2007年01月28日

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・キリンヤガ
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「絶滅に瀕したアフリカの種族、キクユ族のために設立されたユートピア小惑星、キリンヤガ。楽園の純潔を護る使命をひとり背負う祈祷師、コリバは今日も孤独な闘いを強いられる…ヒューゴー賞受賞の表題作ほか、古き良き共同体で暮らすには聡明すぎた少女カマリの悲劇を描くSFマガジン読者賞受賞の名品「空にふれた少女」など、ヒューゴー賞・ローカス賞・SFクロニクル賞・SFマガジン読者賞・ホーマー賞など15賞受賞、SF史上最多数の栄誉を受け、21世紀の古典の座を約束された、感動のオムニバス長篇。 」

22世紀、アフリカのキクユ族の末裔たちは、民族の伝統的価値観を追い求め、ユートピアを築くために地球を離れ、惑星改造技術で作られた新天地キリンヤガへと移住した。人々は現代のあらゆる知識や技術を捨て、厳しい自然の中で、古の掟を守って暮らす。全能の祈祷師としてコミュニティに君臨するコリバは、理想の社会を維持するために苦悩する。

伝統と革新、個人と社会、人間と技術といった大きなテーマについて、小さなキリンヤガ社会で次々に発生する事件は、読者に問いかける。人類の進歩とは何か。それは本当にいいことなのか?。コリバが人々に話す寓話は近代、現代の人類の歩みに対して疑問を投げかけるものばかり。

伝統的価値観の中には残すべき良いものが含まれているはずだと漠然と感じるが、それが現代人にとってどのような価値を持つのか、すばりと言い当てるのは難しい。コリバは次第に現代文明に”汚染”されていく同胞の姿に愕然としながら、その難しい説得を続ける。

10話すべてが未来の神話時代の世界を織り成す縦糸、横糸として語られる。どの作品も個別に完成度が高く感動的である。M.ナイト シャマランあたりが映画化したらいいなと思う大変な名作。

関連書評:

・HPO:個人的な意見 ココログ版: [書評]キリンヤガ
http://hidekih.cocolog-nifty.com/hpo/2004/02/post_5.html



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Posted by daiya at 2007年01月28日 23:59 このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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Comments

キリンヤガ、好きです。

私も昔書評書きました。

トラックバックなくなっちゃったのですね。

Posted by: ひでき at 2007年02月06日 16:36

すみませぬ。コメントスパム、トラックバックスパムが1日に10万件近くあったため、当面停止しているんですよ。

直接記事内にリンクをはらせて頂きました。

Posted by: daiya at 2007年02月06日 18:03

あ、ありがとうございました。

リファラ見て気づいて、御礼にきました。

Posted by: ひでき at 2007年02月08日 21:50
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