2005年06月12日
ZARDの初のライブツアーDVD What a beautiful moment
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■カミングアウト。実はファンなのです。
テレビに出ない、ライブをやらない、J-POPの原型アーティストZARDの初ライブツアーDVD。
「2004年3月から行われたZARDの初のライブツアー“What a beautiful moment”の模様をオープニング映像からドキュメント映像に至るまでを収録した初映像作品。オープニング曲「揺れる想い」などヒット曲21曲を収録するほか、特典ディスクも付いた2枚組。」
歌詞が全曲テロップ表示されます。女性ファンのカラオケ対策としても有効。
収録曲:
1.揺れる想い
2.この愛に泳ぎ疲れても
3.もう少し あと少し…
4.あの微笑みを忘れないで
5.世界はきっと未来の中
6.You and me(and…)
7.もっと近くで君の横顔見ていたい
8.明日を夢見て
9.瞳閉じて
10.心を開いて
11.あなたを感じていたい
12.愛が見えない
13.Today is another day
14.来年の夏も
15.My Baby Grand−ぬくもりが欲しくて−
16.君がいない
17.マイフレンド
18.負けないで
19.Pray
20.止まっていた時計が今動き出した
21.Don't you see
【ポイント 1 歌が上手】
まず、感動したのは、ちゃんと歌える歌手だったということ。ZARDがライブをやらないのは、坂井泉水がスタジオでしか歌えないアーティストだからなのではないか、とずっと疑っていたのですが、はっきり違うことが分かりました。CDの声と同じように、きちんと高音まで伸びていて拍手です。何回かギターやピアノ伴奏だけで歌うシーンも収録されています。
録音も音質を重視しており、音楽だけiPodへ持ち込みたい気分です。
【ポイント 2 初々しい】
芸歴が長いアーティストなのに久々のライブで緊張しているのが丸見えで初々しい。最初から最後まで表情は硬く、姿勢も直立不動です。
MCはほとんどありませんが、
・「桜が満開できれいですね」と無難すぎる挨拶
・「良かったら一緒に歌ってください」というありがちな呼びかけと危うげなフォロー
・歌詞を間違って舌を出す癖
・後半でイヤホンの音量が弱いのか耳を押さえた後、不安そうにサビを歌う
など初々しさは見所。
特に特典DISCのEXTRA SHOT Part1は歌詞間違いのハプニング集になっており、必見です。何十回間違えたのでしょうか。会場からは思わず「頑張れー」という声が聞こえます。涙目になっているように見えるシーンもあり、頑張ってます。
【ポイント 3 素顔が分からない】
このDVDの唯一の欠点で最大の特徴は坂井泉水のアップショットが皆無であることです。坂井を今まで通りミステリアスなままにしておく演出のようですが、これはネット上の評価は当然賛否両論あるようです。私はむしろこれでよかったのではないかと思いました。今更、本当の坂井のキャラクターがどんなものであれ、映し出されてしまうと、多くのファンは違和感を持ってしまいそうです。
最後に一言。
構成としてはヒット曲ばかりの曲目、初日と最終日、各地のアンコールを収録しています。バックのバンド(一部はZARDメンバー)の見せ場もたっぷり用意されています。10分近く坂井泉水なしで会場を盛り上げるシーンも良かった。アンコールを普段着っぽい白いセーター姿で歌うシーンはファンならドキっとするでしょう。
丁寧に編集されていて全体としてはすばらしい完成度。ファンなら絶対に買うべきです。
■ZARDのファンにお勧めの他の邦楽と洋楽
私は基本的には洋楽派で邦楽で聴くZARD、夏川りみ、AIKOが例外的な存在なのですが、要は少し甘めで澄んだ高音の女性ボーカルには弱いのです。他のアーティストのリコメンド。
・以前書いた好きなアーティスト評:私の好きな音楽たち
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000742.html
・夏川りみについて:文書アウトライン作成支援ツール iEdit
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/000317.html
夏川りみはシングルコレクションCDが出ていますが、沖縄のルーツを味わうにはこのCDはおすすめ。森山良子作でドラマ主題歌にもなった「5.さとうきび畑」と、ヒット曲「涙そうそう」を森山良子、BIGINとの共演によるボーナストラックがベスト。
ZARDと対照的なライブ派のAIKOのDVD。関西人のノリの良さ全開。バラード「カブトムシ」ももちろんいいですが、やはりファンならば「5.アイツを振り向かせる方法」、「12.ミックス・ジュース」、「13.イジワルな天使よ 世界を笑え」でしょう。
甘めで澄んだ高音の女性ボーカルとして、洋楽ではデビー・ギブソンが大変、おすすめです。
米国におけるDebbie Gibsonの評価は良く分かりません。90年代に米国オレゴン郊外のショッピングモールでBGMとして掛かっていて「おや、やっぱり有名なのか」と思い、去年11月に中国北京のデパートでも流れていて「今頃中国で?」と不思議に思ったりしました。
アイドルとアーティストの中間的存在のようです。Debbie Gibsonの魅力を伝えるアルバムとしてはベスト盤よりもこれがいいでしょう。ただし恐らく彼女の代表曲「Lost In Your Eyes」はここにはありません。気にしませんが。
1 For Better or Worse
2 Didn't Have the Heart
3 Will You Love Me Tomorrow? (Carole King-Gerry Goffin)
7 Think With Your Heart
おすすめ曲は上記のバラードで、3曲目はキャロルキングの名曲カバーです。
甘め、高音の女性ボーカルの皆さんのおすすめを教えてください。
■おまけ、森山良子
上記で森山良子の「さとうきび畑」が出てきたが、これが使われたのはこのドラマ。
最近、原爆や沖縄戦のドラマをいくつか紹介したけれど、明石家さんまと黒木瞳が夫婦を演じるこのドラマも良かった。
・「アトミック・カフェ」と「美しい夏 キリシマ」
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/003460.html
・父と暮らせば
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002020.html
そして森山良子といえば、「あなたが好きで」。これもドラマ「夫婦。」の主題歌に使われたそうですが、コンサートではアンコールで歌う隠れた代表曲だそうです。
私がこの曲を知ったのは昨年のTBS番組ミュージックフェア21。
頼りなく歌いだしたので森山良子の声もさすがに年齢には勝てないか、と油断していたら全体を盛り上げるための見事なダイナミクスの計算で、歌詞のドラマへぐいぐい引き込んでいき、
「
あなたを愛して 私は生きてる
あなたと出逢って 私は生きてる
」
のサビの絶唱で思わず身震い。このオバチャンやはりタダモノでないことを思い知らされた次第。これといったヒット曲もないのに紅白に連続出演しているのも伊達ではないのでした。さすがJ-POPの元祖!
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Posted by daiya at 2005年06月12日 23:59 | TrackBack