2007年10月22日

William Eggleston's GuideとWilliam Eggleston in the Real Worldこのエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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・William Eggleston's Guide
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最近集めているニューカラー系写真集。

ウィリアム・エグルストンは、写真芸術の大半が白黒だった1960年代後半から1970年代にかけて、カラー写真による新しい表現を追求した「ニューカラー」派の代表的なフォトグラファー。米国テネシー州、メンフィス生まれで、アメリカの原風景を写す。

「William Eggleston's Guide」は、エグルストンが1976年にニューヨーク近代美術館(MOMA)で、史上初のカラー写真の個展を開催した際の歴史的な作品集である。洋書。映画「アメリカン・グラフィティ」のような、当時のアメリカの空気が思いっきり写っているのが印象的だ。

エグルストンは特別な被写体や、意味ありげな構図を選ばない。ふつうの、どこにでもありそうなクルマや通行人や、店の看板や建築のファサード、ホテルの部屋の中などを、ありきたりな構図で写す。目新しさではなく、ありきたりさに心を動かされる。私は70年代のアメリカに住んだことなどないわけだが、そこに映る日常のリアリティにどっぷり浸かれてしまうのが不思議だ。懐かしい気がする。

エグルストンの作品の魅力は、被写体でも構図でもなくて、色合い、光、質感なのだとおもう。だから、ちょっと輪郭を見ただけでは満足できず、質感を味わうためにじっくり鑑賞することになる。全部見るのにずいぶん時間がかかる濃厚な作品集だった。

エグルストンの過去の写真集は国内では売り切れか、高額のプレミアがついたものが多くて入手が難しいものが多い。別の作品を2冊、米国Amazonで注文したのだが、数か月しても商品が見つからずキャンセルになったこともある。オークションでは数万円台に高騰しているものもある。

そこで最近のエグルストンの制作活動のドキュメンタリDVDを発見したので見てみた。未公開の写真作品も収録されているのでお買い得である。(というか、こういうDVDが出て話題になったから写真集が高騰しているのか?。)

・William Eggleston in the Real World
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このDVDはリージョン1 (アメリカ合衆国およびカナダ)なので再生環境に注意。

日々の撮影風景を淡々と記録している内容でエグルストン本人が中判カメラ片手に、南部や中西部の町をうろうろしながら被写体を探している。なにか見つけるとおもむろにパシャっと撮影する。三脚を使わず手持ちが多い。一枚一枚に思い入れを込める風ではなくてあっけなくシャッターを押しているのが印象的だった。撮影場所の映像と作品を見比べることができるのも貴重な体験である。

・Official website of William Eggleston and the Eggleston Artistic Trust
http://www.egglestontrust.com/


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Posted by daiya at 2007年10月22日 23:59 このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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