2007年08月21日
岡本太郎の遊ぶ心
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岡本太郎の秘書を50年間勤めた岡本敏子が書いたTARO伝。
岡本太郎は、漫画家 岡本一平、小説家 岡本かの子という、奔放な表現者の家に生まれた。一平は、かの子の愛人を家に同居させることを許し、奇妙な三角関係を内包する家庭で育てられた。やがてかの子は精神状態が不安定になり、子育てを放棄したも同然になる。太郎は孤独で早熟な少年に育った。後に太郎は「私は父母に生んでもらったんじゃなくて、自分が決意してこの世に生まれてきたのだ」と語っている。
子供時代から晩年までの岡本太郎の活躍のハイライトが、写真を使って解説されている。絵、造形、カメラ、ゴルフ、ピアノなどが一級の腕前で、岡本太郎の多才ぶりがよくわかる。縄文土器やペットのカラスをこよなく愛した偏愛ぶりや、ピカソ、アンドレ・マルロー、ブラッサイ、大江健三郎、瀬戸内寂聴など内外の著名人との幅広い交流が紹介される。
「私はまさに4、5歳のいのちをナマのまま生きている」
「無償の情熱をもって激しく行動することが、遊びの本質だ」
「合理主義こそが人間を大虐殺する」
「俗に大人になるというのは、本当に生きがいのある人生を降りてしまうことだといってよい」
「合理に非合理を突きつけ、目的志向の中に無償を爆発させる」
テレビで有名になった「芸術は爆発だ」という短いメッセージの裏側にある深い意味が、見えてくる本だ。
・今日の芸術―時代を創造するものは誰か
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/005051.html
・岡本太郎 神秘
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004986.html
この2冊を読んで、岡本太郎の人生について俯瞰したいと思ったのが、この本を読んだ動機だった。よくわかった。
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Posted by daiya at 2007年08月21日 23:59