2007年10月27日
よもつひらさか
スポンサード リンク
短編ホラー集。怖いというより、不思議な話が多い。
ふたつの意味で粒ぞろい。まず尺の長さが粒ぞろい。本編は約370ページで12編だから、一作あたり約30ページである。1時間に2本か3本読めるこのボリュームは、通勤時間や休み時間にちょっと読むのに最適だった。そして、各作品の完成度も高レベルで粒ぞろい。一編を読むともう次も読みたくなる。はずれがなかった。
主題は幅広い。幽霊、ドッペルゲンガー、のろいなどのオーソドックスなオカルトものから、猟奇犯罪やネットストーカーまでバリエーションがある。個人的には最後に収録された表題作の「よもつひらさか」が好きである。現世と黄泉の国の境界にあると言われる坂に迷い込んだ男の話。諸星大二郎の漫画好きには特におすすめ。
黄泉比良坂は神話上の場所であるが、島根県東出雲町にある伊賦夜坂がそれであると比定されており、現地には石碑も建っているらしい。一度行ってみたい場所であるが、なかなか島根県に行く用事がないのであった。来年こそは出雲大社と一緒に見に行くぞ、と計画中。
・黄泉比良坂物語
http://www.town.higashiizumo.shimane.jp/1497.html
スポンサード リンク
Posted by daiya at 2007年10月27日 23:59
Comments