2007年02月20日
イキガミ
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この国では「国家繁栄維持法」により、小学校入学と同時にすべての児童に予防接種が行われる。その中身は病気を防ぐワクチン注射であるが、1000人に1人の割合で特殊なナノカプセルが注入される。ナノカプセルは18歳から24歳の間に必ず体内で爆発して、その人間を殺してしまう。誰にナノカプセルが注入されたのかは厳重に管理された国家機密である。限られた生を国民に実感させ、社会の生産性を向上させることが「国家繁栄維持法」の目的である。
該当者の家には、死の24時間前に死亡予告書「逝き紙」が配達される。この作品の主人公は「逝き紙」の配達人として役所で働いている。日々、明日死ぬ人たちについて調べ、「逝き紙」を手渡すのが仕事である。告知された人間の中には、自暴自棄になって犯罪を起こすものもいれば、自分が存在した証を作品として残そうと試みるものもいる。ポジティブにせよネガティブにせよ、文字通り必死の生き様である。
荒唐無稽な「国家繁栄維持法」の設定はツッコミ所満載なのだが、自分の人生があと1日しかないとしたら何をするか?を、さまざまな生い立ち境遇の人間の目でシミュレーションできるのが、このマンガの面白さである。登場人物の最後を、自分に重ね合わせて考えてみることは有意義な体験でもあるなと思う。
いろいろ考えさせられるマンガ。おすすめ。
・メメント・モリ - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%A2%E3%83%AA
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Posted by daiya at 2007年02月20日 23:59
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