2007年12月19日
超教養
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さとう珠緒の文章がおもしろすぎる。テレビで見ていると、この人案外頭がよさそうだよなあと思っていたのだが、こういうエッセイの文才があったとは驚いた。
Webダ・ヴィンチでの隔週連載をベースに単行本化したブリッコ書評本である。
・さとう珠緒のバカブックガイド
http://web-davinci.jp/contents/tamao/index.php
ブリッコというキャラは天然ではありえない。「思えば、私は小学生のときから計算に計算を重ねて生きてきました。そして長じて獲得したのは、芸能界でのブリッコポジション。もちろん、今後もブリッコ道を邁進していく所存です。」と冒頭で宣言がある。ブリッコは自分の見え方に対して敏感だ。だから、さとう玉緒は書評する本の書き手たちの自意識をも行間から見事に看破してバッサバッサと斬っていく。斬るといってもその手法は「ほめ殺し」だったり「受け流し」だったりする。
本の内容がつまらないとかくだらないとは書かずに、本の揚げ足をとって男女関係の話へ脱線していく。敢えて中身を語らないことで、逆に長々と語る価値がないということを語っている。これって結構な知識とセンス=教養がないとできない話芸で歩きがする。
なお、この本では、書評される本の内容はあまりわからない。おすすめ度合いもよくわからない。どれもあまり薦めていない気がする。本を選ぶためのブックガイドではなくて、読んだ後にさとう珠緒のセカンドオピニオンを聞いて楽しむのがおすすめの読み方である。私は大変面白かった。それとさとう珠緒が嫌いという人は間違っても買ってはいけない本でもある。
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Posted by daiya at 2007年12月19日 23:59
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