2007年03月31日
WORLD of PINHOLE
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ピンホールカメラにこだわって20年の写真家による作品集。
周辺光量が落ちて、闇のトンネルの向こうに広がる、幽玄の世界。どの作品も静かに時間が止まっている。こどもの頃、永遠に続くかと思えた夏休みの感覚を思い出す。AFデジカメのようにくっきり映り過ぎないから、光と影、そして世界の色の魅力がストレートに感じられる。美しい。
ピンホール写真は見るだけでなく、撮ることも楽しい。すっかりピンホールの虜になってしまった私は、週末は晴れたら必ず撮影にでかけている。ピンホールには日光が大切だ、天気が気になる。愛好者の有料会員組織「針穴写真協会」に入会してしまった。
針穴の大きさ、露光時間、フィルムの種類などを完全にマニュアルで設定する。前回の撮影メモを見ながら工夫を重ねる。おおざっぱにフレーミングを考えたら、シャッターをじっと開いて、数を数えて、そろそろいいかなと思ったら閉じる。狙い通り撮れていることはめったにないが、意外性が狙いを上回ってくることもあるから、楽しい。
デジタル一眼レフカメラでピンホールを手軽に楽しむことはできる。レンズキャップに針穴をあけて自作する人もいるし、カメラ用品メーカーのケンコーからは専用のピンホールレンズも販売されている。
・撮影ガイド〜ピンホール写真を撮ってみよう!
http://www.biccamera.com/bicbic/jsp/w/camera_kan/photographing_guide/pinhole/
デジカメならその場で写りを確認できるので失敗も少ない。しかし、出来上がりを見ると、シャープに写りすぎている気がして、フィルムの方にまだまだ魅力を感じる。一枚一枚を大切に撮る過程がやはりいいのじゃないか。
しかし、そうやって自己満足できる楽しさがある半面で「作品」に仕上げるのはたいへんそうだ。この作品集のような、誰が見ても印象的な写真を撮るのは極めて難しいと痛感する。ピンホール道20年の技は偉大であるとしみじみ感じる一冊であった。
私の最近のピンホール作品。
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Posted by daiya at 2007年03月31日 23:59