2006年03月07日

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・ジョエル・オン・ソフトウェア―ソフトウェア開発者、設計者、マネージャ、それに幸か不幸か何らかの形で彼らと働く羽目になった人々が関心を抱くであろう、ソフトウェア、並びに往々にしてソフトウェアに関連する諸所の問題について
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マイクロソフトのExcelなど何百万人が使うアプリケーションの設計と開発に取り組んできた著者が、自分のブログで公開しているソフトウェア開発論。理想的な開発マネジメントがいかにあるべきか、自身の経験から得た奥義を語る素晴らしい内容。

・Joel on Software 日本語版
http://japanese.joelonsoftware.com/

目次:

01 Bits and Bytes:プログラミングのプラクティス(言語の選択、基本に帰れ ほか)
02 開発者のマネジメント(採用面接ゲリラガイド、報奨金有害論 ほか)
03 Being Joel:それほどランダムでもないトピックに関するランダムな考察(リック・チャップマンによる愚かさの探求(あるいは「アホでマヌケな米国ハイテク企業」、この国では犬はどんな仕事をしているの? ほか)
04 .NETについての少し行き過ぎた論評(Microsoft、羽目をはずす、私たちの.NET戦略について ほか)
05 付録 「ジョエルに聞け」選集

マネージャーの視点から、エンジニアの心理特性や陥りがちな罠と回避法、チームの生産性を最大化する方法などが何百もあり、具体的な実例ベースで紹介されるので、読みどころの連続である。

近年、話題のエクストリームプログラミングやアジャイル開発法などとも親和性が高い(一部否定している部分もあるが方向性は似ているようだ)内容になっている。マネジメントと開発チームでこの本の読書会とディスカッションを行えれば、相当の進歩が期待できそうだ。問題はどうしようもない組織ではそうした会合さえ実現しないということもありそうだが...。

この本にはたくさんの知恵がある。ソフトウェア開発の現場で長年採用されてきた「ウォーターフォールモデル」の構造欠陥が多面的に指摘される。見積もりの立て方、エンジニアの採用面接の仕方、バグの発見と修正法、インタフェースの設計とテスト法、マイクロソフト開発部隊の優れた面、創造性を発揮する職場の作り方、そしてジョエルテスト。

・Joel on Software - ジョエル・テスト
http://japanese.joelonsoftware.com/Articles/TheJoelTest.html

ジョエル・テスト



  1. ソース管理システムを使っているか?
  2. 1オペレーションでビルドを行えるか?
  3. 毎日ビルドを行うか?
  4. 障害票データベースを持っているか?
  5. 新しいコードを書くまえにバグを修正するか?
  6. 更新可能なスケジュール表を持っているか?
  7. 仕様書を持っているか?
  8. プログラマは静かな労働環境にあるか?
  9. 買える範囲で一番良い開発ツールを使っているか?
  10. テスト担当者はいるか?
  11. プログラマを採用するときにコードを書かせるか?
  12. 「廊下での使い勝手テスト」を行っているか?

これが著者の「いいプログラムへの12ステップ」である。このリストの項目に共感するプログラマにはとてもおすすめ。


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Posted by daiya at 2006年03月07日 23:59 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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