2005年06月02日
科学者は妄想する
スポンサード リンク
日本テレビの番組「特命リサーチ200X」の元スタッフで科学ライターである著者が、自分のメールマガジンで発表したネタを中心に書籍化。科学の世界の真面目な珍説、奇説ガイド。
・奇天烈科学top
http://homepage3.nifty.com/kite-tonde/
この本の元ネタとなったメールマガジン。
読みやすくて面白い。
地球温暖化を回避するために地球の位置をずらそうと考えている科学者がいる。心霊体験の本質を実験で解明し、お化けがでまくる幽霊屋敷を人工的につくろうとしている英国の博士がいる。人間がことばを話そうとする直前に出る電気信号を使ってテレパシーを実現する装置を開発したNASAの研究者がいる。脳のある部分を刺激すると幽体離脱体験が生じることを発見したスイスの神経学者がいる。地球の深層には大量のガスがあって石油の原料となっているので石油は今後も枯渇しないと考える高名な天文学者がいる。
そんな正当科学でもトンデモ科学でもない微妙なライン上にいる研究者ばかりをとりあげている。超常現象に関係する研究も多いが、オカルトではなく、その不思議の裏側には科学的原因があるという仮説を立てて、再現しようとしているものが取り上げられるので、しらけずに読み進められる。
たとえば側頭葉てんかんの患者には神を観る、天の声を聞く体験をする人が多いことから、側頭葉に宗教的法悦や神を感じる「ゴッドスポット」が隠れているのではないかという仮説。磁気を側頭葉に当てる人体実験を行い、神を感じることに成功しているらしい。危ない実験なのでその後の再現がなかなかできないそうだが、本当であれば、神さまを必要なときに呼び出すゴッドマシーンがいつか登場するかもしれないという話。つまり神様までつくりだそうとしているマッドサイエンティスト。
人類や世界のあり方そのものを根底から変えてしまうような可能性のある研究が多数ある。学会では異端視されているものが多そうだけれど、将来、正当な科学の世界で本当でしたと発表されるものも2,3ありそうな気がした。
Truth is out there.
・トンデモ科学の見破りかた −もしかしたら本当かもしれない9つの奇説
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001621.html
・フィールド 響き合う生命・意識・宇宙
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002668.html
・科学を捨て、神秘へと向かう理性
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002634.html
・人類はなぜUFOと遭遇するのか
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/002440.html
スポンサード リンク
Posted by daiya at 2005年06月02日 23:59 | TrackBack