2007年03月26日

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・脳は直感している
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「素人にとっては、とくにそれが自分の問題であれば、頼ることのできるのは自分の直感だけであり、当然真剣に取り組むだろう。それが「ビギナーズ・ラック」を呼び起こす要因であると思われる。」

「なぜある異性が、それほど魅力的に見えるのか?そう問われると、たいていの人は自分でも説明できない。「直感で」と答えたりするわけだが、実はその異性を選んだ理由は、「進化論的な意味での正解」だからなのだ。」」

人間の直感は無根拠なものではなく、人類が進化させてきた極めて優秀な知覚システムで、「脳の声」を聞くことで誰もが直観での正しい判断を上手にできるようになるという。この本には直感の機能する仕組みと鍛え方が書かれている。

身の危険を事前に察知する、魅力的な異性を瞬間的に選ぶ、儲かりそうな商売のにおいを雰囲気でかぎわける。相当に複雑で難しい総合的な判断が必要な事柄であっても、当事者として真剣な問題についての直感は、素晴らしい威力を発揮することがある。

人間は完全な論理的判断で動くことは1〜2割程度で、ほとんどの事柄は直感で判断している。日常生活の多くの判断は、言葉ではうまく説明できなくても、なんとなくそう思うからそうするという方がスムーズに進むものだ。

直感の法則として著者は次の3つを挙げている。

・直感は「そのときその場でその人に」発揮される
・直感は「非言語的なメッセージである」
・経験を積めば積むほど、直感力は増大する

直感は言語に先行して状況を判断する。だから「虫の知らせ」のように未来を予知することもある。これは人間の顕在意識がはたらくよりも0.5秒はやく、脳がその行動の準備を始めているという、リベットの準備電位説でも裏付けられている。

たまに私にも驚くべき直感が働くことがある。クジに当たるかどうかの直感である。実はこの前の日曜日にもあった。私は通常はクジ運がよくない。当たる気がしないから引かないのだが、稀にこれは自分が引いたら確実に当ると直感する。そういうときは大抵当たるのだ。

東京ビッグサイトで開催されていたPhoto Imaging Expoを見学していたのだが、あるブースで簡単なアンケートとクジを実施していた。その当たりの直感がきたので、速攻で答えてクジを引かせてもらい、数千円のカメラを当ててしまった。こういう当たりの直感の勝率は極めて高い。

これを後から、冷静に分析してみると、クジの当たり確率を、展示ブースの店構えや雰囲気から、直感で判断しているから、当たりやすいのだと思う。それは一般的な知名度は小さいが、知る人ぞ知る小さな会社が、隅っこに出したブースだった。こういうブースはクジも商品も、ある程度数を用意するが、クジの数はあまり用意しないはず、なのである。ベンチャー経営者として、小さなブースを出す側の心理を知っているから、なんとなく勘が働いて「脳の声」がしたのだと、後から考えて、思った。

この本には、こうした「脳の声」を素直に聞くには雑音を消さねばならない。そのための訓練方法が7つ紹介されている。直感を鍛える方法が、瞑想や禅の方法とたくさんの共通点を持っていることがとても興味深い。

直感についての考察とトレーニング方法、どちらも説得力がある良い内容。


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Posted by daiya at 2007年03月26日 23:59 このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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