2007年10月03日
究極の会議
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「会議とは議事録をつくる共同作業である」という思想をベースにつくられた会議の方法論。著者は会議支援のWebツール「eXtreme Meeting」を開発し販売しているほどの、会議マニア。究極の会議はどうあるべきかを考え続けている人だ。
・会議支援ツールSargasso eXtreme Meeting
http://xm.sargasso.jp/
議事録ドリブン会議支援ツール
アジェンダを書く段階からノウハウがある。よい例、悪い例が示されている。
悪い会議のアジェンダの例
1 次回展示会の開催について
2 予算について検討
3 新しいPCの購入計画
よい会議のアジェンダの例
1 次回展示会開催の課題リストを完成させる
2 予算案の設備投資増額のしわよせ問題を解決する
3 新しいPCの購入の必要性をヒアリングしてリストアップする
さらに「会議のトピックには、「なぜ」とつけるのではなく「どのようにして」とつけるようにしよう。人間は「なぜ」とつけると、責任の追求と擦り付け合いが始まる。」というアドバイスがある。上手なアジェンダ設定によって具体的で前向きの言葉が出やすい雰囲気をつくることができるのである。
議事録ドリブンは、参加者全員で議事録を完成させていく方法論だ。それを成功させるための15のプラクティスが、この本の主な内容である。「結論」「意見」「定義」などを明文化することで、議論がクリアになるというのが基本姿勢である。
この本を読んで、個人的によかったのは、ノートPCの会議での位置づけがよくわかったことだ。これまで私は参加者各自がノートPCを会議に持ち込むのは、本当はよくない、必要悪と考えていた。各自が自分の画面ばかりのぞきこんでいたら、せっかく顔を合わせて話す意味がないからである。それに自分のPCを開くと、ついつい会議と関係のないメールや資料を眺めてしまうものである。みんなが下を向いていたら、司会進行のやる気もでない。
そこで「議事録の共同注視」にPCを使うべきという、この本のやり方は正しいと思った。プロジェクターに投影したPC画面上で、話している内容をWordやExcelを使って議事録に書いていく。誰かが意見を言えば「意見」として記録する。結論がでたら「結論」として書く。こうすれば、ノートPCはみんなの意識をひとつに集中させるツールになる。後から、言った言わないのトラブルも起きない。
ユニークな会議手法で有名な株式会社はてな代表取締役近藤淳也氏と著者の鈴木健氏の対談も収録されている。ネットでは動画でも公開されている。本と読んでから、見ると細かいニュアンスがわかって楽しい。
株式会社サルガッソー代表取締役鈴木健と、
http://www.youtube.com/watch?v=aYqGsLSAgmQ
・議事録ドリブンで会議の効率アップ
http://www.itmedia.co.jp/bizid/articles/0610/24/news008.html
著者の連載がWebでも読める。
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Posted by daiya at 2007年10月03日 23:59