2006年10月25日
人間はどこまで耐えられるのか
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・人間はどこまで耐えられるのか
人間はどのくらい高く登れるのか、深く潜れるのか、速く走れるのか、どのくらいの暑さ、寒さに耐えられるのか、宇宙では生きていけるのか。オックスフォード大学の生理学部教授が書いた、生命の極限状況を見極める研究レポート。
冒険者やアスリートの挑戦、遭難者の体験、科学者の人体実験から集めた極限の数字が紹介される。
暑さ 50度
寒さ マイナス数十度、風速による
高さ 8000メートル(偶然にも最高峰と同じレベル)
くらいが普通の限界だそうだが、それを超えて生き延びる人たちのサバイバルのノウハウは、いざというときのために覚えおくと良さそうである。一般的な限界と超人的な肉体の持ち主の限界はかなり違うのだということもわかる。
どのくらい速く走れるか、では、陸上競技の選手の例が分析される。
オリンピックを見ていて思うのは記録はどこまで更新されるのかという素朴な疑問。毎年のように何らかの競技の世界新が更新されているが、無限に更新されるわけもないはずだ。Wikipediaには、この100年の100メートル走の記録の推移がグラフ化されている。100年で1秒も速くなっているが、更新間隔は狭まって頭打ちになっていくようにも見える。
・World record progression 100 metres men - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/World_Record_progression_100_m_men
「World record progression for the men's 100 m」
誰でも練習で運動能力は向上するが能力の限界は遺伝子によって決まっているらしい。遺伝子を改造すると8秒台ランナーも出てくるのかもしれない。
どれくらい深く潜れるのかの章を読んでいて、映画「ザ・ダイバー」を思い出した。ロバート・デニーロも出演する感動の人間ドラマ。主人公は20世紀前半の米国海軍の潜水士。黒人として初めてダイバーの資格を得ようと努力する。当時、潜水は極めて危険な職業であった。
水圧や酸素不足との戦いはこの本でも解説されている。水圧調整が効かない昔の潜水服では「最悪の場合、空気を送り込むホースと潜水服のあいだにある逆流防止のバルブが水圧で壊れ、「ダイバーの血液と肉がホースをつたって吸い上げられ、潜水服には骨の一部と肉の破片しか残らない」」。
この他、著者は、宇宙探査における人間の生理や、無酸素、強酸性に生きる生命の研究など、人間と生き物の可能性を徹底的に分析している。
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Posted by daiya at 2006年10月25日 23:59