2007年12月07日
岡本太郎の東北
スポンサード リンク
岡本太郎の写真集「神秘」の、神がかったイタコの写真は、あまりにも衝撃的だった。何かが憑依したイタコの表情は、心霊写真より怖いというか、これこそ本物の心霊写真なのだと感動した。
・岡本太郎 神秘
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004986.html
「岡本太郎の東北」は東北の撮影部分に特化している内容。写真と共に撮影時の状況や岡本太郎の東北論が収録されている。岡本太郎は東北に残された呪的民俗に強い関心を持っていた。芸術と呪術は似ているというのだ。
「呪術は一定の儀礼をまもらなければ呪力が現出しない。だが芸術は約束ごとを破ってゆくことによって働くエネルギーである。しかしその働き方は、よく似ている。 呪術には矛盾がある。 効果、力があらわれるという前提がなければ成り立たない。少なくともそれが示現する、した、と人々に思われることがなければならぬ。しかし同時にそれが必ずあらわれるのでは、やはりいけないのである。カクすれば、必ずカクなる、というんだったら、それは実用的約束であって、呪術でもなんでもないからだ。 当たるも八卦、当たらぬも八卦、というといささかヒヤカシ気味の文句だが、これは意外にも、その本質を鮮やかについているのである。 芸術の場合も、まさに同じメカニズムがある。相手に何らかの形で認められるという要素がなければならない。それがなかったら、働きかける力をもたない。だが全面的に受け入れられ、好かれてしまったら、また呪力を失ってしまう。ともに芸術として無存在だ。」
人間の内面にある根源的な生命力を、世界へ発現させる方法として、呪術や芸術があるということらしい。その発現する瞬間を「芸術は爆発だ」と言っていたのだろう。
・今日の芸術―時代を創造するものは誰か
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005051.html
・岡本太郎の遊ぶ心
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005077.html
スポンサード リンク
Posted by daiya at 2007年12月07日 23:59