsphereプロジェクトの概要はNTTデータのサイトにあるように、

MindSphere
http://www.nttdata.co.jp/index_mindsphere.html
mindsphere02.JPG


インターネットがつなぐ、広大な情報世界。ITの進化によって、その世界は日々拡大して行く一方です。毎日、毎時、毎分、どこかで何かが書き込まれ、どこかで誰かがそれを読んでいます。ひとつの書き込みが、それを読んだたくさんの人々に知らず知らず影響を及ぼしながら、互いに進化していくさまは、まるで生命の進化の歴史を見るようです。

Mindsphereプロジェクトは、未来への指標となりうるいくつかのインターネット上のサイトを選んで、その情報の変化を、質と量の両面から俯瞰して観察してみようとする試みです。

最初にランダムに幾つかの情報提供サイトが5つほど表示される。ここでもしこのサイトが表示されていなかったら、クリックでSwap Site Infoを選択して、このサイトに入れ替えていただきたい。次に時間軸を選ぶ。1日のサイトの情報の変化を追うTodayモードと1ヶ月の動きを追う「History」モードがある。Histroyモードは歴史が長く見られておすすめ。これで準備は完了。

スタートをクリックすると、時間経過とともに各サイトの内容の変化が、水の波紋的表現と色彩変化によって見事に可視化されていく。これが未来の指標であり、ネットワーク上のクオリアの輝きそのものと言える。これを元に投資や新規事業開発の基礎データに役立てることができるだろう。

関連:クオリアについて
・意識とはなにか―「私」を生成する脳
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000561.html

■プロジェクトの裏側 脳内のクオリアの可視化

実は私は今日から毎日24時間少々不恰好なヘッドギアを被らされることになった。NTTデータの先端技術開発センターから、厳重な相互守秘義務契約書とともに、私の年収レベルの報酬オファーがあり、ヘッドギア装着契約書にも同意することになった。

mindsphere03.jpg
(装着するヘッドギアと、データの蓄積及び解析を行う無線ステーション)

NTTデータの技術陣曰く「これからはWebではなく、それを書く人の方に注目しているのです。橋本さんは頭で考えてからブログに書くわけですよね。そこにはタイムラグもあるし、漏れもある。私たちは橋本さんの脳から直接未来の指標データを取り出して、Webで可視化してみたいのです」と言うのだ。このヘッドギアにはeMRIという装置が内蔵されている。

eMRIという言葉をご存知でない方もいらっしゃると思う。脳科学の実験でよく登場するfMRIならよく知られているものだ。山口大学の説明によると「MRIとは,強力な磁場のなかに人体を置き,それに電波を加え,水および脂肪の構成原子である水素原子核を共鳴させることで画像化するものです.このMRI検査によって,脳のどこにどのようなタイプの病変(梗塞,出血,腫瘍,委縮,変性など)があるかを確認できます.ファンクショナルMRI(fMRI)は,このMRI装置を使って,脳の“機能(function)”を画像化しようというもので」とある。

・functional MRIについて
http://www.neurol.med.yamaguchi-u.ac.jp/fMRI.htm
・fMRI 磁気共鳴画像
http://www.baic.jp/fmri_j/main.html
・理化学研究所 脳科学総合研究センター(最新のMRIや脳科学データに詳しい)
http://www.brain.riken.go.jp/index_j.html

今回のヘッドセットに採用されたのはfMRIの後継で、セマンティックBrain技術とネットワークとが融合した次世代版の、eMRI装置である。これは脳の思考内容、クオリアの発生と変容を解読する機能を持つ。つまり、私が今何を考えているのか、その内容までを読み取る機械である。

Mindsphereの波紋や色は私や他の指標サイトの作者たちの脳とつながっている。熱いアイデアを思いついたときにはオレンジ色に、冷めたアイデアは青く、大きなアイデアなら大きく、小さければ小さく波紋が広がるようになっている。eMRIをフル機能モードにすると、私の思考内容を言語化してテキストでWeb表示することも可能なのだそうだが、さすがにそこまではプライベートを明かしたくないので、今回はお断りした。私以外の作者も断ってしまったようでNTTデータの担当者は残念がっていた。

そういうわけで、今日からこの最先端技術を使った未来指標提供サービスには私も心身を捧げてまさに「献身的」努力で望む所存である。読者諸氏も、この可視化アプレットから、深い意味を読み取り、ビジネスに生活に役立てていただきたい。

関連:脳科学、ブレインマシンインタフェース
・言語の脳科学―脳はどのようにことばを生みだすか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000718.html


この記事はエイプリルフールのネタでした。おつきあいありがとうございました。

Posted by daiya at 01:00 | Comments (1) | TrackBack

2004年03月31日

”使える”パーソナライズ技術登場の気配

■Webパーソナライズはまだまだこれから

昨年の秋に気になるニュースがあった。ユーザに関心のあるテーマやキーワードを登録させて、その趣味嗜好を反映した情報を表示するWebパーソナライズサービスに対する懸念について書かれた分析記事である。

・Webパーソナライズに付けられた大きな疑問符
http://www.itmedia.co.jp/news/0310/15/ne00_personal.html

ここで紹介されている大手ベンダー(Broadvision、Epiphany、Teradata、IBM、ATG)のパーソナライズソフトウェアはライセンスやインストールコストが高いので、短期的な費用対効果を期待しても無理があると思うのだが、だからといって、


「融通が利いて使い勝手がいいナビゲーションや検索機能が提供されていれば、Webサイト訪問者の満足度が上がり、訪問者がサイトの運営側が期待するような、収益につながる利用行動を取りやすくなる」と報告書には記されている。「事実、ほとんどの場合、優れたナビゲーションはパーソナライゼーションに取って代わることができる」

 パーソナライゼーションは効果が低いばかりか、驚くほどコストがかさむと報告書は指摘する。

と断ずるのもまだ早計な気がしていた。効果がないというのは現状のパーソナライズ技術の質の問題であって、パーソナライゼーションというコンセプト自体が悪いわけではないはずだ。出てきた結果がユーザにとって「パッとしない」のが問題なのである。パッとしない表示結果の効果やコストを測れば低い結果に終わる。当たり前である。

■期待できるサービス登場の予兆か

Google Labsが、パーソナライズ検索のベータ版をリリースした。予め関心のあるカテゴリを指定しておくと、その選択に応じてGoogle検索結果が変化するというもの。

Google Personalized Beta
http://labs.google.com/personalized
googlep01.JPG

スライドバーがついており、パーソナライズ度がゼロなら通常のGoogle検索結果が出る。パーソナライズ度を強くすればするほど、関心テーマに関連するページが上位に出てくる。汎用的にも個人的にも使うことができる。このアイデアは素晴らしい。

私は、Business/IndustriesやComputersやScienceジャンルの幾つかのテーマにチェックを入れた。ハッカー仕様。パーソナライズ度ゼロの状態で「news」というキーワードで検索すると、CNNやBBC、FOXといった一般ニュースサイトが上位に出てくる。ここでパーソナライズ度を最大にすると、今度は技術系ニュースサイトのSlashdot、CNET、Internet.comといった顔ぶれが上位陣になる。私にとっての言葉の持つ意味を検索エンジンが理解してくれている気がしてくる。Google Personalizedは、まだ英語のみだが、これは日常的に使う検索サービスとなりそうだ。

もうひとつパーソナライズで使えるものとしてTopix.netもいい。こちらは世界中のWebサイトからロボットが自動収集し、新聞型サイトを作るサービスである。同種のコンセプトではGoogle Newsが有名であるが、違いはジャンルの数である。

・Topix.net
http://www.topix.net/

3000サイトから毎日データが取得され、15万件のテーマ別ページが自動生成されていく。
例えば企業であれば、

・YAHOO!に関するニュース
http://www.topix.net/com/yhoo

・ブックストアAmazon.comに関するニュース
http://www.topix.net/com/amzn

技術であれば、

・Weblogに関するニュース
http://www.topix.net/news/blogs

・P2Pに関するニュース
http://www.topix.net/tech/p2p

人であれば、

・ブリトニースピアーに関するニュース
http://www.topix.net/who/britney-spears

・ロックバンド OASISに関するニュース
http://www.topix.net/who/oasis

といった具合でテーマが15万種類のニュースサイトが日々生成されている。選ばれた情報源とニッチに分けられたテーマによるパーソナライズは便利だ。ソーシャルネットワーキングとも連携したらさらに自分にとって必要な情報を素早く見つけることができるかもしれない。

このふたつのサービスには、本当に使えるパーソナライズ技術の実用化の予兆を感じる。この技術分野、次はどんな手を使ったサイトが登場するのか、楽しみ。

Posted by daiya at 23:59 | Comments (0)

2004年03月29日

インターネットマガジンにソーシャルネットワーキング特集

29日発売のインターネットマガジンにソーシャルネットワーキング特集を書きました。

http://internet.impress.co.jp/
im0405_144.gif

「ソーシャルネットワーキングの可能性」
橋本大也(データセクション株式会社)+神田敏晶(KandaNewsNetwork, Inc.)

KNNの神田さんと二人で一人格での共同執筆というの初めての体験。前半は私がソーシャルネットワーキングの概要と理論を説明、後半は神田氏によるビジネスモデルの検討を書いています。6ページの特集。ソーシャルネットワークについて興味のある方はぜひお読みください。

Orkut、Gree、Mixi、Linkedinなどソーシャルネットワーキングサービスには正直、はまっています。きっかけは2月5日にインターネットマガジン編集長の西田氏と先月号の件で、会談したことでした。まだ日本ブレイク前の段階で、いち早く入会していた西田氏が、この会談のお礼に私を招待してくださったのでした。私はその日のうちに日本人80人を誘いました。物珍しさと秘密クラブ的会員制のおかげか、80人がさらに人脈が広がっていき、当初の目標「友達100人できるかな」は軽々と突破してしまいました。

Orkutでは人脈のハブ=Connectorランキングが公開されているのですが、こんな私でも数日間ではありましたが、世界で20位、日本人として第3位(1位はネオテニー伊藤穣一氏、2位はKNN神田氏)のConnectorになることもできました。

その後、神田氏のセミナーでこんなプレゼンもしました。

・KNN Night vol.09 ソーシャル・ネットワーキング ビジネスセミナー
http://knn.typepad.com/knn/2004/03/knn_night_vol09.html
神田氏をソーシャルネットワークへお誘いした経緯で私もプレゼンすることになったセミナー(終了)

・私のプレゼン(パワーポイント)
Download file

・米国の主要なソーシャル・ネットワーキング・プロバイダ(SNP)
http://knn.typepad.com/knn/2004/03/post_5.html
世界の同種のサービスを網羅した貴重なリスト

なお、紙面の制約もあり雑誌では概説にとどまりがちでしたが、本当に最新の情報に触れたい場合には、次の二つのサイトが参考になります。ソーシャルネットワーキングの現状と未来を考えたい方におすすめ。

・Topix.net Social Software
http://www.topix.net/business/social-software

・SocialNetworkingBlog
http://socialsoftware.weblogsinc.com/

Posted by daiya at 23:59 | Comments (1) | TrackBack

2004年03月27日

未来的なプリンタ複合機 HP PSC 2550 Photosmart

自宅のプリンタを5年ぶりくらいで買い換えた。今年のプリンタのトレンド「複合機」をキーワードに比較検討した結果、ヒューレットパッカードのこの機種に決まった。この機種には、プリンタ、コピー機、スキャナー、ファクス、メモリカードリーダー機能の機能がひとつに統合されている。購入価格4万円。

HP PSC 2550 Photosmart
psc2550_l.jpg

主な特徴はメーカーサイトを参照。ここでは個人的な評価だけを書くつもり。

■ワイアレスLAN対応

自宅は無線LAN環境がある。プリンタは居間に置きたかった。だがメインPCのある書斎と居間はかなり離れている。ケーブルを引き回すのは小さな子供がいるので難しい。そこで業界初のワイアレスLAN搭載のこのプリンタは魅力的に思えた。

一度有線(LANもしくはUSB)で設定すると、以後は無線接続化される。予想通り、プリンタの無線化は素晴らしいメリットがある。居間で読んでいる雑誌を気軽にコピー、スキャンできるようになり大満足。

■デジカメ画像のPCレス カラー印刷

フラッシュメモリの内容を液晶で確認しながら印刷できるホームDPE機能は便利。書斎ではなく居間にあることで、家族でコミュニケーションしながら写真を選んで印刷できるのが、家庭向け製品として素晴らしいと思う。印刷も、6色インクモード、淵無し印刷、専用光沢紙を使うことで「これがホームプリンタ?」と見間違うほど美麗に出力できる。

■プリンタからインターネットへ直接、画像メール&アップロード

フラッシュメモリーに入ったデジカメ画像や、コピー、スキャンした文書画像を、プリンタ単体で、Webアルバムサービス hp Instant Shareへボタンひとつでアップロードできる。任意の宛先へメールで送ることも可能。操作はカラー液晶を見ながら、選択するだけでよい。ほとんどの機能はPCは不要で、プリンタ単体で使うことができる。

■印刷ストレージ

対応フラッシュメモリ:
メモリースティックPRO、メモリースティック、メモリースティックDuo、スマートメディア、xDピクチャーカード、コンパクトフラッシュ(Type I/II)、SDメモリカード、miniSDメモリカード、MMC

デジタルカメラやPDAで使われるフラッシュメモリは各製品別に読み取りスロットが搭載されている。LAN内のPCから直接、フラッシュメモリ内容を編集できるので、カードリーダーとしても使える。

だが、単なるリーダーというより、もはや印刷ストレージサーバと考えた方がいいかもしれない。コピーやスキャン内容をフラッシュメモリへ直接保存できる。私の場合には128メガのコンパクトフラッシュを挿しっぱなしにしておき、そこへすべてのコピー、スキャンデータを蓄積させている。すぐに紙に印刷する必要はないが、将来印刷しそうな情報はメモリ上に置いておくと資源の無駄遣いもない。また必要なときにデジタルデータとしてPCへ持ち込める。

■敢えて不満など

家庭で多人数が、多用途に使うのに適したプリンタだと思う。誰かPCに詳しい人が1人いて、その上で導入するのであれば、最高の選択肢のひとつといえる。絶賛して終わりたいくらいなのだが、敢えて不満などを最後にまとめる。

プリンタとしての印刷精度やスキャナの解像度(1200*2400dpi)は、この価格帯としては普通レベルのような気はする。印刷の美しさやインクの耐久性では、比較候補としていたキャノンの複合機の方に軍配があがるようだ。

また無線LANや付属ソフトウェアをインストールし、フル機能を使えるように設定するには、ある程度のPCの知識とスキルが必要であると感じる。セットアップには2時間以上かかった。マニュアルの出来は最悪だ。リファレンスマニュアルとネットワーク設定マニュアルの2冊しか付属していない。購入してから何をどうすべきか、簡単にまとめたファーストステップガイド的な本をつけるべき。

ただし、一旦セットアップしてしまえば、PCの知識がない家族でも、気軽に高度な機能を使うことができる。例えば、「デジカメで撮影した画像をWebアルバムにアップロードして友人にURLを伝える」「気になった雑誌のページをスキャンして書斎のPCにファイル保存しておく」という作業を、PCなしで数回のボタン操作で完了できる。

といろいろ書いたが、ホームユースのプリンタとして超おすすめ。

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2004年03月19日

雑誌PC Japan付録のハッカー用語辞典は秀逸

・PC JAPAN
http://www.sbpnet.jp/pcjapan/
pcj1041200312_m.jpg

いつもは立ち読みですませている、PCマニア向け雑誌のPC JAPAN。今月号は買ってしまった。特別付録の別冊「ハッカー用語辞典2004」があまりによく出来ていたから。370ページ超で雑誌付録と思えぬほどの力作。最新のPCとネットワークの専門用語辞書である。収録語数2100。取り上げる用語のバランスと新しさ、文章の平易度、解説のボリュームなど、とても上手に編纂されており、仕事でも使えそうだ。

IT業界で働き、パソコンいじりの趣味も長い人は、この辞典に収録されている言葉の9割は知っているという人も珍しくないはずであるが、じゃあ一般人にわかりやすく説明してみろと言われたら、半分もできないのではないか。月に何回かは仕事でお世話になっている関係者から「橋本さん、これってどういう意味?」と辞書引き的にメールをいただく。相手が初心者であるほど説明は難しい。

ITの専門用語は変化が速いため実用の寿命は1年とすると、書店売りの辞書はなかなか買う気がしない。雑誌の付録としてここまで本格的なものがついてくるのは魅力的である。

関連情報:

・マルチメディア・インターネット事典
http://www.kaigisho.ne.jp/literacy/midic/index.html

オンライン上の日本語の辞典というとまず思い出すのがこの驚異的な質の高さの辞書サイト。2003年3月14日現在で23132項目を収録。常に内容がアップデートされていて網羅的。定義に終わらず、時事問題と絡めた解説評価があまりにも詳しく、どのような運営体制で書かれているのかが、謎。作者の方となんとか一度お会いしてみたい。

どのくらいすごいかというと、この事典で、「他にこの種の事典はどんなものがあるのか?」を調べると、

・ネットワーク上のマルチメディア関連辞典・事典
http://www.kaigisho.ne.jp/literacy/midic/data/k24/k24133.htm

これだけでてくる。

・アスキー デジタル用語辞典
http://yougo.ascii24.com/

一般的なIT用語の定義が必要なときにはまずここが参考になる。次のソフトと連携して、ブラウズ中のページ内の単語の意味をすぐにみつけることができる。

・アスキー 右クリック用語辞典 for IE
http://yougo.ascii24.com/gh/tools.html
asciirclicks04063.gif

「IEでWebブラウズをしていてわからない単語が出てきたら、その単語を範囲指定して右クリックし、表われたメニューの中の「アスキー デジタル用語辞典」を選択する。すると、その用語の検索結果が別ウインドウで起動されたIE上に表示される。わからない単語が出てきたときに、わざわざインターネット上の辞書にアクセスしなくても、用語を範囲指定して右クリックするだけで検索できてしまうというわけだ。」

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2004年03月13日

赤ん坊の泣き声解析機WhyCry

赤ん坊の泣き声解析機WhyCry

生後7ヶ月。言葉のわからない赤ん坊とのコミュニケーションは、毎日大変である。

広告を見て、とても気になったので買ってしまった。

・WhyCry
http://www.whycry.com/
whycry1.jpg

概要は、

"Why Cry"(ホワイクライ)は、スペインで開発された「赤ちゃんの泣き声分析器」です。
赤ちゃんの泣き声を分析し、1空腹、2退屈、3不快、4眠気、5ストレス、の5パターンに分類します。スペインの医療機関等で試験され、高い信頼性を得ています

というもの。スイッチをオンにしておき、泣いている赤ん坊の傍においておくだけで、声の波形を解析して、赤ん坊の主張をランプで表示すると言うものである。これといって他の機能はなく、シンプルな一品。

さて、購入してしばらく使ってみた。むむむ、なかなか評価が難しい製品である。

まず、問題は、この表示が適切なのかどうか、正解が分からないことである。空腹と表示されれば、そうなのかなと思い離乳食を与えてみる。眠気ということであればそうかなと思い寝かしつけようとしてみる。そういった対応で解決されることもあればそうでないこともある。なにしろ、本人が言葉で説明できないのだから、本当にそうだったのかは分からないのである。

この製品の最大の短所は声を聞かせてから20秒近く、分析表示まで時間がかかることだ。「今泣いたカラスがもう笑った」というが、赤ん坊は泣いていても、抱き上げた一瞬後には笑っていることもあれば逆もある。20秒と言う時間は、感情の変化に十分すぎる時間であり、仮に感情が判明しても、その時点では違ってしまう可能性が高い。反応は1,2秒が限度であろう。

では、まるで使えないかと言うと、夫婦間や親子間でのコミュニケーションのネタとしては悪くないような気もしている。こういう遊び道具があれば、多少赤ん坊が泣いても親が楽しめるし、感情が読み取れなくて疲れるときにも機械が適当に判断してくれると言うのは気休めにはなる。

うーん、結論としてはおもちゃとしては値段が高い。

声の分析と言えば、犬や猫版は相当売れたらしいが、こちらはちょっと厳しいかもしれないと思うのが素直な感想。電話の声から愛の有無を発見するソフトというのも出たようだ。トレンドなのだろうか。

・バウリンガル
http://www.takaratoys.co.jp/bowlingual/
犬の鳴き声分析器。それほど鳴かない犬の場合どうするのだろうか。

・ミャウリンガル
http://www.takaratoys.co.jp/meowlingual/index.html
猫の鳴き声分析器。猫は放っておくのがいいとおもうのだが。

・LoveDetector 愛発見器
http://www.v-entertainment.com/ldpc.htm
lovdetect_advanced-high2.jpg

異性の電話の声から、感情の熱さ、ドキドキ感を、マイナス1(彫像よりも冷たい気持ち)からプラス5(ロミオとジュリエットをも赤面させるほどの愛)のレベルで計測するソフトであるとのこと。

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2004年03月09日

CSS,Blogのデザインコンテストを眺める

いま発売中の雑誌Web Designing(毎日コミュニケーションズ)に「Webのビジネスモデルを診断する」という記事がある。私が、ITジャーナリストの長野弘子さんにインタビューしていただいき、お話させていただいた内容が掲載されたもので、見本誌を編集部から頂いた。この雑誌は今まであまり読んだことがなかったのだが、デザインのことだけでなく、SEOやアクセシビリティ、ユーザビリティ、先端ツールの紹介など幅広いテーマできじが充実していた。毎月買うかも。

Web Designing
webdesigning02.gif

最初の話題はこの雑誌からみつけたもの。Webの標準化団体にWorld Wide Web Consortium (W3C) がある。ホームページ作成言語のHTMLやデザイン言語のCSSがどうあるべきかを考える団体であるが、デザイン性に乏しいページで、お役所ライクなデザイン。役割から考えて機能性重視のシンプルデザインが適当というのも分かるのだが、物足りなく感じていた。

・World Wide Web Consortium
http://www.w3.org/

このページをCSSを使って、再デザインしようというコンテストが昨年、米国であったらしい。ブラウザ対応やユーザビリティ、アクセシビリティも審査基準にある。その受賞結果が以下のページにまとめられている。

・WThRemix Winners
http://w3mix.web-graphics.com/win.php

グランプリ受賞作はここで、

・グランプリ受賞:Radu Darvas
http://www.homelesspixel.de/remix/

なるほどCSSだけでもだいぶ雰囲気が変わる。1クリックするとオリジナルサイトへ移動するのでデザインの差が歴然。

HTML(構造)とデザイン(CSS)が分離されて、サイトのデザインはページに変更を加えることなく、着せ替えのように取替えできるようになった。

同じようにCSSでブログをデザインするコンテストもみつかった。

・The WordPress CSS Style Competition is
http://www.alexking.org/index.php?content=software/wordpress/styles.php
cssdcscreenshot01.GIF

こちらも受賞作は力作ぞろいで、テンプレートもすべてダウンロード可能になっている。このようなテンプレートを導入すれば簡単にデザインが変わるわけだが、このサイト、なかなか、手をつけられていない。ゴールデンウィークくらいまでには何とかしたいもの。

・関連記事:デスクトップ壁紙と生産性
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000353.html

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2004年02月13日

IT時代の「仕事術」を考える

「仕事術」系の書籍をまとめ読みして、要点を抽出し、考えたこと。
もう何冊か書評を続けてからと思いましたが、このネタ続けると疲れるので一旦総括。

■ふたつの効率が人間の情報処理能力を決めているという考え

人の情報処理能力=脳力というのは、身長や体重の分布と同じ正規分布を描くものではないと思っている。正規分布の世界。例えば体重50キロの人もいれば100キロの人もいる。身長1.5メートルの人もいれば2メートル超の人もいる。しかし、大半は平均値付近に集合していて、10トンの人も、5メートルの人もいない。

しかし、歴史を振り返ると、個人の知的成果は、正規分布を大きくはずれた人が目立つとも感じる。一人の人間が、驚異的な量の仕事をこなし、その巨人の肩の上で、次の時代が起こされていく。能力は平均の世界でも、成果はべき乗則の世界であり、ごく少数の巨人の影響力が大きいと感じる。

人間には生物構造的には、誰もが、ほとんど同じ1500グラムの脳を使うが、成果の大きな違いを生み出しているのが、「効率」の違いだと考えた。内燃機関のアナロジーを使うと、内的効率と外的効率のふたつがあるのではないかと仮定してみる。

■内的効率と外的効率:内燃機関のアナロジーから

(1)内的効率 アタマの中の効率

脳の思考に必要な物質的燃料は少量だから、この際無視するとして、勢いよく燃焼を続けるには、いくつか他の燃料が必要であると思う。

1 蓄積し分類網化された知識群(データ、情報、知識、知恵、量→質の変化性
質)
2 記憶術、発想術、構成術、再生産術など思考のノウハウ
3 自己効力感(やる気)、習慣化、儀式化された身体性のノウハウ

など。

1については、現在までの知識の蓄積の状況なので、「仕事術」のアプローチは2や3の工夫ということになるのではないかと思う。

発想術、情報活用術、創造学の多くは、2のテーマについて扱っている。アイデアの出し方、まとめ方、表現の仕方など。

・発想の刺激を作り出す(考え方やツールを使って)
・メモする(ポストイット、3色ボールペンなど)
・要約する
・ブックマークする
・記憶する
・文書化(一枚企画書など)
・プレゼンの仕方

収集した情報や考えたことを何らかの(中間)アウトプットとして表出せよというのが、この手の本の大意であると思った。アウトプットを残すことで、自分や他人が、それに刺激を受けたり、再利用することで生産性が高まるという考え方だ。私は自論でこれらを「情報サブアセンブリ」の技術と定義してみた。(過去記事参照)

これに対して、時間管理や生産管理系のマネージャー本、心得本は、3についての本である。時間をうまく使え、早起きせよ、ポジティブ思考でいけ、など。こちらでは、重要なのは、モチベーションであり、その向かう先は「ベストプラクティス行動の習慣化」ということかなと考えた。

例えば目新しいブレインストーミングの方法を使って、特定の仕事の特定の行動だけを強化するより、日々の行動のやる気を起こさせ、習慣としてルーチンワークに取り込む改善の方が、個人やチームの生産性に大きく寄与する。生産性向上の取り組みを一時的な実験、三日坊主に終わらせない着床の技術こそ重要だと思う。

そして内的効率を高めただけでは不足であり、次に外的効率が重要であると考えました。

(2)外的効率 他者から見た効率

勢いよくエンジンを燃やし、車軸を回転させることができても、組織の歯車、社会の歯車とつながりを持ち、軸の向き合いや歯の数がマッチしていなければ、アウトプットがでない。

社会的評価軸で評価されるもの、自己または他者の知識と相乗するものを生み出さないと、仕事をしたことにならない、ということであり、再利用することのできる粒度の揃ったアウトプットでなければ、知識の再生産の螺旋プロセス(SCEI、野中)を上手に向上させることにつながらない、ということであろう。

自分的には頑張ったし、膨大なアウトプットも出したのだけれど、要件を満たしていなかった、だとか、報告や連絡などコミュニケーション上の問題により、成果が過小評価されてしまったという失敗は、外的効率の失敗だと思う。

■アウトプットとモチベーション、ITによる支援の位置づけ

内外ふたつの効率をベン図で書くと、中央で重なる領域に、「アウトプット」という要素が浮かぶ。内的効率の上ではアウトプットは、情報のサブアセンブリなのであり、外的効率の上では、社会的評価の対象となる、移転応用可能な形式知である、と考えた。

・アウトプット、サブアセンブリ、非マルコフ、Blogの流行の秘密
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000529.html

ふたつの種類のアウトプットを生産するための、燃料もしくは円滑油として、情動があり、ビジネス一般世界でいうところの「モチベーション」なのだと思う。仕事もプロジェクトも、知だけでなく「血」の通った人間が通過点のひとつとして参加する交差点みたいなもの。そこには、さまざまな思いが交錯する。その情動の物語を、いかにドラマティックに演出できるか、が仕事術の語るテーマなのではないか、と思った。

読んだ本の多くはアナログ系の話が多かったが、ITは、このアウトプットとモチベーションの原理を働かせる新しいタイプの刺激と道具をたくさん備えていると考える。

それは検索性の高さであったり、膨大な情報量のストレージであったり、情報蓄積から相関や法則を簡単に発見するアルゴリズムのこと。あるいは、情報モニタリングを精神的、肉体的な負荷ゼロで実現する情報システム(アラート型監視システムやエージェントソフトウェア)であったり、時空を超えて他者とコラボレーションを行うコミュニケーション機能であったりする、と考える。

ネットワークやコミュニティを駆使した新しいタイプの仕事術は、まだツール紹介にとどまりがちで、体系化されていないと思う。10年経過してもまだ役立つようなデジタルのノウハウのある仕事術本を探しているけれどみつかっていない。

何か良い本があったら教えてください。

#ここから宣伝。

私の会社が企業研修として展開している情報活用術セミナーは上記の考え方のもとに構成しています。全体を通して言いたいのは、完璧でなくとも中間部品のアウトプットを量産する習慣の有効性と、情報探索プロセスを情動の物語ととらえ、それを促進する支援ツールとしてのソフトウェアを使うといいのではないか?ということ。お問い合わせは橋本までぜひ。

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2004年02月02日

腕時計コンピューティング10連発

■腕時計PC、ふたたび、みたび?

マイクロソフトが腕時計型の情報端末をリリースしたらしい。MSNのサービスと連動しており、ウォールストリート・ジャーナルやMSNBCのニュース、ESPNのスポーツ情報をFMラジオの隙間の帯域を使って受信するとのこと。おまけに、MSNメッセンジャーからのメッセージ受信やアウトルックのスケジュールとの連動もできるらしい。これは日本語版でたら買ってしまいそう。

・MSN Direct
msndbucket_watch.jpg

・MS、腕時計型の情報端末を発売
http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20040109103.html

腕時計型PCは以前より注目している。セイコーエプソンのクロノビットの発売時には調子に乗ってこんな広告対談記事にまで出てしまった。

・Chrono-bit
chronobit01.JPG

・Chrono-bit 最後の「奥の手的な端末」
ウェアラブルコンピュータへの第一歩-クロノビットの可能性
スペシャル対談 橋本大也 × 船田戦闘機
http://www.hotwired.co.jp/ad/chronobit2/

一番、使い込んだのはセイコーインスツルメンツのRuputerだった。専用OSだったが、PCとの連携がよくできており、フリーソフトも多数あって、1年くらいは使っていた。当時の解説コラム。これは本当に良かった。

・Ruputer
ruputer01.JPG

・モバイルからウェアラブルの時代へ(私の活用ノウハウ。2000年ごろの古い記事)
http://www.econavi.org/weblogue/webtra/hashimoto/36.html

・TIMEX DATALINK
timexdl_face_up.jpg

TIMEXは米国の閣僚や特殊部隊が使って話題になった腕時計である。PCとの連携がケーブルではなく、ディスプレイに表示される線上のパターンを、時計に読み取らせるという通信形式で斬新だった。

そろそろまた一本欲しくなってきた。腕時計はウェアラブルコンピューティングの装着場所として適切だと思う。デザイン性の高いものがないのがここまでの問題のような気がする。

今日は通信機能やコンピュータなどが搭載された腕時計PCのファッションショー。一言ずつ特徴のコメント。写真をクリックするとメーカーや販売サイトへ飛ぶ。

■世界の腕時計PC、通信機能搭載PCのファッションショー

・LAKS
lakswatch01.JPG

MP3プレイヤーとメモリーの搭載された腕時計。

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・Fossil Wrist Net Round
fossilwatch02.JPG

・Palm搭載腕時計「WRIST PDA」をFossilが発表
http://www.itmedia.co.jp/news/0211/19/nebt_22.html

PalmOS搭載の腕時計型PC。

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・リストカメラ WQV-1
wqv1_a.gif

カシオ。カメラつきの腕時計。その後、カメラ付携帯が普及して影が薄くなってしまった。

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・腕時計型MP3プレーヤー「リストオーディオプレーヤー WMP-1V」
wmp1v_a.gif

カシオ。MP3プレイヤー搭載の腕時計。このタイプは時計から伸びるイヤホンのコードが邪魔だなあと思う。

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・世界初GPS機能を内蔵したアウトドアウオッチ プロトレック
“サテライトナビ(SATELLITE NAVI)”
PRT-1GPJ
satellite_navi.gif

GPSの装着場所として腕というのは正しそう。

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・PowerDisk
powerdiskwatch_1l.jpg

USBメモリ搭載の腕時計。メモリ以外に特に機能はない。持ち運びのできるUSBメモリはよく使う。時計と一緒ならばなくさないのがポイントだと思う。

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・WatchPad
watchpadI2.jpg

IBM。Linux搭載の腕時計。プログラマなら開発しまくりで遊べるプラットフォーム。

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・腕時計型トランシーバー
watchtr01.JPG

通信距離は障害物のない見通しのよい場所では2.8〜3.2km程度。郊外で1〜2km、高速道路で500〜600m、市街地で100m〜400m程度とのこと。90グラムと軽い。2本で11,500円ととにかく安い。イベント用に買ってもいいかもしれないと思った。

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・米ウェリファイ・ワイヤレス、子供向け腕時計型GPS端末を市場投入
cosmicpurpleblue_big.jpg

子供にこの腕時計をもたせるとWebで居場所を追跡することができる。

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と、10連発のはずが10個以上あったけどまあいいか。みなさん、腕時計型PCってどう思います?

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2004年01月28日

話題の電子書籍端末ΣBook届きました!

明日のイベントで松下電器産業様からお借りした電子書籍端末のシグマブックが、オフィスに届きました。発売は2月20日。価格は37,900円とのことです。詳しくは、次のニュースが詳しいです。オフィシャルサイトではマルチメディア、3D技術を駆使したデモがあります。

・松下、電子ブック「ΣBook」を書店・ネットで発売
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/29/1921.html

・ΣBook(シグマブック)
http://www.sigmabook.jp/

早速、説明書を熟読。仕様は以下の通り。煙草の箱を横に置いて実物を写真に収めました。予想よりずっと、小さいです。

sigmabookpic01.JPG

sigmabookpic02.JPG

仕様:
液晶:7.2インチ液晶*2
   1074ドット*768(XGA) 16階調グレースケール
開けた時の寸法:292 * 205 * 12.7 mm
閉じた時の寸法:154.5 * 205 * 25.4mm
重量:520グラム

特筆すべきは記録型液晶です。電源が切れても表示が残る液晶技術を使って、乾電池2本で3ヶ月も使えるのです。

肝心のコンテンツですが、上記のインプレスの報道によると、


同社が運営する「ΣBookサイト」「10DaysBook」で購入できる。当初のラインナップは、マンガ、小説、ビジネス書、実用書を中心に5,000点が用意され、書店店頭でコンテンツ購入が可能になるダウンロード端末の設置も検討されている

とのことでいきなり5000冊はすごいですね。

デモ機には、マンガや小説、地図と活用法の書が7冊入っています。

・サイボーグ009
・シティマップる
・1ダースチルドレン
・なつ祭り
・我輩は猫である
・黒
・ΣBookで行こう

インタフェースはシンプルさが気に入りました。モードが書籍を選択する「書棚」と、書籍を読む「書誌」の二つしかありませんが、これで十分です。開発コンセプトの明確さが伝わってきました。

1日使って、満足と不満のポイントを並べてみました。

【満足】

・見開き型ということで手にしっくりくる
・電池が3ヶ月切れない安心感
・絞り込まれたシンプルインタフェースは迷わず使える
・それほど重くない(調べてみましたがハードカバーの厚い本は500グラムを超えます。シグマブックならば500グラムで数十冊を持ち歩ける)
・質感。冷たくなく、スウェードのような表面の手触りは好感

【不満】

・期待していた検索機能がない(コンテンツを画像として扱うため)
・液晶コントラストが不明瞭

液晶については、やはり白は白、黒は黒ではっきりと表示されるといいと思いました。でも、これは技術革新ですぐに実現して、2,3年後にはカラー化されてしまうかもしれません。期待して待ちましょう。検索については規格のもとづくものですがユーザニーズは大きいですから、何らかの形で対応してくれることを望みます。

個人的にはこの端末、発売後に買ってしまうかもしれません。もし自分の作成したテキストを持ち歩けるユーティリティソフトがあれば、間違いなく買いです。

ソニーも対抗馬を準備しているようですから、かつてのVHS対ベータ規格のような熱い業界戦争が繰り広げられるのでしょうか。今年の後半が楽しみです。果たして今年は、電子書籍元年と呼ばれることができるでしょうか?

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2004年01月10日

小さいことは良いことだ

今、私は学生向けプログラミングコンテストのアイデアを考えて、と言われている。ThinkQuest、ロボコンや鳥人コンテストみたいに、成功するコンテストってなんだろう?。参加ハードルが低くて、知的好奇心を刺激され、工夫次第で無限の可能性があるもの。

1998年にビデオジャーナリストの神田さんと一緒に取材した「猿岩石」企画で、米国マクロメディア本社を訪問したときに、階段が巨大滑り台になっていたり、サッカーのゴールポストが室内にあったりしたことに驚いた。発想を刺激するインテリアがあちこちに。でも、一番クリエイティブな印象だったのは、壁一面に張り出された折れ線グラフ。プログラムのソースのサイズが、開発努力によってどんどん小さくなっていく図だった。(開発の世界では、同じことをするプログラムならばサイズが小さい方が良いとするのが一般的)。

・1998年 インターネット猿岩石(マクロメディアのレポート含む)
http://www.gabby.net/expo/us-venture98/index.html
saru-j.gif

二人で米国シリコンバレー、アレイを突撃取材した記録。ネットバブル真っ只中の雰囲気。
私の文体も恥ずかしいほどノリノリ。若かった。
(妙な英語版があるのは旅行中、米国のPCショップFry'sで何十ヶ国語を翻訳できるという怪しい翻訳ソフトを見つけて買い込み、それを使ってでっちあげたもの、だったと思う。)

■富豪的プログラミング

搭載メモリの量が多くなって以来、小さくコードを書くことの重要性は薄れてきた。逆に大きくても良いから、開発者が読みやすく、保守しやすいものを大切にする文化もある。典型的なのは、著名な研究者の増井俊之氏が提唱する富豪的プログラミングである。

・富豪的プログラミング
http://pitecan.com/fugo.html

増井俊之氏 (富豪化理論研究家) による解説。


・メモリや実行効率を気にしないでお気楽にプログラムを作る
効率を重視したプログラムは作るのが大変ですし、ちゃんと動かすにはデバッグも大変です。富豪的プログラミングでは一番単純で短いアルゴリズムを使います。

・条件が変わる度にすべての計算や表示を行なう
再表示が必要な場所だけ書き直ししたり、出力のバッファリングをしたりする貧乏性な工夫はバグのもとになるので行なわず、条件が変わる度に計算を再実行したり全体を書き直したりします。

コンポーネントプログラミングだとか、オブジェクト指向と言われる最近の開発ポリシーは、どちらかというと、富豪的アプローチな部分もある。どちらが効率が良いかは一概には言えない。アルゴリズムの研究を読んでいると、どうやらプログラムの効率には3つの考え方がある。

プログラムの3つの効率

1 速度効率
  高速に動作するプログラムほど効率が高い
2 メモリ効率
  使うメモリが少ないほど効率が高い
3 開発効率
  コードの読みやすさや保守しやすさが高いほど効率が高い

小さなプログラムは、上記3つの効率のうち、1と2を満たすことが多い。小さくする価値はある。

■小さなプログラムへの挑戦

自然言語で複雑な説明を書くときと一緒で、コードも短く書く方が一般的には難しく高度である。富豪的な時代になっても、世界中に小さなプログラムへの挑戦者たちがいる。

・256b.htm Competition
http://wildmag.de/compo/
256バイトのHTML(含むJavaScript、CSS、GIF)でどこまで面白いWebページが作れるかのコンテスト。動く、動く。

・web4096
http://www.message.sk/web4096/index.html

4096バイトでのHTML、Flash、Javaアプレットのチャレンジ。

・The5K
http://www.the5k.org/

5キロバイトでのチャレンジ。

・THE 1KB 6502 PROGRAMMING CONTEST
http://oric.ifrance.com/oric/microtan/6502contest.html

1980年の古いPC(メモリ1キロバイト)で動作するプログラムのコンテストが第8回。

・7行プログラミング作品集
http://www.isl.cs.gunma-u.ac.jp/~shingo/make/7line/7line.html

7行のJavaScriptでテトリスやぷよぷよができるなんて!。


小さいという意味が異なるがこんなものもある。

・4th BUTE International 24-hour Programming Contest
http://www.challenge24.org/main.php?main=

24時間で与えられたテーマのプログラムを開発する国際コンテスト。時間のスケールが小さい。

・Guimp
http://www.guimp.com/

物理的に世界一(タテヨコ)サイズの小さいWebサイト。ちゃんと表紙、ブログ、ゲームなどのコンテンツがある。入り口でFlash版とHTML版が選べる。

オリジナル
guimp01.JPG

4倍で拡大
guimp02.JPG

フラッシュでパックマンが動く!。

・パックマン
http://www.guimp.com/pacman_flash.html

オリジナル
guimp03.JPG

4倍で拡大
guimp04.JPG


参考URL:

「対になる世界一、日本一」
http://www.hatena.ne.jp/1065668104
「例えば、【世界一高い山】【世界一低い山】というように、コメント欄に両データを「併記」する形でご紹介ください。最高・最低、最長・最短、最多・最少、最大・最小などなど、ジャンルは問いませんから、できるだけたくさん、必ず併記でお願いします。」面白い!

・kisrael.com | gamebutton arcade
http://kisrael.com/features/gb.htmlテーマはずれますがWebフォームのボタン上で動く小さなゲーム。発想がユニーク。

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2004年01月09日

顔面技術

■脳には生まれつき顔を認知する機能がある

プロデューサのW氏と仕事の打ち合わせ。アイデアマンのW氏は話題が豊富。いつも必要なことを決めてしまうと、後は話題は脱線して、延々と話してしまう。私とW氏は過去に24時間不眠休憩なしでぶっつづけの企画会議をやった過去がある。話は尽きない。この人とは雑談から生まれたアイデアが仕事になってきた過去もあり、今日も気合をいれて雑談する。

彼の会社はビデオカメラで顔のパーツの配置を機械的に読み取り、似顔絵を描く技術や、顔写真にお化粧を施すリアルタイム合成技術を企画開発していたりする。名刺と名前が一致しないという話題から、顔にまつわる話になった。ちょうど私も人間の顔について考えていたのだ。

私は記憶力があまり良くない。特に顔は苦手で、パーティなどで会った人、過去の取引先の担当者の顔を忘れる。こちらは分からないのに、相手は分かっている。この非対称な関係はビジネス上で、それだけで大変弱い立場に立たされてしまう。名刺など差し出そうものなら「あれ?何か変わられましたか?」と返されて、深手を負うこと間違いなし。

昔読んだ記事に、ある著名ホテルのドアマンは1万人以上のお客の顔と名前を一致させることができ、20年以上その記憶を保持し続けるという話が載っていた。そういうことができれば私の営業力もだいぶ違っているんだろうなと羨ましく思う。

だが、ComputerSocietyに掲載された論文を見て、それもやがては機械が解決してくれるかもという希望も見えてきた。

・DegitalDoorman Argus
http://www.computer.org/intelligent/ex2001/pdf/x2014.pdf
digitaldoormanargus01.JPG

「デジタルドアマンシステム」のArgusは、ドアを通過する人物をカメラで認識し特定する。撮影角度や風貌の多少の変化があっても見分ける、アルゴリズムを試験している。私の眼鏡にこの機能が搭載されれば、もう大丈夫だ。

さて、実現の遠い冗談はさておき、人間の顔認識力を使った今使える応用技術は幾つかある。

■チャーノフの顔グラフ

グラフ表示の多彩さで定評のある統計処理ソフトにSTATISTICAがある。このソフトは科学的なデータを、さまざまな統計計算手法を使って分析し、グラフ化するものだが、出力オプションのひとつにチャーノフの顔グラフ形式がある。

・STATISTICA
http://www.statsoft.com/base.html

Chernoff Faces01.JPG

これが、顔グラフである。顔のタテヨコの大きさ、目や鼻の大きさ、口角や眉毛の傾き、輪郭種などに各データの数値の大きさを割り当てることができる。顔の表情の違いは見分けやすいから、平均顔の中に、特異な顔があればすぐ見つかるという脳の顔認知特性を使ったグラフ化手法だ。

さて、どう使うか?。例えば学校の試験の科目別成績を考えてみる。各科目を顔のパーツに割り当てる。国語はクチの大きさ、数学は目の大きさなど。すべての科目で平均点を取った生徒のデータは、すべての顔のパーツが中くらいになるから平均的なタマゴ型の特徴のない顔になる。逆に得意、不得意がはっきりしている生徒の群は、同じように偏った顔になるだろう。全校の生徒の全科目の成績分布の散らばり具合、集団の別れ具合を把握できる。

と、書いたが、本当は私の説明はあまりよくない。さらにうまく使うと、理想的なデータはニッコリ微笑み、良くないデータは泣いた顔になるように割り振るとさらに人が認識しやすくなったりもする。

統計のプロの事例として次のページがある。ここでは居酒屋の見栄えや価格や味に顔のパーツを割り当てて顔グラフを効果的に使っている。

・居酒屋チェーン店のアンケートデータをマイニングする
http://www.doyukan.co.jp/kigyou/datama/datama.04.pdf

■顔によるパスワード認証

こんな実用的な使い方もある。RealUserは、人間の顔記憶の強さをパスワード代わりに使う製品である。

・RealUser
http://www.realuser.com/

ユーザはパスワードの代わりに、5人の見知らぬ顔の組み合わせを設定する。最初に3×3の升目グリッドに無作為に9人の顔が表示されるので、そのうちの1人をPassfaceと決める。これを5回繰り返し、5人のPassfaceを選び、記憶する。練習セッションが終わって記憶が確認できたら、Passface認証が使えるようになる。

realuser01.JPG

ユーザはシステムにログインしようとすると、9人の顔から1人のPassFaceを選ぶ作業を5回連続で試され、5回とも連続して当てれば認証される仕掛けだ。

一見3×3のグリッドパターンは単純すぎるようにも思えるが、実際には、3×3のグリッドからPassfaceを5回、無作為に選んだだけでは59049回に一度しか認証をパスすることはできない。これならば日常的な認証機構としては十分に使えるレベルのセキュリティを持っている。また3×3のグリッドは数字入力キーに割り当てることが可能なのでインタフェースとしてもちょうどよい大きさである。 デモで体験できるので試してみると面白い。

・RealUserの科学的根拠論文
http://www.realuser.com/published/ScienceBehindPassfaces.pdf

このペーパーには、

・人間の赤ん坊は生後1時間で顔を認識できる
・生後2日で赤ん坊は母親の顔を見分けることができる
・人はよく知っている人の顔は20ミリ秒で認識できる
・ある実験では35年ぶりの同窓会で90%の参加者が顔を正しく認識できた

といった事実が述べられており、顔を見る能力は生得的なものであり、他のモノを見るときとは異なる特別な能力であるという。

他の脳科学の本を読んでも、人間にはうまれつき顔に対しては特別な認知モジュールがあると書かれている。生物は生存のために環境に適応するが、進化した人間にとっては人間社会こそが生存環境であり、そこでは顔を見分ける能力は必須といえる。だから、人間の顔認知と記憶の能力は突出していると言われる。

■似顔絵をランダム自動作成するフリーソフト

こんなものもある。

・モンタージュ似太郎

http://www1.mahoroba.ne.jp/~matumoto/soft.html
nitaro01.JPG

似顔絵作成ソフト。線画でまるで警察の手配モンタージュのような似顔絵を作成できる。福笑いのように目鼻や口のパーツを配置するのだが、楽しいのは顔を指定人数分ランダムに合成してしまう機能。一定間隔で次々に、どこかにいそうな顔が表示される。

絵心がある人間でないと、福笑いで誰かに似た似顔絵を作るのは難しいものだが、何百人も似顔絵をランダム合成していくと、そのうち似た顔が見つかる。そのデータをベースに似顔絵を整形していくと目的の顔が出来上がるから便利。


と、幾つか紹介してみたけれどまだまだあるので顔面技術第2弾をそのうちに。

そーいえば、お札が道端に落ちているとすぐ気がつきますね?(守銭奴か私は...)。この認知も特別なものだとしたら、何か応用はないかな?。

参考URL:

顔といえば顔のウィルスに気をつけてください。ところで誰なんでしょう?彼女。

・メール本文に女性の顔写真を表示するウイルス「BackDoor-AWQ.b」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/01/08/1690.html

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2003年12月22日

連想の技術、プライミング効果、履歴からお薦めWebページ

■連想パターンとプライミング効果

昨日、紹介したESP Gameは、ネットコミュニティを使って連想語をデータベース化する試みだった。インターネット広告では、検索キーワードに応じた連動広告が注目されている。集めた連想語データはビジネスにすぐにも使えそうだ。ESP Gameで集まる内容が気になる。

日本人の大学生1000人に、ある言葉(刺激語)を提示したとき、どんな言葉(反応語)を最初に連想するかをデータ収集した実験がある(「連想基準表」東京大学出版会、梅本、1969)。ここにサンプルを引用してみる。

priming_t01.JPG

・連想基準表
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=987022508X

米国人の大学生を対象として同種の調査もある(Postman、Keppel、1970)。
n=1008
priming_t04.JPG

ある言葉を見たり聞いたりすると、次の言葉の連想内容に影響が及ぶことをプライミング効果と呼ぶ。賛成と反対、予防と注射、空腹と食物のように、刺激語同士が連想関係にある場合に発生する。

国と言語が異なっても、連想するパターンが一位は同一であることが興味深い。主な連想のパターンには以下のようなタイプが存在している。

priming_t03.JPG

また反応速度をパターン別に調べた結果は以下のような表になる。

priming_t02.JPG
上記の例は「人間の言語情報処理 言語理解の認知科学、1994、安陪-桃内-金子-李)より引用。

反意語関係のプライミング効果が著しく高い。人は連想を行わせると反対語があるときには真っ先に思い浮かべてしまうということだ。だから、広告表現で、テーマパークのとしまえんが「史上最悪の遊園地」という新聞広告を出したことがあったが、これなどは、反意語「史上最高」を連想させてしまうプライミング効果を狙ったものと考えられる。

これは音声上でも働く効果だ。先日書評を書いた広告の本にも、足すと14になる計算を繰り返させた後に「なにか野菜の名前を挙げてください」と聞くと、米国人の多くが「にんじん」と答えるという。14→14金(Gold)→14カラット(carat)→にんじん(carrot)という発音上の連想なのだそうだ。

インターネットの利用にこういったプライミング効果を活用できないだろうか。

■Googleキーワードで調べる検索エンジンユーザの連想語

Googleはキーワード広告主のために、あるキーワードと同時にどんなキーワードが一緒に検索されているか、調べるツールを提供している。

・Google AdWords キーワードアドバイス
https://adwords.google.co.jp/select/main

これを使うとこんなことが分かる。

・クリスマスの同時検索語
ソング、素材、ディナー、素材、イルミネーション、壁紙、リース、壁紙、プレゼント、、イラスト、イベント、料理、ヒッキーの、ナイトメアビフォア、画像、の約束、ホワイト、島

・「忘年会」の同時検索語
ゲーム、挨拶、幹事、予約、案内、プラン、のお知らせ、会場、大阪、余興、案内状、新宿、芸、司会、ホテル

・「長い」の同時検索語
髪、世界一、橋、世界一、名前、亜麻色の、亜麻色の髪、夜、一番 日、単語、ファイル名、髪を、英単語、日曜日、脚

・「医者」の類似キーワード
病院、クリニック、医院、医師、歯医者、名医、倫子、国立、歯科、産婦人科、病院、検索、看護、学会、介護、整形外科、内科、整体、皮膚科、眼科、小児科

どうやらネット上の検索では、反意語関係以外が検索されているようだ。どの連想関係パターンが、検索エンジン利用において、最も多いのか調べる研究があったら更に面白い。(もし存在していたら教えてください)

Webサイトの運営者はこれらのデータから、ユーザの傾向を調べ、検索順位が上がるように自分のページ内容を変更することができる。また、客を呼び込むためのキーワード広告を購入することができる。

■ネットサーフィンの履歴から最適な情報を推薦する

ページに書かれている言葉から連想できる、別のページをユーザにお薦めする技術は、たくさん研究されてきた(私の会社の開発部門も含む)。今、この分野で必要なのは、ユーザが今何を探しているかという文脈を、正しく推測して、連想されるものを機械提案する技術だろう。

ブラウザの過去履歴と、そして今何を見ているかは、ユーザの情報探索の文脈を知る上で重要な情報になりそうだ。ユーザは目的を持って情報を探すが、直近に見るページの影響(プライミング効果)を受けている。クリスマスのプレゼントを探していたはずが、関連ページを読んでいるうちに、いつの間にかサンタの由来を調べていたりする。あるいは、もっと良い方法が直前のページで分かり、別の方法を探したりする。今○○を探していますと明確に自分も分からないことさえある。

今、そして最近見たページは、最新の関心に関係を取り出す文脈データとして向いている。Webの閲覧履歴から最適な情報を提案する技術では、こんな研究がある。

・Using Document Access Sequences to Recommend Customized Information
(Web履歴から最適情報を推薦する)
http://www.cs.indiana.edu/~leake/papers/p-01-09.pdf

ここでは、WordSieveという原理を使ってユーザの関心キーワードを抽出する。仕組みはこの表の通りで、3つのフィルターから構成される。1番目のフィルターはユーザの見ているWebページに最も頻度が多く出てきた単語をみつける。2番目のフィルターは過去に見たページ群で最も多く出てきた単語をみつける。3番目のフィルターは過去にあまり出てこなかった単語をみつける。
calvin02.JPG
3つの種類の単語のパターンを数学的に計算することで、ユーザが今最も欲しがっているキーワードを含むWebページをユーザに推薦する。研究者たちは、Calvinという専用ブラウザーを試作している。ユーザが使えば使うほど賢い提案ができるブラウザーだ。

calvin01.JPG

今見ているページと閲覧履歴から、活性化している連想キーワードを色分けして表示。
calvin03.JPG

これは巨大なキーワードデータベースを持たなくても、効果的な提案ができる優れたやり方であると論文は結論している。連想語とプライミング効果の研究によって、見たいページを次々に見られる未来のブラウザーが誕生しようとしている。

・Real Time User Context Modeling for Information Retrieval Agents
http://www.cs.indiana.edu/~leake/papers/p-01-09.pdf
同じ研究者によるキーワード抽出部の研究。

・WordSieve: Learning task differentiating keywords automatically
http://research.microsoft.com/~sdumais/SIGIR2003/ExtendedAbstracts/BAUER_bauer.pdf
キーワード抽出手法には幾つかある。WordSieveアルゴリズムの優位性を主張するマイクロソフトリサーチの論文。TD/IDF法などとの対比。

・語の活性度に基づくキーワード抽出法(人工知能学会論文誌17巻4号F、2002)
http://www.miv.t.u-tokyo.ac.jp/papers/matumuraJSAI-PAI.pdf
日本の研究。著者の主張をキーワードとして取り出すKeyGraphの取り組み。KeyGraphについては後日記事に書きたい。

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2003年12月21日

スケベ心で巨富を築く技術?テストステロンコンピューティング

先日こんな本を読んだ。巨富である。巨富。

・巨富を築く13の条件
4877710698.09.MZZZZZZZ.jpg

評価:★★☆☆☆

■英雄は色を好むのか

なぜこのベタな本を読んだかの経緯は、過去の記事から察して頂くとして、内容は結構、真面目に楽しめた。ビジネスと人生で成功し巨富を築くための13の条件が列挙されているが、(もちろん)、気になったのは、その一要素に「性衝動」があり、一章を割り振られていたことだ。

「第十章 人類の本能を創造的なものに転換する」によると、まず、過去2千年の歴史や自伝を調べた結果、以下の事実が判明したという。

1 偉大な事業を成し遂げた人は、高度に発達した性本能の持ち主であり、性衝動の転換方法を体得した人である。

2 巨富を蓄積した人、文学、芸術、産業、技術、その他専門分野において顕著な業績を残した人は、いずれも異性の影響力によって成し得たものである。

また、あるインストラクターは3万人のセールスパースン教育を担当してきたが、性本能に関心の高い人ほど有能であるという事実を発見した、という。

恐らくは男性ホルモンのテストステロンの分泌量と、社会的な行動の活発さには相関があるであろう。活動的な人が現世的な意味で確率的に成功しやすいこと、異性の注目を浴びやすいことの関係も推測はできる。

米国の心理学者James M. Dabbs博士は、長年の調査から、成功する経営者や政治家のテストステロン分泌量が高いことをWebサイトでも報告している。

・James M. Dabbs博士のサイト
http://www.gsu.edu/~psyjmd/

このテストステロンパワーはオンラインでもアダルトサイトに集約されているはずだ。残念ながら、膨大な量の、巨富を築けるはずのエネルギーが無駄に消費されてしまっていることになる。だが、この性衝動のエネルギーをビジネスや技術に活用するアイデアを考えた若者がいる。

それは、まったく無関係のように見えるゲームの話から始まる。

■超能力ゲームで遊ぶと検索エンジンの精度が高まる

・ESP Game
http://www.espgame.org/
espgame01.jpg

このサイトは、ESPつまり超能力を試すオンラインゲームサイトである。ゲームを開始すると、ランダムにWeb上の画像を提示される。その画像から連想される言葉を参加者は入力する。

このゲームには、同時にログインしている対戦相手がいる。相手と同じ連想語を入力できればゲームで得点でき、次の画像提示へ進める。制約がひとつある。タブーワードとして表示される言葉は入力できないのだ。

例えば何もない白い部屋の画像が提示されているとき、タブーワードは「White」「Room」であったりする。プレイヤーは他の言葉で連想でき、且つ対戦相手も思い浮かべそうな言葉を考えないといけない。例えば「Clean(クリーン)」「vacant(空き室)」「Clapton(ロックアーティストEric ClaptonにIn the white roomという有名な楽曲がある)」などが良いだろう。相手と一致すれば次の画像が提示され、時間内にどのくらい当てられるかを競う。

さて、こうしたゲームを遊ばせた主催者は、膨大な画像とその連想語データベースを手にすることができる。画像を見たときに、他人が思い浮かべそうな言葉ばかりのリストは、連想語として非常に質の高いものであるはずだ。このデータは、精度の高い画像検索サービスのデータとして利用していくことができる。ユーザが検索する際に、「White Room」でも「Clean」、「Vacant」、「Clapton」と入力しても白い部屋の画像を検索できる。

ユーザが超能力ゲームを面白がって遊ぶ。結果として、どこかの画像検索エンジンの精度が高まっているのだ。風が吹くと桶屋が儲かる原理に似ている。

■ポルノサイトに集まるテストステロン・パワーでスーパーコンピュータに

このアイデアを考えたのは、カーネギーメロン大学の24歳の若い研究者である。彼は次のWebページで、インタビューに答えている。

・CMU student taps brain's game skills
http://www.post-gazette.com/pg/03278/228349.stm

ここで彼は、もし1日平均5000人がESPゲームで遊ぶなら、Google画像検索で検索される4億2500万の画像に1つずつのキーワードをつけることができる。半年あれば画像ひとつに6つのキーワードをつけることも可能だ、と述べている。

この記事では更なるアイデアが発案されている。オンラインのコンテンツ保護技術のCaptchaと組み合わせることで、さらにこの仕組みを発展させたるのではないか?という提案だ。

・Captcha
http://www.captcha.net/

Captchaは、画像を使ったセキュリティ技術の一種である。ログインが必要なサービスに、犯罪者やスパム業者などのソフトウェアロボットが自動ログインできないように、ユーザに画像に書かれている文字列の入力を求める。こんなふうに画像をゆがめる。

captcha01.jpg

例えば、同種の技術を採用しているドメイン管理組織のベリサインでは、他人のドメイン名の登録情報を調べようとすると、以下のような画像に書かれたのと同じ文字列の入力を求められる。ベリサインは人間にだけ情報を開示したいのだ。

verisignsample01.JPG

この歪曲された文字の画像はソフトウェアは読み取ることが出来ないが、人間は容易に読み取ることができる。

しかし、もしアダルトサイトが「ポルノ画像をもっと見たいなら、この画像に書かれた文字列を入力してください」とユーザに提案したらどうなるだろうか。膨大なアダルトサイトのユーザたちが、完璧な答えを即座に入力してしまうだろう。このセキュリティは破られ、業者は内部の情報を収集することができてしまう。

つまり、この方法を使えば、オンラインのテストステロンを使って、「人間の認知能力では簡単にできるが、コンピュータには難しいこと」を、大量に処理する人間の分散コンピューティングができるということだ。

この方法を巧妙に駆使することができれば、冒頭の本のように「高度に発達した性本能の持ち主」でなくても「偉大な事業を成し遂げ」「巨富を蓄積」することが可能なのかもしれない。

(まあ私は発達してるから問題ないですけどね<何が?)

参考URL:

・Kinsey
http://www.indiana.edu/~kinsey/index.html
セックスとジェンダーの研究で著名なキンゼイレポートの発行機関。赤裸々な統計が。英語だから会社で読んでもばれないかも。

・20万人がネット・ポルノ中毒
http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/20000907205.html

・日本のセックスIndex
http://www.enoplan.jp/sexindex/
性関連 ニュース&トピックス

・バーチャルなセックス、リアルな楽しさ
http://www.hotwired.co.jp/news/news/1427.html

・セックスとテクノロジーがテーマのブログ・ベンチャー『フレッシュボット』
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20031119204.html
米ニールセン・ネットレイティングスの調査によると9月中、およそ3200万人の米国人――米国のインターネット・ユーザーの24%にあたる――がポルノ系のサイトを訪れた

・Nakednews
http://www.nakednews.com/
男女のアナウンサーがニュースを読みながら脱いでいく...。有料コンテンツだがデモが見られる。ユーザがニュースをレイティングしたりコメントしたりするとアナウンサーが脱ぐとしたら、このサイトも面白いデータ収集ができるかもしれない。

・以前に書いた関連記事:好き嫌い好き嫌い好き?
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000345.html

・エログリッドコンピューティング
http://blog.bulknews.net/mt/archives/000518.html
今日の記事はこの記事を膨らませて解説してみたもの。

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2003年12月20日

テキスト簡単化と図表化のテクノロジー

■中学2年の悔しい思い出と改善提案

未だに腹立たしい経験を憶えている。中学2年の社会科の授業。生徒は全員が日本国憲法の前文を暗記してこいと言われていた。クラスでタダひとり授業で暗誦できなかった、私は、放課後に居残りを命じられた。ヒステリックな20代の女性教師と図書館で二人、対面して1時間。ひたすらの繰り返し暗誦練習。

私の記憶力が悪いのは横に置いておくとして、当時の私の本音は、こんな出来損ないの汚い文章を、自分の頭に残しておきたくなんかなかった。はっきりと、この文章を覚えたくありませんと言葉で主張した記憶があるが、不思議そうな顔をされた。私の通知表の社会科の評価は1だったからか、当然、取り合ってもらえなかった。

当時の教師の年齢を超えた今なら、もっと大きな声で、自信を持って、言える。こんな文章ダメダメである!。憶えない私のアタマも悪いが、書いた人間のアタマはもっと悪いのだ。教師は暗誦の指導でなく、こうすべきだったと提案したい。

「あなたは、生徒に文章の簡単化と図表化をさせるべきだった。」

■どうしたら分かりやすくできるか?

私が文字通り泣く泣く憶えさせられたのはこの文章だ。起草当時の状況下における、最高の政治的コンセンサス・テクノロジーの成果なのだろうが稚拙な文章と感じる。


日本国憲法前文

日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

一度だけ読んだら、さあクイズだ。もうテキストを見てはいけないとする。

Q1 日本国民は何を決意しましたか?
Q2 ここでは何が宣言されましたか?
Q3 国民は何を享受しますか?
Q4 憲法はどのような原理にもとづいたのですか?
Q5 この前文、ひとことで言うと結局なんですか?

よほどの秀才中学生か、憲法学者でもなかったら、この質問に即答するのは、困難なはずだ。教師には考えてほしい。たとえ暗誦できていたとしても、この質問に答えられなかったら、学んだ意味があるのだろうか?。

■係り受けの分解とアウトラインの抽出

どうしたら分かりやすくなるだろうか?。文章の順序でアウトラインを抽出してみる。質問に応じて色分けもした。



日本国民は、
    国会における代表者を通じて行動する。
        国会を正当に選挙する。
    われらとわれらの子孫のために
        諸国民との協和による成果
        と
        わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保すること
        と
    政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすること
   を
   決意する。
ここに主権が国民に存することを宣言する
この憲法を確定する

そもそも国政は、
    国民の厳粛な信託によるものである。
    その権威は国民に由来する。
    その権力は国民の代表者がこれを行使する。

    その福利は国民がこれを享受する。
これは人類普遍の原理である。
この憲法はかかる原理に基くものである。

われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

アウトラインの基底部を読めばきっと質問に答えられる。

Q1 日本国民は何を決意しましたか?

・国会における代表者を通じて行動すること。
・諸国民との協和による成果と自由のもたらす恵沢の確保
・再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすること

#係り受けの曖昧さがあるので「代表者を通じて行動」は決意の内容に入らないかもしれない。これを確定できないのは書いた人間のアタマの悪さだと思う。

Q2 ここでは何が宣言されましたか?

主権が国民に存すること

Q3 国民は何を享受しますか?

国政の福利

Q4 憲法はどのような原理にもとづいたのですか?

国民の厳粛な信託により

1 国政の権威は国民に由来する
2 国政の権力を国民の代表者が行使する
3 国政の福利は国民が享受する

というルールで国政を実現する、人類普遍の原理。

Q5 この前文、ひとことで言うと結局なんですか?

日本国民は、主権が国民に存することを宣言し、人類普遍の原理に基く憲法を確定する。
(基底部の太字をまとめればこうなる)

■文章の簡単化の技術

上記の作業は人間が行ったので、人によっては解析構造が異なるかもしれない。

・文章を簡単な表現に直す(係り受けの分割や受動態→能動態変換)
・文章を係り受けを表す階層構造(木構造)にする

という作業をしたわけだ。その上で意味を人間が考える。

最近、早稲田大学の研究者のShima氏に教えてもらった興味深い研究に文章の簡単化がある。これらを自動化しようという試みだ。既に無償でダウンロードできるソフトウェアもある。

・言い換えエンジン KURA
http://cl.aist-nara.ac.jp/lab/kura/doc/
・日本語を簡単な日本語に言い換えるー福祉的コミュニケーション支援に向けて
http://cl.aist-nara.ac.jp/lab/kura/papers/2001/inui-sakigake0112paper.pdf

このプログラムは文章に対して自動的に以下のような処理を行う。



1 副詞節や並列節を含む長文の分割:
ようやく回復の足取りを固めたとはいえ,日本経済の先行きは不透明感を免れない.⇒日本経済は,ようやく回復の足取りを固めた.しかし,先行きは不透明感を免れない.

2 連体修飾節の言い換え(主節化):
きっかけは中村屋がインド独立運動の闘士であったビハリ・ボースをかくまうようになったことである.⇒ きっかけは中村屋がビハリ・ボースをかくまうようになったことである.ビハリ・ボースはインド独立運動の闘士であった.

3 複雑な否定表現の言い換え:
彼はベジタリアンなので,パーティーでも野菜しか食べなかった.⇒ 彼はベジタリアンなので,パーティーでも食べたのは野菜だけだった.

4 複雑な比較表現の言い換え:
学生時代の友人と飲む酒ほど楽しい酒はない.⇒ 学生時代の友人と飲む酒が一番楽しい.
5 受動・使役表現の言い換え:
太郎は駅前で警官に呼びとめられた.⇒ 警官が駅前で太郎を呼びとめた.

6 機能語相当表現の言い換え:
たばこをやめてからというもの,食欲が出て体の調子がとてもいい.⇒ たばこをやめてから後ずっと,食欲が出て体の調子がとてもいい.

7 慣用句などの言い換え:
学生時代は毎日のように映画館に足を運んだ.⇒ 学生時代は毎日のように映画館に行った.
8  難しい内容語/句の言い換え:
多数意見は立法府(⇒国会)の裁量判断を尊重する立場を示した.
足を運ぶ⇒ 行く.

これらの処理により、難しかった文章を簡単にできる。簡単化と要約とは似ているが、少し違って、むしろ処理した結果、文章量自体は長くなることが多い。簡単化された文章は読みやすくなるし、そもそも文章としてこちらのほうが美しい気もするくらいだ。

■文書の図表化

もうひとつの分かりやすくするアプローチには図表化があると思う。

・概念図の自動生成による文書内容の可視化
http://www.image.esys.tsukuba.ac.jp/html/murayama/Work/ms_thesis.pdf
simplizedtxt01.JPG
simplizedtxt02_s.JPG
クリックで拡大

ここでは文章を解析し、概念図を作成するプログラムが研究されている。以前紹介したiEditで人間がつくるような階層図、概念図があると分かりやすくなる。

・文書アウトライン作成支援ツール iEdit
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000317.html

数式もまた文章を分かりにくくする諸要因のひとつである。

X=Y(21a+b)

という式だったら、自動的に、

1 21とaを掛ける
2 その結果をBに足す
3 その結果をYに掛ける
4 その結果がXである

というような文章に置き換えてくれる処理があればいい。図表化してくれればなおさら分りやすい。この分野でも研究があるようだ。これは図表化ではないが、数式の意味を読み取る研究である。

・数式の構造認識と意味理解
http://www.taf.or.jp/publication/kjosei_16/pdf/p644-p651.pdf
simplizedtxt03.JPG


情報量の増大に伴い、簡単化の研究、図表化の研究は、一般ユーザにとっても重要な役割を果たすように思う。今、研究室で行われていることが速く市場に出てきてほしいと思う。教育分野でもこのような応用があったならば、無理に文章を暗記させる訓練など無用だったはずである。もっと分かりやすく、大人になるまで長期的に内容を憶えられる教え方、教材を開発することができるはずである。

大学時代のアルバイト先での暗誦訓練は意味があった。あの訓練は社会に出て役立った。強制してくれた社長に感謝している。しかし、私に日本国憲法を暗誦させようとした、中学の先生、あなたはもっと教育方法について考えるべきだった。あなたの知的怠慢のおかげで、私たちはもっと楽しめたはずの夏の放課後の午後の時間を無駄にしてしまった。

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2003年12月18日

インタフェースの計量化、その3 Hickの法則

■Hickの法則
・インタフェースの計量化、その1 KLM手法
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000662.html
・インタフェースの計量化、その2 Fittsの法則
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000677.html

の続編として、この選択肢と、

この選択肢、

どちらがどれくらい選ぶのが難しいだろうか?という話。

どうしたら使いやすいインタフェースを作ることができるのか?の科学

そしてインタフェースの計量化の第3弾はHickの法則である。

・Usability Glossary: Hick's Law
http://www.usabilityfirst.com/glossary/main.cgi?function=display_term&term_id=266

この法則には、ふたつの式がある。どちらもインタフェース上で、n個の選択肢からひとつを選ぶ場合の困難度を表現するものである。具体的な意味は後述。

(1) H = log2(n+1)
(2) H = p(i)log2(1/p(i)+1)

H = 意思決定の困難度(エントロピー)
n 選択肢の数
p(i) =iが選ばれる確率

この式の意味は「選択できる要素が多くなると、意思決定に時間がかかる結果として操作時間が長くなってしまう」ということだ。例えば、メニューの項目が3つと9つでは、9つの方が選択が難しくなる。それは直感で分かるけれどどれくらい違うか明確に言えるだろうか?

■試算してみる

例えばアドベンチャーゲームを考えてみよう。あなたは主人公で全方向が開けた広い場所の真ん中にいる。ヒントは何もなく、どちらに進もうと自由だ。システムから次のような行動メニューが選択候補として提示される。

【3つの選択肢のケース】

【9つの選択肢のケース】

Hickの法則には2つの式があるが(1)の式は、メニューの各項目が確率的に均等に選ばれるケースを想定している。((2)の式はi番目の項目が選ばれる確率がp(i)と判明している場合)。この状況は(1)だとして、実際に計算してみる。

選択肢の数 Hick値(困難度)
2個 1.5849625
3個 2
9個 3.32192809
12個 3.70043972
15個 4
100個 6.65821148

3個と9個の選択肢では、9個の方が1.6倍くらい選択が難しいことが分かる

■ほどほどにメニューの選択肢の数を増やし、階層を減らせ

これはある意味意外な結果とも言える。選択肢の数は3→9へ3倍増えているのに比べて、困難度は1.6倍程度である。選択肢は多くなっても、選択の困難は同じ倍率で増加するわけではない。選択肢を3個から15個まで増やす(5倍)と、やっと困難度は同じ3倍になる。メニューの選択肢が5個のところを10個にしたいけど難しくなっちゃうかな?という疑問には、恐らくそれほど難しくなりません、と答えられる。

ここでは向かう方角の選択だったので数が少なかった。では、次にもっと多くのメニューを整理して、階層化し2回以上の機会で選ばせる場合ではどうなのだろう?。次にもう少し実用的な話で考えてみる。

■Webデザインへの適用

以前、私は違う視点でメニュー構造のノウハウについて書いた。

・Webデザイン:使いやすいメニューの作り方と魔法の数
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000477.html

ここでは512ページからなる、Webサイトのメニューをメニューに整理してナビゲーションするには、8個の選択肢メニューを3回選ばせるより、32個の選択肢メニューとその次に16個のメニューを選ばせたほうが良い、と結論した。Hickの法則で検証してみる。

8*8*8の3階層メニュー:9.509775
32*16の3階層メニュー:9.13185696

となった。2階層の方がHickの値が低く選びやすいことが分かる。また、前回の記事の視覚探索効果、メニューの範囲記憶の相乗効果、そしてメニューの表示時間を考慮に入れると、この差は遥かに大きくなる。無論一度に100個の選択肢を提示するわけには行かない。それでは視覚探索と範囲記憶の能力を超えてしまう。

それに実際のサイトの構造は、複雑だ。均等にメニューに選択肢を割り当てられない。「ほどほどにメニューの選択肢の数を増やし、階層を減らせ」はだいたい正しそうだが、じゃあ実際に複雑な構造のサイトに適用した場合の、「ほどほどの内容」やその他の要素は科学的にはどうなの?という疑問が浮かぶ。

ここから先は専門家の世界に譲りたい。次のサイトは非常に参考になる。

参考情報:

・The Psychology of Menu Selection: Designing Cognitive Control at the Human/Computer Interface(メニュー選択の心理学)
http://lap.umd.edu/pomsFolder/pomsHome.htmlmenustructurefig2-5.gif
使いやすいメニューの作り方についての研究。素晴らしいの一言。長いが、軽い知的興奮を覚えた論文。2.1 Menu Structuresにこの記事の数十倍深い考察がある。

#この3回書いた「インターフェースの計量化」シリーズ。簡単とはいえ数式を文章に持ち込むと、いきなり内容が分かりにくくなる失敗例になったと反省。式を出さずにきちんと説明できる文章力を鍛えねば。私は文系だから数学が苦手。計算ミスがあればご指摘ください。今日は頼りの数学者がいないので、可能性あり。

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2003年12月16日

インタフェースの計量化、その2 Fittsの法則

インタフェースの計量化、その2 Fittsの法則

昨日の続き。

ユーザビリティを科学するための計量化手法としてFittsの法則も有名である。

■Fittsの法則

ユーザがカーソルを現在位置から目標ターゲットに移動させるまでの時間を数値化するのがFittsの法則である。カーソルの移動距離とターゲットオブジェクト(ファイルアイコンやメニューアイコン、ボタン、選択したい文字列など)の画面上の大きさが、ここでは重要な変数となる。

数式で表現するとこうなる。(logは対数関数)。

・Fittsの法則

 オリジナル(一次元。こちらは原理的説明の式)
T = a + b log2(2A/W)
 改訂版(二次元。こちらが現実的なので以下それで説明を進める)
T = a + b log2(A/W+1)

T=時間(ミリ秒)
a、b=ユーザの熟練に応じて変わる操作効率、a=50、b=150くらいが一般値
A=カーソル現在位置とターゲットとの距離(例:100ドット、2センチなど)
W=ターゲットの画面上の大きさ(タテヨコで小さい方の値)

fitts01.JPG

試算してみる。

例えば、カーソル現在位置とターゲットの距離が100ドット離れていたとする。ターゲットの大きさは、Windowsのアイコン(32×32ドット)を想定して32とすると計算は以下のようになる。

T= 50+150*log2(100/32+1)

処理時間であるTの値は、356ミリ秒となる。では、同条件でターゲットがもっと大きな横が10倍のサイズの640×320ドットの写真画像だったらどうだろうか。

T= 50+150*log2(100/320+1)

108ミリ秒になり、ターゲットが大きいことで3倍以上も移動時間は短縮された。ユーザはA地点からB地点へマウスを動かす際に、B地点のエリアが小さいと、処理が複雑になり、処理が遅くなる。小さいアイコンはクリックしにくいという簡単な事実だ。

ユーザが何百回も繰り返すマウス作業では、カーソルの平均的な開始位置を考えに入れて、設計することで、作業時間は大幅に短縮され、疲れも感じなくなる。古典的だが、WindowsのダイアログでOKボタンを自動的にフォーカスして自動で、カーソル移動してくれるチューチューマウスの便利はまさにFittsの法則があるから、と言って良いだろう。

・チューチューマウス
http://homepage1.nifty.com/ikehouse/

Fittsの法則の研究では、ターゲットが、画面の端の枠やウィンドウの枠、あるいは曲線の縁に位置した場合、ターゲットサイズは実際の大きさに関わらず小さめの値(50くらいという説あり)で計算してよいと言われている。画面の端に並んだメニューやアイコンは、画面の中途半端な位置にあるケースよりも選びやすい。重要なよく使うものは画面の端におくべきなのだ。

カーソルが100ドット離れた初期位置で、同じ32ドットのアイコンを画面の端においた場合には、287ミリ秒となる。。真ん中の場合は356ミリ秒でしたからだいぶ短縮された。

#PCでの電卓アプリでlog2は入力がやっかい。偉大なる数学者NightNoiseさんに計算方法を教えてもらった。このようにやればGoogleの電卓機能でも計算できる。

log2はlog2x=log10x/log102だから、上記例題1つ目を解くなら

50 + ((150 log((100 / 32) + 1)) / log(2)) = 356.659118

でよい。

・Fitts's UI Law Applied to the Web(Fittsの法則はWebデザインにも適用できる)
http://msdn.microsoft.com/library/default.asp?url=/library/en-us/dnhfact/html/hfactor9_3.asp

Fittsの法則はWebデザインでも通用することをマイクロソフトが説明している。

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2003年12月15日

インタフェースの計量化、その1 KLM手法

インタフェースの計量化、その1 KLM手法

私も師走は人並みに忙しいので今日と明日は一度に書いた続き物で...。

「ユーザビリティ」という言葉が流行っている。このソフトはユーザビリティが高いから便利だ、とか、ユーザビリティが低くて使いにくい、などと言う。ユーザビリティ設計は、グラフィックデザインと同じように、設計者の感性や経験に依存する、主観的な技と思われがちだ。

例えば代表的なワープロソフトのMS Wordと一太郎のどちらがユーザビリティが高いか?という質問に、明確な基準で答えられる人は少ない。大抵、返ってくる答えは、この機能があるから、だとか、分かりやすいから、といったことになる。

ユーザインタフェースの便利さを数値化、計量化する方法は、一部の研究者にしか知られていない、と思う。今日はユーザビリティを計量化し、あるアプリケーションの操作を点数で評価できる仕組みで、古典的な計算方法を幾つか紹介したい。

■キーストロークモデル(GOMS KeystrokeーLevel Model)

GOMSはGoal(目標)、Operator(オペレータ)、Method(メソッド)、Selection Rules(選択規則)の頭文字をとったユーザビリティ評価モデルの大きな体系で、そのメソッドのひとつにKLM(キーボードストロークモデル)がある。アプリケーションに入力のイベントが発生したときに(メニューを選ばせるなど)、ユーザの入力のタスクを分割し、単位当たりの所要時間を、足し算して、理論的に考えれれる最短時間にいかに近いかで、ユーザビリティを評価する方法だ。

・Using the Keystroke-Level Model to Estimate Execution Times
ftp://www.eecs.umich.edu/people/kieras/GOMS/KLM.pdf

一般にKLMでは次のようなタスクの切り分けと数値が使われる。(数値はアプリケーションの複雑さやユーザ層の性質により変動してよい)。

T(N)=0.28n秒キー入力(非熟練ユーザのキーボード入力、1文字当たり)
P=1.1秒ポインティング(ディスプレイ上の位置をユーザが指示)
B=0.1秒マウスボタンをはなす
BB=0.2秒マウスクリック
H=0.4マウスからキーボードへ手を移動する時間(または逆)
M=1.35秒心理的準備時間(各プロセスの直前に発生)
W応答時間(コンピュータの応答にかかる時間)

■KLMを試す

例えば、こんなアプリケーションのウィンドウがあるとすると、

KLMdefault01.JPG

ユーザに年齢(2桁)を入力させてOKを入力させると0.1秒の処理時間で次の画面で「あなたの生年は○○年です」という情報が表示されるものとする。

ユーザの動きを文章で表現するとこうなる。「ユーザはマウスに手を置き(H)、カーソルを入力欄へポインティングし(P)、キーボードへ手を移動し(H)、年齢2桁を入力し(T)、マウスへ手を移動し(H)、OKボタンをポインティングし(P)、押す(B)。処理時間(W)後に、生まれた年が表示される)。」

KLMの式で表記するとこうだ。

H→P→H→T(2)→H→B→W

KLMのルール(論文参照のこと)では、すべてのキー入力(T)とクリック(B)の前には心理的準備時間(M)を挿入せよというルールがあるので適用すると、

H→M→P→H→M→T(2)→H→M→P→BB→W
0.4+1.35+1.1+0.4+1.35+0.28+0.28+0.4+1.1+1.35+0.2+0.1=8.31秒

となる。上記の変数に具体的な処理時間の数字を代入して計算すると、8.31秒が理論上の最短処理時間となる。実際にユーザに使わせたときの平均処理時間と比較して、8.31秒をはるかに上回る数字が出ていた場合、そのインタフェースは改善の余地がある。

では、上記のようなアプリケーションはどう改善できるだろうか。2案考えてみる。

A案は、年齢の入力を選択式にしたもの。キーボードを使わずにマウスで選択できるので便利に見える。年齢の欄はユーザ層の平均である30歳をデフォルト入力値として設定しておく。

KLM_model_a0.JPG

B案は、キーボードからの入力のみにしたもの。ウィンドウ表示と同時に入力カーソルは年齢入力欄に自動的にフォーカスされており、年齢を入力すると同時に生年が表示される。

KLM_modelb.JPG

A案では、KLMの計算では、最初のモデルと異なるのは数字の入力だけである。選択式でふたつの数を選ぶには、「マウスでボタンをひとつめの数字を選んで離し、ふたつめの数字を選んでボタンを離す」。二つの数値入力の間のMは連続的行為なのでKLMルールにより省略する。

よって、A案は、

・A案のKLM
H→M→P→BB→B→P→BB→B→H→M→P→BB→W
0.4+1.35+1.1+0.2+0.1+1.1+0.2+0.1+0.4+1.35+1.1+0.2+0.1=7.7秒

となり、KLMの評価では最初のモデルの8.31秒よりも若干速くなった。

B案ではどうだろうか。こちらでは自動フォーカスとリアルタイム計算結果表示により、ユーザは「キーボードへ手を移動し、数値を二桁入力する」だけである。今度は8.31秒を大幅に短縮した。

・B案のKLM
H→M→T(2)+W
0.4+1.35+(0.28+0.28)+0.1=2.41秒

この結果から分かることは、KLMによる分析では、A案の「マウスだけで入力させるからユーザの入力作業も簡単で早いだろう」という思想は軽度の改良にとどまり、B案がコンセプトとして優れていると言える。(飽くまでこの部分だけを取り出してみればという話であるが)

B案を選択したなら、実際にユーザに使わせ、理論値2.41秒にどの程度近いかを計測する。そして、まだかなり理論値よりも長い数字が判明すれば、別のKLMシナリオを考案し、理論値を計算して実装する。この繰り返しがKLMアプローチだ。

■インタフェースの計量アプローチのメリットデメリット

ここでは、極めてシンプルなアプリケーションの操作で説明したが、実際のアプリケーションはさらに複雑である。直感的にどちらが便利だとか、分からないことが多い。KLMモデルのアプローチは、厳密に数字でユーザビリティを分析できる。

無論、インタフェースデザインについては、「全体は部分の総和ではない」というゲシュタルト概念としてとらえていくべきなのだろうとは思う。計量化がすべてではなく、設計者の感性や経験によるところも大きいはずだ。だが、それだけでは、思いついたアイデアの実装を加えていくだけで、やがてインタフェースは複雑になってしまうことが多い。

今、一般に使いにくいとされているアプリケーションも、大抵は、統一性なく、インタフェースデザイナーの創意工夫を集めすぎたことで、複雑化し、使いにくくなってしまったのだと思っている。計量化という、いわゆる「定石」を知り、どういう方向にあるのか、を知った上で、デザイナーの個性を加えていくのが正解なのではないか、と思う。

参考:
・プルダウンを格段に選びやすく プルダウンって使いにくい?
http://allabout.co.jp/career/html/closeup/CU20030629A/

明日も続けて、インタフェースの計量化手法について続けます。

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2003年12月11日

毎日のニュースチェックツールに求めるもの

■Bulknewsと私

Bulknewsの宮川さんと初めてお話した。日本のRSS技術実用化の第一人者の人である。宮川さん自身は上場ベンチャーの技術担当役員で、表の顔ではPerl言語使いとして有名である。世界のPerlモジュールレジストリCPANへも多数のコード(世界一という説あり)を登録されていて、XML+Perl分野では国際的にも名前が知られている。そもそも、宮川さんが始められた頃というのは、まだWebサイトのメタデータに注目する人は少なかったし、国内に情報はほとんど皆無だった。先見の明と実装技術ありまくりである。

・Bulknews
http://bulknews.net/
・Perlユーザコミュニティ
http://shibuya.pm.org/

ご存知でない方に説明すると、Bulknewsはニュースポータルである。外部のたくさんのニュースサイトをロボット巡回してHTMLを取得し、そこから記事の見出しやURL情報をXML形式に変換してデータベース化している。

私はBulknewsが開始された頃から知っていた。で、宮川さんには内緒で2001年ごろ、Bulknews専用RSSリーダーを自作し、未来のWebはこうなるのだ!とか、人に見せてはプレゼンしていた。アプリケーションは私の作でも、元のデータは宮川さんが作っていたわけで、とりあえず、今回、謝った(笑)。

宮川さんの正式な許可を頂いたので当時作ったアプリケーションを公開してしまう。2年前のコードを引っ張り出してきたのでサポートは一切できない。

・DS_News.exe For Windows(画面例のレイアウトはマニュアル操作。後で解説)
dsnewssmall02.JPG
ここをクリックするとダウンロード file

使い方は起動してスタートボタンを押すと最近のITニュース一覧が表示される。気になるタイトルをクリックすると右側に内部ウィンドウとしてWebが表示される。

基本機能は今では当たり前のRSSリーダーと同じだが、少し違うのは、

・閲覧中のWebページを整列させて比較できる
・メモ欄がついていてユーザがコメントを書くことができ、
・メモつきでURLとタイトル情報をボタン一つで誰かにメール転送できる

という程度だろうか。一応ニュースチェックには今でも使えると思う。技術的には陳腐だが、これでも2001年ごろは情報が少なくてがんばって作ったのだ。

現在の代表的なRSSリーダーをふたつ紹介。

・Glucose
http://glucose.dip.jp/Zope
日本発の高機能RSSリーダー。トラックバック情報まで表示できる。P2Pを使った情報交換機能も実験的に搭載されている。

・Sharpreader
http://www.sharpreader.com/
米国製だが日本語も表示可能な代表的ニュースチェッカー。

そもそもRSSリーダーなんぞや?という方はこちら。ツール大紹介。
・blogを始めよう!!現在流行しているblogの魅力に迫る!
http://www.forest.impress.co.jp/article/2003/12/11/blog.html

■現在のRSSリーダーに欠けているもの

一応便利なRSSリーダーだが、個人的には不満も多い。登録するニュースサイトの数が増えて数万件もデータベース化してしまうと、情報洪水で、どれを読んでよいのか分からなくなるのだ。

これは私の例だけれどニュースサイトを登録しすぎてこんなことになってしまう。もう読めない。


sharpr02.JPGクリックで拡大

1 情報の意味のあるレイアウト表示

現状のRSSリーダーの一般的な表示はこんなかんじである。

これでは正直、大量のニュースを一覧できても、気になるニュースを見つけることができない。登録キーワードにマッチしたものだけを表示させる機能があるが、これでは新しい発見をすることが難しい。

紙の新聞は重要度に応じて記事の占める面積や配置、見出し修飾を慎重に選んで決めている。もしすべての記事が同列に並んでいたら、新聞も読む気がしないはずである。理想的なのは米国のGoogleNewsのように、言語処理のAIを使って、自動的に最適なレイアウトとデザインを作ることだ。

・GoogleNews
http://news.google.com/

2 オーバービュー&フォーカス(全体俯瞰と部分注視)機能

現状のRSSリーダーは、詳細な情報を見ようとするとBlogサイトを表示するしかない。これではウィンドウをいくつも立ち上げてWebを見るのと大差がなくなる。RSSリーダー内で見出しの発見から詳細記事の確認までを簡単に出来て欲しいと、感じる。大量の情報の全体と部分を見るインタフェースのことである。

上記2点に関係する研究を2つ紹介する。

■毎日のニュースチェックの効率化の研究

米国マイクロソフトリサーチは、巡回ニュースチェックの効率化について興味深い研究をしている。複数のニュースサイトから記事を1ページに集約したスタートページを数種類つくり、ユーザの使い勝手を評価した。

・Web Montage: A Dynamic Personalized Start Page
 Webモンタージュ:ダイナミックで個人最適化したスタートページ
http://research.microsoft.com/~horvitz/montage/montage-www.htm

本論分では、3つの仮説を検証している。

仮説1:ユーザは1クリックで巡回チェックしたい目的ページへ到達することを望んでいる。(コンテンツを発見する努力を最小化したい)

仮説2:情報を探す文脈に基づいたリンク情報とコンテンツ表示によって、巡回チェックを便利にすることができる。

仮説3:過去のアクセスのパターンから、以後のWeb閲覧行動を予測できる。
ユーザはランダムにページにアクセスしているわけではなく、一度見た信頼できるページを繰り返し訪問する傾向があると考えられる。

意外にもユーザに選ばれたのは、見出しリンクのみの最もシンプルなデザインだった。リッチすぎるスタートページは人気がない。また昼間はビジネス、夜はスポーツ記事を多めにするなど時間帯や、デスクトップ作業状態などに応じて内容が変わっても良いのでは?といった示唆がある。

■オーバービュー&フォーカス

・Detecting Web Page Structure for Adaptive Viewing on Small Form Factor Devices
http://www2003.org/cdrom/papers/refereed/p297/p297-chen.htm
p297-chen-01.jpg

RSSによるニュースサイトからの収集は基本的にページが単位である。しかし、ユーザは必ずしも1ページのすべてを必要としているわけではない。ここでは、PDAの小さな画面で、PC用のニュースサイトを手早くチェックするためのコンテンツ抽出技術が研究されている。このインタフェースはいいなと思った。情報全体と部分をいったりきたりできる。

私が欲しいニュースチェッカーはつまり、

1 複数のニュースサイトからニュースが集約されて
2 新聞のような意味のあるレイアウトと修飾が施されて
3 全体を眺めたり、個別記事を読んだりが容易にできる

というもの。早く誰か作ってくれないかな。皆さんはどんなニュースチェッカーを使いたいですか?。

■XMLビジネス白書をよろしく、Perlデータマンジングいいです。

ところで、この記事において頻繁にでてきたRSSというキーワード。私は先日発売されたばかりのXMLビジネス白書において、その技術の最新事情(ブログ利用)と歴史、統計、今後の展望について4ページの要約記事を書いている。興味のある方はぜひ読んでいただきたい。

・XML MAGAZINE Special Issue XMLビジネス白書 2004(翔泳社)

12章 WeblogにみるRSS/RDFの活用動向/橋本大也

それから宮川さんは、こんな書籍を翻訳されている。

・Perlデータマンジング―データ加工のテクニック集
4894715589.09.MZZZZZZZ.jpg

「データマンジング」とは、本書によると「あるフォーマットのデータを受け取り、その他のフォーマットに変換することすべて」を表す。例えばテキスト、CSV、HTML、XMLなどの相互変換の話である。私は発売日に買って以来、自宅のマシンの横に置いて参考にしている。多様な形式変換のバリエーションが、ここまでまとまって読める本は他に知らない。Perlで文書処理を行う人、Perl+XMLシステムの設計者必携。

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2003年12月10日

ブックマークの技術と可能性

■書籍のブックマーク

私は本で気になった部分を残して活用するには、

・読みながらページの上の端を、重要度に応じた面積で斜めに折り曲げる
- 重要なほど大きく折り曲げるのがポイント
・後日、折り曲げた部分を探して、気になった原文と考えをPCに書き出す
・メモのファイルは全文検索できるようにしておく

をしている。

この方法も完全に満足ではないのだが、

・本以外に用具が不要
・書き込むことで読む流れが中断されない
・いくつでも折り曲げることができる(栞やポストイットは有限の手持ち数上限)
・書き込みと違って折り曲げは発見しやすい

というメリットを感じている。

デメリットは、

・1週間以内にPCに書き出さないとなぜ折り曲げたのか分からなくなる。
- これが最大の面倒
・本に跡が残るので借りた本ではできない
- これは統計的に読み返し率は低いし潔癖症じゃないので自分のならOK

すべてのページにセンサーがついていて、折り曲げたり、ゆびでなぞった箇所は
帰宅後に、PCと本を近づけると、その箇所のテキストが書名やページ数などとと
もに、PCに無線転送されるといいのにな、と思う。

参考URL:

・「読書と電子ブック利用」についてのアンケート結果
http://www.ku-so.co.jp/result/2002/348/
発表電子ブックに期待していること第2位 電子栞。

・電子栞
http://www.c-seas.co.jp/NY/ad/19991121.html
American Honda Motorが1999年に使った広告表現。オンラインとオフラインの栞を融合。
・eMarker
http://www.neowing.co.jp/special/emarker/
ラジオやテレビで「この曲ちょっと気になるけど、何という曲だろう?」という曲をボタン一つでブックマークでき、後で楽曲データにアクセスできる。

■ブックマークの自動分類の技術

インターネットでは、書籍のページではなく、WebページのURLをブックマークする。ただ、私はブックマークの分類が面倒で苦手である。それよりは、ひたすら集める方が効果があると信じてブックマークを続けた結果、会社のメインマシンはブックマークが1列に2000件ほどある。スクロールで最下部へたどるまでに1,2分はかかる代物だ。

私の会社データセクションでは、ブックマークの自動分類には何年も取り組んでいる。普段使う調査向きのブックマーク情報は、その技術のデモサイトにだいたいあるからブラウザにはブックマークしていない。

・4im.net(データセクション)
http://beta.4im.net/index.html

関連検索と自動分類技術を使って1万件のマーケティング情報のブックマークをデータベース検索できる。ある情報と似た情報をクリック一つで検索できる。ブックマークに関連するキーワードも表示される。左サイドのカテゴリは自動分類で行われている。といえばサーバの応用例。現在はパートナーの小橋がソースとなるURLを手でクリッピングしているが、将来的にはWebからのロボット自動収集に取り組みたい。

ブラウザ上で、とにかくブックマークしたら、自動的に最適なカテゴリへ分類してくれると便利だという考え方もある。そういった研究が大学で行われている。既存のブックマークから人間の分類嗜好を学習して自動分類してくれるもの。実用化に期待。

・ユーザの趣味・嗜好を汲み取ったブックマーク情報の動的分類
http://www.muraoka.info.waseda.ac.jp/~shibata/thesis/FIT.pdf

・閲覧履歴を反映したコンテクスト依存型Webブックマーク
http://www.dl.kuis.kyoto-u.ac.jp/papers/2001/doc/dbweb2001_nakajima.pdf

■サムネイル、インクリメンタル検索で一層便利に

・MarkVisual Marks 1.2.1 (Freeware!)
http://www.6bytes.com/visualmarks.html
vmark-s1.gifvmark-s2.gifvmark-s3.gif

ブックマークすると、Webのスクリーンショットのサムネイルが撮られてURLと一緒に保管される。サイト名やURLが思い浮かばなくても、サムネイル一覧を見ることで必要なサイトを発見できたりする。そして検索にはインクリメンタル検索が実装されている。

インクリメンタル検索とは、文字入力が一文字あるごとにデータベースを検索しリアルタイムに検索結果を表示することである。

例えばブックマークに、

1 www.yahoo.co.jp
2 www.yoroshiku.net
3 www.yoiyoi.com

の3つのURLが登録されていたら、検索フォームに、「www.ya」まで入力すると(もしくは「ya」のみ」)、www.yahoo.co.jpが検索される。こういった機能はOutlookやBeckyの宛先入力でもおなじみである。MSIEにも履歴からURL自動補完する機能はあるが、このソフトの場合該当するサムネイルがビジュアルに候補表示されるので斬新である。

参考URL:
・Migemo フリーのインクリメンタルサーチエンジンソフト
http://migemo.namazu.org/

・神速の検索 X1.comの紹介。デスクトップでインクリメンタル検索
http://www.100shiki.com/index.php?20030911

■ブックマークをキーワードで検索、巡回チェック、ビジュアライズ

このソフトは便利である。差をつける(笑)ためのツールのひとつとして、私は何年か前に密かに使っていた時期があった。今では便利なツールが増えたのでインパクトは控えめであるが、高機能な巡回更新チェッカーである。

10段階評価や色分けで管理できたりと機能は豊富だ。一番便利に思ったのは、HTMLに含まれるメタタグからページのキーワードを収集して、検索できることである。タイトルからだけでは分からないサイトでも検索しやすくなる。

・Powermarks
http://www.kaylon.com/power.html
powermscreen35s.gif

LinkDriverは、リンクを先読みして履歴やサムネイルを表示してくれたり、リンクの構造をビジュアルな地図として表示するソフト。非常に意欲的。先読みと履歴のサムネイル表示を行うLinkDiver プラグインは無料でダウンロードできる。

・LinkDriver
http://linkdiver.mcon.ne.jp/products/index.html
browser_sorce_s01.jpg

参考URL:
・iBrarian
http://www.ibrarian.com/homepage.html
これも高機能なブックマーク、クリッピング管理ソフト。
・NetXtract
http://www.netxtract.com/
クリップした単語周辺をひとつの意味の単位記事としてデータベースへ登録。単語の頻度データなどをブラウザサイドバーに表示。

ざっと上記のような、先進的なブックマーク周辺のテクノロジーが登場しているが、ユーザはWebを使えば使うほどブックマーク情報も増えていく。パーソナルな知識ベースを作るうえで、ブックマーク技術はますます重要になっていくのではないかと考えている。

そういうわけで皆さん、最高のブックマークを交換するbest2003_banner.gif
をよろしくお願いします!この会議こそ究極のブックマークテクノロジーなのです。(?)。

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2003年12月05日

外来語言い換えプログラムとVBScriptのススメ

外来語言い換えプログラムとVBScriptのススメ

テーマが二つ。後半は技術チックな話なので興味ない人は飛ばしてください。

■外来語を言い換える

国立国語研究所が、こんなことを言っているのだ。


近年,片仮名やローマ字で書かれた目新しい外来語・外国語が,公的な役割を担う官庁の白書や広報誌,また,日々の生活と切り離すことのできない新聞・雑誌・テレビなどで数多く使われていると指摘されています。例えば,高齢者の介護や福祉に関する広報誌の記事は,読み手であるお年寄りに配慮した表現を用いることが,本来何よりも大切にされなければならないはずです。多くの人を対象とする新聞・放送等においても,一般になじみの薄い専門用語を不用意に使わないよう十分に注意する必要があります。ところが,外来語・外国語の使用状況を見ると,読み手の分かりやすさに対する配慮よりも,書き手の使いやすさを優先しているように見受けられることがしばしばあります

そして活動として、「外来語」言い換え提案を2回行っている。カタカナのよく使われる言葉に日本語を割り当てるわけである。2回で計114語の言い換えの提案が審議会で決定された。

・国立国語研究所「外来語」言い換え語等一覧
http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/Word_List/iikaegotou_dic.html

例えば、「アイドリングストップ」は「停車時エンジン停止」と言いましょう、だとか、「アナリスト」でなくて「分析家」であるとか、「シミュレーション」と言わずに「模擬実験」と言いましょう、といった具合である。だいたい納得できるのだが、「ノーマライゼーション」を「等生化」と言おうとか、「マルチメディア」を「複合媒体」にしてしまう、あたりは逆に分かりにくなりそうな気もする。

トレンド、バーチャル、リアルタイム、ログインなどなど、技術やITビジネス用語のオンパレードで、どういう言いかえを「有識者たち」は考え出したか、このリストは眺めているだけでも楽しめる。

■言い換えプログラム For Windows

リストを眺めているうちに、個別に読むだけでなく、実際に文章全体を変換して読んでみないと感触が分からないと思った。それで早速、変換プログラムをVBScript言語とHTMLで書いた。ダウンロードできるようにしたので、Windowsの方は試してみて、変換結果に対する印象を教えて欲しい。

・プログラムのダウンロード(動作にはWindows98/xp/2000、MicrosftInternetExplorer5.5以上が多分必要)
ここをクリックするとダウンロード

ZIP形式でファイルをまとめたので、解凍プログラムで展開してから、中にあるiikae.htmlをブラウザーで表示してほしい。後は使い方は分かっていただけると思う。多くの環境で表示や変換ボタンを押す際に、ActiveXがどうたらこうたらなどの警告が出ると思われるが、私を信用してOKを押して続行して欲しい。ま、原則at your own riskですが。

(追加:もしも動かない場合には、この記事の末尾を参照のこと)

例えばこのプログラムを使うとこんな風に文章を一発で変換できる。違和感なくこういう作文をできる自分もズレてるんだとおもうけれど...。


変換前変換後
グローバリゼーションとハーモナイゼーション
   ボーダーレス社会のグランドデザイン

現代は、政治、経済、社会、文化などあらゆるスキームで、グローバリゼーションが進んでいる。つながっていく世界のあらゆる組織と人々。あるシンクタンクのアナリストによると、大企業からベンチャーまで、多くの組織が、グローバルなビジョンをシェアしないと安定した成長は望めないと考えているのだという。

グローバリゼーションを支えているのはテクノロジーだ。多国籍企業のマーケティング部門のスタッフは、マルチメディアとバーチャルリアリティ技術を使ったオンライン会議にログインし、地理的なタイムラグなしに、パートナーシップ企業とリアルタイムにコミュニケーションを行う。他国のスタッフの情報にもアクセスしないと、グローバル市場の激しい変動をフォローアップできないからだ。

会議では、新しい製品コンセプトのプレゼンテーションや、インパクトのあるイノベーション戦略、支社で行われた戦略のケーススタディ、多国籍企業のスケールメリットのポテンシャルを活かしたアクションプランの策定などがアジェンダに登場する。こうして国境を越えて、インタラクティブで且つオンデマンドにコンセンサスを形成していく過程は壮観だ。何らかの未開拓のシーズが発見されれば、翌日には国際的なワーキンググループやタスクフォースが組まれて、スピーディな市場の動きにキャッチアップする。

もちろん、こういったグローバル企業の社員は世界時間に自分の生活をあわせないといけない。大抵はフレックスタイムが導入されているが、体内時間とのズレからくるメンタルヘルスの不調は自らをモニタリングしていないといけない。経営者は、こうした社員をマネジメントし、インセンティブとモチベーションを与える必要もある。

【地球規模化】と【協調】
   【無境界 脱境界】社会の【全体構想】

現代は、政治、経済、社会、文化などあらゆる【計画】で、【地球規模化】が進んでいる。つながっていく世界のあらゆる組織と人々。ある【政策研究機関】の【分析家】によると、大企業から【新興企業】まで、多くの組織が、【地球規模】な【展望】を【(1) 占有率 (2) 分かち合う 分け合う】しないと安定した成長は望めないと考えているのだという。

【地球規模化】を支えているのはテクノロジーだ。多国籍企業の【市場戦略】部門のスタッフは、【複合媒体】と【仮想】リアリティ技術を使った【回線接続】会議に【接続開始】し、地理的な【時間差】なしに、【協力関係】企業と【即時】にコミュニケーションを行う。他国のスタッフの情報にも【(1) 接続 (2) 交通手段 (3) 参入】しないと、【地球規模】市場の激しい変動を【追跡調査】できないからだ。

会議では、新しい製品【基本概念】の【発表】や、【衝撃】のある【技術革新】戦略、支社で行われた戦略のケーススタディ、多国籍企業の【規模効果】の【潜在能力】を活かしたアクションプランの策定などが【検討課題】に登場する。こうして国境を越えて、【双方向的】で且つ【注文対応】に【合意】を形成していく過程は壮観だ。何らかの未開拓の【種(たね)】が発見されれば、翌日には国際的な【作業部会】や【特別作業班】が組まれて、スピーディな市場の動きに【追い上げ】する。

もちろん、こういった【地球規模】企業の社員は世界時間に自分の生活をあわせないといけない。大抵は【自由勤務時間制】が導入されているが、体内時間とのズレからくる【心の健康】の不調は自らを【継続監視】していないといけない。経営者は、こうした社員を【管理 管理者】し、【意欲刺激 意欲刺激剤】と【動機付け】を与える必要もある。

#VBSはウィルス作成に良く使われるのでこのファイルは再配布はしないでください。
#コード的には最長一致検出がうまくできていないなどの未熟部分あり。誰か直して。

■VBScriptのススメ

技術職でなくても、テキスト一括処理、文書の一括変換であるとか、定型作業の自動化が、自分ひとりですぐできると非常に便利である。私はこういったデスクトップオートメーションに、長い間Perl言語を使ってきた。PerlはCGIによく使われる言語でテキスト処理に適している。しかし、Windowsや日本語処理との相性は必ずしも良くない。

そこで最近はVBScriptという、Windowsのみで動作する簡易言語に注目している。比較的習得が容易でありながら、WindowsOSのほぼすべての機能を自動化でき、ネットワークや日本語との相性も良い。なんでみんな使わないのだろう、と不思議になるくらい魅力的な言語だ。強力であるが故にセキュリティ上の問題があるのだが、個人でデスクトップで使う分には問題はない。

VBScript言語はマイクロソフトが.NET戦略により、主流から外した?せいか、書籍が少ない(同じ系統のVisualBasicやVBAやWindowsScriptingHostは書籍が多い)が、この本は非常に参考になった。

VBScriptハッカーズ・プログラミング―サンプルプログラムでわかる関数・ファイル・HTMLWindows操作のテクニック
la_vbs.gif

VBScriptは基本は簡単である。デスクトップに空のファイルを作成して、

msgbox 600*800

と書いて、test.vbsというファイル名で保存したものをクリックすれば、
vbssample01.JPG
こんな風に800×600の結果がメッセージボックスで表示される。とても簡単である。コマンドラインでもGUIでも動くし、WindowsのAPIへアクセスもできるのでかなり本格的なアプリケーションも開発できる。暗号化することでソースを隠してWebで公開することも可能であることはこの本ではじめて知った。

この言語、結構、仕事に使えるぞ。

参考URL:

・Windows Scriptオフィシャル
http://www.microsoft.com/japan/msdn/scripting/default.asp

・無料のVBScriptでXMLプログラミング
http://www.atmarkit.co.jp/fxml/rensai/msxml01/msxml01.html

・VBSのお勉強
http://sapporo.cool.ne.jp/avg/vbs/
以下は某高校の2002年度2年数学Bの授業で使った教材です、とのこと。それが無料なんだからお得。こういうのはどんどん公開して欲しい。


■補足:もしもこのプログラムが動かない場合には??

動かない場合はメールでご報告ください。。お返事はできないかもしれませんが修正が早くなります。なお、このブログのコメントスペースでバグ対応はできませんのでよろしく(汗)。

1 応急対処法

この記事を公開直後、多くの環境では動くようですが、「データファイルがありません」と表示されてしまうエラーで動かない方がいるようです。

応急対処法としては、少しややこしいのですが、ファイル内のiikae.vbsをメモ帳などで開いて、4行目の行の値を以下のようにdata.txtに対する絶対パスに変更してください。(絶対パスの意味が分からない方は、とりあえずiikaeフォルダをCドライブの直下において以下の通り修正してみてください)。それでも動かない場合には、少々お待ちください。

iikaebugfix01.BMP

2 VBScriptに詳しい方、力をお貸しください

VBScriptに経験のある方、教えてください。修正案についてはコメント欄にいただいても大歓迎です。起動時のカレントディレクトリが環境によって異なることが原因のように見えますが、VBSはまだ私もはじめて日が浅いのでよくわかりません。修正できる方いたらどうかよろしくお願いいたします。

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2003年12月04日

マイクロソフトが無料Blogサービスを開始 The Spoke

とにかく情報が速いリンゴラボにおける我がボス、加藤代表から教えてもらったサービス。なんとマイクロソフトが主に学生向けにWeblogのホスティングサービスをひっそりと開始していたようだ。誰でも登録して自分のブログを持つことができる。

・TheSpoke
thespoketitle01.JPG

特徴は、

・リッチエディット環境で記事編集ができる
   この機能は素晴らしい。MS Wordのような文字修飾が可能。他のアプリケーションや、ブラウザーから範囲コピーしたデータを貼り付けると、MS Officeのようにリッチ情報のまま貼り付けができ、公開できる。他の記事のテキストや画像を引用する際に編集しなおす必要がないので便利である。

thespoke01.JPG

なお、日本語は編集画面でフォント選択にないために、本文が文字化けしてしまうようだ。タイトルは化けない。これは日本語対応は簡単なはずなので、サポートにメールしてみるとあっさり、使えるように修正してもらえるかもしれない。

・メンバーモザイク

こんなかんじでプロフィールに登録した写真がランダムに合成されて、気になった顔を選ぶことでブログを見つけることができる。
membermosaic01.JPG


・ニュースフィード機能

RSSで公開されている他のブログやニュースサイトを登録して自分のブログ内にリンクを表示できる。RSS2.0にしか対応していないので若干まだ不便。

・ブログリーダー

ニュースフィード機能で登録したニュースサイトをWeb上で一覧できる。これは便利。ある意味はてなアンテナみたいなもの。

・最新ブログ一覧

What's Going Onという一覧ページ。TheSpokeの最新登録記事を読める。

・掲示板

分野別掲示板が用意されている。

さて、この謎のマイクロソフトのブログサービス。クレジットに、Copyright 2003 Microsoft Corporation. All Rights Reserved. Version:1 Build:012 Machine: 30 とあるからマイクロソフトには間違いない。同時に、Hosted for Microsoft by Smooth Fusionとある。調べてみると、ホスティングしているのは、

・Smooth Fusion
http://www.smoothfusion.com/default_flash.aspx

この会社であり、マイクロソフトの教育関係者に向けた開発情報サービス、マイクロソフトアカデミックアライアンスを運営している。この学生、教育関係者向けのコミュニティサービスのひとつとしてTheSpokeは位置づけられているようだ。

.NETテクノロジーで開発されており、将来的にはMSNメッセンジャーやWindowsそのものと統合することもできそうな感じ。マイクロソフトのブログへの進出の兆候としてちょっと目が離せない。

で、早速英語版のBlogを作ってみた次第。

・Passion For The Future2(英語版)
http://www.thespoke.net/MyBlog/daiya/MyBlog.aspx

そういうわけで、今日の記事は英語版の方でお読みください。

#開設した早々にフィリピン人の大学生からこんなコメントが。。。

hello! Opensouce guy! Just browsed through you post from the "What's going on?" link! heheh hm... pretty interesting... OpenSource WebDesign...because a lot of people are hiding how they do special effects in their websites..specially flash websites!

おほめいただくのはうれしいが、Opensouce guy!ってわけでもないんだなワタシ。うっかりファンがつくと、英語版も更新しなきゃいけない羽目になりそで怖い。

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2003年11月30日

アウトプット、サブアセンブリ、非マルコフ、Blogの流行の秘密

■知識のサブアセンブリ化と知的作業の効率

何かを考えてそれをアウトプットにする。このBlogもそんな作業のひとつであるが、個人の情報処理プロセスで重要なものとはなんだろうか。考えてみた。

先日、ノーベル賞学者のハーバート・サイモンの著書を読んでこんな記事を日経BPの連載で書いてみた。一般システム論のいうサブアセンブリについて、知識のサブアセンブリとして再発想してみた。

・知識のサブアセンブリ
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20031118-01.htm

大雑把に自分で要約をかけると、「知識を再利用できる中間部品(サブアセンブリ)でたくさん持っておくと、効果的なアウトプットを出しやすくなる」という当たり前な話である。具体的には、サブアセンブリを作り、活用するには、以下のような作業をすることになるだろう。

・サブアセンブリ化の作業
    文書化しておく
    要約しておく
    表や図にしておく
    断片をメモに残しておく

・効果を高めるための作業
    共有、再利用しやすくしておく
    すぐに取り出せるようにしておく
    概要を記憶しておく

■アウトプット表出するか、しないかは天地の差

作るものが最終アウトプットとしての文書であれ、中間部品としての知識サブアセンブリであれ、アウトプットとして表出するか、しないかは結果に大きな影響を与える。頭で考えたことがあるだけなのと、メモや文書にまで仕上げたことでは、その結果に天地の差がある

企画書でも論文でもメールでも、何かアウトプットを作成しようとするときに、私たちは、何度も、考えをまとめたり、調べたりする。次のプロセスへ進むか止めるかの判断を繰り返していることになる。もし、思考を途中で止めてしまうと、アウトプットは作られない。(図参照)。

当然のことだが、

・提案されなかった企画は発注されない
・発表されなかった論文は評価されない
・書かれなかったメールは反応が返ってこない

わけだから、以下の図の、赤のライン、アウトプットとして表出するラインを超えるまで、思考プロセスを持続することが重要と言える。「やめる」で放棄してしまうと忘却されてしまう可能性が高い。

img031201_1.JPG
では、このワークフローの赤のラインを超えやすくするにはどんな要素が関係しているかを考えてみる。

■ナレッジベースの充実度=知識サブアセンブリの蓄積量

ナレッジベースとは、知識や情報の集積である。実体は、ポストイットを貼り付けたスクラップ帳であったり、データベースやイントラネット掲示板、メールフォルダやブックマークであったりする。純粋に脳の中にしかない、という人も多いだろう。(私が提案するパーソナルナレッジベースは過去記事参照)。

ナレッジベースの質を決める大きな要素は、そこに蓄積される、サブアセンブリの量と質である。

私の定義では、テンプレートと知識サブアセンブリは異なる。テンプレートは器である。これに対して、知識のサブアセンブリは、もっと相対的に強く文脈に依存したものを私は意図している。数学で言うならば、公理や定理ではなく、実際の数字の入った式のことである。統計白書に書かれている全体の傾向ではなく、新聞の記事になるような、ある町で起きたある特徴的な事件のことである。

文脈に依存した知識には次のような特徴があると考えている。一般的な企業で個人や組織がビジネス用途に活用するという条件を想定している。

・記憶から想起しやすい
    人間の記憶の特性から、細部の記憶があるほど想起しやすいことが以前紹介した本にも書かれている。

・同じ仕事では使いまわしがしやすい
    人や会社は、職業や社会的役割を演じ続ける限り、同じような問題に繰り返し遭遇し、同じような知識を必要とすることが多いはずである。

・意味を汲み取りやすい
    「こういった仕組みは7割の確立で失敗する。」(テンプレート)
    「A社、B社、C社はこういう仕組みで何年度に失敗し何億の損失を出し
た」(サブアセンブリ)

ふたつの形式知識を並べてみると、後者のほうが、意味を汲み取りやすいだろうし、経験のあるビジネスマンならば一般化も容易なはずだ。逆に前者はミスリーディング知識になる可能性がある。

こうしたサブアセンブリを整理しておくことが、アウトプットの赤のラインを超える確率を高めるひとつめの要素と考える。他には思い入れと心理ハードルが関係する。

■思い入れを強める、心理ハードルを下げる

マラソンで息が切れてしまった。体力はぎりぎりだ。さあ、どうしよう?。そんな状況での判断は、現在自分が走っている位置や過去の苦労の量によって大きく左右されるものと思う。走り出して5キロならば棄権することが多いだろうし、40キロまで来ていれば、無理してでもゴールまで走るだろう。

過去に同じことをやりとげた経験も意思決定に関わる。過去の経験からくる自信や蓄積したノウハウは、続けようとする心理ハードルを下げていく。また、既に終盤にいて、途中で何度も、そんな判断を乗り越えてきたのであれば、なおさら、あと一息で完走の判断を下すはずだ。

知識の表出もマラソンに似たところがある。過去の判断の積み重ねの記憶とゴールの近さは、アウトプット実現の可能性を高めていると思う。つまり、次のような思い入れと心理ハードル効果が働くからである。

1 ゴールが見えていて、もう少しで完遂できそうだ
2 過去の経験や知識を使って容易にできそうに思える
3 ここまでの苦労は長かった。諦めたくない。

■知的作業は非マルコフ過程

物理学の概念でマルコフ過程という考え方がある。過去の選択が未来に影響しないプロセスのことを言う。例えば、毎回違う人とじゃんけんをするシーンを思い浮かべてみる。同じ人とじゃんけんをするのと違って、毎回の指し手は、同一人物のクセから学ぶことができないので、何を出すかは過去の経験に依存していない。これがマルコフ過程である。

逆に同一人物と連続してのじゃんけんは、相手の手の内を読めるようになってくるから、指し手の意思決定に経験が影響し始める。将棋や囲碁のように、前の手が次の手に影響する場合はなおさらこの傾向は強くなる。これが非マルコフ過程である。

人間の知的作業は、一見、マルコフ過程のように見えることはあっても、実質は非マルコフ過程のはずである。それ以前のプロセスが、思い入れの強さや、作業を容易にする知識サブアセンブリを準備している。

従来のITの知的作業支援ツールは、人間の思考をマルコフ過程と捉えてしまった設計が多いように思われる。何度も最初から入力しなければならなかったり、過去の努力が再利用しにくかったり、今やっている作業が、あとどれくらいで終わるのか、全体の作業量が見えにくかったりする。

■知識ツールに求められるもの、情報ブリコラージュの技術

こうした仮定の知的作業を支援する知識ツールに必要な要素が分かってくる。

・サブアセンブリが自然に作られやすいこと
    情報収集した内容が低い入力コストで蓄積できる
・蓄積したサブアセンブリを容易に検索できること
    全文検索、概念検索、俯瞰と部分注視の機能があること
・思考プロセスの心理ハードルを下げること
    簡単にできそうだ、あと一歩で終わりそうだという示唆
・アウトプットが見えやすいこと
    WYSIWYG(What You See Is What You Get)的ツールは適している
・思い入れの強化
    今までこれだけがんばってきたじゃないか俺、という念を強める

このBlogでも紹介してきた、Wiki、はてなアンテナ、関心空間、Weblog、紙といったツールは、これらの条件を少し多めに満たしているように思われる。だから、昨今、Blogは流行しているのだとも思う。単に日記アプリが流行しているなあと思って終わらせるのではなく、情報アプリケーション設計者は、この成功例から学ぶことが多いはずである。

手持ちのツールと知識で手早く目的を達成する知的作業のことを私は以前の記事で、情報ブリコラージュと定義した。サブアセンブリとブリコラージュは密接な関係にあるとも考えている。ITツールを使って知的作業を進める上で、デジタルならではの非マルコフ的な人間思考の支援を考えていくべきなのではないか

・情報ブリコラージュの時代
http://sentan.nikkeibp.co.jp/mt/20031007-01.htm

#今日の記事は、伝播型流通貨幣PICSYプロジェクトの鈴木さん、コミュニティアライアンス戦略の佐々木さん、コミュニティエンジンCEOの中嶋さんとの対話から刺激を受けて書きました。サブアセンブリの結晶化と発想拡大を助けれくれる皆さんに感謝。

#毎日書くために、気をつけていること:

・頭の中で文章になるまで諦めずに考えてから、考えるのをやめる。
・考えた文章はとにかくメモする
・本を読んだら必ず要約する

を徹底することが私の今の課題です。文章化やメモ化する以前でやめてしまう思考はほとんどムダになるので、とにかく表出し、デジタル化と検索可能化もしておくといいなあと思っています。自分自身の情報術?らしきものから、企業のナレッジマネジメントへと応用できる理論を模索している中、今日の記事を考えましたが、うーん、まだまとまってないなあ。ご意見求む。

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2003年11月24日

フォント考、印象の良さ、強さ、周辺ビジネス

■印象が強く、良いイメージを与える文字とは?

編集・出版業界以外のビジネスマンにとって、フォントは予めPCに入っているものを使うという意識が強いと思う。プレゼンテーションや、印刷時に、どのフォントにしようかな?と迷うくらいのつきあいのものだ。フォント自体の表現力について普段は詳しく考えないことが多い。字は人を表すともいうから、そこには何か科学があるんだろうなと思っていた。

そこを研究している認知心理学の論文があった。図形や文字のパターンには、視覚をひきつけるエネルギーの誘導場が存在していることが、認知心理学の分野で証明されているとのこと。

・視覚の誘導場
http://www13.0038.net/~nagaishi/
・視覚の誘導場による感性評価
http://www13.0038.net/~nagaishi/cog2003.pdf

このひきつけるエネルギーは、実験結果から、この概念図のように、文字の内側が一番エネルギーが強く、外側へ行くほど弱くなる、そうだ。

myfonts02.JPG

↑(a)がここでいう誘導場

この実験の感性評価では、図形と文字の「パターンの良さ」「印象の強さ」が計測された。ここでは、誘導場の形状が円形に近いほど「良い」印象を与え、パターン全体の潜在エネルギーが多いほど「強い」印象を与えると考えられている。

図形ではこんな説明がある。


交通標識でよく使われる正方形と円のポテンシャルエネルギ−が大きい.正三角形のポテンシャルエネルギ−は,正方形や円ほど大きくないが,複雑度が非常に大きい.したがって,正三角形は図形としての印象はやや弱いが,「良さ」は低く背景との違いが目立つと推測される.実際,正三角形は注意や警告を発する交通標識に使われている

一方,正方形や円は,ポテンシャルエネルギ−が大きいので図形の印象は強いが,複雑度が小さく図形の良さが高い.実際,速度や方向など数字や矢印などで細かな情報を伝える交通標識に使われている

この論文は文字について結論していないが、私の理解では、整っていて、すっきりした筆跡が、印象が良く、強い文字であるということになりそうだ。ということは、フォントの工夫によって、目に留まりやすかったり、書いてある文章が好意的に受け取られる可能性があるわけだ。

フォントの研究というと、見易さの研究が多いけれど、好き嫌い、目立つ、説得力がある、信用できるなどの感性と結びつけて考えるのは面白い。応用すると、

・愛の告白フォント
・謝罪フォント
・イベント呼びかけフォント
・威圧クレームフォント
・ごますりフォント

など、適性のあるフォントを用意して、メールの本文に応じて自動的に最適なフォントが選ばれるメールソフト、なんてできたら、買う人いないだろうか。

■自筆のフォントをつくる

自筆フォントを作成してくれるビジネスやソフトウェアがある。テクノアドバンスのMyFontは、指定された用紙に200文字程度の文字を書いて郵送すると、その筆跡パターンから4000文字分のフォントを合成して、PCで使えるフォントファイルを作成してくれる。納期1ヶ月程度で29800円。なお、メールやWebの利用なら、相手が同じフォントを持っていなくても自動ダウンロードさせるWebFonts技術も採用されている。

イーストのおれん字はパッケージソフトで、自分で200文字程度の文字を用紙に書いてOCRで読み込むと、自宅で6524文字を合成できる。9800円。

3つ目の手書きフォントメーカーは、既存のフォントを読み込んで手を加えることができるフォントエディタ。フリーソフト。

・自筆フォントMyFont(テクノアドバンス)
http://www.techno-advance.co.jp/

・おれん字(イースト)
http://www.est.co.jp/orenji/index.html

・自分流フォントを作るときの道具「手書きフォントメーカー」
http://www.forest.impress.co.jp/article/2003/11/05/dogubako106.html

活用例としてこれは良いなと感動したのが、兵庫県のとある小学校の6年生全員の自筆フォントを作成した「ぼくらのフォント」プロジェクトだ。子どもたちに1200字の文字を書かせて、それを印章を扱う会社が手でフォント化したとのこと。このクラスの子供同士のコミュニケーションは、メールに自分の色が出せて、きっと楽しいだろうな。

・クラス全員フォント化計画「ぼくらのフォント」
http://www.hakusyu.com/bokura/index.html

ここからは関連リンクの紹介。

■高級なフォントと書体ビジネスの世界、リンク集

・大日本スクリーン 千都フォントライブラリー
http://www.screen.co.jp/ga_product/sento/products/pr_TrueType.html

高級フォントの代名詞であるらしいヒラギノフォントの販売会社。見てみると結構普通ですね。高いからって字体が高級感があるわけではないのだなと結論。

でも、高いフォントはもっとあるらしい。

・クリエイターズ・フォント「有矢無哉」金6万円也
http://www.windam.co.jp/ariya-nashiya/index.asp
・有矢無哉の筆文字フォント「大和撫子」金6万円也
http://www.windam.co.jp/product/jbox/index.asp

2003年10月販売開始予定。第一水準3600文字に対応。とのこと。ぜひクリックして見てください。素晴らしい日本の筆致。こんなフォントでお礼や挨拶を書いたら、気が引き締まりますね。

・今昔文字鏡
http://www.mojikyo.org/html/index.html

収録文字数は約12万字で日本最大のフォント。諸橋轍次著『大漢和辞典』(大修館書店刊)に収録される約5万の見出し漢字がすべて収録。価格 28000円也。

・フォント千夜一夜物語
http://www.jagat.or.jp/story_memo_view.asp?storyID=1476
・書体と文字のWebMagazine
http://www.jiyu-kobo.co.jp/mm/mojimaga.html

「フォント千夜一夜物語」はフォントとそのビジネスの世界について、エキスパートが語っているコラム集。フォントの発祥や戦争、技術の進歩や作成のノウハウについて、読み応えのある記事が並ぶ。書体と文字のWebMagazineには書体の大家の昔話。

■こんなフォントもある、リンク集

・トンパ文字
http://www.chokanji.com/cktompa/
一時流行した象形文字のトンパ文字。TRONのOS超漢字上で使える。「超漢字メールをつかえば、「超漢字トンパ書体」を使う人どうしで、トンパ文字を含む文章をそのまま電子メールとして送ることができます 」とのこと。そもそも、そういうユーザが存在すれば、ですが...。

・かなヒエログリフ変換
http://ueno.tv/~moji/php/kana_hrg.php

かなを入力すると古代エジプト象形文字に変換してくれる。「はしもとだいや」はこんな感じになるそうだ。
hrg.png

・MyFonts.com
http://www.myfonts.com/Search?searchtype=adv_fonts

3万種類以上のフォントを検索できサンプル表示が見られる。価格で検索できるのが面白い。なお自作フォントを販売することもできる。販売価格の35%がMyFonts.comの利益になるビジネス。

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2003年11月22日

プチ情報テロとSmall World Technology

先日の「つながりの科学」続編。

■「情報テロしたくなるときがあるんですよ」:プチ情報テロの誘惑

先日、あるブレインストーミング会議で、女性の参加者がこんな意見を話した。「私、ときどき、インターネットで情報テロってしたくなるんですよ。」。私も同じようなことを考えたことがあるので言いたいことはすぐに分かった。

プチ情報テロをしたいのである。思い入れの強い企画やイベントを計画したときに、この情報を、とても広く伝えたいと思うことがある。何万人、何十万人かそれ以上の人数、つまり世界中にこのメッセージを伝えたいというときだ。年に1回くらいは誰しもあるのではないだろうか。

人は日常は、小さな世界、つまり知人・友人のネットワークの中に暮らしている。自分でメディアを持ったり、マスメディアに意見を書く人は少数である。大抵は、多くて数人の親友と数十人の友人、100人くらいの知り合いという小さな世界と向き合っている。

プチ情報テロは、誰しも、できないこともない。例えば、2ちゃんねるに「これってどうよ?」とスレッドを立てるとか、ゴシップ風記事に仕立てて大規模なMLに投稿するような手法だ。

■突発大規模オフ、FlashMobs現象

日本では「突発大規模オフ」、英語で言うなら「FlashMobs」現象はまさにそんなプチ情報テロの例だろう。特定の日時と場所でまったく同じ行動を起こそうという約束を、匿名コミュニティで行って、実際に実施する行動である。

数百人規模で成功した事例として私が知っているのは、

・江の島清掃
あるテレビ番組で江の島(神奈川の観光地)の浜を清掃する企画を察知した2ちゃんねる住人たちが、その番組の前の日に現地に大集合して、浜をキレイに清掃してしまった。テレビ側は、撮影当日ゴミのない浜を掃除しているフリをせざるを得なくなった。

・牛丼屋で大集合
これも2ちゃんねるで、示し合わせた集団が特定の牛丼店舗に同時集合してまったく同じややこしい注文を行った。その結果、店舗はマヒしてしまい、「2ちゃんねるお断り」の店も現れたとか。

・広島折鶴
広島の平和公園で数十万羽の折鶴が不届きな学生によって放火で消失。これを嘆いた2ちゃんねる住人らが、日本中に呼びかけて折鶴を100万羽くらい集めて寄付。あっという間の出来事に公園側も嬉しく驚くが、最後のオフ会で主催者らが公園で悪ふざけ。賛同者たちからつるしあげをくらう。

だが、現状は上記のような、情報テロを普通の人が仕掛けるにはリスクがある。やみくもにやれば社会的信用を失うかもしれないし、確実に意図が伝わる保証もない。それに情報テロを仕組む人が、社会に増えてしまうと、膨大な数のテロメッセージの中に埋もれてしまい機能しなくなる。

・同じサーバの同居人Shima氏の関連記事(この記事のアイデアはこの記事から発想しました。感謝。)
http://www.ringolab.com/note/shima/archives/000433.html

・Flashmobs(海外での事例)
http://www.flashmob.com/

■小さな世界とはどんな世界か

Stanley Milgramというアメリカの社会心理学者(故人)がいる。「小さな世界」について研究した最初の学者で、知人に荷物を適当に郵送しあって目的の人物にたどり着く確率を調べる、そんな実験をやっていた研究者だ。1960年代の彼の業績が最近、ネットで注目されている。

・インターネットは「狭い世界」を検証できるか
http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020131206.htmlここでは「狭い世界」と訳されている。

・ Stanley Milgram
http://www.stanleymilgram.com/

Hotwired記事で紹介されているようにネットワーク上の小さな世界についてはコロンビア大学で研究されているプロジェクトがある。参加者がメールを知り合いに送ることで、予め決めた世界の19人(Hotwiredの記事の20人は恐らく間違い、論文が正しいはず)にどれだけ伝達されるかを計測する実験をしている。171カ国、6万人で試した結果、19人に伝わるまでに、国内なら5人、国外では7人経由して到達することが分かった。まさにSixDegreesだ。

・Small World Research project
http://smallworld.columbia.edu/

次のNASAにおけるレクチャー資料が小さな世界を考える上で参考になる。極めて的を得た要約。以下私の超訳。

・Networks, Search, and TheSmall-World Problem
 ネットワーク、検索、小さな世界問題
http://shemesh.larc.nasa.gov/Lectures/OldColloq/WattsColloquium.pdf

1人に100人の知り合いがいれば、100×100で1万人とつながっている。5人をたどると100の5乗だから100億人、世界人口をカバーする。5人の友人をたどれば、全世界の人間が知り合いといえる。

しかし、Milgramの推測はランダムに人間がつながっていると仮定していたから単純すぎる。現実の人間のつながり方にはふたつの特性があると指摘する。

1 Homophily
類は友を呼ぶ。似たもの同士がつながっている。
2 Triadic closure
あなた、私、第3者の3人の関係がランダムよりは近いということ。

つまり、人脈のつながり方は、均等にランダムではなくて、大小のありがちなパターン(超意訳、詳細は原文参照)で存在しているということだ。有名人同士は意外に知り合いだったり、異業種でも関心の近い人が群れる会があったり、人脈の広い人徳者を介して多数の人がつながっていたりする。だから名刺交換をしながら共通の知り合いを発見して「世界は狭いですねえ」というのだ。

この論文では、「社会的距離」を数学的に計算する方法と、戦略を提案している。地域と職業は特別なパラーメータとして見ているようだ。地域が近い、同じ業界の会社だ。いろいろな次元での近さがあるけれど、そういう多次元のネットワークの中で最小の距離こそ、社会的な距離である。純粋に数学的なネットワークと比較して、人間のネットワークは、かなり異なっているのではないか、と検証されているが、まだ完全な結論は出されていない。インターネットの人脈は、規模が拡大しても通信コストが変わらない「スケールフリー」なネットワークなのかどうか、だとか、人はネットワークをどれくらいグローバルに知ることができるのか、といった仮定が討論されている。

■宛先は「それを必要としている人」へ

小さな世界で最もうまく機能する戦略、つまり「情報テロ」活用術が分かれば、私たちはやみくもに見知らぬ他人にメッセージを送ったり、2ちゃんねるに不確実な爆弾投稿をしかける必要はなくなる。

世界中の「それを必要としている人」へ、信頼できる人同士のネットワークで情報を送ることができるようになる。受け取る側も信頼できる人から、そのメッセージを受け取ることになる。次世代のメールは個別の宛先に送る以外に、To:「それを必要としている人」という宛先オプションが現れるかもしれない。

そうすると、(最近の私の悩みでもある)以下のような問題が解決できる。

・告知したいプレスや関係者のリストをメンテナンスする手間
・小規模なメーリングリストにたくさん参加しないといけない状況
・毎日たくさんのスパムメール
・メールでの紹介(照会)のやりとり
・ビジネスアイデアを思いついても誰に送ればいいか分からない状況
・情報テロをやりたいだけやっても怒られない、むしろ褒められる

■アプリケーション

小さな世界の現実的な応用を考えてみる。私の案としては、以下の二つではないかと考えている。

1 メールサーバ+FOAF = 企業人脈サーバ
企業のメールサーバのやりとりから、社内の誰と社外の誰がどの程度の頻度でつながっているかのデータベース化。アドレス帳から役職や名前データを取り出し統合。営業、広報、提携先探し、メール配信など渉外業務に役立てる。(FOAFは過去記事参照)

2 名刺+RFID(ICタグ)= 個人人脈サーバ
ICタグの埋め込まれた名刺を会社の専用名刺入れに入れると、リーダーが読み取って、個人の人脈データベースを構築する。その前後で交わしたメール内容も一緒に保存されるので、何の案件や関心を持った人なのか、記録も残る。この人脈データベースを使えば、必要なときにTo:「それを必要としている人」メールができる。

また、現実には小さな世界に投資を始めた人もいる。人材紹介会社に応用している事例だ。名門のベンチャーキャピタルが動いたのは興味深い。

・信頼を紹介する会社、米LinkedInに米Sequoia Capitalが470万ドル投資
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/13/1114.html

その他、小さな世界は、SARS対策や文書からキーワードを抽出する技術、Webからトレンドを発見する技術にも応用されつつある。非常にトレンディなテーマだ。他にどんなアイデアがおもいつくだろうか。

・「狭い世界」現象をSARS対策に応用する研究者たち
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030603305.html

・Small World 構造に基づく文書からのキーワード抽出
http://www.miv.t.u-tokyo.ac.jp/papers/matsuoIPSJ02.pdf

・Webの“トレンド”を発見する新手法をコーネル大学教授が提案
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0219/trend.htm

・過去関連記事:つながりの科学
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000406.html

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2003年11月17日

バルマー講演で気になったことを調べてみたらMyLifeBits

今日はマイクロソフト社CEOのスティーブ・バルマー氏が、早稲田大学大隈講堂で講演を行ったので聞きに行った。内容はマスメディアで報じられているので、ここでは個人的に気になった部分を話したい。

【バルマーだらけになったITニュースサイト】
・MicrosoftのバルマーCEOが早稲田大学で講演
〜セキュリティ分野の人材育成で提携
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1117/ms.htm
・スティーブ・バルマー、「これからも思いがけないことが起こる」
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20062040,00.htm
・米マイクロソフトCEOスティーブ・バルマーが早稲田大学で講演!
http://ascii24.com/news/i/topi/article/2003/11/17/646920-000.html
・マイクロソフトが早稲田と“提携”、セキュリティ分野の人材を育成
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/NC/NEWS/20031117/136536/
・MSバルマーCEO、早大で「コンピュータが実現する10年後はエキサイティングだ」
http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0311/17/epn12.html

これからの10年のITのビジョンを、バルマーは腕を振り上げたり、歩き回ったりの、力強い身振りで語った(関係者曰く、今日は控えめで普段はもっとジェスチャーが激しいらしい)。重要な技術として「XML/Webサービス」「セキュリティ/TrustWorthyComputing」「情報主体のソフトウェア」などが強調される。

20年後の世界に本はない。すべてが電子化されている」と断言してみたり、「将来1億台のPCが世界で使われるという話に私とビルは「ありえない」と笑ったけど今はそれ以上だ」とおどけたり、表情豊かなプレゼンで、聞き取りやすい英語に翻訳機を外している学生の方が多かったように見えた。MS社の新しい戦略について聞けたわけではないのだけれど、バルマーの人柄がわかって満足できる講演だった。(頭よさそう。当たり前か。)。

プレゼンの中で、「ある教授が生活のすべてをキャプチャーして研究している」話が出てきた。とてもそのくだりが気になったので帰宅後に調べてみた。

ここからが今日のコラム。

おそらくバルマーが話していたのはこの研究のことである。

・Living with a Lifetime Store(生涯記録装置のある生活)
http://research.microsoft.com/~jgemmell/pubs/UEM2003.pdf

The MyLifeBits systemは、デジタル化可能で価値のある個人の生活をすべて記録するシステムだ。1945年にVannevar Bushが提唱した伝説の情報端末Memexを参考に、現代のテクノロジーを応用して設計されている。ユーザは、24時間、身につけたビデオカメラや音声レコーダーや各種センサーによって、生活のすべてを記録される。

この論文では、まず最新の一般ユーザは80ギガバイト程度のハードディスクを持っている仮定して、おおよその人間の生活の情報量をハードディスク上に記録するとどれくらい入るかを見積もっている。

・100電子メールメッセージ/1日 (5KB/1通)
・100webページ/1日 (50KB/1ページ)
・5ページのスキャンされた紙 (100KB/1ページ)
・1冊の本/10日 (1MB/1冊)
・10枚の写真/1日 (400KB/1枚)
・8時間の音声記録/1日(8KB/秒) 電話や会議内容含む
・1枚の新譜CD/10日(45分、128KB/秒)

この調子で、記録を続けると約5年分で80ギガバイトになるそうだ。もしもギガの上の単位で業務用記録装置として使われる「テラ」バイト級ディスクを使えばさらに60年分が記録できる。一生の記録を残すことが可能になってきているということだ。

驚くのは、ここまでは、今の技術で既に可能ということだ。やろうと思えば一般人でも普通のPCと、電気街に行ってセンサー類を加工すれば同様のシステムは構築できる。

逆にユーザが1テラバイトのディスクを持っているとしてこれを1年で埋め尽くすにはどのくらいの情報を記録できるだろうか。それを計算したのが次の表だ。

1データのサイズ1テラバイトに収納可能な上限1日あたりの記録数
写真 (400KB)270万枚7354枚
文書(1MB)100万文書2872文書
音声(128Kb/秒)18600時間51時間
ビデオ(256Kb/秒)9300時間26時間
高画質ビデオ(1.5M/秒)290時間4時間

そう遠くない将来現れるはずの100テラバイトのストレージがあれば、100年分、つまり生涯の情報をすべて記録できる。人間が亡くなる前に人生が「走馬灯のように」再現されるというが、文字通り、人生の記録を早戻しで眺めることが可能になる。

読んだ本、聞いた話、話したこと、行った場所の風景、出会った人の顔、すべてが記録される。ヒトの記憶にはないことも、記録には残る。身体に運動や体温センサーをつけていれば身体の中の動きまでもが保存しておくことが出来てしまう。

すべてのデータは映像解析、音声認識や顔認識、テキストの意味解析などの判断技術により意味を付与される。そして、Logical Data Structure(LDS)という形式で、関連付けられる。「写真の中のAさん」「IT戦略会議のキャプチャー映像」「Bという本に含まれていたページ」といった具合にメタデータのデータベースが構築されるのだ。そして、それらのデータはクラスタリング処理されて、類似関連したデータをすぐに検索して取り出せるようになる。

mylifbits01.JPG

例えば、この10年間の毎年の誕生会に集まったメンバーの、10年分の写真を取り出して、1番良く来てくれた人の電話番号を調べたい、などという、今は手間な事柄も一瞬で調べられたりするわけだ。

研究者グループはThe MyLifeBits systemは検索システムとして、既にパワフルだが、さらに「私の個人秘書」に進化させていこうとしている。人間が情報を理解し、整理するのを支援するエージェントだ。文書の類似性の検索技術や、顔の認識技術が重要なキーになるだろうと結論している。

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2003年11月16日

インターネットの匂い:Smell Over IP

昨日の記事で、情報の匂い(scent)について触れた。今日は比喩的な意味ではなく、嗅覚を刺激する匂いとインターネットの話。

焼き鳥屋や、うなぎ屋の前を通ると強烈な匂いが漂っている。空腹の時にはついつい吸い寄せられてしまう。景気の良い呼び込みの声や、メニュー写真程度では、そこまでのシズル感は起きない気がしている。匂いというのは五感のうちでも、本能に近い部分に働きかけるアトラクターと言えそうだ。生唾が出てくる。室内空調があっても、わざわざ匂いを通りへ振りまいている店が多いのは、集客効果、商売繁盛を狙ってのことだろう。

今のところインターネットは無臭である。

インターネット上で匂いを交換する技術というのは90年代後半からあって、私は体験したことさえある。年度を忘れたが米国ラスベガスのCOMDEXにDigicents社というベンチャーが化学物質を混合させる装置を使って、離れた場所に任意の匂いを発生させるデモをやっていた。同社ブースの周囲は、繰り返しのデモで焼肉やポップコーンの匂いを発生させるため、それらが混ざり合って異臭を放っていた。その後、iSmell Personal Scent Synthesizerという個人向けの匂い発生装置を販売開始するが、うまくいかなかったのか、会社は消えてしまった。

ismell01.jpg

ismellはこんなデバイスである。メールやWebに匂いを埋め込むサービスを実現するはずだった。

その後も何社ものベンチャー企業がインターネット上で匂いを運ぶ技術を開発している。
・Aromajet
http://aromajet.com/main.htm

AromaJetは「Smell over IP(インターネット通信上での匂い通信)」の開発をしている。SmellKioskというUSBでPCに接続したデバイスで、ユーザは匂いを合成する。16種類の匂い成分の混合比率のデータをSmellサーバを介して、相手に送ると、相手のSmellKioskが同じ匂いを合成して漂わせるという仕組みだ。同社は2000年にPinokeというコードネームのゲームの仮想空間に使う、ヘルメットデバイスに装置(40ドルから80ドル)を内蔵するという発表をしているが、サービススタートの話は聞かない。

・trisenx
http://www.trisenx.com/product.html
trisenx01.JPG

こちらも20個の匂い成分カートリッジ内蔵で合成と配信を行うデバイス。実際に販売しているので誰か買ってみて、具合を教えてほしい。合成できる匂い2000種類をExcelファイルで公開している。匂い合成装置ScentDomeは269ドル〜。単一の匂いの発生させる簡易版は9月まで無償で配っていたようだ。ゲームを使った、非常にユニークなマーケティングを行っている。

・ゲーム
http://www.trisenx.com/game.html

Web上で匂いの発生源を撃つシューティングゲームを提供していることだ。これで高得点すると、同社の最も廉価な装置に匂いをひとつ配信してもらえるらしい。掲示板はあるがまったく投稿がない。うーん、このビジネス、どこまで本気なのだろうか?。

こうしたSmell over IPへの取り組みは、半分冗談のように思えるが、用途を考えてみると、

・香水のサンプルの配布(販売やマーケティング)
・オフィスや家庭の部屋の香りを時間帯に最適化して放つサービス
・ワインやコーヒー、お香の販売の支援
・口臭の診断など遠隔医療支援
・恋人からメールが着信するとバラの香りなどアンビエントコミュニケーション

などニッチな市場は考えられる。が、どれも単一のビジネスとしてはパイが小さいような気がする。そもそもPCのある空間は無臭を理想とする人が多いだろう。ひとつ考えてみた私の案は日本人の毎日入る、お風呂である。デバイスに無線通信と防水加工を施して、お風呂に名湯の香りや花や果実のフレグランスを配信するのであれば、入浴剤のオプションとして売れたりするかもしれない。入浴剤メーカーや香水メーカーがサンプル無料で配信するならちょっと使ってみたい。消臭機能も併せ持てばさらに便利だ。家族ごとに異なる香りのお風呂を楽しめる。

ひとつ間違えると世界同時多発異臭テロが起きそうなのが怖いところだが。

・総武線猿紀行第117回「最臭兵器のナゾ」
http://www.1101.com/saeki/archive/2002-02-13.html
米軍の臭いで戦意喪失させる爆弾の話

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2003年11月11日

日本語ドメインを普及させる5つのアプリケーション

さて、下記のサイトで、ここ数ヶ月提案している、「Webドメインマーケティング」。先日プレスの方々にお話をさせていただく機会があり、記事として雑誌やWebサイトにも反応があったようだ。

・連載中のWebドメインマーケティング
http://webdomainmarketing.jp/
・「.com」「.co.jp」などのマーケティング効果を考えるサイト
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/11/118.html
・日経ビジネス(購読会員のみ)
http://nb.nikkeibp.co.jp/members/REVIEW/20031030/104614/

・ZDNET ドメインの新常識はケータイが作る?
http://www.zdnet.co.jp/broadband/0311/06/lp22.html

さて、この3つめのZDNETの記事で、(マジックナンバー7±2が記事に!)

「JPRSによると、一番のネックは、対応するWebブラウザだという。現在、デフォルトで日本語ドメインをサポートしているのは、「OPERA」「Netscape 7.1」「Mozilla 1.4」の3種類。一方、マイクロソフトの「Internet Explorer」は未対応で、日本語ドメインをサポートするには、JPRSが配布している専用プラグイン「i-Nav」を導入する必要がある。インターネットユーザーの9割以上が利用しているIEだけに対応が待たれるところだが、今のところ具体的なスケジュールはたっていないという。

 しかし、橋本氏は別の方向から日本語ドメインが浸透する可能性を指摘した。「携帯電話では、ソニーのPOBoxに代表される日本語予測変換が“当たり前”の機能になっている。仮に、これで日本語ドメインが簡単に入力できるようになれば、企業はマーケティング活動に積極的に活用するだろう」。」

として私と記者さんとのやりとりが一部出てくる。私のお話したことは正確に記事にしていただけたのだが、実はもう少し私はアイデアを話していたので、この場を借りて補足させていただきたい。

私は、日本語のドメイン名は近い将来、大きく普及する可能性があると思っている。上の記事を読みながら、日本のドメイン管理組織JPRSさんよりも私の方が可能性を信じているような気がして、可笑しくなった。JPRSさんが考えるように現状のネックはブラウザ=「マイクロソフトの対応」であるが、私は日本語ドメインの普及のキーとなる場所はWebブラウザのロケーションフォームではない、と考えているのだ

・JP日本語ドメインについて
http://jprs.jp/info/notice/idn.html

■日本語ドメインのキラーアプリケーション(ここでは応用の意)

1 キーボードレス環境の予測入力

ソニーの携帯に採用されたPOBOXなど、キーボードレスのモバイル端末上のURLの入力は、通常の数字ボタン入力ではあまりに面倒である。POBOX予測入力で、例えば「そうむ」と入力すると候補に「総務省」が表示される。この変換作業確定後にもうひとつの「エキストラボタン」を押すと「総務省.jp」と.jpの文字列が追加入力されるようになれば、携帯での日本語ドメインは恐ろしく便利になるはずだ。

・増井俊之氏によるモバイル文字入力手法情報
http://pitecan.com/OpenPOBox/info/InputMethods.html
この人は天才。日本のインタフェースと情報可視化の革命を起こす研究者

・ケータイの日本語入力は進化する──T9日本語版に新バージョン
http://www.zdnet.co.jp/mobile/0102/06/t9.html

2 音声入力

たとえば声を出して「総務省」と言ってみる。「そうむしょう」。URLとしてローマ字変換しようとしたとき、「soumusho.jp」「sohmusho.jp」「soomusho.jp」「somushoo.jp」など幾つもの候補が考えられてしまう。siとshi、tsuとtuなどローマ字方式によって異なった正解があるケースが多々ある。これでは音声入力で一発で特定のURLにたどりつくのは困難である。そこで、「そうむしょう」と発話したら「総務省」と認識し「総務省.jp」へ飛ばせば良いのだ。便利ではないか?。携帯に音声入力を搭載する動きもあるから1と連動するかもしれない。

・NEC、携帯から自然な言葉でテキスト情報を検索できるシステム
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/16299.html

3 広告

紙の広告やテレビコマーシャルなど、広告表現の中で、15秒程度でユーザに商品名とURLを認知させようとしたとき、我々日本人は、慣れ親しんだ日本語表現の方が圧倒的に記憶に残るはずだ。例えば紙おむつを広告宣伝するとして、「紙おむつ.jp」なら分かりやすい。「kamiomutsu.jp」「kamiomusu.jp」?。これでは、分かりにくい。漢字は音と同時にビジュアルに意味を表す表意文字であり、少ない文字桁数で豊かなイメージを喚起できる。主要ブラウザと予測、音声入力の対応が進めば、広告表現におけるURL表示の大半は、日本語ドメインに置き換わる時がくると私は考えている。

この3つが主な応用となるだろう。さらに次の2つも可能性があると思う。

4 検索エンジンとURL入力欄の合体化

現在のPCデスクトップ環境では、URL入力は英数、検索エンジンのキーワード入力はかな漢字変換モードである。URL欄にかな漢字モードでタイプしてしまって(*)、打ち直した経験はきっと多くの人が日常の不便利として体験していないだろうか。

*そういうときはWindowsならF10を押せば直るというトリビア

先日Googleが検索フォーム機能をデスクトップのタスクバーへ統合するアプリケーションGoogleDeskbarを発表した。マイクロソフトなども次世代Windowsではデスクトップとネット検索の統合を検討していると聞く。Googleの検索キーワードランキングを見るといつも上位に「YAHOO」「楽天」などが入っているが、これらは単にhttp://www.yahoo.co.jp、rakuten.co.jpのショートカットとしてGoogleを使っていると思われる。

そう、もはや、このふたつのフォーム欄は別である必要はないはずだ。デスクトップ上(例えばWindowsスタートボタンの隣)で、ひとつに統合してしまえばよい。(JWORDなどこの種のベンチャーの試みは過去にもあるのだが、デファクト標準を取れるベンダーではなかったし、用途に圧倒的な便利さがないこと、インタフェースが中途半端なのが普及していない原因と思われる。)。

・GoogleDeskbar
http://toolbar.google.com/deskbar/
・JWORD
http://www.jword.jp/

5 セマンティックWebアプリケーションにおける対応

セマンティックといえるかどうかはともかく、日本語の単語を動的にリンクするようなアプリケーション。例えば、Wikiやはてなダイアリー。単語のリンク先選択候補(*)として、定義と日本語URLを、候補表示するなどの応用。文章意味解析を伴うアプリケーションでは自然と日本語の単語を切り出す処理が増えてくる。これらのデータに.jpをつけることでサービスを実現する。まだ用途は私も漠然としている。

*現状はリンクは1対1しかできないが次世代のハイパーリンク規格では一対多のリンクなども規定される。

とメイン3つ、サブ2つの応用を考えてみた。前提としてユビキタス技術の普及と相対的にPCとブラウザーからのインターネットアクセスの比率が下がるという考えがあることは付記したい。

何年も前から私は、日本語ドメインの可能性については何度か考え発言してきたが、そろそろ本当に普及しておかしくない材料がそろってきたと感じる。かつて、メールのサブジェクトは文字化けするから英語で書けなど言われることもあったが、今は日本語が当たり前である。便利な応用が実現するならば、URLやメールアドレスも日本語になってもおかしくはない、と思うのだ。

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2003年11月05日

私の近傍サイトマップ

Googleで自分の名前「橋本大也」を検索してみる。

「約4,420件」

お、結構あるな。彼はどうだろう?

ビル・ゲイツ

「約65,400件」

さすが...。参りました。

私と同姓同名はオンラインでは見かけないので、この結果ページは、目視確認したが、ほぼすべて私の関連するページ群ということになる(調査しやすい命名をしてくれた親に感謝)。ニュースサイト、公私において自分でプロデュースしたサイト、個人サイトなどさまざまなページが引っかかる。

この数字を見て、思った。統計的な研究材料として十分な分母じゃないか、と。早速、私の名前のネット上の発生パターンを調べてみることにした。まず、Gogoleから最初の1千件のリンクを抽出し、分析対象とすることにした。私の名前がよく発生するサイトを発見し、私との近さをビジュアライズすることをゴールとした。

リンクの抽出には自作のソフトウェアLinkMachine(過去記事参照)を使った。10分ほどでURL一覧のリストファイルを作成できた。ファイルをひとつに結合させる。このファイルにはGoogle内部や広告、キャッシュページへのリンクが含まれてしまっているので、取り除く作業をする。自動化しようと思ったが結構複雑なので手作業で指定する。この工程作業時間は15分。

そして正規表現を使ってURLのみを抽出し、純粋に検索結果のURLのみが得られた。処理はPerlとシェルコマンドを利用。

・検索結果URL

そして、さらにURLから、ドメイン名(ホスト名)部分を抽出して登場回数順で並べた。UNIX上なら、sort | uniq -c コマンドで一発だ。こんな感じになる。

・ホスト名と登場回数一覧

この数字でもだいたいのことは分かるのだが、余興として、登場回数が多いものほど近くに、少ないものほど遠くに位置するように計算して、Javaアプレットで地図のように可視化してみた。

そうして完成したのが、この「近傍サイトマップ」である。

・私の近傍サイト地図(Javaアプレット対応ブラウザで見てください。)
http://www.ringolab.com/note/daiya/viz01/
kinbomap02.JPG

上記のアプレットのURLが表示できない人は、こちらの静止画像をクリック。

一番近いのは、過去に企画で記事を大量に投稿したアーカイブがあるITニュースサイトのHotwired。構造上の問題もあって異常に多い。次によく紹介してもらっているmojix.orgfutureplanning.netさん(このふたつのBlogも内容が超充実しているのでオススメ!)、そしてこのBlogを置いているringolab.comがやはり近いことが分かる。他のサイトは回数が1,2回のサーバが大量にあることが分かる。つまり私の名前は大部分は特定のサイトに集積しつつも、かなり偏在してネット上に存在していることが分かった。

今回は名前でやってしまったが、企業名やブランド名などのキーワードでやってみても楽しい。どういったサイトからどんな風にリンクされているのかが分析できる。外部リンクを増やす、Webプロモーションを考えるデータにもなるだろう。

最近急にネットワーク図的な可視化の一般向けWebサービスが、国内で増えてきたように思う。

例えば、(下記のサイトはJavaアプレットやFlashあり)

・HotWindows
http://www.cyber-trial.com/hotwindow/index.html
キーワードの近さを可視化する

・NTTデータのBlogホスティングDoblog HottoLink機能
http://www.doblog.com/weblog/myblog/414
Blogの近さを可視化する

・透明人間の実の在る思考
http://www.doblog.com/weblog/myblog/414
HottoLinkをとても使い込んで説明されている方のBlog。HotWindowについての説明もある。

・Kartoo
http://www.kartoo.com/
Webページとキーワードの近さを可視化する。海外。

・といえばサーバ可視化コンポーネント
http://www.datasection.com/index.php?page=toieba
hitming_map_01.jpg

すみません。イントラ導入向けのみで、一般公開してなくて。絵だけ。

これは一例で最近出てきただけでも何十個もあるはずだ。が、どれも大量の情報を地図上に一度に出してしまうと見易さや操作のしやすさで問題がありそうである。毎日好んで使いたいものが少ない。ユーザビリティという点でJavaアプレットのものは厳しい気もする。

このようにWebの情報の可視化を行うことを海外ではWebviz(Web+Visualization)と呼んだりする。WebVizで有名なものには、 3D Hyperbolic Spaceや2D Hyperbolic Treeの技術がある。これはWeb可視化の流行の始まりだったような気がする研究だが、双曲線空間に情報をマップすることで、膨大な量の情報を有限のスペースでナビゲーションできる。

・3D Hyperbolic Spaceの論文(1998)
Exploring Large Graphs in 3D Hyperbolic Space
http://graphics.stanford.edu/papers/h3cga/
・2D Hyperbolic Treeを商品化したInxightのデモ(Javaアプレット)
http://www.inxight.com/map/

今回のように情報と情報の相対的な近さをみたいとき、膨大な量の情報の中の関係を把握したいときなどには、現在のYAHOO!、Googleのランキング的な検索結果リスト表示だけでは不十分だ。

ユーザのマシンスペックが上がってきているし、FlashなどのWeb上のマルチメディア表現技術も一般化した。現状はまだあまり使い勝手のよいものがなさそうなWebVizだが、これから注目の分野になると考えている。YAHOO!やGoogleの検索結果を見やすくする「だけ」のWebサービスなどもでてきたってよいはずだ。

WebVizやデータの可視化は面白いテーマなので継続的にこのBlogでも書いていこうと思っていて今日はその第一弾になる予定、です。


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2003年11月03日

私的距離検索実験Geogeo

私は神奈川県藤沢市に住んでいる。地元の情報を探そうとしたときに、距離的に近い、隣の市である鎌倉市や茅ヶ崎市の情報も知りたいと思うことがある。現在の検索エンジンでは「藤沢市」と入れてしまうと当然隣の市の話はでてこない。結果表示で、類義語を提案してくれたり、分類してくれるエンジンも国内外にあるが、これともちょっと違う。

地理上の距離的な近さを調べる技術が必要だ。そんな技術は既にあるわけであるが、自分でも作ってみた。やってみないと技術は理解できないから。まずは距離を検索できるようにするところだけ。

今年の正月に地名と緯度・経度の対応データを国土交通省国土計画局が一般公開しているサイトが見つかったので、正月休みにちょこっと実験した自作のプログラムがある。これに少しこの記事のために手を入れてWebインタフェースを作成した。

・街区レベル位置参照情報ダウンロードサービス
http://nlftp.mlit.go.jp/isj/

ここには、

都道府県名 市区町村名 大字・町丁目 街区符号・地番 座標系番号 X座標 Y座標 緯度 経度 住居表示フラグ 代表フラグ

例:
神奈川県 藤沢市 鵠沼神明四丁目 1 9 -73114.9 -32793.1 35.340353 139.472529 1 1

という形式で日本全国のデータを地域別にダウンロードできるようになっている。このデータとMySQL(データベース)を使って作ったのが以下のサービス。2箇所の都内の地名を選択すると、三角関数を使って測量計算し、経度、緯度データから距離データを計算している。

・作ってみました「2点間距離検索」東京版 Geogeo(ジオジオ)(多分、期間限定公開
http://ipv6.no-ip.org/geogeo/g.php
geogeosc01.JPG

注1:プライベートなサーバなので接続不安定なことあり。期間限定につき直接ipv6.no-ip.orgへはリンクなさらないほうが嬉しいです。
注2:結果表示画面で可視化にJavaアプレットを使っている。対応するブラウザでどうぞ。

東京都内のみだが2点間の距離の検索ができる。例えばデータセクション社のオフィスから浅草寺までの距離を測ると、「渋谷区.神宮前五丁目 と 台東区.西浅草二丁目 の住所の間の距離は9.05432966206 キロメートルです」というように表示される。

また近さを明示するために地図として参考位置とともに線の長さで2点間の距離をJavaアプレットで表示している。上下左右、方角は無視。これで地名と距離の近さは分かるようになった、次は来年の正月休みにでも、距離的に近い地名のコンテンツを取りだす実験でもやってみようかと思っている。(再来年は何をしよう)。

作ってみて思うのは地図上の距離データだけでは、実生活に使えるデータにならないことだった。用途としては、広域無線LANシステムの設置のための距離の確認とか、極めて限定されたものしか思い浮かばない。読者の方でこれに使えるのでは?というアイデアがあったら教えて欲しい。

道路は直線で結ばれていないから、実際に歩いて何分であるとか、電車に乗って何分、どの道を通れ、という方が実生活の用途では、現実的だ。何かもうひとつ、データベースか技術を組み合わせると私のサービスも面白くなりそうなのであるが。

ブレスト用参考URL:

・タクシー料金検索
http://www.taxisite.com/fare/
タクシーの場合には、実際に乗ってみないと料金は分からない。ここでは実績データをベースに検索ができる。

・ルートマップ
http://www.mapfan.com/routemap/index.html
スタート地点とゴール地点を選択するだけで、最適なドライブコースを計算し地図で経路表示してくれる。最短経路探索の技術。

・AU EZナビウォーク
http://www.au.kddi.com/ezweb/au_dakara/ez_naviwalk/
GPS付携帯の歩行者ナビゲーションサービス。地図と音声とテキストで道案内。
・ナビタイムジャパン
http://www.navitime.co.jp/
上記AUのサービスに技術提供している企業。

・道案内のマークアップ言語NVML
http://www.labs.fujitsu.com/techinfo/nvml/wp/whatisnvml.html
地図を見るよりも「○ビルが見えたら2本目の角で右に曲がって」といわれた方が分かりやすかったりする。この道案内技術には注目している。

・国土交通省が3Dの全国地図を作成(以前の関連記事)
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000157.html


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2003年10月14日

情報処理のプロセス統合=場としてのオフィスアプリケーション

先日のCnetセミナーでもAmazonが実装したデモを見たが、新MS OfficeはWebServiceに対応したリサーチペインを搭載している。ネットから必要な情報をWordやExcelに直接呼び出して文書作成を支援するというもの。WebServiceのクライアントとして、MS Officeは有力な存在だと思う。まずWebブラウザーのツールバーと同程度には普及するのではないか。

・米マイクロソフトと米アマゾン、新OfficeのWebサービスで提携
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20061288,00.htm

・AmazonのWebサービス、Microsoft Office Systemに組み込みへ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/10/10/730.html

MS Officeのリサーチペインは、単にWordやExcelのサイドにブラウザーウィンドウを入れるだけには止まらないはずだ。Webサービスというプロトコルを使って、.NetやActiveXやVBAマクロによる機能コンポーネントを、サードパーティが提供するだろう。

ユーザは、適宜、WebServiceを組み合わせて、自分用に特化したオフィス環境を使うようになる。マイクロソフトはOfficeへのWebService展開について、日本でもすでに取り組みを始めている。日経グループはこの点では取り組みが早いようだ。

・日経ビズボード
http://bizboard.nikkeibp.co.jp/ad/release_030416.pdf

・日経デスクトップ
http://www.desktop.co.jp/pdf/office2003_setup.pdf

日経やAmazon、その他何百種のオンライン情報を自在に参照しながら文書を作成し、共有される場としてのアプリケーション。リサーチャーだけでなく多くのビジネスマンにとってかなり魅力的な情報処理環境になりそうだ。

海外まで含めれば、WebServiceは既に数多く登場している。

・SoapWare
http://www.soapware.org/
・SoapNews
http://soap.weblogs.com/
・SoapClient
http://www.soapclient.com/

私は将来はWebブラウザーなんて不要になるのではないか、と過激な未来を考えている。

現在の情報処理のプロセスを私は次の4つと捉えている。

1 情報収集 → 2 情報整理 → 3 文書作成 → 4 情報発信

1と2はインプット、3と4はアウトプットとも呼べる。

現在のデスクトップの作業環境では、4つのプロセスを別々のアプリケーションで行うことが多い。発想からして、情報の受信と発信、インプットとアウトプット、この大きな二つのプロセスは分けがちだった。だから、Webで調べた情報を、整理して、ビジュアライズ(表やグラフ化)し、配布できる文書にするには2つか3つのアプリを使うことになる
MS Officeのリサーチペインは、1-3を統合するものと言える。情報処理プロセスの統合化の流れはオンラインでも、ある。

最近流行しているWebアプリの、BlogやWikiを見ていると、個人のメモ(情報収集)としても、発信メディア(文書作成)としても、同時に機能している。おまけに書いた記事の文書管理もできるし、他者の情報とリンクすることもできる。複数の書き手のコラボレーションを行うこともできる。

例えば、文書化機能の例としては、

・FreeStyleWiki
http://fswiki.poi.jp/wiki.cgi?page=FrontPage
・BrainMemo
http://www.tender-brains.net/memo/public/intro.html

といったWikiシステムでは、オンラインに登録された記事ページをすべてPDFとして出力することができる。もう少しDTP的機能が加われば、文書のオンライン共同編集プラットフォームと言っても良いだろう。

情報処理のアプリケーションは上記4つのプロセスを統合した「場」「空間」としての情報処理のワークスペースに向かっているように思う。

2年後、3年後、私たちはどういう場の中で仕事をすることになるだろうか。XMLWebServiceによる機能コンポーネントをユーザがオンデマンドに組み合わせるオフィス環境という方向性は間違いないように思われる。

早速、社内にも「ウチのアプリもWebService対応にしようよ」と提案を出した。

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2003年10月11日

議論を視覚化する会議支援技術「コラジェクタ」

感動した。これは素晴らしいツールだ。

kiroku_02.jpg

今日はNTTICCのパネルディスカッションにパネリストとして参加した。5人のパネリストの普通のディスカッションではなく、コラジェクタ(コラボレーション+プロジェクタ」というツールが会議の支援に使われた。

これは、熟練した担当者が、リアルタイムに会議の内容をパワーポイントの概念図として編集しながら、大画面プロジェクタへ投影するもの。拡散しがちな議論内容も、プロジェクターに投影されるビジュアルによって、参加者、発言者の頭の中で、収束の方向へ向かっていく。そして、会議が終了したときにはきちっとしたアウトプットがでる。今回のセミナーでも希望者にはメールで3時間の議論を視覚化したパワーポイントファイルが渡されるとのこと。

一応、ノウハウがあるらしく、慶応大学丸の内シティキャンパスでは、コラジェクタの講座もあるようだ。

・コラジェクタによるコンセプトワーク能力開発
http://www.ciec.or.jp/event/2002/papers/pdf/E0120.pdf

・コラジェクタ実践
http://www.keiomcc.com/colla0305/

無論、これを行う担当者には、コラジェクタの情報ビジュアライズのノウハウだけでなく、会議内容について通訳程度の予備知識は必要だろう。今日のセミナーを担当してくださった方は何年も経験がある頭の回転の速い人だったから、うまくいった面もあるのかもしれないが、会議イベントの付加価値として、参加者も楽しかったはず。討論イベントや重要な会議の主催者は人件費一人の予算で、これだけの効果があるのなら、コラジェクタ、検討の余地がある。

会議ノウハウでは、発言はせず、会話を促進させる役割(ファシリテータ)を一人おけというインタラクティブメソッドなどがあるが、コラジェクタの方が生産性は高いかもしれないと思った。

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2003年10月06日

情報を情報に隠すステガノグラフィー技術

Slashdotを読んでいたら、こんな技術が話題になっていた。

・日立、紙文書の流通経路を特定する電子透かし技術開発
http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/leaf/CID/onair/biztech/comp/269967

印刷時に透かしを入れて、文書の著作者などの情報を隠して入れておく、いわゆるステガノグラフィーの技術。画像に情報を埋め込む技術が多いが、これは通常のビジネス文書を対象としているらしい。類似した事例はいくつか知っている。

フリーソフトでもステガノグラフィー体験はすることができる。

・画像ファイルにファイルを隠すステガノグラファー
http://www.vector.co.jp/soft/win95/art/se158183.html

例えばこのソフトを使うと任意の画像に任意のファイルを隠すことができるのだ。例えばこのロゴマークに、私は「Google活用トリビア.txt」という別の書き下ろし記事を埋め込んでいる。興味のある方は取り出してみて欲しい。

・この画像にもうひとつ記事を隠しました
stegotest.png


・音楽MP3にファイルを隠すMp3Stego
http://www.petitcolas.net/fabien/steganography/mp3stego/

音楽に隠すというのもある。

・ステガノグラフィを用いた秘匿通信の研究開発
http://www.ipa.go.jp/SYMPO/SYMPO99/pdf/1_51_5.pdf

画像ではなくテキストにテキストを埋め込むという考え方もある。上の論文などがその例で、ステゴテキストというようだ。ステゴテキスト技術の一種である辞書変換法という方式の場合、複合名詞(ふたつの名詞が「の」でつながっているような言葉の連なり)を、専用辞書を使って名詞を、類似した言葉に書き換える。

あらかじめ、置き換えても分からない「AのB」「BのA」という複合名詞節の辞書
を作成しておき、これを使って、例えば、

これはWebサイトの検索エンジンです。

これはホームページのサーチエンジンです。

というような置き換えを行う。

そしてこの変換パターン自体に、辞書に対応隠蔽情報を設定しておけば、

変換パターン 隠蔽情報

Webサイト → ホームページ 「123」という数字情報
検索エンジン → サーチエンジン 「456」という数字情報

という結果が得られ、結果として上記の変換後の文章から、分かる人にだけ、123と456という情報が伝達可能になる。さらに、埋め込み情報の中に、情報隠蔽の開始と終了に関するメタ情報を埋めこむことで、解読の正確性を確保する。

同様の応用としてはSpammimicが面白い。これはどんな情報もすべてスパムのようなメールに変換してしまうサービス。上司に監視されているメールボックスで、秘密通信を繰り広げるのに使えるかもしれない。使い方は簡単で、Encodeを選んで隠したいメッセージ(英語)を入力するとスパム状のメールにテキスト変換してくれる。

・SpamMimic
http://www.spammimic.com/

「My name is daiya hashimoto.」を埋め込んだスパムテキスト。

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2003年10月01日

AmazonWebServicesの講演を聴いて

昨日は、CNET Japanフォーラム「テクノロジー・ビジネス・トレンド2004」というセミナーに参加して

Amazon Webサービスのテクノロジーとビジネス戦略
Amazon.com Technical Evangelist, Associates Technology  Jeff Barr氏

を聞いてきた。

AmazonのWebサービス(AWS)のエバンジェリストによる講演。AWSを使うと、自分のページにAmazonの商品情報データベースから情報を引き出して表示させることができる。Amazon本家よりも便利な書籍検索機能やインタフェースを提供することでユーザを集め、商品を購入させることでアフィリエイト利益を得ることができるようになる。パラサイトコマースとも呼べそうなこの概念は今後かなり期待できそうである。

以下は当日配布されたレジュメ巻末につけられていたAWS関連のURLから抜粋。独自にコメントをつけてみた。

・AmazonWebServices
http://www.amazon.com/webservices
・私のAWS実装の試作品アマゾナー(自宅サーバにつき落ちることあり)
http://ipv6.no-ip.org/am/amazon.php

AWSのサイト。開発キットの配布や説明。私も以前AWSをつかっていたずら試作した事がある。

・YesBar
http://techno.starcd.com/proto/yesbar-signup.cgi
・YesNet
http://yes.net/
AWS実装例。YesNetは全米のラジオ局の音楽放送をモニターしていて局を選ぶと今放送されている楽曲名が表示される。YesBarはそのデータに連動して、Amazonの検索結果を表示するアプリケーション。今ラジオで流れている曲を調べ、購入することもできる。

・Simplest-Shop
http://www.simplest-shop.com/camera
AWS実装例。名前の通り、本家よりも非常にシンプルなデザインと、選択商品を並べて比較できるインタフェースを使ってAmazonの商品検索ができる。

・Associate Engine
http://www.c3scripts.com/amazon/index.html
associateengine.gif

・Palmables
http://www.palmables.com/
AWSを自分のサイトに簡単に導入することが可能になるCGIスクリプト集をパッケージにして販売している。このスクリプトでこんなショップができるよという例がPalmables。

・SellerEngine
http://www.sellerengine.com/
Amazon Marketplaceで物を売りたい人のための支援ソフト。出品管理ができるだけでなく、出品したい商品を、他の出品者はいくらで出品しているかを一覧し、自動でおすすめの値段を提示してくれる。

・AmazonLite.JP
http://www.kokogiak.com/amazon_jp/default.asp
AWS実装例。日本語が使える。AWSを素直に使っている例。
・AmazonHack
0596005423.01.MZZZZZZZ.jpg

AWSの詳細を具体例を挙げて説明する技術書。文字コードのこととかを追加した日本語版が早く出るとよいなあ。

セミナーでは、マイクロソフトのWordにAWSを組み込んで、ブラウザを起動することなく、Amazonの書籍データを作成中の文書に貼り付けるデモが動いていました。

Posted by daiya at 19:20 | Comments (0) | TrackBack

2003年09月29日

5年後の検索サービスをユーザから見るとどうなる?

■5年後の検索サービスをユーザから見るとどうなる?
先ほどの記事からの続き。
ここからは私見。

検索がビジネスにおける重要な要素になったと認識されて各社一斉に取り組みを強化している現状が読み取れるが、第2、第3〜第10くらいのGoogleにあたるものが登場したとして、ユーザは10個も検索サイトを使うだろうか?たぶん、使わないのだ。Googleひとつで済むからGoogleは便利なのではないか。

基本的には検索エンジンは、次の3つのレイヤーに機能を特化して進展していくのではないだろうかと考えている。

A インデックスレイヤー(Webのデータベース,形態素、構文解析など含む)
B アルゴリズムレイヤー(PageRank、tf/idfなど結果順位決定の仕組み)
C インタフェースレイヤー(検索フォーム、ツールバー、可視化工夫など)

これを踏まえて、ユーザから見た検索エンジンの行く末を勝手に3つの未来シナリオとして予想してみる。

1 Webサービスにより複数エンジンのカスタマイズが一般化というパターン

GoogleAPIのように各社が検索機能インタフェースをWebサービス形式で公開し、ユーザは好みの検索機能を組み合わせるポータル編集ソフトを使って、それぞれの検索エンジンインタフェース(ツールバーのようなもの)を作る。出来合いの、程よい組み合わせの検索ポータルも登場する。インデックス提供企業、アルゴリズム提供企業(ページランクなど)、インタフェース提供企業の3つは役割を分担し、ポータルソフトに機能を提供する。

・ちょっと参考:Surfwax徹底カスタマイズ可能なメタ検索ポータル
http://www.surfwax.com/

2 WindowsOSに強力検索が搭載されデファクトスタンダード化するパターン

WindowsOSと検索が一体化。ブラウザやメールソフトのように、MSの標準検索がデファクトスタンダードとして使われるようになる。MSは次世代WindowsでファイルシステムをSQLベース化しIndexingServiceを一般化しようとしているし、P2PグループウェアのGrooveも買収して保有している。戦略として、MSNサーチにまずデスクトップ検索とシームレスな独自検索技術が投入され、次世代コンシューマ向けWindowsのデスクトップに一体化し、急速にシェアを伸ばす。その後P2Pによるユーザ間の検索インデックスの共有機能も使われるようになっていく。

3 オープンソースP2Pインデックスによる世界最大のエンジンというパターン

数万台のクラスタサーバを使ってWebの巨大インデックスを一社がホストするのではなく、インターネットユーザ全員がインデックスサーバと成る、世界最大のインデックスDBが登場する。検索を使うユーザが増えれば増えるほどインデックスが大きくなり、検索されればされるほどアルゴリズムが学習効果で成長していくようなネットワークの特性を活かしたパブリックドメインの検索が当たり前になる。

・HyperBee
http://www.hyperbee.com/
・Webの完全なインデックス化を目指すP2P分散型サーチエンジンの挑戦
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1113/hyperb.htm

と、3つほどちょっとドラスティックな変化のパターンを考えてみたけれども、どれでもなかったりして。5年後に自分でも読み返してみようっと。

Posted by daiya at 18:02 | Comments (3) | TrackBack

過去3ヶ月の検索エンジン関連ニュース

検索技術に再び注目が集まってきている。過去3ヶ月くらいで、オンラインニュースに登場した検索関連の記事を引用ベースで要約してみる。その上で、次の記事で私が考える5年後の検索エンジンの未来を考えてみる。

読まれたら、みなさんの意見をぜひください。自分でも5年後にあたったかどうか調べてみよう。

■過去3ヶ月の検索関連ニュースと要約

・検索アルゴリズムを公開するオープンソースプロジェクト
http://www.zdnet.co.jp/news/0308/19/ne00_nutch.html
アルゴリズムをすべて公開したオープンソースの検索エンジンNutchが話題に。

・米アマゾン、ショッピング検索に参入
http://japan.cnet.com/news/ebiz/story/0,2000047658,20061120,00.htm
A9.comと呼ばれる独立部門を社内に設立し、社内および他の企業による利用を想定したショッピングのための検索ツールを開発するとのこと。

・IBM、検索研究の成果を「Masala」に活用
http://www.zdnet.co.jp/news/0309/03/nebt_05.html
各種ソースのデータを一カ所に集めることができるIBMのインテグレーションツール「DB2 Information Integrator」の次のバージョンに、企業データを検索する独自の機能を実装する、とのこと。

・「いつの日かGoogle並に」――新たな検索技術に賭けるMS
http://www.zdnet.co.jp/news/0309/22/ne00_search.html
Microsoftは新版OS「Longhorn」の詳細をあまり明かしていないが、電子メールだろうと特殊な文書だろうと、コンピュータ内の情報すべてを迅速に検索できる統一的なファイルシステムを構築する計画は明らかにしている、とのこと

・Overture、さらなる買収で検索強化
http://www.zdnet.co.jp/news/0302/26/ne00_overture.html
米Overture Servicesが、ノルウェーの検索企業Fast Search & Transfer(FAST)の一部サービスを買収、キーワード広告ビジネスを拡大とのこと。

・注目集める検索エンジンのキーワード広告
http://www.hotwired.co.jp/news/news/20030828108.html
キーワード広告が売れている。効果も高いと言われているが高騰していく可能性があり、大部分のユーザにとっては、無料検索部分における「オーガニックな」検索価値こそより重要になりそう、とのこと。

・インフォシーク、コストが従来の10分の1の高性能検索エンジンを開発
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0401/infoseek.htm
インフォシークが検索パフォーマンス(速度)を10分の1にする技術を実装。

・Yahoo!、新検索エンジン導入で比較購入機能を強化
http://www.zdnet.co.jp/news/0309/24/nebt_20.html
米Yahoo! Shoppingが比較機能つきの商品検索サービスを強化。

・ビジネス向けにWebログをスキャンする検索サービス
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20061013,00.htm
Weblog記事のメタデータ検索を企業向けに提供。、「Webログは関心の高いニュースを浮き立たせると同時に、多種多様な話題やイベントについてのコメントや意見を、即時に提供してくれる」

・米Googleが33億ドキュメントを突破し、FASTを上回り世界一に返り咲き
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/08/28/273.html
GoogleとFastが30億ページ台でインデックス規模の競争中。

・検索エンジンの利用シェアで、Googleが圧倒的首位に〜蘭OneStat.com調査
http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0514/one.htm
1. Google 55.2%
2. Yahoo 21.7%
3. MSN Search 9.6%
4. AOL Search 3.8%
5. Terra Lycos 2.6%
6. Altavista 2.2%
7. Askjeeves 1.5%

Posted by daiya at 17:46 | Comments (0)

2003年09月27日

再掲:「情報作成コストと情報消費ニーズのバランス」

先日のセミナーで、Blogについて前に書いていた、あの原文はどこにあるのと何度か聞かれたので。

BlogやRSSについて技術的観点から、なぜ流行っているのかという問題について、あるコミュニティに春ごろポストした記事「情報作成コストと情報消費ニーズのバランス」を再度掲載します。

●「情報作成コストと情報消費ニーズのバランス」

Webが普及したのは、HTMLとその周辺技術の情報作成コストと情報消費ニーズがマッチしたからであると思います。セマンティックWebの中心的な役割を果たす
メタデータの普及にも、このバランスが重要なファクターであると思います。

■メタデータ情報作成コスト
1 文書の作成者が自ら手作業または自動で作成する
2 第三者(検索エンジンも含む)が公開文書のメタデータを抽出する

コストについては、データ(この場合、Webページやめたデータを作ること)作成と表示の技術的な難易度が大きく関わっていると思います。また、エンドユー
ザとアプリケーション開発者からのふたつの視点から見たコスト意識を考えるべきと考えます。

【Web(HTML)の場合】
半構造化文書でタグで囲むだけなので一般ユーザにも記述が容易
解析に失敗しても表示が乱れる程度なので開発者もパーザ開発容易

というように、一般ユーザ、ブラウザ開発者にとっての作成コストは比較的低かったと考えます(無論、当時、「はじめて」そういったものを作った偉大な人たちの作業は困難を極めたでしょうし、最先端の技術力の成果であることに変わりはないと考え、敬意を払いますが。)

Webの普及には、Netscapeのブラウザの開発というのが大きく影響していたと思います。それまでのコマンドラインの世界はやはり、利用者のリテラシーという
か、コマンド操作の知識が求められていましたし、そこで得られる情報というのも、極端に実用的か、極端にマニアックかに分かれていたように思います。画像
も見られる現在のWebブラウザーの原型が登場して初めて、一般利用者が消費価値のある情報配信ができるようになったと思います。

また作成ソフト、例えばマイクロソフトのFrontPageやIBMのホームページビルダーのように、驚くほど高機能なツールが廉価に出回っており、作成者はHTMLコード
をほとんど知らなくてもWebページを作成できています。

結論A:「HTMLは書きやすく読みやすい。ツールも普及している」

これに対して、

【XMLメタデータ(RSS・RDF)の場合】
厳密な構造化文書であり完全性が求められる。一般ユーザの作成困難
解析に失敗すると誤動作や停止など重大な障害が発生する可能性がある

というように、一般ユーザの作成も、解析プログラムの作成もどちらもかなりコストが高いですよね。一般ユーザのコストを考えるとき、「普段から文書はタグ
を手打ちでHTMLで書いています」という人がいても「へえ、すごいですね」と思いますし実際存在すると思いますが、「いつも文書は手書きでDTDつきの検証済
みXMLを書いてるんですよ」といわれたら「この人ちょっとヤバイ人かな?」と思います。HTMLはHuman ReadableでXMLはMachine Readableを指向した性質があ
るから、ですね。

開発者からのコストとしては、最近、ZDNETにこんなコラムがありました。私も4im.netのサイト用にRSSパーサを書いた直後なので、大げさだなあと思いつつ、
うなづくところがありました。

・Opinion:恐怖のXML
http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0210/30/op01.html
> あなたはどうか分からないが、私個人はおびえている。プログラマーは効率の
> 悪さを克服するためにはあらゆるルールを破る。プログラマーがXMLパーサーを> リライトするときに、パーシングプロセスのスピードアップのために幾つかの
> 標準を無視することは起こり得る。
>
>#(中略 だからXMLの相互運用性なんて幻想だみたいな主張が続く)

無論、Webの世界ではMosaicとNetsacapeの開発者たちがエイヤっと優秀な頭脳とセンスでWebブラウザーを発明して普及させ、その後、良くも悪くもマイクロソ
フトが力技でウリャっとブラウザ市場を統一してくれました。結果として、いまさらWebブラウザーを作ろうという人はほとんどいなくなってしまったと思いま
すが、メタデータの世界ではまだ、標準的なブラウザーが存在していないわけです。そういうことを成し遂げるプレイヤーが出てくる必要があると考えます。
(マイクロソフトもSUNも狙っているようですが。)

ただ、XMLはMachine Readableであるがゆえに、いったん解析してメモリ上に構造を読み込めてしまえば、HTMLにも変換できますし、プログラムに意味のある情
報を容易に渡して応用利用範囲が無限に広がっていきます。逆に言えば、HTMLはブラウザで表示して終わり=Human Readable指向を象徴しているような使い方に
とどまりがちです。

デファクトスタンダードのツールさえ普及してしまえばユーザも開発者もコストはほとんど意識しないでよいレベルまで下がるのではないかと思うのです。(前
のメールで4im.netのメールマガジン->メタデータ自動変換を紹介しましたが、このシステムを使う著者の小橋はXML作成コストなんて意識しませんから)。

結論B:「XMLメタデータはまだ書くのも読むのもツールがないので難しい。デファクトスタンダードのツールさえあればコストはゼロに近づくのに」

■メタデータの情報消費ニーズ
3 メタデータを最終利用するエンドユーザ
4 メタデータを集約して提供するインフォミディアリ

Webの普及には、Netscapeのブラウザの開発というのが大きく影響していたと思います。それまでのコマンドラインの世界はやはり、利用者のリテラシーという
か、コマンド操作の知識が求められていましたし、そこで得られる情報というのも、極端に実用的か、極端にマニアックかに分かれていたように思います。画像
も見られる現在のWebブラウザーの原型が登場して初めて、一般利用者が消費価値のある情報配信ができるようになったと思います。

いまメタデータでできることってなんでしょうか。ひとつの答えはコンテンツ・アグリゲーションとアノテーションだ、と思います。このふたつは結構多義的な
言葉ですが、ここでは、前者はメタデータを集積して価値のある巨大ナリッジベースを作ること、後者はWebページなどの情報に対して、批評や評価や説明を書い
たりすること、としましょう。

【メタデータ消費ニーズ1 コンテンツ・アグリゲーション】

何百・何千のサイトから更新された最新情報の見出しや要約やURLの含まれたメタデータを抽出して、ユーザにとって必要な情報やアプリケーションをフィルタ
リングして提供する。しかも目的に応じてエンドユーザは表示の仕方も変えられる。具体的なプレイヤーとしては、前述のMoreoverなどが該当します。メタ情報
を集約配信しているサービスです。

これらのメタデータを具体的に一般ユーザが使うとしたら、身内になりますがパートナーの小橋昭彦がやっている今日の雑学雑学+を例にしますと

・今日の雑学+
http://www.zatsugaku.com/

は更新と同時に更新内容のメタデータが、以下のRDFが生成されています。

・今日の雑学のRDF
http://www.zatsugaku.com/backend/weblog.rdf

このRDFを使うことで例えば、こんなかんじで、

・架空のRDF利用例のデモサイト
(私が管理していますが純粋にRDF利用の技術デモで更新していないです)
http://www.osanpo.net/daiya/weblog/

左右のブロックにニュース見出しのヘッドラインと個別リンクを表示できます。
こうすることで周辺情報を簡単に加えて、コンテンツをリッチにしてサイトの価値が高まりますし、参照される側はトラフィックを誘導できます。引用する側も
される側も、ここでは需要供給のバランスが確立できています。

これがもっと進めば、あらゆるWeb情報の断片を自由に画面にレイアウトして、グローバルでユニバーサルなMyYahoo!みたいなサービスができます。(開発ベー
スとしてはApache jakarta ProjectのJetspeedなどが有力かもしれません。)

・Jetspeed
http://jakarta.apache.org/jetspeed/site/index.html

【メタデータ消費ニーズ2 アノテーション】

具体的には、WeblogでありWikiであるわけなのです。Weblogブームが現在日本でも起きようとしているみたいですが、あれは基本的にはパーソナルなジャーナル
であり日記であり、それこそ95年ころから日本でも個人ページの一大ジャンルを形成していたコンテンツだ、と思うのです。

ただ、近年のWeblogブームの日記が昔と少し様相が違うのが、多くのWeblogは他のページのURLを肴に評論だとか自論を展開していることなのではないかな、と
思っています。URLを使ったDJセッション(みたいなことは私も昔やっていた覚えがあるんですが...)が、今のWeblogの本質だと考えます。

なぜそういうことになったのかの分析はいろいろあるかと思いますが私の考えでは、WeblogやWikiの書き手=Bloggerが増えたのは以下のような理由があるので
はないか、と思います。(無論、すべての条件を満たすものは逆に少ないかもしれません。)

#ここでいうWeblogは以下のようなディレクトリに分類されるタイプのサイトです。

http://directory.google.com/Top/Computers/Internet/On_the_Web/Weblogs/Technology/?tc=1
http://directory.google.com/Top/World/Nederlands/Computers/Internet/Weblogs/?tc=1
1 個別記事にURLがあり、外部からリンクを張りやすい

サンプル:Metafilterの例
http://www.metafilter.com/mefi/21563サンプル:Radio UserLand系の例
http://scriptingnews.userland.com/backissues/2002/11/12#When:8:20:56AM
サンプル:Slashdotの例
http://developers.slashdot.org/developers/02/11/12/161219.shtml?tid=126

またWikiなどは、その構造上、一ページ一テーマに関する記述が書き込まれやすく、しかもページ名=テーマ名ということが決まっている(WikiName)ので、
Wikipediaのように百科事典をコラボレーションしながら作っていく例もあります。こうなると充実したWikiサイトはオンライン辞書の役割を果たし、一層個別
記事が参照されやすくなっていきます。

・Wikipedia
http://www.wikipedia.org/

この他、WeblogやWikiベースのコンテンツはリンクを張り合うので、Googleのページランクが上昇して人気が出やすいという未確認の噂もあり(その噂はここのMLで聞いたのかもしれないんですけども)。

2 分散した掲示板としてコミュニティ要素が強い

自分のサイトで他人のページの評価をして、評価されたほうはそれに関して自分のサイトで関連情報をコメントするなど、Weblog日記ユーザの間で、サーバは別
々、自分のサイトで主に発言するというスタイルの分散掲示板になっている傾向が強いですよね。

3 更新情報や人気情報を容易に把握できること

記事同士のリンクの参照関係を計算して人気Weblogを表示するBlogdexや最速ニュース検索、地理マップ上にその場所からBlogしている人を探せるサービスなど、メタ情報があるからこそ実現しやすいサービスが多数あり、Weblogコミュニティ活性化につながっているといえそうです。

・Blogdex
http://blogdex.media.mit.edu/
・Daypop
http://www.daypop.com/
・DC Metro Blog Map
http://www.reenhead.com/map/metroblogmap.html
・The New York City Blogger Map
http://www.nycbloggers.com/
・Blogmapper
http://www.blogmapper.com/
・Meetup
http://blog.meetup.com/
・Blogstreet
http://www.blogstreet.com/

4 簡単に作れるソフトやASPサービスが存在していた

フリーや廉価で、技術知識がなくても簡単にWeblogサイトを更新できるソフトウェアやサービスが充実している。メタデータ対応製品も多い。

BigBlogTool ( http://www.bigblogtool.com )
Blogger ( http://www.blogger.com ) is
Greymatter ( http://noahgrey.com/greysoft )
GrokSoup ( http://www.groksoup.com )
LiveJournal ( http://www.livejournal.com )
MovableType ( http://www.movabletype.org )
pMachine ( http://www.pmachine.com )
Radio UserLand ( http://www.userland.com )
Slashcode ( http://www.slashcode.com )
Xanga.com ( http://xanga.com/ )

5 メタデータ自動生成ができること

そしてメタデータに対応している例が多いというのを最後に。

上記の4つの要素にも密接に関わっている部分が多いと思いますが、メタデータがあることで、検索や整理するサービスが成立していき、より情報を見つけやす
く、参照引用しやすく、構造化しやすい、トラフィックを呼び込みやすい、コミュニティ化しやすい、などなど、のメリットを与えています。

メタデータの生成が面倒だ、という以外、デメリットはなく、情報の発信者、受信者にとってよいことだらけ、ですよね。おそらく。

結論C メタデータの消費ニーズは間違いなく存在している

【メタデータビジネスで収益モデルをどう創り出すのか】

それで、インターネットユーザにとってはきっと良いことずくめでニーズはいっぱいあるのに、なぜすぐ実現しないのか、といえば、当然、ビジネスの市場とし
てまだ魅力的ではないから、という理由があるかと思います。

ここは、これだっというモデルが思いついていたらさっさとその事業を自分の会社で開始しているわけなので(笑)、決め手はないのですが。

Webにたとえて言うならば、現在のセマンティックWebは、

ある程度HTMLページはあるのにブラウザがない

という状況と私は認識しています。

メタデータを利用できるブラウザやソフトウェアの対応は、大手ソフトウェアベンダー経由でもオープンソースでも、進んでいるわけですから、メタデータの時
代は、かつてNetscapeが登場したころのように、いま一番面白い、火付け役の登場を待っている時期なのではないか、と思うのです。

さらに、少し広げてWebサービスやオントロジーサービス、モバイルエージェントサービスも含めた、セマンティックWebというスコープで考えるならば、SOAPやUDDIのようなWebサービスの普及が進めば、マイクロソフトのデジタルダッシュボード構想みたいに、デスクトップでに必要な作業をすべてをひとつの画面で行える万能アプリケーションが実現できる、と思います(これはUNIXではEmacsが事実上、それに近い環境を提供していますしね。無論、もっとグラフィカルでネットとシームレスになる必要はあると思いますが)。

こうなると今多数いるオンラインソフトの開発者たちがWebサービス開発になだれ込んでくるのではないかと期待しています。Webサービスのホスティングビジ
ネスというのが出てくると考えられます。現在のVectorやDownload.comみたいなダウンロード提供サイトの果たす役割に変わる、ビジネスが成立するような気がしています。

また相互運用性の保証ビジネスも登場できると思います。現在、Webでいうならセキュリティ保証のベリサインのような、Webサービスの保証機関が必要でしょ
うし、ドメインネームのレジストラのように、UDDIその他の登録業務を行うビジネスも大量発生できる、と思うのです。


Posted by daiya at 23:50 | Comments (2)

2003年09月22日

太陽で充電、手動で充電、空気で充電

猫も杓子もエコエコな今日この頃ですが、エコ=環境に優しいという手動充電器や、太陽充電器が安くなってきました。

例えば、太陽電池系だと、

・バイオレッタ ソーラーギア
http://www.violetta.com/japanese/index_j.html

この製品、実売6千円くらいで見ましたが、

「携帯電話の機種にもよりますが、快晴時は、電池切れから10分〜30分ほど充電すれば、通話が可能になります。」という点は結構なのですが、フル充電となると、「充電に必要な時間の目安として、快晴時で電池切れから5時間〜6時間程度の充電が必要です」ということであり、「 窓ガラスを通すと、一部光エネルギーが遮断されてしまうため、発電量が3割から5割方落ちてしまいます。薄曇りのときと同様に、充電に時間がかかります。」

とのこと。窓ガラスごしの場合フル充電に12時間くらいかかってしまうのですね。

さて、手動では、

・手動、足動充電のアラジンパワーシリーズ
http://www.int-connect.com/aladdin/

もあり、

Q: どのくらい充電すればよいのですか?
A: 携帯電話の種類により異なりますが、電池レベルの低下によって通話が切れた状態からエコチャージャーにて約3〜5分間予備充電を行うと、通話レベルまでバッテリー電圧を上昇させることが可能です。通話再開後そのまま繰り返し握っていれば、いつまでも通話ができます。参考例といたしまして、ドコモP203-HYPERにおいて約10分間握るだけで連続待ち受け約15時間可能となります。

こっちは待ち受けを延命するにはなんとかなるのですが店頭で試した感じでは、10分手の運動は実際には結構厳しいものが...。私は結局携帯電池切れの非常用電源としては、コンビニで販売されている普通の乾電池利用できる携帯充電器を使っています。

で、ある意味究極の「空気で充電」も研究されているようです。米国Manhattan Scientifics社が開発中の特許技術「MicroFuel Cell Technology 」は、メタノールと水の混合液体を空気と化合させることで発電を行い、携帯電話を6ヶ月程度動作させることができるそうです。

・Manhattan Scientifics
http://www.mhtx.com/

そのうち生命力充電器「マナチャージャー」とか出てくるかもしれないですね。あなたの寿命を10分縮めるだけで携帯フル充電できます、とか。。。

Posted by daiya at 05:35 | Comments (1) | TrackBack

2003年09月19日

無くしそうなものに「鈴」をつける紛失防止デバイス

面白いものを発見。

・ Wireless RF Electronic Locater
ワイヤレスロケーター

鍵、携帯電話、リモコン、PDA。部屋の中でなくしそうなものにキーホルダー状の受信機をつけておく。探したいときにはボタンを押すと音が鳴って場所を教えてくれるというアイデア商品。49.95ドル。SharperImage発(リンク先は王様のアイデアのショップ)。これほしいなあ。

まあ何がなくなるか事前に分からないのが根本的な問題ではありますが。

米国に行くと必ず立ち寄るSharperImageのショップは、大都市の空港や大規模ショッピングモールに行くと、必ずと言っていいほど見つかりますが、なぜか日本国内では見かけません。秋葉原あたりに出店したら結構な人気になると思うんですけどね。

・SharperImage
http://www.sharperimage.com/
・SharperImage Japan
http://www.sharperimage.jp/

で、実に笑えるのが、日本サイトのFAQのページ。


Q1.カタログが欲しいんですが、送ってもらえませんか?
申し訳ありませんが現在カタログはご用意しておりませんので、ホームページでご覧頂けますようお願い申し上げます。
Q2.商品を見てみたいんですが、どこに行けば見れますか?
商品によっては取り扱っている店が異なりますので、下記までお問い合わせください。
Q3.購入したい場合はどうしたらいいですか?
ご面倒ですが下記までお問い合わせください。

営業エリアや流通の諸々の問題があるのか知りませんが、相当、やる気ないんだな。

Posted by daiya at 19:53 | Comments (0) | TrackBack

2003年09月14日

3年前にこれがスゴイと思っていたことは。(後半)

昨日に続いてあの人は今?ならぬあの技術は今。3年前に個人的に注目していた技術のリストの6個目から10個目までを紹介します。(連休中は過去の原稿を持ち出して貼り付けてBlogの更新の手を抜くつもりだな?と思った方は、その読みは、半分当たりです。もうひとつ思うところありまして、明日に続く。私はもう少ししたたかな性格かも...(笑))

注意:この原稿を書いたのは2000年夏です。

6 【紙のPC、紙状ディスプレイ】
・PaperComputer
http://www.papercomputer.com/
・eInk
http://www.eink.com/index.htm

紙のように薄いPCを開発するPaperComputerという企業がある。パルプの紙の上に回路を「印刷」し、薄い太陽電池で動かすというもの。紙に印刷するだけなので価格も、無料配布できるほど安くできるかもしれないそうだ。将来は街角で受け取ったチラシがチラシPCだったなどということもあるのかもしれない。紙のように薄いディスプレイを開発するeInk社も存在する。こちらは常に製品化されている。紙のように薄いPCと紙のように薄いディスプレイがもうすぐやってくる。

7【進化するネットワークゲームと仮想空間】

ネットワークゲームのここ数年の進化は顕著だ。今や、Everquestのように、美しい3D空間を歩き回るゲームが登場している。人気ゲームUltimaOnlineの次のバージョンも3D化して、さらに美しい仮想世界が実現される。グラフィック技術の進歩の速さを考えると、2005年になる頃にはほとんど実写と見分けがつかなくなるかもしれない。マイクロソフトの次世代ゲーム機X-Boxも発表された。

・UltimaOnline2
http://www.uo2.com/main.html
・Everquest
http://www.everquest.com/
・X-box
http://www.xbox.co.jp/

8 【関連情報参照エージェント】
・Flyswat
http://www.flyswat.com/

FlyswatはWebコンテンツに関する情報を表示するプラグインソフト。このソフトウェアをインストール後、MSIEなどのWebブラウザを使ってネットサーフィンを行うと、ブラウザ内に表示する文章の単語の色が変化することがある。色が変化した単語は、関連情報のページへのハイパーリンクになっている。クリックすると、単語の定義や、会社名ならば詳細な企業概要、商品名なら購入できるECサイト、製品名ならレビュー記事情報などを参照できる。こういった関連情報の参照エージェントがインスタントメッセンジャーのようにデスクトップの常連になる日も近い?。

9 【アプリケーションの外観を変更するスキン技術】

・WindowsBlind
http://www.windowblinds.net/
・WinAmp
http://www.winamp.com/customize/
・Sonique
http://sonique.lycos.com/
・Customize.org
http://www.customize.org/

WindowsOSをまるでMacそっくりの外観に変更してしまったり、MP3プレイヤーをお気に入りのアーティストの写真で飾ったり、OSやアプリケーションの外観を変更するのがスキン機能だ。WindowsBlindsはWindowsのGUIを大幅に変更できる。MP3プレイヤーのWinampやSoniqueには大量のスキンデザインのバリエーションがオンラインで無料で配布されている。Customize.orgにはあらゆる種類のスキンに関する情報で一杯だ。GUIデザインはソフトハウスではなく、ユーザが行う時代が到来しつつある。

10【インターネットとテレビの融合】
・TVML
http://www.webtv.co.jp/developer/docs/tvml/

WebTV用の開発言語としてのTVMLだ。WebTVはテレビとWeb端末が合体したセットトップボックスだが、Webページの中にテレビ映像を埋め込むなどというアクロバチックな芸当ができる。最近は、テレビチューナー内蔵型のPCも増えてきた。将来はテレビ映像とのWebコンテンツのリンクという発想は、一般化する可能性が高い。テレビを見ながら、同じページで、他のユーザとチャットなどが行えれば、テレビはお茶の間から、オンラインコミュニティでみんなで視聴するものという位置付けになるかもしれない。

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2003年09月13日

3年前にこれがスゴイと思っていたことは。(前半)

過去のメールを整理していたら、ちょうど3年前に、あるPC雑誌に寄稿した「次世代の技術10個リスト」という原稿が見つかった。今読み返すと当たっていたこともあり、そうでないこともあり。ここに紹介するURLはリンクが切れているものもありますので注意。

注意:この原稿を書いたのは2000年夏です。

1 【分散処理系アプリケーション】

・Popular Power
http://www.popularpower.com/

・Project RC5
http://www.distributed.net/rc5/index.html.jp

インターネット上には休んでいるPCがたくさんある。スクリーンセーバ型のアプリケーションを使って、ネットワーク経由で、休んでいるPCのリソースを統合すれば、数万台や数十万台のPCがインターネット上に仮想的なスーパーコンピュータを形成できる。PopularPowerでは、現在、流感予防ワクチン最適化プログラムの膨大な計算を、インターネット上のボランティアで日夜計算している。地球外知的生命体を探すSETI@プロジェクトや暗号解読のRC5プロジェクトなど、この分野は今密かに人気。

2 【エミュレータ】

・VMWARE
http://www.vmware.com/

エミュレータは、異なるハードウェアの動きをソフトウェア上で模倣して動かすテクノロジー。Bleem( http://www.bleem.com/ )のようにPCでコンシューマゲーム機のソフトを動かしたりSoftWindows( http://www.fwb.com/emu/sw98_mac.htm)のようにMacでWindowsソフトを動かすことができたりする。最近では、VMWAREのようにLinuxとWindowsの相互のエミュレータも登場してきている。将来は進化した携帯電話上で現在のWindows98ぐらいエミュレーションできるかもしれない。

3 【モバイルコンテンツ】

・AvantGo
http://www.avantgo.com/
・PocketTV
http://www.mpegtv.com/wince/pockettv/index.html
・Atomfilms
http://www.atomfilms.com/

AvantGoはWindowsCEやPalmOSなどのPDAに最新のニュース記事を配信するサービス。PDAでも読みやすいレイアウトに変更されたコンテンツが、ネットワーク経由で常にPDAへ自動でアップデートされる。クレードルやケーブル経由で常にアップデートしておけば、外出時などネットワーク接続がない場所でもニュースが読める。PocketTVはPDAで鑑賞するビデオプレイヤー・コンテンツもAtomFilms社などモバイルビデオ専門に開発する企業も登場した。携帯電話の情報表示能力も向上している現状を考えると、モバイルで鑑賞するコンテンツの今後の可能性は大きそうだ。

4 【情報の視覚化】

・NetReality
http://www.bittco.com/netreality/overview/
・Databeacon.com
http://www.databeacon.com/
・Ububu.com
http://www.ububu.com/

現在インターネット上の情報の大半はテキスト情報である。情報の表示方法として文章は分かりやすいものだが、一見は百聞に如かずという諺もある。うまく作ることができれば、グラフや表は大量の情報を直感的に把握させることができるわけだ。インターネット上のリンクや、ページ上の情報の関係をビジュアルな地図として描くNetReality、既存のWebサイトの静的な表データをExcelのように動的に扱ったりグラフ化するDatabeacon、ブックマークを3Dで表示するUbubuUniverseなど新しい情報の視覚化の試みもすごい。

5【次世代型検索エンジン】

・Wakano
http://www.wakano.com/
・DirectHit
http://www.directhit.com/
・Google
http://www.google.com/

かつての検索エンジンは単語として入力された文字列を含むWebページを検索するだけだった。近年はWebサイトの数が増えすぎて、単純なキーワード検索では検索マッチ件数が多すぎて、必要な情報にアクセスするまで時間がかかってしまう。そこで、さまざまなインテリジェントな仕組みのサーチエンジンが登場している。Wakano、Directhit、Googleなどは新世代検索エンジンの代表例である。将来は人間と同じような知能を持った検索エージェントが誕生して、検索の御用聞きにユーザを訪問してくれる?


リストの6-10個目は明日投稿します。

Posted by daiya at 23:15 | Comments (0) | TrackBack

2003年09月08日

国土交通省が3Dの全国地図を作成

・国土交通省が3D電子地図作成へ
http://slashdot.jp/article.pl?sid=03/09/07/159252&topic=89&mode=thread

ITコミュニティのSlashdotの投稿から。「国土交通省は7日までに、2004年度から3年間で総額78億円をかけ、国土のほぼ全体を対象に3次元(3D)の立体画像化した電子地図を整備する方針を固めた。(中略)... 将来的には、この電子地図を民間に公開する。」

3Dの地図ってどういう用途があるでしょうね?。

海外だと衛星写真ベースの3D地図をビジネス化したものとしては、

・Keyholeのデモ(ビデオ)
http://www.keyhole.com/images/home/cityFlyOverLg.mov

のデモを見たことがあります。私が見せてもらったデモは上記のような映像が、リアルタイムにノートPCで動いていました。このKeyholeはニュースのテレビ映像(ミサイルの飛んでいく映像など)で海外では実績があるらしいです。

国土地理院や交通省の最近の情報公開の動きが活発化しているように思えます。個人でも地理データを使ったアプリケーションがガンガン作れるようになるので良いことだなあと思いつつ、民間でこの分野をやっていた企業は付加価値をつけないと売れなくなってしまうのかな。

・地形図閲覧システム検索インデックス
http://mapbrowse.gsi.go.jp/mapsearch.html
・数値地図(空間データ基盤)の閲覧(試験公開)
http://mapbrowse.gsi.go.jp/dmap/sdf/index.htm#data
・電子国土ポータル
http://cyberjapan.jp/
・国土地理院、IE用の地図閲覧プラグイン「電子国土Webシステム」を公開
http://www.forest.impress.co.jp/article/2003/07/16/cyberjapanplugin.html

Posted by daiya at 14:42 | Comments (2) | TrackBack

接待ができる人工知能はいつ頃?

・CEDEC 2003レポート】将棋・囲碁などに必勝法は存在するか - 人を楽しませる人工知能の実現は?
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/05/09.html

将棋や囲碁の対戦人工知能の最新事情の取材記事。

将棋なら現状はアマ4段、5段のレベル。2015年から2020年には名人レベルがでてくる見込み。囲碁は少し難しくて、タイトル保持者レベルが登場するのは2040年頃の見込みなど、強い対戦相手としてのコンピュータは、開発の進歩の先が見えてきて、


しかし、人と上手にゲームができる人工知能というと実現はまだまだ先のようだ。松原氏によると「人間の指した手を分析し、敗因を指摘・指導するということまではある程度できているが、敵(人間)の評価関数や研究手法を学習し、対戦相手の実力に合わせた"いい勝負"を展開するというところまでは未だ至っていない」という。

なるほど次は、対戦している人間が、楽しめる相手としてのコンピュータの開発ですか。

そういう技術が可能なら、ビジネス方面では、接待ゴルフや接待カラオケのエージェントが登場して企業は接待費でロボットを購入するなんて事態になるのですかね。嘘を感じさせないドラマを感じさせながら、自然に負けてあげる技術。うーん、人間関係の技術は奥が深いな。

接待する側、される側、両者ともロボットというシュールな時代は2103年ごろとの予想。

Posted by daiya at 01:48 | Comments (0)