2007年09月25日

匂いをかがれる かぐや姫 ~日本昔話 Remixこのエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加


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・匂いをかがれる かぐや姫 ~日本昔話 Remix
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一寸法師、かぐや姫、桃太郎の3つの昔話テキストを、まず英語に自動翻訳してから、さらに何本かの翻訳ソフトを経由して、日本語に再翻訳する、という手順で、不思議な「新・昔話」ができあがった。

一寸法師の出だしはこんな風である。

【原文】
昔々のことです。ある村に、子宝に恵まれない仲のいい夫婦が暮らしていました。「神様、指先ほどの子供でもかまいません。どうぞ授けてください」」

【翻訳→再翻訳】
「古代です。チャイルド宝に恵まれなかった親しいカップルは、特定の村に生きていました。「神よ、指先のような子供さえ嫌だと思いません。すみませんが寄贈してください。」」

まっとうな原文と挿絵のバージョンと、翻訳文とそれに対応した摩訶不思議な挿絵のバージョンが交互に出てくる。英語対訳も掲載されているので、どの単語や言い回しが原因で、そんな妙な訳が出てくるのか、確認することができる。

桃太郎は言う。「怪物アイランドに怪物ハントであります。」。機械の自動生成なのに思わずニヤっとさせられてしまう表現が多くて楽しい作品になっている。まだ人間の編集、調整が随所に加えられているらしいが、これは、これから始まるかもしれないコンピュータ文学時代の、黎明期の作品と言えるだろう。

翻訳精度の低さが原因にせよ、ソフトウェアがネタを生みだしたことに変わりはない。究極的には、読者ひとりひとりのツボを検知して、ネタを創造し、物語をパーソナライズする自動最適化小説も現れるのではないだろうか。(実際、ゲームではそれに近いことができているわけで夢物語じゃないだろう)。

50年後のWikipediaに「コンピュータ文学の歴史の第一歩はソフトウェアの誤変換、誤訳、誤認識を笑い飛ばす作品から始まった」なんて書かれているかもしれない。


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Posted by daiya at 2007年09月25日 23:59 このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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