2006年11月13日
現代語訳 般若心経
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著者は僧侶で芥川賞作家の玄侑 宗久。
まず般若心経を全文引用してみる。
仏説摩訶般若波羅蜜多心経
観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空
度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空
空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相
不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中
無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法
無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽
乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得
以無所得故 菩提薩 依般若波羅蜜多故
心無礙 無礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想
究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故
得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多
是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪
能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪
即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦
菩提薩婆訶 般若心経
全文で262文字に釈迦の教えが凝縮されている。意味の圧縮率が抜群である。
著者によれば、般若とは理知によらない体験的な、全体性の知の様式のこと。「般若波羅蜜多」とは般若によって理想郷に渡ること、知慧の完成した状態を指す。このお経は般若波羅蜜多に至るための呪文なのである。
有名な「色即是空、空即是色」という節は、私たちが見たり感じたりするすべて(色)は実相ではなく、変化し続ける空であり、変化し続ける空だからこそ、そこからあらゆるものが立ち上がってくるのだという意味。これは無から何かが生まれてくる量子力学の世界観に似ていると著者は指摘する。
「こうした認識が仏教的認識と重なるのは、じつは偶然ではありません。「原子物理学と人間の認識」というボーアの論文のなかには、「われわれは仏陀や老子がすでに直面した認識論的問題に向かうべきである」と書かれています。」
「ハイゼンベルクは講義録『物理学と哲学』(1955−56)のなかで、「第二次世界大戦以降における物理学への日本の大きな貢献は、おそらく、極東の伝統的哲学的思想と量子理論の哲学的本質との間にある種の近縁性があることを示唆している。」
量子力学そのものが仏教哲学にインスパイアされたものであった可能性があるのだ。こういった現代的な知見を使ったわかりやすい解釈がこの解説本の魅力である。もちろん、頭でわかることを超えることが般若ではあるのだが。
そして続く第二部の般若心経の現代語訳は短いが、著者の渾身の翻訳文が示されており、本書のクライマックスである。なるほど全文ではこういう意味だったのかと、お経を聞くのが楽しくなってくる。
・Yahoo!ショッピング - 般若心経枕カバー
http://store.yahoo.co.jp/yume/24553.html
すごい。夢にでそう。何が。
・般若心経
http://www.dynasys.co.jp/FreeSoft/Hnw/index.htm
般若心経の表示と読経ソフト。
・高野山真言宗成田山真如院
http://www.naritasan.org/
般若心経Flash。
・The Heart Sutra
http://kr.buddhism.org/zen/sutras/conze.htm
般若心経の英訳。日本語よりわかりやすいかも。
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Posted by daiya at 2006年11月13日 23:59
mixiにてマイミクになっていただいております、富永(ぬわあ)と申します。
大也さんも般若心経について書かれているとはビックリしました。
私はつい先日、広島・宮島にてダライ・ラマ法王から灌頂を授かり、その際に般若心経を唱えたりするシーンがありました。
また、NHKでも般若心経にも絡むドラマ「ウォーカーズ 迷子の大人たち」というのがはじまりましたね。