2006年05月10日
セレブの現代史
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20世紀前半のセレブは「偉大で天才」であり、後半は「名前と製品」になった、という。かつてセレブの中心はハリウッド映画スターであった。天性の才能や絶世の美貌を持った天に輝く星であった。それが1950年代、映画産業の斜陽化によりスターシステムが崩壊し、同時にテレビが一般に普及することで、スターはお茶の間に登場する身近な存在に変質した。視聴者はスターの表舞台だけでなく、私生活、ライフスタイルにまで興味を持ち始める。
それは同時にスターが製品の広告塔になる時代の幕開けだった。celebrityはセールスのための道具になり、にっこり微笑みながら商品を宣伝するセールスパワーに化けた。米国の広告マンが書いたsellebrityという題名の書籍も紹介されている。
・Sellebrity: My Angling and Tangling With Famous People
スターの宣伝効果が明確になると、凡庸な才能の人間でも演出でスター化するセレブ製造システムが確立され、ファンを市場とした巨大セレブインダストリーが形成されていく。すべては作り物であるし、視聴者も半分それを見抜いているのだが、変化を求める女性と10代の若者を中心に、その影響力は増大し続けている。
この本は各分野のセレブの変化を各章で実名や写真を見せながら、解説していく構成。
第1章 セレブの誕生
第2章 映画スターのセレブ
第3章 テレビのセレブ
第4章 ポップスのセレブ
第5章 アートとセレブ
第6章 ファッションとセレブ
第7章 女性とティーンズ
第8章 政治とセレブ
第9章 セレブ・テン・ギャラリー
米国の各分野のセレブが具体名であがっていたのが、とても勉強になった。同時に日本のセレブについても知りたくなってしまった。特に芸能系。セレブは有名人のはずだが、正直なところ、「私にとっては」あまり有名でないからである。私が無知ともいえるのだけれども...。
セレブインダストリーの顧客は女性と若者と書かれている。もう私は若者ではなく、オヤジらしい。10年前ならちゃんと状況にキャッチアップできていた。30代、40台のビジネスマンは芸能番組やワイドショーをあまり見る時間がない。仕事で必要なマーケティング知識として勉強や研究の対象としてみてしまうことが多くなる。純粋に憧れたり、そうなりたいとは思わなくなる気がする。
そんな私だけれどもセレブにキャッチアップするのに気に入っているサイトがある。
・芸能証券 - 芸能トレンドポータル
http://www.gse.jp/
「
「芸能証券」とは、芸能人の話題性を「株価」に見立てて、日々の値動きを記録していく「芸能トレンドポータルサイト」です。米国最大のブログ検索エンジンを運営する「テクノラティジャパン」より検索結果の提供をいただき、芸能証券の独自技術によりトレンドを株価として算出しています。
」
このサイトは芸能人を株式に見立てて市況をレポートするサイトである。
いま第1位は小泉今日子でこんなかんじだ。
・小泉今日子 - 芸能証券:マーケット速報
http://www.gse.jp/quote?s=1206&p=m5,m25&t=3m&q=c
企業株式に東証や店頭、NASDAQなどがあるように、市場区分がある。名前が笑える。
「
芸証1部・2部
すでに世間一般に幅広く認知されている銘柄の市場です。上場にあたっては、実績、活動状況、メディアへの露出度、ファンクラブ、ホームページなどについて、上場基準を満たしているか芸能証券取引所が厳正に審査を行います。
GASDAQ(ギャスダック)
芸証1部・2部の上場基準よりおおむね緩やかな市場であるため、成長途上の一般芸能人のほか、ミュージシャン、スポーツ選手・文化人など、多様な銘柄が所属しています。上場にあたっては、芸能証券取引所が審査を行います。
芸証シスターズ
新興女性アイドルが所属する市場です。芸証1部・2部への昇格を目指します。「近くにいる妹のような存在」のイメージからシスターズと名づけられました。上場にあたっては、芸能証券取引所が審査を行います。
芸証ペガサス
新興お笑い芸人が所属する市場です。芸証1部・2部への昇格を目指します。ペガサスのように空高く羽ばたいてほしいとの願いから名づけられました。上場にあたっては、芸能証券取引所が審査を行います。
」
ユーザが新しい芸能人を登録して上場させることもできる。新規上場銘柄を見ていれば、最近の新人がわかる。マーケット概況も真面目に書かれていて楽しい。スキャンダルや不名誉なことがあると、たとえば、
・芸能証券運営局 スタッフブログ ≫ Blog Archive ≫ コード9001上場廃止のお知らせ
http://blog.gse.jp/staff/?p=13
「コード9001堀江貴文は、重大な疑義が発生し、今後の芸能活動が極めて困難であることから、芸能証券取引所の判断により、本日付けで上場廃止を決定いたしました。」
こんなニュースと共に上場廃止されてしまったりもする。
とりあえず、ここを見ていれば、オヤジでもブログで人気のセレブは楽しく把握できる。
かつてセレブ製造の中心が、映画からテレビにシフトした時代があった。セレブの未来史にネットが及ぼす影響はどんなものになるだろうか。芸能証券はそのサービス説明の中で、
「
未来予測性
チャートやテクニカル指標を用いることにより、近い将来のトレンドをいち早く察知できます。現在は知名度が低くても、将来性のある芸能人を見つけ出せるので、キャスティングなどにも有効にご利用いただけます。
」
という項目を入れている。少なくともネットは才能の発掘の場にはなりつつあるようだ。
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Posted by daiya at 2006年05月10日 23:59 | TrackBack