2005年02月22日

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・これから情報・通信市場で何が起こるのか IT市場ナビゲーター
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野村総研が2000年から毎年出版しているIT市場ナビゲーターの2005年度版。2009年までのIT市場の各分野の動向予測集。現状分析と予測の根拠、たくさんのグラフがあり、IT分野の企画に関わるマネージャー、マーケター、コンサルタントならば必携の一冊。

それは本音を言ってしまえば野村総合研究所(NRI)が出版しているからだ(笑)。

企画提案において、

「NRIの調べによるとこの分野の市場規模は来年度で○千億円規模です」

と正当に使えば、とりあえず、無難である。

会議で誰もわからない数字があったらトイレでカンニングし、

「先ほどの件ですがDSL市場は2007年度で1730億世帯と予測されていたと思います」

とやればデータマンとして株を上げられる。

少しひねって、

「NRIはこう分析しているが、実態を知るものの意見としては本当はこうなんです」

と”賢いワタシ”をアピールする使い方もあるだろう。

「調べておきます」で後日、メール回答するのにももちろん便利だ。

私も買って2週間で何度も仕事に役立っており、これで2000円は安い。

書評する本ではないが、目次の各章に対して短くつぶやきを書いてみる。

【主要目次】

序章 2009年までのIT市場トレンド

第1章 携帯電話市場
 1.1 キャリア市場
 1.2 モバイルプラットフォーム市場
 1.3 モバイル系コンテンツ市場
 1.4 モバイル系ソリューション市場
 1.5 携帯電話販売代理店市場

携帯電話は2004年1月で契約数8000万。世界での利用者は12億人。2006年10月の番号ポータビリティの導入で携帯キャリアの乗換えが促進される。結果、得をするのはau、損をするのがドコモの見込み。ソフトバンク参入はかく乱要素。キャリア各社は囲い込みに必死なので、他との差別化となるサービス、コンテンツを提供するビジネスが求めれている模様。

第2章 ブロードバンド市場
 2.1 DSL市場
 2.2 FTTH市場
 2.3 ケーブルインターネット市場
 2.4 公衆無線LAN市場
 2.5 専用線・IP-VPN市場
 2.6 ISP市場
 2.7 IP電話市場

2005年にDSLは1600万世帯だが今後の伸びは緩やかに。トリプルプレイ(高速インターネット、IP電話、映像配信)で、FTTHへの移行を進めたいキャリアと、移行メリットを感じないユーザの、かみあわない日々が今後も続く見込み。個人的には”無線LANでユビキタスホーム”系の何かが市場の突破口になるのではないかと思っている。

第3章 eビジネス・ライフ市場
 3.1 インターネット広告市場
 3.2 BtoC EC市場
 3.3 ネットトークション市場
 3.4 オンラインゲーム市場
 3.5 電子書籍市場
 3.6 音楽配信市場
 3.7 映像配信市場
 3.8 eラーニング市場

2003年の広告市場規模は5兆6841億円、インターネット広告市場は2.1%の1183億円。キーワード連動型広告が市場を牽引し順調に成長。ネット通販は2003年に2.2兆円だったが2009年には5.5兆円に達する見込み。日本のコンシューマの消費には「利便性消費」「安さ納得消費」「プレミアム消費」「徹底探索消費」のマトリクスがある説に深く共感。この図式は使える。

第4章 放送市場
 4.1 地上デジタル放送市場
 4.2 衛星デジタル放送市場
 4.3 ケーブルテレビ市場

2011年地上波デジタルへの完全移行は、インフラ整備や、ユーザの受像機買い替えペースと歩調が合わず、やはり困難な模様。デジ波は難視聴区域におけるCATVを圧迫するという意見になるほど。1セグ放送は「画像の美しさ」「電池持続時間の長さ」「月額固定料金」が鍵だそうだが、ケータイでテレビを見るかな、私は半信半疑。

第5章 ハード市場
 5.1 デジタル情報家電市場
 5.2 パソコン市場
 5.3 携帯電話端末市場
 5.4 車載情報端末市場
 5.5 デジタルカメラ市場
 5.6 フラットパネルディスプレイ市場

パソコンは途上国の需要増加と先進国の2台目需要が牽引で単価下落、成長率は相当低くなるとのこと。まさにそれはiMac Mini。携帯電話端末はローエンドへシフトの見込み。高い最新の高機能携帯の時代が終わるのか。

第6章 プラットフォーム市場
 6.1 電子認証市場
 6.2 課金・決済市場
 6.3 ICカード市場
 6.4 RFID市場

RFIDの有望分野は 製造業(生産管理)、アパレル(流通)、運輸業(管理)、スーパーマーケット(実証実験レベル)と、生活者から距離。2009年度のRFID関連市場規模は1000億円。小さいと思う。2009年には次の技術が登場しているのではないか?。私たちが生活の中で利用する技術にはならないのだろうか。

第7章 セキュリティ市場
 7.1 ウィルス対策市場
 7.2 不正アクセス防止製品市場
 7.3 電磁波問題対策市場
 7.4 バイオメトリクス認証機器市場

企業システムのウィルス対策市場は2003年で310億円。2009年に440億円。コンシューマ向けは2003年に220億円が、2009年に560億円へ。携帯電話向けやデジタル情報家電向けのウィルス対策市場が潜在するという。ウィルスが勝手に電話をかけたり、ビデオ録画したりするのはPC以上に怖い。ありえる話だ。

仕事で即使える本である。

・現代消費のニュートレンド―消費を活性化する18のキーワード
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/001859.html


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Posted by daiya at 2005年02月22日 04:05 | TrackBack このエントリーを含むはてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加
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