2007年03月11日
ナショナル・ストーリー・プロジェクト
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すばらしい企画だと思う。3ヶ月かけて毎晩少しずつ読んだ。
ポール・オースターがラジオ番組から、全米のリスナーに対して、あなたが語るべき人生の物語を投稿してほしいと呼びかけた。あらゆる年齢、性別、職業、人種の人々から、何千編もの実話の投稿が集まった。どの話も、語り手にとって人生の中で人に語りたいことが数ページに濃縮されている。オースターはその中から珠玉の180編を選び出して番組で放送した。そしてこの本ができた。
初恋のときめき、愛する人との別れ、壮絶な戦争体験、犯罪や暴力の体験、信じられない奇跡体験、動物の話、学生時代の思い出、九死に一生を得た事件事故など、ストーリーはバリエーションが豊かである。なにげない日常生活の中に自分の人生の意味を見出した話もある。「アメリカが物語るのが聞こえる」。20世紀のアメリカが丸ごとこの本に入っているのだ。
各国でナショナル・ストーリー・プロジェクトを立ち上げて、外国のストーリーを読みあったら有意義だろうなと思った。第二次世界大戦を描いた映画「硫黄島からの手紙」には、捕虜のアメリカ兵の残した母親からの手紙を日本兵が読む場面がある。出征した息子へのアメリカ人の母親の手紙は、敵は鬼畜ばかりだと思っていた日本兵たちの心をうった。
小説や映画原作を書きたいという人にとっても、この本は話のタネが満載だから、かなり参考になるのではないかと思う。
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Posted by daiya at 2007年03月11日 23:59
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