2008年02月09日
仏像のひみつ
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東京国立博物館の同名の展示が一冊の本になった。
「人間の社会には組織というのがあります。会社だったら、会長さん、社長さん、専務さん、部長さんから、ヒラ社員まで。博物館にも館長がいて、副館長がいて、部長がいて、その他いろいろ......。仏像の世界も同じです。いくつかの段階のグループがあって、種類があって、それぞれの役割があります。そして仏像はそれが見た人にすぐわかるように、それぞれが決まった髪型や服装をしています。」
ということで最初に示されたのがこのピラミッド。
これがわかっただけで、これまで見てきた仏像の位置づけがかなりわかりやすくなった。もちろん如来、菩薩、明王、天とはなんなのかのやさしい説明がある。
「さとりをひらいた如来のからだには、いろいろな特徴がそなわることになりました。それは数えると三十二、あるんだそうです。」。具体的に如来の主な特徴が説明されている。
たとえば鎌倉の大仏を例にだすとすると、
上の○で囲んだ部分はすごく特徴的である。普通の人間にはなくて仏像だけにある。ボコボコした頭は、長い髪が勝手にパンチパーマ状になったもの、だそうで、おでこのボコは白い毛がくるくるっとまるまったもの、なのだそうだ。(それってどういうことというと深い意味があるわけだが。)
このほかにも仏像の姿勢や小物などの説明がいっぱいある。仏像の手の結ぶ印で、仏像の伝えたいメッセージが識別できるというのは、一緒に博物館にいった誰かについつい語ってしまいそうだ。
先手観音には千本の手があるわけじゃなくて四十二本の手があるなんていうのも初めて知った。「一本の手が二十五の世界の人々を救うんだそうです。だから四十本の手があれば、四十かける二十五でせ、千の世界の人を救えるんだって。それに、もとからある日本の手をいっしょに数えて四十二本の手になるらしいのです」
博物館に行く前にざっと読んでおくと、観賞力倍増間違いなしの強力なガイドブックだ。
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Posted by daiya at 2008年02月09日 23:59