2008年01月24日
合コンの社会学
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「合コンは、様ざまな力学が錯綜する磁場だ。その「確実性」も「偶然性」も、「自由」も疑いだせばきりがない。誰もがうっすらと気づき始めている。けれど誰もはっきりとは言語化してはこなかったそれらのことを、一度立ち止まって考えるときがきている。」
若手の社会学者二人が合コンについて研究した本。
「現代の私たちは、この合コンという奇妙な装置のおかげで、きわめて直接的なお見合いとも、無味乾燥な職場結婚とも違う、ドラマティックな出逢いを手に入れた。と同時に、あいまいな着地点を目指して戦い続けなければならなくなった。「偶然」や「突然」にこだわるがために、今では、理想それ自体がぼやけてしまっている。」
異性を身長や容姿、職業や年収で選ぶのはあさましいから、「つきあってる人がいるとかいないとか、結婚したいとか子どもがほしいとか、年収がいくらとか将来の計画とか、そんなことは気にしていないふりをする。出会うために来たんじゃないふりをする。ただの飲み会を装う。」。これは合コンじゃないフリをするのが合コンのプロトコルなのだと著者らは指摘している。
ところで、この合コンという言葉はその意味が時代によって変化してきている。Wikipediaの「コンパ」に合コンに関する記述もあって以下のような内容がみつかる。何が「合同」なのかはじめて知った。そういうことなのか。
・ 合同コンパ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%91
「現在一般的にコンパという名称で思い浮べられることが多いのは合コン(合同コンパ)である。これは主として男女の出会いを求めるために行われるコンパで、女子の大学進学率が急激に上昇し始める1970、1980年代ごろから盛んになり、その後学生どうしにかぎらず広汎に行われるようになった。合同コンパという名称は、男子のコンパと女子のコンパを合同で開催するというところに基づいている。また、男女合同で行楽地などに出かけることを合ハイ(合同ハイキング)と呼んでいたが、現在ではほとんど死語となっている。」
私が大学生だった頃はまだ合コンは学生のものというノリだったような気がする。それがいまや婚期を逃しそうな息子や娘に親が「合コン」にでもいってこいと勧めるくらい一般的な男女の出会いの形式になるまでの変遷も分析されている。合コンの研究は80年代から現在までの同時代的な男女交際の歴史でもあった。
著者らの研究もおもしろかったが、これ深いなと感動したのは、調査対象の合コン参加者の次のような意見。そうそう、若い頃はばかでモテないというのは多くの男にありがちな真理だと思った。
「若い頃はばかだったから、自分の話ばっかりしてた。でも今はいっさいしない。聞き役に徹する。こんだけ稼いでて、こんだけ仕事ができて、こんな車に乗っててスポーツもやってて、なんて言われて『すごいねー』なんて言う女はめったにいないから。女の子の悩みをひたすら聞いてあげる」(男性・三十代・会社員)」
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Posted by daiya at 2008年01月24日 23:59